◇世界室内選手権(3月18日~20日/セルビア・ベオグラード)
4年ぶりに開催された世界室内選手権(20年南京大会は来年に延期)が3月18日から3日間、セルビアの首都ベオグラードで開催され、日本勢は7人が出場。メダルや入賞こそなかったものの、室内日本新1、自己新1と屋外シーズン開幕に向けて貴重な経験を積んだ。
最終日に行われた男子60mハードルでは野本周成(愛媛陸協)が、初のシニア世界大会で大健闘を見せた。予選を3着で着順通過すると、1組に出場した準決勝では7秒57の自己新で3着に食い込む力走。3組3着のデヴィッド・キング(英国)と7秒57の同タイム、1000分の1秒までまったく同じ(7秒565)の全体8位タイとなった。
8レーンしかないため、決勝進出を懸けてアスリートビブスを袋に入れた抽選に。袋から引かれたのはキングのビブスで、野本は惜しくも日本人初のファイナルを逃した。だが、「今回はすごくいい経験を積むことができたので、これをアウトドアシーズンに生かしていきたい」と前向きに捉えていた。
女子1500mでは東京五輪8位入賞の田中希実(豊田自動織機TC)が出場。序盤は先頭を引っ張る積極的なレースを見せ、29年ぶり室内日本新となる4分12秒31をマークした。だが、6着にとどまり、全体でも14番目。12人が進める決勝進出にはあと一歩届かなかった。
「初めての室内大会だったのですが、世界陸上やオリンピックのようなワクワク感を持って出場することができた。ただ、その割には自分の思った以上に身体がついてこなかった部分もあるので、今後のシーズンにつなげていきたい悔しさだなと思う」
このほか、男子走幅跳で東京五輪6位入賞の橋岡優輝(富士通)は3回ファウルで記録なし、同走高跳で東京五輪ファイナリストの戸邉直人(JAL)は2m15にとどまって出場12人中最下位と、日本トップジャンパーは悔しい結果に。
橋岡は「まだ自分の中で今回の結果を消化している最中なので、何かこれといったものはまだみつかってはないが、(今季初戦が)いきなり世界室内だったことが原因の一つかなとは考えている。今シーズンはしっかり準備できれば日本記録の更新も狙っていけると思うので、まずは地に足をつけてしっかりと準備していきたい」と雪辱を誓った。
戸邉は「不完全燃焼で終わってしまい、悔しい結果だった。屋外シーズンに向けて、レベルの高い試合に参加でできてプラスになったと思う。世界選手権、アジア大会と大きな試合が続くシーズンになるため、そこでメダル獲得を目指してがんばりたい」とコメントした。
同60mの多田修平(住友電工)は予選をセカンドベストの6秒57で着順通過(2着)したものの、準決勝はフライングのため失格となった。
「決勝のラインが見えていたがそれを達成できず走れずに終わってしまったことが悔しい気持ちでいっぱい。開催される国によってスターターの速度が違っていたり、自分自身がスターターにあわせてしっかり音を聞いて出るということが改めて修正しないといけない点だとわかったため、その点を気をつけながらまた一からがんばりたい」
■日本人全成績
【男子】
・60m 多田修平(住友電工)
予 選 2着 6秒57
準決勝 失格
・60mH 野本周成(愛媛陸協)
予 選 3着 7秒66
準決勝 3着 7秒57=自己新
・60mH 石川周平(富士通)
予 選 7着 8秒07
・走高跳 戸邉直人(JAL)
決 勝 12位 2m15
・走幅跳 橋岡優輝(富士通)
決 勝 記録なし
【女子】
・1500m 田中希実(豊田自動織機TC)
予 選 6着 4分12秒31=室内日本新
・100mH 鈴木美帆(長谷川体育施設)
予 選 6着 8秒32

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.04.22
愛知製鋼にケニア出身の24歳サイモン・ガサ・ムンガイが加入
2025.04.22
東京世界陸上が朝日新聞社とスポンサー契約締結 報道、スポーツ支援の実績で貢献目指す
2025.04.17
駅伝王者に復権した旭化成 選手たちがパフォーマンスを最大限に発揮できた要因とは?
-
2025.04.19
-
2025.04.17
-
2025.04.20
-
2025.04.16
-
2025.04.20
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
2025.03.23
女子は長野東が7年ぶりの地元V アンカー・田畑陽菜が薫英女学院を逆転/春の高校伊那駅伝
-
2025.04.01
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.22
愛知製鋼にケニア出身の24歳サイモン・ガサ・ムンガイが加入
愛知製鋼は4月22日、サイモン・ガサ・ムンガイが新たに加入したとチームのSNSで発表した。 ケニア・マウセカンダリ高出身の24歳。ケニアでは昨年12月のケニアクロスカントリーシリーズ第6戦の10kmシニア男子で5位(32 […]
2025.04.22
東京世界陸上が朝日新聞社とスポンサー契約締結 報道、スポーツ支援の実績で貢献目指す
公益財団法人東京2025世界陸上財団は4月22日、朝日新聞社とスポンサー契約を締結したことを発表した。 朝日新聞社は1879年1月25日に創刊。以来、全国紙として国内外のさまざまなニュース、情報を発信してきたほか、スポー […]
2025.04.22
M&Aベストパートナーズがお披露目会!4月から選手10人で本格始動 神野大地「一枚岩になって戦っていく」
株式会社M&Aベストパートナーズは4月21日、東京都内で同社の陸上部「MABPマーヴェリック」のお披露目会を開いた。 チームは2023年12月に発足。プロランナーとして活動する青学大OBの神野大地をプレイングマネージャー […]
2025.04.21
男子4×100mR代表にサニブラウン、鵜澤飛羽、西岡尚輝らが選出! 9月の世界陸上につながる一戦/世界リレー
日本陸連は4月21日、来月行われる世界リレーの代表メンバーを発表した。 大会は男女の4×100mリレー、4×400mリレー、そして男女混合の4×400mリレーの5種目を実施。日本からは男子4×100mリレーのみを派遣する […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)