HOME ニュース、海外

2022.03.21

デュプランティスが男子棒高跳人類初6m20を征服!女子三段跳ロハスも特大世界新/世界室内
デュプランティスが男子棒高跳人類初6m20を征服!女子三段跳ロハスも特大世界新/世界室内


写真/Mochizuki Jiro(Agence SHOT/東京五輪)

◇世界室内選手権(3月18日~20日/セルビア・ベオグラード)

世界室内選手権の最終日が行われ、世界記録が2つ、世界タイ記録が1つ生まれた。

歴史的世界新記録を生み出したのは男子棒高跳のA.デュプランティス(スウェーデン)。人類で初めて「6m10」の壁を越える6m20に成功した。

デュプランティスは2020年2月に室内で6m17の世界記録を打ち立て、その翌週に6m18に成功してさらに記録を更新。今年は3月7日に今回と同じベオグラードの競技場で6m19の世界記録を跳んでいたが、その記録をさらに1cm更新した。「ベオグラードが自分の中で永遠に特別な場所になるような気がする」とコメントし、大記録樹立を喜んだ。

昨年は東京五輪で金メダルを獲得。屋外では6m15の記録を持っているデュプランティス。この種目で「鳥人」と称されたS.ブブカ(ウクライナ/当時・ソ連)が史上初めて6m10に到達したのが1991年3月15日。31年の月日を経て、人類は新たな空を切り拓いた。2位には16年リオ五輪金メダルのT.ブラス・シルバ(ブラジル)が室内南米新の5m95で続いた。

もう1つの世界新記録は女子三段跳で誕生。Y.ロハス(ベネズエラ)が昨年自身が打ち立てた室内世界記録(15m43)を29cmも更新、昨年の東京五輪で樹立した15m67の世界記録すら上回る15m74で優勝した。2位にちょうど1m差という大差での圧勝だった。

ロハスは現在26歳で、世界選手権2連覇中(17年ロンドン、19年ドーハ)、東京五輪でも金メダルを獲得している。今回は東京五輪と同様、最終跳躍の6回目で新記録を叩き出した。

「私は16mを跳ぶために生まれてきた。このことで人々が夢を実現できるように、そして陸上が世界最高のスポーツであり続けるようにと、自身を鼓舞している」と語り、女子初の16m台到達へ意欲を見せた。

男子60mハードルでは準決勝で自身の持つ室内世界記録に並ぶ7秒29をマークしたG.ホロウェイ(米国)が6秒39で快勝した。ドーハ世界選手権金メダル、東京五輪銀メダルの実績を持っている。

男子1500mはS.テフェラ(エチオピア)が3分32秒77の大会新で2連覇を達成。東京五輪金メダリストでこの種目の室内世界記録保持者・J.インゲブリグトセン(ノルウェー)は3分33秒02で2位だった。

女子走幅跳は地元・セルビアのI.ブレタ(旧姓スパノヴィッチ)が7m06の今季世界最高で前回大会に続き優勝した。男子3000mは東京五輪10000m金メダルのS.ベルガ(エチオピア)が7分41秒38でV。男子走高跳は禹相赫(韓国)が2m34で制し、女子800mはA.ウィルソン(米国)が1分59秒09のシーズンベストで勝った。

