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2022.07.30

栁田大輝&佐藤圭汰メダル挑戦 男女競歩金メダル候補 女子400mH松岡萌絵、やり投も表彰台圏内/U20世界選手権展望
栁田大輝&佐藤圭汰メダル挑戦 男女競歩金メダル候補 女子400mH松岡萌絵、やり投も表彰台圏内/U20世界選手権展望

U20世界選手権が8月1日から6日までコロンビア・カリで行われる。今回で2年連続19回目の開催。日本はコロナ禍で昨年のナイロビ大会派遣を見送っており、2018年タンペレ大会以来2大会ぶりに選手34名(男子25名、女子9名)を送り込む。7月29日に発表されたエントリーリストを元に、日本勢の活躍を展望する(文中の出場者リストは今季ベストでの順番)。

男子はハードル種目や4継も上位候補

100mには栁田大輝(東洋大)がエントリーしている。6月の日本選手権で出したU20日本歴代3位の10秒16は、出場者リストで4番目。3位の栁田は、オレゴン世界選手権4×100mリレーに出場。予選で失格となったが、アンカーを務めた。前回のU20金メダリストで9秒94のU20世界記録を持つレツィル・テボゴ(ボツワナ)といった強敵も参戦する見込みだが、2014年ユージン大会で銅メダルに輝いた桐生祥秀(東洋大/現・日本生命)以来となる表彰台に挑む。この他、U20日本選手権覇者の藤原寛人(中大)も出場する。

他の短距離勢は200mに舘野峻輝(東洋大)、400mに昨年の日本インカレ王者・友田真隆(東理大)と有田詞音(九州共立大)が出場。1つでも上のラウンドを突破してほしいところ。そしてスプリント勢が結集する4×100mリレーも注目だ。栁田、藤原、舘野に、池下航和(環太平洋大)が加わるだろう。U20日本記録の39秒01を更新してメダルを期待したい。

800mには、日本選手権で高校歴代2位の1分47秒69をマークした後田築(創成館高3長崎)と東秀太(広島経大)がエントリー。1500mの間瀬田純平(早大)は故障で代表を辞退した大塚直哉(立大)の想いも込めた走りを見せるだろう。

3000mと5000mには佐藤圭汰(駒大)と吉岡大翔(佐久長聖高3長野)の2選手が出場。まずは初日の5000mで弾みをつけたいところだ。栁田とともに日本陸連のダイヤモンドアスリートである佐藤は、5月のゴールデンゲームズinのべおかでU20日本新の13分22秒91をマーク。出場者リストは6番目につける。アフリカ勢相手に食らいついてメダルをつかみたいところ。また、U20日本選手権を制した吉岡は、佐藤の持つ高校記録(13分31秒19)更新の可能性もある。5000mで好成績を挙げて5日目の3000mにつなげてほしい。

U20規格(高さ99.1cm)の110mハードルで13秒4台の記録を持つ阿部竜希(順大)と真名子凌成(福岡大)、400mハードルで50秒台をマークしている森髙颯治朗(近大)と小川大輝(東洋大)は4人とも出場者リストでは10位以内に入る。決勝進出が手の届くところだ。3000m障害の黒田朝日(青学大)と大沼良太郎(城西大)は自己ベスト更新が入賞へのカギを握る。

10000m競歩は4月の全日本競歩輪島大会U20・10kmで優勝(41分11秒)した下池将多郎(鹿児島工高3)と2位(41分18秒)の大家利公(順大)が出場。トラックやロードを含めた出場者リスト2位、3位と上位を占め、2014年の松永大介(東洋大/現・富士通)以来4大会ぶりの金メダルや日本勢ワン・ツーも射程圏内だ。オレゴンで活躍したシニアに続き、競歩大国ニッポンをアピールしてほしい。

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原口篤志(東大阪大)と水谷翼(福岡大)が出場する棒高跳も上位入賞の可能性がある。エントリーリストには反映されていないが、原口は7月18日の記録会で出場者リスト3位タイに相当する5m45(U20日本歴代4位)に成功。一方、U20日本選手権で5m30を跳んでいる水谷はリスト9位タイにつける。そろってベストパフォーマンスを発揮してほしい。

また、走幅跳にはU20日本選手権覇者の渡邉希(筑波大)と昨年の福井インターハイ覇者・北川凱(東海大)が登場。やり投には中村竜成(国士大)と井上堅斗(九州共立大)が出場する。自己ベスト付近の記録を出せば8位以内に入りそうだ。

