写真/Mochizuki Jiro(Agence SHOT/東京五輪)
◇世界室内選手権(3月18日~20日/セルビア・ベオグラード)
世界室内選手権の最終日が行われ、世界記録が2つ、世界タイ記録が1つ生まれた。
歴史的世界新記録を生み出したのは男子棒高跳のA.デュプランティス(スウェーデン)。人類で初めて「6m10」の壁を越える6m20に成功した。
デュプランティスは2020年2月に室内で6m17の世界記録を打ち立て、その翌週に6m18に成功してさらに記録を更新。今年は3月7日に今回と同じベオグラードの競技場で6m19の世界記録を跳んでいたが、その記録をさらに1cm更新した。「ベオグラードが自分の中で永遠に特別な場所になるような気がする」とコメントし、大記録樹立を喜んだ。
昨年は東京五輪で金メダルを獲得。屋外では6m15の記録を持っているデュプランティス。この種目で「鳥人」と称されたS.ブブカ(ウクライナ/当時・ソ連)が史上初めて6m10に到達したのが1991年3月15日。31年の月日を経て、人類は新たな空を切り拓いた。2位には16年リオ五輪金メダルのT.ブラス・シルバ(ブラジル)が室内南米新の5m95で続いた。
もう1つの世界新記録は女子三段跳で誕生。Y.ロハス(ベネズエラ)が昨年自身が打ち立てた室内世界記録(15m43)を29cmも更新、昨年の東京五輪で樹立した15m67の世界記録すら上回る15m74で優勝した。2位にちょうど1m差という大差での圧勝だった。
ロハスは現在26歳で、世界選手権2連覇中(17年ロンドン、19年ドーハ)、東京五輪でも金メダルを獲得している。今回は東京五輪と同様、最終跳躍の6回目で新記録を叩き出した。
「私は16mを跳ぶために生まれてきた。このことで人々が夢を実現できるように、そして陸上が世界最高のスポーツであり続けるようにと、自身を鼓舞している」と語り、女子初の16m台到達へ意欲を見せた。
男子60mハードルでは準決勝で自身の持つ室内世界記録に並ぶ7秒29をマークしたG.ホロウェイ(米国)が6秒39で快勝した。ドーハ世界選手権金メダル、東京五輪銀メダルの実績を持っている。
男子1500mはS.テフェラ(エチオピア)が3分32秒77の大会新で2連覇を達成。東京五輪金メダリストでこの種目の室内世界記録保持者・J.インゲブリグトセン(ノルウェー)は3分33秒02で2位だった。
女子走幅跳は地元・セルビアのI.ブレタ(旧姓スパノヴィッチ)が7m06の今季世界最高で前回大会に続き優勝した。男子3000mは東京五輪10000m金メダルのS.ベルガ(エチオピア)が7分41秒38でV。男子走高跳は禹相赫(韓国)が2m34で制し、女子800mはA.ウィルソン(米国)が1分59秒09のシーズンベストで勝った。
最終種目の4×400mリレーでは、男子はベルギーが3分06秒52、女子はジャマイカが3分28秒40でそれぞれ優勝した。

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