2025.08.21

FOCUS! 高校生INTERVIEW
小澤耀平 Ozawa Yohei
城西3東京
広島インターハイからまもなく1ヵ月。男子400mを高校歴代8位タイの46秒38で制した小澤耀平選手(城西3東京)にフォーカスします。今回のインターハイは大きな変更がありましたが、それをプラスに変えて、栄冠に輝きました。そして、まもなく開催される日・韓・中ジュニア交流競技会(8月23日~29日/中国・内モンゴル自治区)の日本代表にも選出された小澤選手。激闘のインターハイを振り返り、今後の目標について語っています。
有利に感じた“変更”
――広島インターハイでは優勝おめでとうございました。日が少し経ちましたが、今の心境は。
小澤 高校生にとって集大成の大会で優勝できたのはすごく達成感もあったし、うれしかったです。ただ、秋にはU20日本選手権などこの先もまだ大会があるので、喜びは2日間くらいで切り替えました。今はまた油断できないと気を引き締めています。
――インターハイの400mは当初、初日に予選と準決勝、2日目に決勝という日程でしたが、開幕3日前に予選、決勝の2レース(決勝はタイムレース)に変更することが発表されました。どんな影響がありましたか。
小澤 昨年のインターハイは1日3レースで、最後の決勝は体力がなくなってしまい、8位という結果でした。今年は1日1本で、2レースというのも中学の全国大会で経験していたので、自分にとっては有利というか、“良い風”が吹いてくれたように感じました。
――予選は9組を47秒48で1着通過でした。
小澤 顧問の山村貴彦先生から「予選は前の組を見て、決勝は良いレーンをもらえるぐらいのタイムを出しておこう」という話がありました。47秒4ぐらい出しておけばと思っていたので、大体思い通りのタイムでした。
――決勝は1組で高校歴代8位タイの46秒38をマークしました。
小澤 僕がもし2、3組目で、先の組で良いタイムを出されたら、心が折れてしまうかもしれなかったので、1組目になったのを生かして、2組目以降にプレッシャーを与えるつもりでした。レースは前半から落ち着いて入って、後半で切り替えてすごいタイムを出すというプラン通りの走り。南関東大会で出した自己ベスト(46秒60)より上げられたのは自信になりました。
――暑さの影響は。
小澤 サポートで来てくれた人たちがウォーミングアップ中に熱中症対策で氷などを首に当ててくれたりしたので、影響は全然なかったです。
――走り終わって、あとの組を待っている間や優勝が決まった瞬間の心境を教えてください。
小澤 46秒3台なら「優勝できたのかな」という気持ちはありましたが、持ちタイムから一気に上がることも400mでは多々あるので怖かったですし、ずっと願っていました。優勝が決まった瞬間は、決勝で一緒に走ったメンバーも一緒に喜んでくれたので、めちゃくちゃうれしかったです。
――ご家族やチームメイトなど、周囲の人たちの反響は。誰からのどんな言葉がうれしかったですか。
小澤 すごかったです。少し経ってスマホを開いたら、友達や親戚からたくさんの連絡が来ていました。なかでも今まで練習でも厳しく言われてきたのもあって、山村先生から「おめでとう」と握手していただいたのが最も心に響きました。
――顧問の山村先生は現役時代、400mで五輪や世界選手権で出場していますが、高校時代は28年前のインターハイで優勝しています。
小澤 先生と同じようにインターハイで優勝したい思いは強かったです。
――今後の試合予定や目標は。
小澤 日韓中ジュニア交流競技会(陸上競技は8月25日と27日、会場は内モンゴル自治区の包頭師範学院陸上競技場など)では、日の丸を背負うことが幼い頃からの夢だったので出場できることがうれしいですし、日本代表として出場するからには他国の選手に勝ち切り、あこがれだった国旗を手に写真を撮ることを目標にしています。9月のU20日本選手権では、山村先生の高校歴代4位のタイム(46秒10)を上回って、10月の国民スポーツ大会では300m(少年A)になりますが32秒台を出して優勝したいです。
――46秒10は行けそうな手応えがありますか。
小澤 練習の中でも400mのロング系のメニューをやっているので、これからスピード系のメニューをどんどん取り入れて、まだ弱い200mの走りを速くしていければ、400mのタイムも自然に伸びるのかなと思っています。
