HOME ニュース、国内

2021.04.04

五輪代表・田中希実が1500mで4分13秒09「春は1500mで記録を」前日失格の川内は5000mに出場
五輪代表・田中希実が1500mで4分13秒09「春は1500mで記録を」前日失格の川内は5000mに出場


◇東京陸協ミドルディスタンス・チャレンジ(4月3、4日/東京・駒沢陸上競技場)

東京五輪女子5000m代表に内定している田中希実(豊田自動織機TC)が、前日の3000m(8分57秒27)に続き1500mに出場。4分13秒09で全体トップだった。

先々週の高松市記録会、先週の明石市春季記録会に続いて、3週連続で2レース出場のハードスケジュールに「疲労感はすごくあった」という。だが、前日は「疲労がある中で、少し練習を落としている状態」と話していたが、「昨日のレースを走って、脚の張りはほぐれ、動きもすごく良くなっているのを感じました」と、昨日よりも良い状態で1500mに臨んだ。

レース前半は、細井衿菜(慶大)がペースメーカーを務め、今季1500mを主戦場とする卜部蘭(積水化学)が田中の前を走った。入りの400mは67秒、800mは2分15秒だったが、そこからペースダウンすると1000mを前に田中は先頭に立った。「ラスト300mを大事にしようと考えていた」と、一気にギアチェンジした田中は、今日のポイントに挙げていたラスト300mを46秒(手元の計測)でカバーし、4分13秒09でフィニッシュした。卜部が4分20秒44で2着。

「先々週4分15秒で走ったので、そのタイムを切るところまでいけるかどうかな……と思っていたんですけど、ラストを上げることができた。考えていなかったような好タイムで走れたので良かったです」と、田中にとって想定以上の走りになった。「(日本グランプリシリーズの)グランプリ種目はだいたい出ていく方向で考えていて、春先は1500mで(記録を)狙っていきたいと思います」と、来週以降も連戦になるが、弾みをつけるレースになったようだ。

前日、男子800mに出場したマラソンの川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)は、今日は5000mに出場。800mはトラックで使用不可のシューズを履いて思わぬ失格となったが、気を取り直してレースに臨んだ。2000mまでは自己記録を狙えるようなペースで進んだものの、徐々にペースダウン。14分36秒21で組12着と奮わず、「練習よりも遅かった」と反省しきりだった。

広告の下にコンテンツが続きます

また、男子1500mでは、群馬・前橋で長期合宿中の南スーダン選手団のグエム・アブラハムが、自身が持っていた従来の記録(3分43秒36)を塗り替え、3分42秒99の南スーダン記録を樹立した。ペースメーカーを務めた楠康成(阿見AC)とは一緒に練習を行ったこともある仲で、レース後には一緒に新記録誕生を喜んだ。

ホームストレートが強い向かい風だったこともあり、全体的に好記録は少なかったが、パラ種目では日本記録も誕生している。男子1500mでは井草貴文(AC KITA)が、T37(脳性麻痺)クラスで、4分28秒94の日本新・アジア新記録を樹立した。従来の日本記録は自身が2015年10月11日にマークした4分31秒96だったが、5年半ぶりに3秒更新。中距離からマラソンまで幅広く取り組むが、東京パラリンピックには1500mでの出場を目指し、「去年の秋ぐらいからは300mや400mのインターバルを多く取り入れて、スピードを強化してきた」といい、今回の快挙につなげた。

パラリンピックに出場するには、参加標準記録(4分23秒86)をクリアし、さらにランキングを上げていかなければならないが、「選考が終わる最後まであきらめずに、パラリンピックに出るつもりで練習を積んでいこうと思います」と、夢の舞台に立つために諦めずに努力を続けていく覚悟だ。男子5000mでは、岩田悠希(one’s)がT20(知的障害)クラスで、こちらも自身がもつ日本記録を1秒更新し、14分31秒75の日本新・アジア新記録を樹立した。

