2022.07.08
世界陸上をサポートし続けるTDK
1983年の大会創設から40年目
あくなき挑戦が未来をひきよせる
7月15日に開幕するオレゴン大会で世界陸上競技選手権大会(以下、世界陸上)は40年目を迎える。そのなかで1983年の第1回ヘルシンキ大会から世界陸上をサポートし続けているのがTDKだ。1935年に世界初の磁性材料「フェライト」の事業化を目的として創業した日本企業(当時は東京電気化学工業)は世界陸上とともにグローバル化。これまでにない価値を創造し、テクノロジーの力で世の中に役立ちたいという企業としての想いが陸上競技の支援につながっている。
世界陸上はTDKとともにスタート
世界陸上が始まった1983年は、TDKにとって〝特別な年〟になった。1年前にニューヨーク株式市場に上場した東京電気化学工業株式会社は、社名を「TDK株式会社」に変更。ロンドン株式市場にも上場したからだ。そして、世界陸上へのサポートを開始することになる。
「ブランドと社名を統一して、世界に打って出る時期でした。TDKという名前を訴求したかったのと、スポーツの感動を映像で残してほしい、という考えがありました」と戦略本部広報グループGMの大曲昌夫氏。ビデオテープの拡販という目的もあったという。
当時はカセットテープやビデオテープなど音声や映像を記録する媒体の販売も行っていたTDKだが、現在は法人を対象にした事業であるB to B(Business to Business)がほとんど。消費者と直接的な接点がないため広告宣伝が担う役割はかつてとはだいぶ変わってきた。それでもTDKは世界陸上競技連盟(ワールドアスレティックス)および、同連盟が主催する世界陸上のスポンサーをそのまま継続している。一つの競技団体の世界大会を、初回からこれだけ長い年月にわたってサポートし続けている企業はほとんどない。
同社が特に世界陸上を大切にしているのは、「記録と自己への挑戦を続け、未来をひきよせようとしているアスリートの支援をしたいという想いと、独自の技術で未来をひきよせるテクノロジーを生み出し、社会に貢献していく弊社の姿勢が共通する部分があるからです」と大曲氏は話す。

TDKの企業理念、世界陸上を応援する意義などを説明してくれた戦略本部広報グループGMの大曲昌夫氏
TDKは、時代の流れに合わせてかつての主力だった記録媒体事業を他社に譲渡する一方で、M&Aを重ねて事業を拡大。今では生活のあらゆる場面、製品に、TDKの電子部品が活用されている。
社員数も急増しており、現在は世界中で約11万7000人。そのうち日本人は1割未満というグローバル企業になった。世界陸上のゼッケンなどに入る「TDK」の社名は世界各地で勤務している従業員のモチベーションを高めるだけでなく、エンジニアの卵たちに会社の存在をアピールすることにもつながっている。
オレゴン2022大会での取り組み
2017年からは世界陸上の前後に中高生20名ほどを対象にした「Rising Stars Clinic(ライジングスターズ・クリニック)」を行っている。世界トップクラスで活躍している現役アスリートが司会進行やコーチを務める豪華なイベントだ。今年のオレゴン大会では地元出身の英雄である男子十種競技前世界記録保持者のアシュトン・イートン氏(34歳)、それからオレゴン大会に出場する選手らが参加して7月19日に開催する予定だ。
「TDKのコミュニケーションメッセージである『Attracting Tomorrow』と重ね合わせ、これからの新しい未来を切り開こうとする若い方々がトップアスリートと交流し、世界最高峰の挑戦の場に触れていただく機会を提供するという弊社独自の社会貢献活動です。子供の頃の思い出は強烈に残りますし、直接触れ合うことに価値がある。将来、アスリートを目指すきっかけ作りをしたいと考えています」(大曲氏)

2017年のロンドン大会(写真)から取り組んでいる中高生を対象にした「Rising Stars Clinic」を今回のオレゴン大会でも実施する
大会に向けては、ブランディングムービー「START BELIEVING IN YOURSELF」を公開中。スタジアムの大型スクリーンに流されるだけでなく、日本国内では東京メトロや京阪神のJR各線の車内映像でも流され、テレビCMも放映予定だ。そして今回は新たな取り組みとして、「トレーラーキャラバン」も実施。アメリカはTDKにとって「非常に重要な拠点」(大曲氏)ということもあり、7月5日から西海岸のTDKの拠点をめぐってオレゴンまで北上。縁日のような雰囲気で世界陸上とTDKをPRしていくという。
TDKの電子部品はスマートフォン、PC、タブレット、ドローン、自動車など私たちが日常生活で馴染みがあるものはもちろん、ありとあらゆるものに搭載されており、同社のWebサイトの「こんなところにTDK」をチェックすると、そのスケールは一目瞭然。世界陸上の会場となるオレゴン大学ヘイワード・フィールドでもさまざまな場所で使われている。その中でも100mスタート後方に設置されているLEDボードには「TDK-Lambdaブランド」の電源製品が初提供となる。

