HOME 東京五輪、日本代表、五輪
日本記録保持者・相澤晃の初五輪10000m入賞まであと26秒「世界との差大きい」
日本記録保持者・相澤晃の初五輪10000m入賞まであと26秒「世界との差大きい」


写真/時事

◇東京五輪(7月30日~8月8日/国立競技場)陸上競技1日目

広告の下にコンテンツが続きます

「入賞が目標。(同じ福島出身の)円谷幸吉さんも1964年の東京五輪10000mで6位入賞されているので、そこを目指したい」

最初の決勝種目となった男子10000mで、この種目の日本記録保持者・相澤晃(旭化成)が偉大な先輩、そして2000年シドニー五輪7位の高岡寿成以来21年ぶりの五輪入賞へチャレンジした。

序盤でS.キッサ(ウガンダ)が単独で飛び出すも、その他は大集団のスローペースで進む。5000mは14分08秒で先頭が通過し、相澤は14分11秒6の14番手だった。

「スローペースで進みましたが、ペースアップについていく余裕がありませんでした」と振り返るように、はたからではわからなかったが、ペース変化が頻繁にあり、徐々に集団が削られていく。7000m以降は集団最後尾で粘ったものの、8000mを過ぎて苦しくなった。

レースは21歳のS.バレガ(エチオピア)がウガンダ勢を抑えて27分43秒22で優勝。東京の蒸し暑さのなかでも、トップ選手は後半の5000mを13分30秒ほどで走破した。相澤はそのスピードについていけず、28分18秒37の17位。入賞となる8位のタイムは27分52秒03で、ターゲットにしていた入賞ラインには26秒届かなかった。
 
「想定よりは涼しかったと思うんですけど、湿度もあって、最後は(体力が)持ちませんでした」と相澤。「まだまだ日本の長距離は世界との差が大きい」と、単純なタイムだけでは表せられない海外勢の強さを痛感した。

円谷幸吉と同じ福島県須賀川市出身。その名を冠したクラブ「円谷ランナーズ」で相澤は走り始めた。福島・学法石川高時代は同学年や後輩の遠藤日向(現・住友電工)のほうが結果を残していたが、東洋大に進学し、4年目には学生界のエースになるまで成長した。今回、同じ代表として走った伊藤達彦(Honda)との箱根駅伝2区の激走はファンの心に刻まれている。

本来行われるはずだった2020年の大学卒業時には、東京五輪はおろか日本選手権の参加標準記録さえ破れていなかった。しかしコロナ禍で延期になったことで状況が一変。20年12月の日本選手権10000mで27分18秒75の日本新記録を樹立して優勝し、五輪代表を勝ち取った。

初めて臨んだ五輪でその壁にはじき返された相澤。「もっと勝負できる種目に転向することも考えていますが、10000mを極めて勝負できるようにしたい気持ちもあります」と、マラソン転向も視野に入れつつ、トラックで再び世界に挑戦する気概を持つ。

オリンピックの舞台で感じたのは「楽しむ」こと。「海外選手はレースに臨む姿勢を楽しんでいるように見えました。次は自分も楽しめるように」。原点を見つめ直すきっかけにもなったようだ。この経験が、相澤をさらに強くするだろう。

