HOME ニュース、国内

2022.04.06

オレゴン世界選手権へ「本番にピークが来るように」陸連が2022年度強化方針発表
オレゴン世界選手権へ「本番にピークが来るように」陸連が2022年度強化方針発表

日本陸連は4月6日、2022年度強化方針を発表。強化委員会のメンバーがオンラインでの会見に登壇し、オレゴン世界選手権や杭州アジア大会に向けての現状について説明した。

山崎一彦強化委員長は、オレゴン世界選手権に向けて「1人でも多く入賞」を目指す構え。その上で、東京五輪の入賞者のパフォーマンスを分析。「かなり高い精度で競技を行わないと到達しないことがわかった」。入賞に向けて「参加標準記録を突破すること、ワールドランキングでは13位相当」が求められ、かつ、大会当日に「海外選手でも自己ベストの98~99%の記録出すこと」が必要となる。

それらを踏まえ、「自己ベストに近い状況で本番に挑むというのが共通理解。選手、コーチ、強化委員会で総力を上げてピークを合わせていく」と、選手が力を発揮できる環境作りを進めていく。

アジア大会については、「2年後のパリ五輪、来年のブダペスト世界選手権とつながっていくため、ワールドランキングのポイント獲得として重要になる」と位置づけており、若手主体などではなく、世界選手権出場圏内の選手を選出していく方針に変わりはない。なお、アジア大会代表は5月24日に発表を予定している。

また、パリ五輪に向けて「U23(23歳未満)をターゲットに強化費を投じている」(山崎強化委員長)とし、「パリ五輪の前年(2023年)に記録を出せるようにサポートしていきたい」と話した。

その後は各種目の担当ディレクターより現状を報告。中長距離・マラソン担当の高岡寿成シニアディレクターは、男子5000m、10000mについては「日本グランプリシリーズからペースメーカーをつけてオレゴン世界選手権の参加標準記録突破を目指してもらいたい」と言う。一方、すでに複数の参加標準記録突破者がいる女子5000m、10000m、そして3人が五輪に出場した男子3000m障害については「グランプリシリーズなど選考会でペースメーカーをつけずに勝負してもらう」と方針を示した。

今は日本の“お家芸”ともいえるメダルの期待が高い競歩は、「1月に宮崎で3週間合宿した。五輪代表は勝木隼人(自衛隊体育学校)を除いて8人が参加。それ以外にも強化対象選手が10人参加して、世界選手権とアジア大会に向けた技術面の確認と修正を図れた」と今村文男シニアディレクター。順調にいけば「男子は20kmと35km両方3名ずつ(※前回Vのワイルドカードを除く)代表を送り込めると思う」と言う。

注目の男子短距離については、「東京五輪の失敗の影響が大きく、仕切り直しのシーズン」と土江寛裕ディレクター。東京五輪までは4×100mリレー金メダルを目指して「ある意味で個人を犠牲にしてもらってきた」が、パリ五輪に向けて「個人で戦うところを強化したい」と反省を生かしていくという。