最終種目の4×400mリレーでは、男子はベルギーが3分06秒52、女子はジャマイカが3分28秒40でそれぞれ優勝した。

写真/Mochizuki Jiro(Agence SHOT/東京五輪) ◇世界室内選手権(3月18日~20日/セルビア・ベオグラード) 世界室内選手権の最終日が行われ、世界記録が2つ、世界タイ記録が1つ生まれた。 歴史的世界新記録を生み出したのは男子棒高跳のA.デュプランティス(スウェーデン)。人類で初めて「6m10」の壁を越える6m20に成功した。 デュプランティスは2020年2月に室内で6m17の世界記録を打ち立て、その翌週に6m18に成功してさらに記録を更新。今年は3月7日に今回と同じベオグラードの競技場で6m19の世界記録を跳んでいたが、その記録をさらに1cm更新した。「ベオグラードが自分の中で永遠に特別な場所になるような気がする」とコメントし、大記録樹立を喜んだ。 昨年は東京五輪で金メダルを獲得。屋外では6m15の記録を持っているデュプランティス。この種目で「鳥人」と称されたS.ブブカ(ウクライナ/当時・ソ連)が史上初めて6m10に到達したのが1991年3月15日。31年の月日を経て、人類は新たな空を切り拓いた。2位には16年リオ五輪金メダルのT.ブラス・シルバ(ブラジル)が室内南米新の5m95で続いた。 もう1つの世界新記録は女子三段跳で誕生。Y.ロハス(ベネズエラ)が昨年自身が打ち立てた室内世界記録(15m43)を29cmも更新、昨年の東京五輪で樹立した15m67の世界記録すら上回る15m74で優勝した。2位にちょうど1m差という大差での圧勝だった。 ロハスは現在26歳で、世界選手権2連覇中(17年ロンドン、19年ドーハ)、東京五輪でも金メダルを獲得している。今回は東京五輪と同様、最終跳躍の6回目で新記録を叩き出した。 「私は16mを跳ぶために生まれてきた。このことで人々が夢を実現できるように、そして陸上が世界最高のスポーツであり続けるようにと、自身を鼓舞している」と語り、女子初の16m台到達へ意欲を見せた。 男子60mハードルでは準決勝で自身の持つ室内世界記録に並ぶ7秒29をマークしたG.ホロウェイ(米国)が6秒39で快勝した。ドーハ世界選手権金メダル、東京五輪銀メダルの実績を持っている。 男子1500mはS.テフェラ(エチオピア)が3分32秒77の大会新で2連覇を達成。東京五輪金メダリストでこの種目の室内世界記録保持者・J.インゲブリグトセン(ノルウェー)は3分33秒02で2位だった。 女子走幅跳は地元・セルビアのI.ブレタ(旧姓スパノヴィッチ)が7m06の今季世界最高で前回大会に続き優勝した。男子3000mは東京五輪10000m金メダルのS.ベルガ(エチオピア)が7分41秒38でV。男子走高跳は禹相赫(韓国)が2m34で制し、女子800mはA.ウィルソン(米国)が1分59秒09のシーズンベストで勝った。 最終種目の4×400mリレーでは、男子はベルギーが3分06秒52、女子はジャマイカが3分28秒40でそれぞれ優勝した。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.10.23

今週は宮城、千葉、熊本など12県で開催 都大路目指して仙台育英、八千代松陰、九州学院など強豪が登場/高校駅伝

10月に入って全国高校駅伝(12月22日/京都)出場を懸けた高校駅伝都道府県大会が行われている。 今週は週末にかけて12県で開催される。宮城は男女とも仙台育英がレースの中心となる。タイムも注目だ。また、福島は学法石川がリ […]

NEWS 筑波大競技会5000m パリ五輪マラソン6位の鈴木優花が五輪後初レースで15分47秒80 10000m五輪代表の小海遥が15分29秒41 

2024.10.23

筑波大競技会5000m パリ五輪マラソン6位の鈴木優花が五輪後初レースで15分47秒80 10000m五輪代表の小海遥が15分29秒41 

10月19日に行われた筑波大競技会女子5000mに、パリ五輪マラソン6位の鈴木優花(第一生命グループ)が出場し、15分47秒80をマークした。 鈴木は五輪後初レース。自己ベストの15分30秒14(2022年)には届かなか […]

NEWS ライルズ、インゲブリグトセンらがWAワールド・アスリート・オブ・ザ・イヤーのトラック種目候補選手にノミネート

2024.10.23

ライルズ、インゲブリグトセンらがWAワールド・アスリート・オブ・ザ・イヤーのトラック種目候補選手にノミネート

世界陸連(WA)は10月21日、ワールド・アスレティクス・アワード2024の「ワールド・アスリート・オブ・ザ・イヤー」のトラック種目ノミネート選手を発表した。 パリ五輪金メダリストから男女各5選手が候補に挙げられている。 […]

NEWS アジア選手権代表選考会に奥田啓祐、田上駿、山﨑有紀、ヘンプヒル恵らエントリー

2024.10.22

アジア選手権代表選考会に奥田啓祐、田上駿、山﨑有紀、ヘンプヒル恵らエントリー

来年韓国・クミで行われるアジア選手権の男女混成競技の代表選考会を兼ねた第6回中京大学土曜競技会(10月26、27日)のエントリー選手が発表された。 男子十種競技は8008点の自己記録を持つ奥田啓祐(ウィザス)、田上駿(陸 […]

NEWS 関西実業団駅伝エントリー NTT西日本・小林歩、SGホールディングス・近藤幸太郎、住友電工・田村和希ら登録 上位4チームにニューイヤー駅伝出場権

2024.10.21

関西実業団駅伝エントリー NTT西日本・小林歩、SGホールディングス・近藤幸太郎、住友電工・田村和希ら登録 上位4チームにニューイヤー駅伝出場権

来年元日の全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝/群馬)の予選会を兼ねた第67回関西実業団対抗駅伝(11月10日/和歌山)のエントリーが10月21日、同実業団連盟から発表された。 エントリーは前回出場より1チーム多い13 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年11月号 (10月11日発売)

2024年11月号 (10月11日発売)

●ベルリンマラソン
●DLファイナル
●インカレ、実業団
●箱根駅伝予選会展望

page top