写真/時事 ◇東京五輪(7月30日~8月8日/国立競技場)陸上競技1日目 「入賞が目標。(同じ福島出身の)円谷幸吉さんも1964年の東京五輪10000mで6位入賞されているので、そこを目指したい」 最初の決勝種目となった男子10000mで、この種目の日本記録保持者・相澤晃(旭化成)が偉大な先輩、そして2000年シドニー五輪7位の高岡寿成以来21年ぶりの五輪入賞へチャレンジした。 序盤でS.キッサ(ウガンダ)が単独で飛び出すも、その他は大集団のスローペースで進む。5000mは14分08秒で先頭が通過し、相澤は14分11秒6の14番手だった。 「スローペースで進みましたが、ペースアップについていく余裕がありませんでした」と振り返るように、はたからではわからなかったが、ペース変化が頻繁にあり、徐々に集団が削られていく。7000m以降は集団最後尾で粘ったものの、8000mを過ぎて苦しくなった。 レースは21歳のS.バレガ(エチオピア)がウガンダ勢を抑えて27分43秒22で優勝。東京の蒸し暑さのなかでも、トップ選手は後半の5000mを13分30秒ほどで走破した。相澤はそのスピードについていけず、28分18秒37の17位。入賞となる8位のタイムは27分52秒03で、ターゲットにしていた入賞ラインには26秒届かなかった。   「想定よりは涼しかったと思うんですけど、湿度もあって、最後は(体力が)持ちませんでした」と相澤。「まだまだ日本の長距離は世界との差が大きい」と、単純なタイムだけでは表せられない海外勢の強さを痛感した。 円谷幸吉と同じ福島県須賀川市出身。その名を冠したクラブ「円谷ランナーズ」で相澤は走り始めた。福島・学法石川高時代は同学年や後輩の遠藤日向(現・住友電工)のほうが結果を残していたが、東洋大に進学し、4年目には学生界のエースになるまで成長した。今回、同じ代表として走った伊藤達彦(Honda)との箱根駅伝2区の激走はファンの心に刻まれている。 本来行われるはずだった2020年の大学卒業時には、東京五輪はおろか日本選手権の参加標準記録さえ破れていなかった。しかしコロナ禍で延期になったことで状況が一変。20年12月の日本選手権10000mで27分18秒75の日本新記録を樹立して優勝し、五輪代表を勝ち取った。 初めて臨んだ五輪でその壁にはじき返された相澤。「もっと勝負できる種目に転向することも考えていますが、10000mを極めて勝負できるようにしたい気持ちもあります」と、マラソン転向も視野に入れつつ、トラックで再び世界に挑戦する気概を持つ。 オリンピックの舞台で感じたのは「楽しむ」こと。「海外選手はレースに臨む姿勢を楽しんでいるように見えました。次は自分も楽しめるように」。原点を見つめ直すきっかけにもなったようだ。この経験が、相澤をさらに強くするだろう。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

         

Latest articles 最新の記事

2026.06.14

市柏・横山柚希2冠 100m競り勝ち4継は45秒65 市船橋39秒92の大会新 5000m朝倉悠羽が今大会山梨勢初V/IH南関東

◇インターハイ南関東地区大会(6月12~15日/水戸信用金庫スタジアム(笠松運動公園陸上競技場))2日目 滋賀インターハイ出場を懸けた南関東地区大会の2日目が行われ、短距離の横山柚希(市柏2千葉)が女子100mと4×10 […]

NEWS 100m向かい風で佐藤快衛10秒3台連発 遠山あんスプリント2種目V 大豆生田花音が棒高跳3m90 鈴木香凛400mH連覇/IH北関東

2026.06.14

100m向かい風で佐藤快衛10秒3台連発 遠山あんスプリント2種目V 大豆生田花音が棒高跳3m90 鈴木香凛400mH連覇/IH北関東

◇インターハイ北関東地区大会(6月12~15日/水戸信用金庫スタジアム(笠松運動公園陸上競技場))2日目 滋賀インターハイを懸けた北関東地区大会の2日目が行われ、佐藤快衛(西武文理3)と遠山あん(伊奈総合3)の埼玉の男女 […]

NEWS 実力者そろった100mHは中島ひとみが初V! 100mは多田修平が5年ぶり優勝 久保凛は3連覇達成/日本選手権

2026.06.14

実力者そろった100mHは中島ひとみが初V! 100mは多田修平が5年ぶり優勝 久保凛は3連覇達成/日本選手権

◇第110回日本選手権(6月12~14日/愛知・パロマ瑞穂スタジアム)2日目 名古屋アジア大会代表選考会を兼ねた日本選手の2日目が行われ、男子6人、女子2人の計8人が新たにアジア大会代表に内定した。 広告の下にコンテンツ […]

NEWS 【高平慎士の視点】勝利の“経験”生かした多田修平の5年ぶり栄冠 決勝でタイム上げることが世界への課題/日本選手権

2026.06.13

【高平慎士の視点】勝利の“経験”生かした多田修平の5年ぶり栄冠 決勝でタイム上げることが世界への課題/日本選手権

6月13日に愛知県名古屋市のパロマ瑞穂スタジアムで行われた第110回日本選手権の男子100mは、多田修平(住友電工)が10秒17(+0.1)で5年ぶり2度目の優勝を飾り、アジア大会代表に内定した。2008年北京五輪男子4 […]

NEWS やり投・﨑山雄太は貫禄の82m05連覇も「30点」アジアのメダルへ仕切り直し/日本選手権

2026.06.13

やり投・﨑山雄太は貫禄の82m05連覇も「30点」アジアのメダルへ仕切り直し/日本選手権

◇第110回日本選手権(6月12~14日/愛知・パロマ瑞穂スタジアム)2日目 名古屋アジア大会代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、男子やり投は前回Vの﨑山雄太(ヤマダホールディングス)が82m16を投げて優勝。アジア大 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年7月号 (6月12日発売)

2026年7月号 (6月12日発売)

特集 村竹&橋岡&諸田
インターハイ特集!

page top