オレゴン大会では、100mスタート後方に設置されるLEDボードに「TDK-Lambdaブランド」の電源製品を初めて提供。大会の運営・演出にも寄与する。写真はドーハ大会の男子100m決勝

「TDK-Lambdaブランド」の電源製品
「スポーツとテクノロジーはすごく親和性があります。プロジェクションマッピングなどは観客や視聴者にとってエンターテイメントになりますし、リプレイ検証などで活躍する仕組みも日々進化している。我々のテクノロジーが世界陸上で何かお役に立てればいいなと思っています」(大曲氏)

2019年ドーハ大会では、その日のトラック競技の最後を締めくくる決勝種目の前に場内が暗くなり、プロジェクションマッピングを用いた選手紹介などの派手な演出が大きな話題に。テクノロジーの進化によって大会の運営も一段と進化した
TDKは2029年まで世界陸連および世界陸上をサポートする契約を結んでおり、今後も陸上競技の普及や発展に貢献していきたい考えだ。
「弊社もダイバーシティになっており、いろんな国籍やバックグラウンドを持つ人たちがグループの中で働いています。世界陸上もグローバルで多くのアスリートが集まる世界的なイベントですので、相通じるものがある。そういうところに参画できるのは非常に光栄で、喜ばしいこと。これからも最大限のサポートをしていきたいですね」(大曲氏)
世界新記録プログラムの協賛もしており、世界新ボーナスとして男子競技には10万ドル、男女混合競技には5万ドルを贈呈。参加するアスリートにとって大きなモチベーションになるだろう。
TDKのロゴが入ったゼッケンは世界陸上のスター選手たちを彩ってきた。今回のオレゴン大会ではどんなニューヒーローが誕生するのか。今後も世界陸上はTDKとともに発展していく。

