写真/時事
東京五輪の陸上競技は7月30日にスタート。イブニングセッションでは最初の決勝種目となる男子10000mが行われた。26分11秒00の世界記録を持つJ.チェプテゲイと今季世界最高の26分33秒93をマークしているJ.キプリモのウガンダコンビが注目を浴びていたが、レースは、もうひとりのウガンダ人が飛び出す展開になった。
S.キッサは序盤で後続に40秒近いリードを奪うと、5000mを14分08秒56で通過。後続の大集団も追い上げ、数秒差で続いた。6400m手前でR.キプルト(ケニア)がトップを奪うと、ほどなくしてキッサがレースをやめた。
後半は徐々にペースが上がり、トップ集団の人数は削られていく。残り600mでアハマド(カナダ)がスパートすると、本格的な仕掛け合いが始まった。残り1周で2019年ドーハ世界選手権5000m2位のS.バレガを先頭にエチオピア勢3人が前に出る。
トップを奪ったバレガが残り200mでさらに切り替えると、ウガンダ勢もペースを上げる。しかし、1500mで3分32秒97のスピードを誇る21歳は最後の直線も強かった。トップを譲ることなく、五輪王者に君臨。優勝タイムは27分43秒22だった。
バレガは「10000mの勝者であるエチオピア人として、ケネニサ・ベケレ以来の金メダルを獲得できたことを本当に誇りに思います」と語り、「強力なウガンダ勢に勝つのは困難でしたが、私は短距離をしていたので、ラスト勝負には自信がありました」と振り返る。「可能であれば、今後もオリンピックでもっと多くのことを成し遂げていきたい。ケネニサのように伝説を作りたいと思います」と力強く話した。
2位はチェプテゲイで27分43秒63、3位はキプリモで27分43秒88。長距離2冠を狙ったチェプテゲイの夢は1種目で砕かれた。日本勢は相澤晃(旭化成)が17位(28分18秒37)、伊藤達彦(Honda)は22位(29分01秒31)だった。
モーニングセッションでは女子100m予選が行われ、34歳となり出産も経験しているシェリーアン・フレイザー・プライス(ジャマイカ)が10秒84(+1.3)をマークして組トップ通過。全体トップは今年33歳のM.J.タルー(コートジボワール)で10秒78(-0.3)のアフリカタイ記録。前回女王のE.トンプソン・ヘラー(ジャマイカ)は10秒82(+0.1)だった。
モーニングセッションに行われた男子3000m障害予選で三浦龍司(順大)が8分09秒92の日本記録を樹立すると、男子走高跳予選の戸邉直人(JAL)も2m28を1回でクリア。三浦と戸邉はそれぞれの種目で49年ぶりの決勝進出を決めた。男子400mハードル予選は山内大夢(早大)が通過。イブニングセッション女子5000m予選は日本人3選手が自己ベストを更新すると、14分55秒87(日本歴代2位)をマークした廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が決勝に進出している。
◇陸上競技1日目のメダリスト
男子10000m
金S.バレガ(エチオピア)27分43秒22
銀J.チェプテゲイ(ウガンダ)27分43秒63
銅J.キプリモ(ウガンダ)27分43秒88

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