――あこがれの選手や目標の選手はいますか。
小澤 インターハイの400mで優勝した平川慧さん(東洋大)や菊田響生さん(法大)を見てきて、「インターハイ王者」という肩書きがカッコ良いなとずっと思っていました。平川さんのフォームが好きで、菊田さんは昨年、一緒に走った時に後半の強さが全然違ったので、その2人は特にあこがれています。
――競技者としての今後の目標は。
小澤 高校卒業後は大学進学の予定で、そのまま400mをがんばります。できれば1年目から日本インカレの決勝に行けたらいいなと思っています。
有利に感じた“変更”
――広島インターハイでは優勝おめでとうございました。日が少し経ちましたが、今の心境は。 小澤 高校生にとって集大成の大会で優勝できたのはすごく達成感もあったし、うれしかったです。ただ、秋にはU20日本選手権などこの先もまだ大会があるので、喜びは2日間くらいで切り替えました。今はまた油断できないと気を引き締めています。 ――インターハイの400mは当初、初日に予選と準決勝、2日目に決勝という日程でしたが、開幕3日前に予選、決勝の2レース(決勝はタイムレース)に変更することが発表されました。どんな影響がありましたか。 小澤 昨年のインターハイは1日3レースで、最後の決勝は体力がなくなってしまい、8位という結果でした。今年は1日1本で、2レースというのも中学の全国大会で経験していたので、自分にとっては有利というか、“良い風”が吹いてくれたように感じました。 ――予選は9組を47秒48で1着通過でした。 小澤 顧問の山村貴彦先生から「予選は前の組を見て、決勝は良いレーンをもらえるぐらいのタイムを出しておこう」という話がありました。47秒4ぐらい出しておけばと思っていたので、大体思い通りのタイムでした。 ――決勝は1組で高校歴代8位タイの46秒38をマークしました。 小澤 僕がもし2、3組目で、先の組で良いタイムを出されたら、心が折れてしまうかもしれなかったので、1組目になったのを生かして、2組目以降にプレッシャーを与えるつもりでした。レースは前半から落ち着いて入って、後半で切り替えてすごいタイムを出すというプラン通りの走り。南関東大会で出した自己ベスト(46秒60)より上げられたのは自信になりました。 ――暑さの影響は。 小澤 サポートで来てくれた人たちがウォーミングアップ中に熱中症対策で氷などを首に当ててくれたりしたので、影響は全然なかったです。 ――走り終わって、あとの組を待っている間や優勝が決まった瞬間の心境を教えてください。 小澤 46秒3台なら「優勝できたのかな」という気持ちはありましたが、持ちタイムから一気に上がることも400mでは多々あるので怖かったですし、ずっと願っていました。優勝が決まった瞬間は、決勝で一緒に走ったメンバーも一緒に喜んでくれたので、めちゃくちゃうれしかったです。 ――ご家族やチームメイトなど、周囲の人たちの反響は。誰からのどんな言葉がうれしかったですか。 小澤 すごかったです。少し経ってスマホを開いたら、友達や親戚からたくさんの連絡が来ていました。なかでも今まで練習でも厳しく言われてきたのもあって、山村先生から「おめでとう」と握手していただいたのが最も心に響きました。 ――顧問の山村先生は現役時代、400mで五輪や世界選手権で出場していますが、高校時代は28年前のインターハイで優勝しています。 小澤 先生と同じようにインターハイで優勝したい思いは強かったです。 ――今後の試合予定や目標は。 小澤 日韓中ジュニア交流競技会(陸上競技は8月25日と27日、会場は内モンゴル自治区の包頭師範学院陸上競技場など)では、日の丸を背負うことが幼い頃からの夢だったので出場できることがうれしいですし、日本代表として出場するからには他国の選手に勝ち切り、あこがれだった国旗を手に写真を撮ることを目標にしています。9月のU20日本選手権では、山村先生の高校歴代4位のタイム(46秒10)を上回って、10月の国民スポーツ大会では300m(少年A)になりますが32秒台を出して優勝したいです。 ――46秒10は行けそうな手応えがありますか。 小澤 練習の中でも400mのロング系のメニューをやっているので、これからスピード系のメニューをどんどん取り入れて、まだ弱い200mの走りを速くしていければ、400mのタイムも自然に伸びるのかなと思っています。 ――あこがれの選手や目標の選手はいますか。 小澤 インターハイの400mで優勝した平川慧さん(東洋大)や菊田響生さん(法大)を見てきて、「インターハイ王者」という肩書きがカッコ良いなとずっと思っていました。平川さんのフォームが好きで、菊田さんは昨年、一緒に走った時に後半の強さが全然違ったので、その2人は特にあこがれています。 ――競技者としての今後の目標は。 小澤 高校卒業後は大学進学の予定で、そのまま400mをがんばります。できれば1年目から日本インカレの決勝に行けたらいいなと思っています。高1当初は「キツくて少し逃げたかった」