開幕を待つオレゴン大学のヘイワード・フィールド。アメリカで初開催となる今回の世界陸上ではどんな好記録や名勝負が生まれるだろうか
※この記事は『月刊陸上競技』2022年8月号に掲載しています
<関連リンク>
世界陸上競技選手権大会×TDK ※特設ページ
START BELIEVING IN YOURSELF ※ブランディングムービー
こんなところにTDK ※TDKサイト内
TDK ※公式サイト
世界陸上をサポートし続けるTDK 1983年の大会創設から40年目 あくなき挑戦が未来をひきよせる
7月15日に開幕するオレゴン大会で世界陸上競技選手権大会(以下、世界陸上)は40年目を迎える。そのなかで1983年の第1回ヘルシンキ大会から世界陸上をサポートし続けているのがTDKだ。1935年に世界初の磁性材料「フェライト」の事業化を目的として創業した日本企業(当時は東京電気化学工業)は世界陸上とともにグローバル化。これまでにない価値を創造し、テクノロジーの力で世の中に役立ちたいという企業としての想いが陸上競技の支援につながっている。世界陸上はTDKとともにスタート
世界陸上が始まった1983年は、TDKにとって〝特別な年〟になった。1年前にニューヨーク株式市場に上場した東京電気化学工業株式会社は、社名を「TDK株式会社」に変更。ロンドン株式市場にも上場したからだ。そして、世界陸上へのサポートを開始することになる。 「ブランドと社名を統一して、世界に打って出る時期でした。TDKという名前を訴求したかったのと、スポーツの感動を映像で残してほしい、という考えがありました」と戦略本部広報グループGMの大曲昌夫氏。ビデオテープの拡販という目的もあったという。 当時はカセットテープやビデオテープなど音声や映像を記録する媒体の販売も行っていたTDKだが、現在は法人を対象にした事業であるB to B(Business to Business)がほとんど。消費者と直接的な接点がないため広告宣伝が担う役割はかつてとはだいぶ変わってきた。それでもTDKは世界陸上競技連盟(ワールドアスレティックス)および、同連盟が主催する世界陸上のスポンサーをそのまま継続している。一つの競技団体の世界大会を、初回からこれだけ長い年月にわたってサポートし続けている企業はほとんどない。 同社が特に世界陸上を大切にしているのは、「記録と自己への挑戦を続け、未来をひきよせようとしているアスリートの支援をしたいという想いと、独自の技術で未来をひきよせるテクノロジーを生み出し、社会に貢献していく弊社の姿勢が共通する部分があるからです」と大曲氏は話す。
TDKの企業理念、世界陸上を応援する意義などを説明してくれた戦略本部広報グループGMの大曲昌夫氏
TDKは、時代の流れに合わせてかつての主力だった記録媒体事業を他社に譲渡する一方で、M&Aを重ねて事業を拡大。今では生活のあらゆる場面、製品に、TDKの電子部品が活用されている。
社員数も急増しており、現在は世界中で約11万7000人。そのうち日本人は1割未満というグローバル企業になった。世界陸上のゼッケンなどに入る「TDK」の社名は世界各地で勤務している従業員のモチベーションを高めるだけでなく、エンジニアの卵たちに会社の存在をアピールすることにもつながっている。
オレゴン2022大会での取り組み
2017年からは世界陸上の前後に中高生20名ほどを対象にした「Rising Stars Clinic(ライジングスターズ・クリニック)」を行っている。世界トップクラスで活躍している現役アスリートが司会進行やコーチを務める豪華なイベントだ。今年のオレゴン大会では地元出身の英雄である男子十種競技前世界記録保持者のアシュトン・イートン氏(34歳)、それからオレゴン大会に出場する選手らが参加して7月19日に開催する予定だ。 「TDKのコミュニケーションメッセージである『Attracting Tomorrow』と重ね合わせ、これからの新しい未来を切り開こうとする若い方々がトップアスリートと交流し、世界最高峰の挑戦の場に触れていただく機会を提供するという弊社独自の社会貢献活動です。子供の頃の思い出は強烈に残りますし、直接触れ合うことに価値がある。将来、アスリートを目指すきっかけ作りをしたいと考えています」(大曲氏)
2017年のロンドン大会(写真)から取り組んでいる中高生を対象にした「Rising Stars Clinic」を今回のオレゴン大会でも実施する
大会に向けては、ブランディングムービー「START BELIEVING IN YOURSELF」を公開中。スタジアムの大型スクリーンに流されるだけでなく、日本国内では東京メトロや京阪神のJR各線の車内映像でも流され、テレビCMも放映予定だ。そして今回は新たな取り組みとして、「トレーラーキャラバン」も実施。アメリカはTDKにとって「非常に重要な拠点」(大曲氏)ということもあり、7月5日から西海岸のTDKの拠点をめぐってオレゴンまで北上。縁日のような雰囲気で世界陸上とTDKをPRしていくという。
TDKの電子部品はスマートフォン、PC、タブレット、ドローン、自動車など私たちが日常生活で馴染みがあるものはもちろん、ありとあらゆるものに搭載されており、同社のWebサイトの「こんなところにTDK」をチェックすると、そのスケールは一目瞭然。世界陸上の会場となるオレゴン大学ヘイワード・フィールドでもさまざまな場所で使われている。その中でも100mスタート後方に設置されているLEDボードには「TDK-Lambdaブランド」の電源製品が初提供となる。
オレゴン大会では、100mスタート後方に設置されるLEDボードに「TDK-Lambdaブランド」の電源製品を初めて提供。大会の運営・演出にも寄与する。写真はドーハ大会の男子100m決勝
「TDK-Lambdaブランド」の電源製品
「スポーツとテクノロジーはすごく親和性があります。プロジェクションマッピングなどは観客や視聴者にとってエンターテイメントになりますし、リプレイ検証などで活躍する仕組みも日々進化している。我々のテクノロジーが世界陸上で何かお役に立てればいいなと思っています」(大曲氏)
2019年ドーハ大会では、その日のトラック競技の最後を締めくくる決勝種目の前に場内が暗くなり、プロジェクションマッピングを用いた選手紹介などの派手な演出が大きな話題に。テクノロジーの進化によって大会の運営も一段と進化した
TDKは2029年まで世界陸連および世界陸上をサポートする契約を結んでおり、今後も陸上競技の普及や発展に貢献していきたい考えだ。
「弊社もダイバーシティになっており、いろんな国籍やバックグラウンドを持つ人たちがグループの中で働いています。世界陸上もグローバルで多くのアスリートが集まる世界的なイベントですので、相通じるものがある。そういうところに参画できるのは非常に光栄で、喜ばしいこと。これからも最大限のサポートをしていきたいですね」(大曲氏)
世界新記録プログラムの協賛もしており、世界新ボーナスとして男子競技には10万ドル、男女混合競技には5万ドルを贈呈。参加するアスリートにとって大きなモチベーションになるだろう。
TDKのロゴが入ったゼッケンは世界陸上のスター選手たちを彩ってきた。今回のオレゴン大会ではどんなニューヒーローが誕生するのか。今後も世界陸上はTDKとともに発展していく。
開幕を待つオレゴン大学のヘイワード・フィールド。アメリカで初開催となる今回の世界陸上ではどんな好記録や名勝負が生まれるだろうか
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