学生長距離の各チームの主力選手が顔をそろえた男子5000mは1部、2部いずれも熾烈な争いとなった。
1部はサムソン・ディランゴ(流経大)とジェームズ・ブヌカ(駿河台大)が引っ張るかたちで1000mを2分51秒、2000mは5分35秒で通過。ここから徐々に日本人は引き離されていく。注目の三浦龍司(順大)も日本人集団での勝負を選んだ。
ケニア人留学生を追いかける集団を引いたのが5月4日の法大記録会で13分31秒52をマークした千明龍之佑(早大)。積極的な走りで、集団の人数を絞っていく。そして残り1周。バックストレートで千明が仕掛けて、一度は三浦を突き放した。
しかし、3000m障害日本記録保持者の19歳は動じない。「急激なペースアップではなかったので、間に合うかなという感覚でした」と三浦。残り200mからギアを入れ替えると、最後の直線で千明をかわしただけでなく、ブヌカも抜き去った。ディランゴが13分39秒92で10000mとの2冠を達成。圧倒的なキックを披露した三浦が自己ベストの13分48秒90で2位、千明が13分49秒32で3位に入った。
「今回の優先事項は日本人の中で勝ち切ることでしたが、最後に留学生もひとり抜くことができました。2種目にエントリーされた理由は総合優勝を狙うためにあったと思うので、しっかりと結果を残すことができて良かったです」
1500mの優勝に続いて、5000mは日本人トップ。三浦の活躍もあり、順大は16年ぶりの総合優勝を果たした。
2部はイェゴン・ヴィンセント(東京国際大)が強風の中を独走。13分42秒54秒で制して、10000mとの2冠に輝いた。2位はノア・キプリモ(日本薬科大)で13分50秒42だった。
日本人トップ争いは残り1周で10000m3位の唐澤拓海(駒大)、鈴木聖人(明大)、鈴木芽吹(駒大)、吉田礼志(中央学大)の4人。残り300mで唐澤がスパートを放つと、最後の直線で鈴木が追い上げる。だが、唐澤はそのまま前を譲らず、駒大対決を制して13分53秒11で3位に入り、2種目で日本人トップを奪った。
3日前に行われた10000mの疲労があったという唐澤は、「集団のペースに合わせて走り、ラスト400mで出ようと思っていたんですけど、きつかったので残り300mから仕掛けました。狙い通りの展開で日本人トップになれて良かったです」と笑顔で汗を拭った。
今回は普段1段階上の練習をしているという同学年の鈴木にも先着。「自分も芽吹のように戦えるんじゃないかなという自信になりました。学生駅伝では主要区間で区間賞争いできるような選手になりたいです」と声を弾ませた。
一方の鈴木は学生ハーフ(2位)、日本選手権10000m(3位)と主要レースで結果を残してきたが、今大会は集中力を欠いた部分があったという。「これくらいは走れて当然。唐澤に勝たなきゃいけない」と悔しがった。関東インカレはエース田澤廉を温存したかたちになった駒大だが、2年生コンビが王者の貫禄を見せつけた。
文/酒井政人
◇関東インカレ(5月20~23日/神奈川・相模原)
学生長距離の各チームの主力選手が顔をそろえた男子5000mは1部、2部いずれも熾烈な争いとなった。
1部はサムソン・ディランゴ(流経大)とジェームズ・ブヌカ(駿河台大)が引っ張るかたちで1000mを2分51秒、2000mは5分35秒で通過。ここから徐々に日本人は引き離されていく。注目の三浦龍司(順大)も日本人集団での勝負を選んだ。
ケニア人留学生を追いかける集団を引いたのが5月4日の法大記録会で13分31秒52をマークした千明龍之佑(早大)。積極的な走りで、集団の人数を絞っていく。そして残り1周。バックストレートで千明が仕掛けて、一度は三浦を突き放した。
しかし、3000m障害日本記録保持者の19歳は動じない。「急激なペースアップではなかったので、間に合うかなという感覚でした」と三浦。残り200mからギアを入れ替えると、最後の直線で千明をかわしただけでなく、ブヌカも抜き去った。ディランゴが13分39秒92で10000mとの2冠を達成。圧倒的なキックを披露した三浦が自己ベストの13分48秒90で2位、千明が13分49秒32で3位に入った。