女子は少数精鋭ながら入賞量産の可能性も

1500mには柳樂あずみ(名城大)と澤田結弥(浜松市立高2静岡)が出場。アフリカなど海外勢相手に予選を突破して、決勝は粘りのレースで入賞に挑戦してほしい。

短距離系種目でただ1人代表に選ばれたのが、400mハードルの松岡萌絵(中大)だ。日本選手権で出した57秒57(U20日本歴代4位)は、出場者リスト3位となる。この種目では、2010年モンクトン大会の三木汐莉(東大阪大)の銅メダル以来を手にすることができるか。

さらにメダルが期待されるのが10000m競歩だ。大山藍(鹿児島女高2)と柳井綾音(立命大)が挑む。今春の全日本競歩輪島大会U20・10kmでは大山が45分19秒で優勝し、柳井は45分21秒で2位。トラックとロードを含めた出場者リストでは1、2位を占める。昨夏に競歩を始めて、今季大きく成長している大山と、昨年のインターハイ5000m競歩優勝の柳井。主導権を握って男子と同じく上位独占を狙う。

走幅跳代表は日本勢ただ1人の高校1年生・近藤いおん(城西高・東京/流山ホークアイ)。世界舞台で思う存分の試技を見せてほしい。

ハンマー投にはU20日本記録(62m88)保持者・村上来花(九州共立大)が出場する。昨年秋に膝の靭帯を断裂する大ケガに見舞われたものの、この春に復帰。今季初の60m台(60m31)まで調子を取り戻してきた。今後の弾みとなる投てきに注目だ。

昨年の福井インターハイ1位の村上碧海(日体大)と2位の辻萌々子(九州共立大)が出場するやり投も注目種目。出場リストでは、今季57m22を放った辻が4位、村上が56m30で5位につけており、メダル獲得の可能性もある。タンペレ大会は、桑添友花(筑波大/現・日本栄養給食協会)が銀メダルを獲得しており、再びメダルを手にすることができるか。

U20世界選手権で実績を残した選手はその後も活躍している。タンペレ大会で男子走幅跳の金メダルを獲得した橋岡優輝(日大/現・富士通)が、昨年の東京五輪で6位。女子3000mVの田中希実(ND28AC/現・豊田自動織機)は東京五輪1500mで8位入賞を果たした。カリの地からどんな逸材が現われるか。目が離せない6日間となりそうだ。

U20世界選手権が8月1日から6日までコロンビア・カリで行われる。今回で2年連続19回目の開催。日本はコロナ禍で昨年のナイロビ大会派遣を見送っており、2018年タンペレ大会以来2大会ぶりに選手34名(男子25名、女子9名)を送り込む。7月29日に発表されたエントリーリストを元に、日本勢の活躍を展望する(文中の出場者リストは今季ベストでの順番)。