◇東京陸協ミドルディスタンス・チャレンジ(4月3、4日/東京・駒沢陸上競技場) 東京五輪女子5000m代表に内定している田中希実(豊田自動織機TC)が、前日の3000m(8分57秒27)に続き1500mに出場。4分13秒09で全体トップだった。 先々週の高松市記録会、先週の明石市春季記録会に続いて、3週連続で2レース出場のハードスケジュールに「疲労感はすごくあった」という。だが、前日は「疲労がある中で、少し練習を落としている状態」と話していたが、「昨日のレースを走って、脚の張りはほぐれ、動きもすごく良くなっているのを感じました」と、昨日よりも良い状態で1500mに臨んだ。 レース前半は、細井衿菜(慶大)がペースメーカーを務め、今季1500mを主戦場とする卜部蘭(積水化学)が田中の前を走った。入りの400mは67秒、800mは2分15秒だったが、そこからペースダウンすると1000mを前に田中は先頭に立った。「ラスト300mを大事にしようと考えていた」と、一気にギアチェンジした田中は、今日のポイントに挙げていたラスト300mを46秒(手元の計測)でカバーし、4分13秒09でフィニッシュした。卜部が4分20秒44で2着。 「先々週4分15秒で走ったので、そのタイムを切るところまでいけるかどうかな……と思っていたんですけど、ラストを上げることができた。考えていなかったような好タイムで走れたので良かったです」と、田中にとって想定以上の走りになった。「(日本グランプリシリーズの)グランプリ種目はだいたい出ていく方向で考えていて、春先は1500mで(記録を)狙っていきたいと思います」と、来週以降も連戦になるが、弾みをつけるレースになったようだ。 前日、男子800mに出場したマラソンの川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)は、今日は5000mに出場。800mはトラックで使用不可のシューズを履いて思わぬ失格となったが、気を取り直してレースに臨んだ。2000mまでは自己記録を狙えるようなペースで進んだものの、徐々にペースダウン。14分36秒21で組12着と奮わず、「練習よりも遅かった」と反省しきりだった。 また、男子1500mでは、群馬・前橋で長期合宿中の南スーダン選手団のグエム・アブラハムが、自身が持っていた従来の記録(3分43秒36)を塗り替え、3分42秒99の南スーダン記録を樹立した。ペースメーカーを務めた楠康成(阿見AC)とは一緒に練習を行ったこともある仲で、レース後には一緒に新記録誕生を喜んだ。 ホームストレートが強い向かい風だったこともあり、全体的に好記録は少なかったが、パラ種目では日本記録も誕生している。男子1500mでは井草貴文(AC KITA)が、T37(脳性麻痺)クラスで、4分28秒94の日本新・アジア新記録を樹立した。従来の日本記録は自身が2015年10月11日にマークした4分31秒96だったが、5年半ぶりに3秒更新。中距離からマラソンまで幅広く取り組むが、東京パラリンピックには1500mでの出場を目指し、「去年の秋ぐらいからは300mや400mのインターバルを多く取り入れて、スピードを強化してきた」といい、今回の快挙につなげた。 パラリンピックに出場するには、参加標準記録(4分23秒86)をクリアし、さらにランキングを上げていかなければならないが、「選考が終わる最後まであきらめずに、パラリンピックに出るつもりで練習を積んでいこうと思います」と、夢の舞台に立つために諦めずに努力を続けていく覚悟だ。男子5000mでは、岩田悠希(one’s)がT20(知的障害)クラスで、こちらも自身がもつ日本記録を1秒更新し、14分31秒75の日本新・アジア新記録を樹立した。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.07.15

28年ロス五輪の競技日程が決定! T&Fは7月15日~24日 競歩は27日、マラソンは29日と30日に実施

2028年に開催されるロサンゼルス五輪の組織委員会は、大会開幕まで3年となった7月14日、各競技の詳細な日程を発表した。 陸上競技については、すでに昨年6月の段階で、1972年ミュンヘン大会以降は大会後半に行われてきた従 […]

NEWS 1万mに國學院大・野中恒亨、中大・濵口大和、創価大・織橋巧、東洋大・松井海斗ら各校主軸激突/関東学連記録挑戦競技会

2025.07.15

1万mに國學院大・野中恒亨、中大・濵口大和、創価大・織橋巧、東洋大・松井海斗ら各校主軸激突/関東学連記録挑戦競技会

関東学生網走夏季記録挑戦競技会(7月20日/北海道・網走市営陸上競技場)のスタートリストが7月15日、同連盟の公式サイトで発表された。 5組で行われる男子10000mは、最終5組に各大学の主力選手が名を連ねた。國學院大か […]

NEWS 【男子棒高跳】大森蒼以(KPVC・中3埼玉) 5m00=中学歴代2位

2025.07.15

【男子棒高跳】大森蒼以(KPVC・中3埼玉) 5m00=中学歴代2位

7月5日に埼玉県越谷市で開催されたアスリートリンゲージフェスティバルの男子棒高跳で中学3年生の大森蒼以(KPVC・埼玉)が中学歴代2位の5m00をマークした。 大森は2011年3月生まれの14歳。5月には4m90を跳んで […]

NEWS DLロンドン女子5000mに田中希実がエントリー! 男子100mで再びライルズ VS テボゴ アレクナ、マフチフ、ボルらも参戦

2025.07.14

DLロンドン女子5000mに田中希実がエントリー! 男子100mで再びライルズ VS テボゴ アレクナ、マフチフ、ボルらも参戦

7月14日、ダイヤモンドリーグ(DL)第11戦のロンドン大会(英国/7月19日)のエントリーリストが発表され、女子5000mに田中希実(New Balance)が登録された。 田中はこれが今季のDL2戦目。7月上旬の日本 […]

NEWS 男子走幅跳・城山正太郎が優勝 400m佐藤風雅は45秒50の4位 世界陸上出場目指し、日本選手が欧米の競技会に出場/WAコンチネンタルツアー

2025.07.14

男子走幅跳・城山正太郎が優勝 400m佐藤風雅は45秒50の4位 世界陸上出場目指し、日本選手が欧米の競技会に出場/WAコンチネンタルツアー

7月13日に欧米各地で世界陸連(WA)コンチネンタルツアーの競技会が行われ、9月の東京世界選手権の出場を目指す日本人選手たちが奮闘した。 カナダで開催されたWAコンチネンタルツアー・シルバーのエドモントン招待では、男子走 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年8月号 (7月14日発売)

2025年8月号 (7月14日発売)

詳報!日本選手権
IH地区大会

page top