――陸上を始めたきっかけは。 小澤 小学5年生の時にそれまでやっていた空手をケガもあって辞めて、それから地元のクラブチームに入りました。大会に出たりはせず、身体を動かすことがメインの半分遊びのようなチームで、6年生まで週1回通っていました。中学は陸上部が強い学校に入りたいと思い、母親が調べてくれた明星学園中へ進みました。 ――400mはいつ、どんなきっかけで始めたのですか。 小澤 中学の顧問の先生から勧められて、3年生から始めました。最初のレース(4月上旬の国士舘競技会)で51秒67を出し、あと少しで全中の参加標準記録(当時は51秒60)を切れそうと思ったことと、後半にそこまで落ちなかったので、ちょっとセンスを感じちゃいました(笑)。 ――実際に全中へ出場して4位に入っています。 小澤 2年生の時の自分からは全国大会に出られるなんて考えられなかったので、メダルには届かなかったですけど、めちゃくちゃうれしかったです。 ――高校は城西高に進学されました。 小澤 400mで実績がある山村先生に教えていただきたいと思っていました。練習内容も自分に合っていると感じましたし、新たな環境で新しい友達を作るのが好きというのもあります。 ――入学当初の目標は。 小澤 400mは正直キツくて、少し逃げたい気持ちがあって、できれば200mとかで良い結果を出していきたいと考えていました。でも、ロングスプリントの先輩たちが練習や大会でがんばっているのがカッコ良くて、自分ももう一度がんばろうかなと。高1の10月の記録で久しぶりに400mに出ました。 ――高校の練習はレベルが高いと感じましたか。 小澤 朝練習はないし、放課後の練習時間も2時間半ぐらいですが、さすが強豪校という感じの練習メニューで、めちゃくちゃ質が高いなと思いました。 ――1番きつかったと記憶しているメニューは。 小澤 500mを72秒で走って8分休み、70秒で走って8分休み、68秒で走るというセット系のメニューはすごくきつかった覚えがあります。 ――普段の練習で意識していることは。 小澤 走りのフォームは多少崩れても構わないと思っていますが、決められたタイムは守って1本1本走るようにしています。何本か走るとして、1本目でタイムを遅くしてしまうと、最後まで出し切れないので、とにかく最初から追い込んで走ることを大事にしています。 [caption id="attachment_179836" align="alignnone" width="800"]
小澤選手のプロフィールをチェック!
◎おざわ・ようへい/2007年7月31日生まれ。東京都出身。明星学園中―城西高。小学5年時にクラブチームで陸上を始め、中学とともに本格的に取り組む。2年時までは100mや200mがメインだったが、3年時に400mを始めると、7月には50秒を切り(49秒72)、8月の福島全中では4位入賞を果たした。高校入学後は、4×400mリレーの1走として北海道インターハイに出場し、準決勝進出。鹿児島特別国体では少年B100mに出場し、成年少年共通4×100mリレーでは1走を務め、7位に貢献。U18大会では300mで3位入賞を遂げた。2年時はインターハイ400m8位のほか、佐賀国民スポーツ大会少年A300mでも8位と決勝に進んでいる。今季はインターハイ都大会から安定した走りを見せ、広島インターハイで自身初の全国大会優勝を遂げた。主な自己ベストは400m46秒38(25年/高校歴代8位タイ)。 [caption id="attachment_179834" align="alignnone" width="800"]
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