男子はハードル種目や4継も上位候補

100mには栁田大輝(東洋大)がエントリーしている。6月の日本選手権で出したU20日本歴代3位の10秒16は、出場者リストで4番目。3位の栁田は、オレゴン世界選手権4×100mリレーに出場。予選で失格となったが、アンカーを務めた。前回のU20金メダリストで9秒94のU20世界記録を持つレツィル・テボゴ(ボツワナ)といった強敵も参戦する見込みだが、2014年ユージン大会で銅メダルに輝いた桐生祥秀(東洋大/現・日本生命)以来となる表彰台に挑む。この他、U20日本選手権覇者の藤原寛人(中大)も出場する。 他の短距離勢は200mに舘野峻輝(東洋大)、400mに昨年の日本インカレ王者・友田真隆(東理大)と有田詞音(九州共立大)が出場。1つでも上のラウンドを突破してほしいところ。そしてスプリント勢が結集する4×100mリレーも注目だ。栁田、藤原、舘野に、池下航和(環太平洋大)が加わるだろう。U20日本記録の39秒01を更新してメダルを期待したい。 800mには、日本選手権で高校歴代2位の1分47秒69をマークした後田築(創成館高3長崎)と東秀太(広島経大)がエントリー。1500mの間瀬田純平(早大)は故障で代表を辞退した大塚直哉(立大)の想いも込めた走りを見せるだろう。 3000mと5000mには佐藤圭汰(駒大)と吉岡大翔(佐久長聖高3長野)の2選手が出場。まずは初日の5000mで弾みをつけたいところだ。栁田とともに日本陸連のダイヤモンドアスリートである佐藤は、5月のゴールデンゲームズinのべおかでU20日本新の13分22秒91をマーク。出場者リストは6番目につける。アフリカ勢相手に食らいついてメダルをつかみたいところ。また、U20日本選手権を制した吉岡は、佐藤の持つ高校記録(13分31秒19)更新の可能性もある。5000mで好成績を挙げて5日目の3000mにつなげてほしい。 U20規格(高さ99.1cm)の110mハードルで13秒4台の記録を持つ阿部竜希(順大)と真名子凌成(福岡大)、400mハードルで50秒台をマークしている森髙颯治朗(近大)と小川大輝(東洋大)は4人とも出場者リストでは10位以内に入る。決勝進出が手の届くところだ。3000m障害の黒田朝日(青学大)と大沼良太郎(城西大)は自己ベスト更新が入賞へのカギを握る。 10000m競歩は4月の全日本競歩輪島大会U20・10kmで優勝(41分11秒)した下池将多郎(鹿児島工高3)と2位(41分18秒)の大家利公(順大)が出場。トラックやロードを含めた出場者リスト2位、3位と上位を占め、2014年の松永大介(東洋大/現・富士通)以来4大会ぶりの金メダルや日本勢ワン・ツーも射程圏内だ。オレゴンで活躍したシニアに続き、競歩大国ニッポンをアピールしてほしい。 原口篤志(東大阪大)と水谷翼(福岡大)が出場する棒高跳も上位入賞の可能性がある。エントリーリストには反映されていないが、原口は7月18日の記録会で出場者リスト3位タイに相当する5m45(U20日本歴代4位)に成功。一方、U20日本選手権で5m30を跳んでいる水谷はリスト9位タイにつける。そろってベストパフォーマンスを発揮してほしい。 また、走幅跳にはU20日本選手権覇者の渡邉希(筑波大)と昨年の福井インターハイ覇者・北川凱(東海大)が登場。やり投には中村竜成(国士大)と井上堅斗(九州共立大)が出場する。自己ベスト付近の記録を出せば8位以内に入りそうだ。

女子は少数精鋭ながら入賞量産の可能性も

1500mには柳樂あずみ(名城大)と澤田結弥(浜松市立高2静岡)が出場。アフリカなど海外勢相手に予選を突破して、決勝は粘りのレースで入賞に挑戦してほしい。 短距離系種目でただ1人代表に選ばれたのが、400mハードルの松岡萌絵(中大)だ。日本選手権で出した57秒57(U20日本歴代4位)は、出場者リスト3位となる。この種目では、2010年モンクトン大会の三木汐莉(東大阪大)の銅メダル以来を手にすることができるか。 さらにメダルが期待されるのが10000m競歩だ。大山藍(鹿児島女高2)と柳井綾音(立命大)が挑む。今春の全日本競歩輪島大会U20・10kmでは大山が45分19秒で優勝し、柳井は45分21秒で2位。トラックとロードを含めた出場者リストでは1、2位を占める。昨夏に競歩を始めて、今季大きく成長している大山と、昨年のインターハイ5000m競歩優勝の柳井。主導権を握って男子と同じく上位独占を狙う。 走幅跳代表は日本勢ただ1人の高校1年生・近藤いおん(城西高・東京/流山ホークアイ)。世界舞台で思う存分の試技を見せてほしい。 ハンマー投にはU20日本記録(62m88)保持者・村上来花(九州共立大)が出場する。昨年秋に膝の靭帯を断裂する大ケガに見舞われたものの、この春に復帰。今季初の60m台(60m31)まで調子を取り戻してきた。今後の弾みとなる投てきに注目だ。 昨年の福井インターハイ1位の村上碧海(日体大)と2位の辻萌々子(九州共立大)が出場するやり投も注目種目。出場リストでは、今季57m22を放った辻が4位、村上が56m30で5位につけており、メダル獲得の可能性もある。タンペレ大会は、桑添友花(筑波大/現・日本栄養給食協会)が銀メダルを獲得しており、再びメダルを手にすることができるか。 U20世界選手権で実績を残した選手はその後も活躍している。タンペレ大会で男子走幅跳の金メダルを獲得した橋岡優輝(日大/現・富士通)が、昨年の東京五輪で6位。女子3000mVの田中希実(ND28AC/現・豊田自動織機)は東京五輪1500mで8位入賞を果たした。カリの地からどんな逸材が現われるか。目が離せない6日間となりそうだ。

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