2022.01.14
第40回全国都道府県対抗女子駅伝が1月16日に行われる。コロナ禍で前回は中止で2年ぶりの開催。中学生から、高校、大学、シニアのトップ選手が一堂に会し、“ふるさと”のユニフォームを着てタスキをつなぐ。
たけびしスタジアム京都(西京極)をスタート・フィニッシュに、42.195kmを9区間に分けてつなぐ。優勝争いは兵庫、京都、群馬あたりになりそうだ。
10大会連続中、過去優勝5回を誇る兵庫。その1区を務めそうなのが田中希実(豊田自動織機TC)だ。1500m、3000mの日本記録保持者で、東京五輪1500m8位。田中は西脇工高時代の全国高校駅伝、そして都道府県女子駅伝では3度、この都大路1区の6kmを走っているが、意外にも区間賞はない(2年前は区間2位)。「世界の田中」が区間賞発進するようなことがあれば、2区に入りそうなチームメイトの後藤夢、須磨学園高勢などで主導権を握りそうだ。
京都は現役・OGも含めて立命館宇治高勢がカギを握る。1区が想定される三原梓(日本郵政グループ)、細谷愛子(立命館宇治高)ら、都大路を知り尽くした選手たちが集結。ここに東京五輪10000m代表の安藤友香(ワコール)も加わる。総合力で2年前からの“連覇”、そして最多18回目の優勝をつかみ取れるか。
注目なのが群馬。何と言ってもアンカーを務めそうな不破聖衣来(拓大)が強力だ。初10000mながら30分45秒21の日本歴代2位をマーク。駅伝でも無類の強さを誇り、他チームにとっては2分差で逃げてもどうか……という力がある。加えて、復調気配が漂う岡本春美(ヤマダホールディングス)、樺沢和佳奈(資生堂)といった常磐高OGが前半から流れを作りそう。悲願の初優勝へ好機を迎えている。
大阪は中学生以外、OGを含め「オール薫英女学院」で臨む。12月の全国高校駅伝で2位に入ったメンバーが中心だが、大森菜月(ダイハツ)、前田梨乃(豊田自動織機)といったシニア勢がどこまで力を発揮できるか。大学で競技引退を表明している高松智美ムセンビ(名城大)の走りにも注目したい。
福岡、宮城、千葉も上位候補に挙がる。福岡は調子を上げてきた木村友香(資生堂)と、20年の全国高校駅伝で1区独走での区間賞を見せた酒井美玖(デンソー)が有力で、中学生にも全国大会上位選手が控える。宮城は全国高校駅伝を制した仙台育英高勢に勢いがある。米澤奈々香(3年)はシニア級の力を持っている。千葉は今西紗世(八木中)ら中学生が全国トップ級。ここに加世田梨花(名城大)、山崎りさ(日体大)、そして現役を含めた「成田高勢」が主要区間を務める。
注目のランナーには、東京五輪マラソン8位入賞の一山麻緒(ワコール)が地元・鹿児島のアンカーを務めそう。さらに、東京五輪5000m、10000m代表で5000mの日本記録保持者・廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が長崎代表として出場。廣中は中学時代からこの都道府県対抗女子駅伝にめっぽう強い。さらに、今季で引退を発表したレジェンド・39歳になった福士加代子(青森/ワコール)は今大会最年長ランナー。最後の都大路でどんな走りを見せるか。
“花の1区”は豪華絢爛。田中希実と廣中璃梨佳の激突に加え、石川の五島莉乃(資生堂)も区間賞争いに加わるか。そして最長10kmの9区では18歳の不破聖衣来、福士加代子、一山麻緒、木村友香、長野の和田有菜(名城大)、秋田の鈴木優花(大東大)らの名が連なる。
ふるさとのプライドを懸けた決戦。「駅伝日本一」の称号はどの都道府県が手にするのか。
■全国都道府県対抗女子駅伝
1月16日(日)12時30分スタート
・NHK総合テレビで12時15分から生中継

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.04.30
【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
2025.04.29
100mH田中佑美が予選トップ通過も決勝棄権「故障ではない」昨年の結婚も明かす/織田記念
-
2025.04.28
-
2025.04.26
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.01
-
2025.04.12
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.30
【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」
山梨学大の上田誠仁顧問の月陸Online特別連載コラム。これまでの経験や感じたこと、想いなど、心のままに綴っていただきます! 第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」 昨年は記念大会となる第100回箱根駅伝が開催され […]
2025.04.30
【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦
FOCUS! 高校生INTERVIEW 山田大智 Yamada Daichi 西脇工高3兵庫 2025年シーズンが本格的に始まり、高校陸上界では記録会、競技会が次々と開かれています。その中で好記録も生まれており、男子50 […]
2025.04.30
5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場
5月3日に行われる静岡国際のエントリーリストが更新され、現時点で欠場届を提出した選手が判明した。 男子100mはパリ五輪代表の坂井隆一郎(大阪ガス)が欠場。坂井は4月13日の出雲陸上で脚を痛め、29日の織田記念の出場も見 […]
2025.04.30
26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得
世界陸連(WA)は4月29日、2026年に新設する「世界陸上アルティメット選手権」の大会500日前を受け、昨年のパリ五輪の金メダリストに出場資格を与えることを発表した。女子やり投で金メダルを獲得した北口榛花(JAL)も含 […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)