2022.12.31
2022年は3種目で5個の日本記録が誕生した。そのうち2つは一人が樹立したもの。
インターハイ3連覇の呪縛から解放
かつて“天才ハードラー”として大きな注目を集めていた福部真子(日本建設工業)が、ついに覚醒した。
中学時代に四種競技優勝。広島皆実高では100mハードルに専念し、インターハイ3連覇の偉業を成し遂げた。高校生のうちから日本選手権の決勝に残り、東京五輪の開催決定と相まって大きな期待を背負うことになる。
だが、その重圧と呪縛に長い間、苦しむことになる。「インターハイ3連覇は重かった」と後に振り返る福部。日体大に進学してからは、自己ベストを更新するまで3年かかり、一時は400mハードルへも挑戦した。
大学卒業と同時に引退も考えたが、競技継続を決意。社会人になってからも練習環境に悩み、良い記録を出してもなかなか安定しなかった。コロナ禍もあって、またも引退が頭をよぎったが、「広島に帰ってやってみたい」と帰郷。福部は息を吹き返した。
今年は日本選手権で初優勝。6月の布勢スプリントでは、寺田、青木に続いて3人目の12秒台ハードラーとなった。そしてオレゴン世界選手権に初出場。準決勝では12秒82の日本記録を樹立した。
しかし、福部の視線には「世界」がある。目指すのはパリ五輪のファイナル。帰国は常に練習でも世界のトップ選手をイメージしている。9月の全日本実業団対抗では12秒73という衝撃的なレコードを打ち立て、来年のブダペスト世界選手権の参加標準記録(12秒78)も突破した。
「私は天才ではない」。何が記録につながったと聞かれれば「苦しんだことも含めて、これまで経験したことすべてがつながっている」と言う。福部には胸を張って言えることが一つある。「これまで練習で一度も手を抜いたことはない」。
あきらめない才能。続ける才能。覚醒した天才ハードラーは、もっともっと世界の頂へと上っていく。
次ページ 女子100mH日本歴代10傑
インターハイ3連覇の呪縛から解放
かつて“天才ハードラー”として大きな注目を集めていた福部真子(日本建設工業)が、ついに覚醒した。 中学時代に四種競技優勝。広島皆実高では100mハードルに専念し、インターハイ3連覇の偉業を成し遂げた。高校生のうちから日本選手権の決勝に残り、東京五輪の開催決定と相まって大きな期待を背負うことになる。 だが、その重圧と呪縛に長い間、苦しむことになる。「インターハイ3連覇は重かった」と後に振り返る福部。日体大に進学してからは、自己ベストを更新するまで3年かかり、一時は400mハードルへも挑戦した。 大学卒業と同時に引退も考えたが、競技継続を決意。社会人になってからも練習環境に悩み、良い記録を出してもなかなか安定しなかった。コロナ禍もあって、またも引退が頭をよぎったが、「広島に帰ってやってみたい」と帰郷。福部は息を吹き返した。 今年は日本選手権で初優勝。6月の布勢スプリントでは、寺田、青木に続いて3人目の12秒台ハードラーとなった。そしてオレゴン世界選手権に初出場。準決勝では12秒82の日本記録を樹立した。 しかし、福部の視線には「世界」がある。目指すのはパリ五輪のファイナル。帰国は常に練習でも世界のトップ選手をイメージしている。9月の全日本実業団対抗では12秒73という衝撃的なレコードを打ち立て、来年のブダペスト世界選手権の参加標準記録(12秒78)も突破した。 「私は天才ではない」。何が記録につながったと聞かれれば「苦しんだことも含めて、これまで経験したことすべてがつながっている」と言う。福部には胸を張って言えることが一つある。「これまで練習で一度も手を抜いたことはない」。 あきらめない才能。続ける才能。覚醒した天才ハードラーは、もっともっと世界の頂へと上っていく。 次ページ 女子100mH日本歴代10傑 ◇女子100mH日本歴代10傑 12.73 1.1 福部真子(日本建設工業) 2022.9.25 12.86 -0.2 青木 益未(七十七銀行) 2022.4.10 12.87 0.6 寺田明日香(ジャパンクリエイト) 2021.6.1 13.00 0.7 金沢イボンヌ(佐田建設) 2000.7.16 13.00 1.5 鈴木 美帆(長谷川体育施設) 2021.6.6 13.02 1.4 池田久美子(スズキ) 2007.4.29 13.02 -0.6 紫村 仁美(佐賀陸協) 2013.6.8 13.02 1.1 清山ちさと(いちご) 2022.7.9 13.03 -0.6 木村 文子(エディオン) 2013.6.8 13.08 0.2 石野 真美(長谷川体育施設) 2006.10.22RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2026.09.01
清田真央がキヤノンAC九州で現役復帰! ロンドン世界陸上マラソン代表
2026.09.01
日立に小池彩加が新加入 静岡国際3000m障害7位 日本選手権にも出場
2026.09.01
Daiichi Lifeグループの柳井桜子が8月末で退部「心から感謝」
-
2026.09.01
-
2026.09.01
-
2026.08.31
-
2026.08.28
-
2026.08.05
-
2026.08.09
Latest articles 最新の記事
2026.09.01
清田真央がキヤノンAC九州で現役復帰! ロンドン世界陸上マラソン代表
キヤノンアスリートクラブ九州は9月1日、清田真央が同日付で加入したことを発表した。 清田は32歳。愛知・中京大中京高では全国大会で入賞し、卒業後はスズキに入社した。15年アジア選手権5000m4位入賞などの実績を重ねて、 […]
2026.09.01
日立に小池彩加が新加入 静岡国際3000m障害7位 日本選手権にも出場
日立は9月1日、同日付で小池彩加がチームに加入したことを発表した。 小池は宮城県出身の33歳。高校時代は中距離を中心に取り組んでいたが、東北福祉大進学後に3000m障害を始め、2015年の日本インカレでは3位に入賞するな […]
2026.09.01
Daiichi Lifeグループの柳井桜子が8月末で退部「心から感謝」
Daiichi Lifeグループは9月1日、所属していた柳井桜子が8月31日付で退部、退社したことを発表した。 柳井は大阪・薫英女学院時代にインターハイに出場して1500mで8位。日体大では日本インカレ10000m5位の […]
2026.09.01
トヨタ自動車陸上長距離部のチーム愛称が「LEGACIA」に決定! 新たなロゴも発表
トヨタ自動車は9月1日、陸上長距離部のチーム愛称を「LEGACIA(レガシア)」とすることを発表した。 トヨタ自動車の長距離部は、1985年に陸上部から独立する形で発足した。全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)には独 […]
2026.09.01
世界アルティメット選手権に北口榛花、中島佑気ジョセフら 110mHは3人がエントリーへ
今年、初めて開催される世界アルティメット選手権(ハンガリー・ブダペスト)の出場ラインを表す「Road to Ultimate」を世界陸連(WA)が更新した。 この大会は、世界選手権のない2年に一度、「世界最高峰の大会を開 […]
Latest Issue
最新号
2026年9月号 (8月17日発売)
滋賀IH総特集
山口全中展望
アジア大会代表Close up