リレーのヘッドコーチには北京五輪メダリストの高平慎士氏がヘッドコーチに就任。「選手とコミュニケーションをとってほしい」と土江ディレクターは期待を込めた。

日本陸連は4月6日、2022年度強化方針を発表。強化委員会のメンバーがオンラインでの会見に登壇し、オレゴン世界選手権や杭州アジア大会に向けての現状について説明した。 山崎一彦強化委員長は、オレゴン世界選手権に向けて「1人でも多く入賞」を目指す構え。その上で、東京五輪の入賞者のパフォーマンスを分析。「かなり高い精度で競技を行わないと到達しないことがわかった」。入賞に向けて「参加標準記録を突破すること、ワールドランキングでは13位相当」が求められ、かつ、大会当日に「海外選手でも自己ベストの98~99%の記録出すこと」が必要となる。 それらを踏まえ、「自己ベストに近い状況で本番に挑むというのが共通理解。選手、コーチ、強化委員会で総力を上げてピークを合わせていく」と、選手が力を発揮できる環境作りを進めていく。 アジア大会については、「2年後のパリ五輪、来年のブダペスト世界選手権とつながっていくため、ワールドランキングのポイント獲得として重要になる」と位置づけており、若手主体などではなく、世界選手権出場圏内の選手を選出していく方針に変わりはない。なお、アジア大会代表は5月24日に発表を予定している。 また、パリ五輪に向けて「U23(23歳未満)をターゲットに強化費を投じている」(山崎強化委員長)とし、「パリ五輪の前年(2023年)に記録を出せるようにサポートしていきたい」と話した。 その後は各種目の担当ディレクターより現状を報告。中長距離・マラソン担当の高岡寿成シニアディレクターは、男子5000m、10000mについては「日本グランプリシリーズからペースメーカーをつけてオレゴン世界選手権の参加標準記録突破を目指してもらいたい」と言う。一方、すでに複数の参加標準記録突破者がいる女子5000m、10000m、そして3人が五輪に出場した男子3000m障害については「グランプリシリーズなど選考会でペースメーカーをつけずに勝負してもらう」と方針を示した。 今は日本の“お家芸”ともいえるメダルの期待が高い競歩は、「1月に宮崎で3週間合宿した。五輪代表は勝木隼人(自衛隊体育学校)を除いて8人が参加。それ以外にも強化対象選手が10人参加して、世界選手権とアジア大会に向けた技術面の確認と修正を図れた」と今村文男シニアディレクター。順調にいけば「男子は20kmと35km両方3名ずつ(※前回Vのワイルドカードを除く)代表を送り込めると思う」と言う。 注目の男子短距離については、「東京五輪の失敗の影響が大きく、仕切り直しのシーズン」と土江寛裕ディレクター。東京五輪までは4×100mリレー金メダルを目指して「ある意味で個人を犠牲にしてもらってきた」が、パリ五輪に向けて「個人で戦うところを強化したい」と反省を生かしていくという。 リレーのヘッドコーチには北京五輪メダリストの高平慎士氏がヘッドコーチに就任。「選手とコミュニケーションをとってほしい」と土江ディレクターは期待を込めた。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.10.14

細谷恭平が2時間7分20秒で6位 定方俊樹8位 コリルが歴代6位の2時間2分44秒でV/シカゴマラソン

10月13日、第46回シカゴ・マラソンが米国の当地で行われ、男子では細谷恭平(黒崎播磨)が2時間7分20秒で日本人最高の6位に入った。 細谷はスタートから先頭集団でレースを進め、5km14分45秒前後と2時間4分を目指せ […]

NEWS チェプンゲティチが2時間9分56秒!! 女子マラソン初の2時間10分切り達成!世界記録を2分近く更新/シカゴマラソン

2024.10.14

チェプンゲティチが2時間9分56秒!! 女子マラソン初の2時間10分切り達成!世界記録を2分近く更新/シカゴマラソン

シカゴマラソンが10月13日、米国の当地で行われ、女子のルース・チェプンゲティチ(ケニア)が2時間9分56秒で優勝。女子として史上初めて2時間10分を突破するとともに、23年のベルリンにティギスト・アセファ(エチオピア) […]

NEWS くらよし女子駅伝は薫英女学院Aが1時間8分58秒で5年ぶり制覇 2位は豊川A、3位は前回Vの立命館宇治

2024.10.13

くらよし女子駅伝は薫英女学院Aが1時間8分58秒で5年ぶり制覇 2位は豊川A、3位は前回Vの立命館宇治

南部忠平杯第39回くらよし女子駅伝は10月13日、鳥取・倉吉市営陸上競技場を発着とする5区間21.0975kmで行われ、薫英女学院A(大阪)が1時間8分58秒で5年ぶり3回目の優勝を果たした。 同日開催の日本海駅伝と同じ […]

NEWS 高校駅伝前哨戦の日本海駅伝 洛北Aが中盤で主導権握り初優勝 2位は全国V・佐久長聖A

2024.10.13

高校駅伝前哨戦の日本海駅伝 洛北Aが中盤で主導権握り初優勝 2位は全国V・佐久長聖A

第44回日本海駅伝は10月13日、鳥取・倉吉市営陸上競技場を発着点とする7区間42.195kmで行われ、洛北A(京都)が2時間5分45秒で初優勝を遂げた。 大会は女子のくらよし女子駅伝とともに毎年この時期に行われ、全国か […]

NEWS 多田修平100mで10秒22「もどかしい感じやけど、エコパでは調子上げていこう!」

2024.10.13

多田修平100mで10秒22「もどかしい感じやけど、エコパでは調子上げていこう!」

10月13日に行われた熊谷市選手権男子100mに、21年東京五輪代表の多田修平(住友電工)が出場し、10秒22(+1.3)で優勝した。 今季の多田は、4月下旬の織田記念100m予選で右ふくはらぎを肉離れ。パリ五輪出場を目 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年11月号 (10月11日発売)

2024年11月号 (10月11日発売)

●ベルリンマラソン
●DLファイナル
●インカレ、実業団
●箱根駅伝予選会展望

page top