HOME ニュース、海外

2022.01.14

米国の理学療法士にドーピング違反初の刑事訴追 東京五輪代表選手に薬物提供か
米国の理学療法士にドーピング違反初の刑事訴追 東京五輪代表選手に薬物提供か


Mochizuki Jiro(Agence SHOT)

1月12日、米国・ニューヨーク州南部地区連邦検事と連邦捜査局(FBI)がロドチェンコフ反ドーピング法に基づく初めての刑事訴追が行われることを発表した。

運動療法士・自然療法士を自称するエリック・リラ氏が違反薬物をアスリートに摂取させた疑いで起訴されている。リラ氏は昨年の東京五輪で不正を行う目的で、中南米から入手した身体強化薬(PED)を米国へ持ち込み、それらを特定のアスリートに提供したものとみられている。

ロドチェンコフ反ドーピング法は2020年に制定された、ドーピング違反に刑事罰を科すことを可能にする法律。訴状によると、リラ氏は2名のアスリートに対してEPO(エリスロポエチン)を含む薬物を提供していたものとみられている。訴状のなかで「アスリート1」と表現されている人物とのメッセージでのやりとりの内容が女子短距離・走幅跳のB.オカグバレ(ナイジェリア)の状況と合致しており、彼女に対して薬物提供を行った可能性が高いことが現地で報じられている。

オカグバレは昨年の東京五輪女子100m予選のあと、ヒト成長ホルモン(HGH)の陽性反応を示して失格となり、10月にはAIU(アスリート・インテグリティー・ユニット、世界陸連の独立不正監査機関)からHGH、EPO(エリスロポエチン)の所持・使用と調査協力の拒否があったことが発表されていた。2008年北京五輪の走幅跳の銀メダリストで、13年モスクワ世界選手権では走幅跳で銀メダル、200mで銅メダルを獲得するなどの実績がある。

この違反により、最長で10年の禁固刑が科される可能性がある。リラ氏は、不当表示防止法違反の疑いでも起訴されており、こちらは最長5年の禁固刑が法により定められている。

広告の下にコンテンツが続きます
Mochizuki Jiro(Agence SHOT) 1月12日、米国・ニューヨーク州南部地区連邦検事と連邦捜査局(FBI)がロドチェンコフ反ドーピング法に基づく初めての刑事訴追が行われることを発表した。 運動療法士・自然療法士を自称するエリック・リラ氏が違反薬物をアスリートに摂取させた疑いで起訴されている。リラ氏は昨年の東京五輪で不正を行う目的で、中南米から入手した身体強化薬(PED)を米国へ持ち込み、それらを特定のアスリートに提供したものとみられている。 ロドチェンコフ反ドーピング法は2020年に制定された、ドーピング違反に刑事罰を科すことを可能にする法律。訴状によると、リラ氏は2名のアスリートに対してEPO(エリスロポエチン)を含む薬物を提供していたものとみられている。訴状のなかで「アスリート1」と表現されている人物とのメッセージでのやりとりの内容が女子短距離・走幅跳のB.オカグバレ(ナイジェリア)の状況と合致しており、彼女に対して薬物提供を行った可能性が高いことが現地で報じられている。 オカグバレは昨年の東京五輪女子100m予選のあと、ヒト成長ホルモン(HGH)の陽性反応を示して失格となり、10月にはAIU(アスリート・インテグリティー・ユニット、世界陸連の独立不正監査機関)からHGH、EPO(エリスロポエチン)の所持・使用と調査協力の拒否があったことが発表されていた。2008年北京五輪の走幅跳の銀メダリストで、13年モスクワ世界選手権では走幅跳で銀メダル、200mで銅メダルを獲得するなどの実績がある。 この違反により、最長で10年の禁固刑が科される可能性がある。リラ氏は、不当表示防止法違反の疑いでも起訴されており、こちらは最長5年の禁固刑が法により定められている。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.07.13

近大が初優勝!関西勢26年ぶり制覇 ラスト勝負・長葭「自信があった」/日本選手権リレー

◇第109回日本選手権リレー(7月12、13日/岐阜・岐阜・岐阜メモリアルセンター長良川競技場)2日目 日本選手権リレーの男子4×400mリレーが行われ、近大が3分05秒23で初優勝を飾った。関西学連勢では1999年の同 […]

NEWS 月刊陸上競技2025年8月号

2025.07.13

月刊陸上競技2025年8月号

Contents 大会報道 TOKYO to TOKYO 日本選手権 久保 凛 2度目の日本新 﨑山雄太 圧巻の87m16!! 桐生祥秀、帰還 田中希実 4年連続2冠の金字塔 泉谷 標準突破3本で代表内定 鵜澤飛羽 20 […]

NEWS 園田学園大 女子マイルリレー初日本一!立命大との同記録激戦制す「あきらめずに走った」/日本選手権リレー

2025.07.13

園田学園大 女子マイルリレー初日本一!立命大との同記録激戦制す「あきらめずに走った」/日本選手権リレー

◇第109回日本選手権リレー(7月12、13日/岐阜・岐阜・岐阜メモリアルセンター長良川競技場)2日目 日本選手権リレーの女子4×400mリレーが行われ、園田学園大が3分36秒16で優勝した。立命大との同タイムながら着差 […]

NEWS 【男子110mH】権田颯志(安城学園高)13秒97=高2歴代3位タイ

2025.07.13

【男子110mH】権田颯志(安城学園高)13秒97=高2歴代3位タイ

第84回愛知県選手権の2日目は7月13日、愛知・パロマ瑞穂北陸上競技場で行われ、男子110mハードルで権田颯志(安城学園高2愛知)が13秒97(+1.3)の高2歴代3位タイをマークした。 権田は愛知・岡崎翔南中3年時に全 […]

NEWS 【女子200m】バログン・イズミ(千住ジュニア)24秒71=中2歴代6位

2025.07.13

【女子200m】バログン・イズミ(千住ジュニア)24秒71=中2歴代6位

東京都中学総体の2日目は7月13日、東京・上柚木公園陸上競技場で行われ、女子共通200m決勝でバログン・イズミ(千住ジュニア・荒川三2)が24秒71(±0)の中2歴代6位、大会新記録をマークした。 これまでの自己ベストは […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年8月号 (7月14日発売)

2025年8月号 (7月14日発売)

詳報!日本選手権
IH地区大会

page top