「今回の優先事項は日本人の中で勝ち切ることでしたが、最後に留学生もひとり抜くことができました。2種目にエントリーされた理由は総合優勝を狙うためにあったと思うので、しっかりと結果を残すことができて良かったです」
1500mの優勝に続いて、5000mは日本人トップ。三浦の活躍もあり、順大は16年ぶりの総合優勝を果たした。
2部はイェゴン・ヴィンセント(東京国際大)が強風の中を独走。13分42秒54秒で制して、10000mとの2冠に輝いた。2位はノア・キプリモ(日本薬科大)で13分50秒42だった。
日本人トップ争いは残り1周で10000m3位の唐澤拓海(駒大)、鈴木聖人(明大)、鈴木芽吹(駒大)、吉田礼志(中央学大)の4人。残り300mで唐澤がスパートを放つと、最後の直線で鈴木が追い上げる。だが、唐澤はそのまま前を譲らず、駒大対決を制して13分53秒11で3位に入り、2種目で日本人トップを奪った。
3日前に行われた10000mの疲労があったという唐澤は、「集団のペースに合わせて走り、ラスト400mで出ようと思っていたんですけど、きつかったので残り300mから仕掛けました。狙い通りの展開で日本人トップになれて良かったです」と笑顔で汗を拭った。
今回は普段1段階上の練習をしているという同学年の鈴木にも先着。「自分も芽吹のように戦えるんじゃないかなという自信になりました。学生駅伝では主要区間で区間賞争いできるような選手になりたいです」と声を弾ませた。
一方の鈴木は学生ハーフ(2位)、日本選手権10000m(3位)と主要レースで結果を残してきたが、今大会は集中力を欠いた部分があったという。「これくらいは走れて当然。唐澤に勝たなきゃいけない」と悔しがった。関東インカレはエース田澤廉を温存したかたちになった駒大だが、2年生コンビが王者の貫禄を見せつけた。
文/酒井政人 RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.10.19
-
2025.10.19
-
2025.10.20
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/チーム総合(2025年10月18日)
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.10.25
市船橋が男女V 男子は八千代松陰との2時間4分47秒の同タイム決着! 女子は3年連続22回目の都大路/千葉県高校駅伝
全国高校駅伝の出場権を懸けた千葉県高校駅伝が10月25日、県スポーツセンター東総運動場折り返しコースで行われ、男子(7区間42.195km)、女子(5区間21.0975km)ともに市船橋が優勝した。男子は2時間4分47秒 […]
2025.10.25
仙台育英が11年連続の男女V! 男子は2時間1分45秒の大会新 女子は下級生主体で34回目の都大路へ/宮城県高校駅伝
全国高校駅伝の出場権を懸けた宮城県高校駅伝が10月25日、栗原市ハーフマラソンコースで行われ、仙台育英が11年連続の男女Vを果たした。男子(7区間42.195km)は2時間1分45秒の大会新記録で11年連続34回目の制覇 […]
2025.10.25
ハーフマラソン競歩出場の吉川絢斗「収穫あるレースに」 髙橋和生はアジア大会へ「加わりたい」/高畠競歩
◇第62回全日本競歩高畠大会(10月26日/山形・高畠) 来年の名古屋アジア大会の代表選考会を兼ねた第62回全日本競歩高畠大会を翌日に控えた10月25日、マラソン競歩に出場する勝木隼人(自衛隊体育学校)と髙橋和生(ADワ […]
2025.10.25
東京世界陸上35km競歩銅の勝木隼人 マラソン競歩に挑戦「サブスリーを一つの目標に」/高畠競歩
◇第62回全日本競歩高畠大会(10月26日/山形・高畠) 来年の名古屋アジア大会の代表選考会を兼ねた第62回全日本競歩高畠大会を翌日に控えた10月25日、マラソン競歩に出場する勝木隼人(自衛隊体育学校)と髙橋和生(ADワ […]
Latest Issue
最新号
2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望