2025.03.09
◇名古屋ウィメンズマラソン2025(3月9日/愛知・バンテリンドーム ナゴヤ発着)
東京世界選手権代表選考会を兼ねたJMCシリーズG1の名古屋ウィメンズマラソンが行われ、シェイラ・チェプキルイ(ケニア)が2時間20分40秒で優勝した。
日本勢最上位の2位には佐藤早也伽(積水化学)が入り、世界選手権参加標準(2時間23分30秒)突破する日本歴代9位となる2時間20分59秒をマークした。
「自己ベスト更新を一番の目標にしてきて、達成できて本当にうれしいです」。20年に初マラソン日本歴代6位(当時)の2時間23分27秒を出した名古屋で、22年ベルリンで出した自己記録を2時間22分13秒を大きく更新してみせた。これには野口英盛監督も「想定以上に走ってくれました」と称えた。
昨年のパリ五輪を逃した経験が佐藤を強くした。「チャンスがあったのに代表権をつかめなかったのは自分でも悔しかったですし、たくさんの応援、サポートをしてもらっているので、しっかり恩返しできるようになりたいと思いました」。
パリを狙って出場した大阪国際女子では、前田穂南(天満屋)が日本新。終盤での失速に課題を感じた。それは野口監督との共通認識。昨年春から「ラスト10kmを克服しようと、ジョグの距離を増やすなどしてきました」。さらに、これまであまり取り入れていなかった40km走にも多めに着手した。
この日も「30km以降の余裕度も、いつもは脚が重くて前に進まないレースが多かったですが、40kmまでは感じずに走れました」。失速してきた後半だったが、36km過ぎにユニスチェビチー・チュンバ(バーレーン)をかわして2番手に上がり、成長した姿を見せた。「すごく練習してきた自信があったので無駄にしたくなかった」。
マラソンを積み上げてきたことでの精神面での成長もある。23km付近のペースメーカーのコース間違いも意に介さず。「これまではちょっとしたペースの変動も焦ることがありましたが、今回はペース変化も気にせずに集中して走れたので成長したと思います」。ようやく「過去の自分を超えられた」と笑顔を見せる。
「大会前はあまり意識してなかった」という世界選手権代表も、選考レースを終えて最速タイムとなりほぼ手中に収めた。前回のブダペスト世界選手権は20位で世界との差を痛感。「8位を目標に取り組んでいましたが達成できなくて、もっと世界で戦えるような選手になりたいと思いました。代表に選ばれたら8位入賞を目標に、先頭集団で勝負できるようにしっかり練習を積んでいきたい」とさらに磨きをかけて“世界”を東京で迎え撃つ構えだ。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
Latest articles 最新の記事
2025.05.20
トーエネックの河合拓巳が引退 ニューイヤー駅伝に2度出場「充実した競技生活を送ることができました」
5月20日、トーエネックは所属する河合拓巳が退部したことを発表した。 河合は26歳。愛知・豊橋工高から本格的に走りはじめ、3年時には県高校駅伝1区3位の実績を残す。大学は駿河台大に進み、1年目から箱根駅伝の予選会のメンバ […]
2025.05.20
サニブラウンが渡米 世界陸上まで4ヵ月切り「危機感足りない」日本選手権に向け転戦予定
男子短距離のサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)が5月20日、拠点とする米国へと向かうにあたり取材に応じた。 18日のセイコーゴールデングランプリについては「左ハムストリングスの付け根の張りがあった」ことで棄権。「ウ […]
2025.05.20
【プレゼント】クレーマージャパンの 「2025サマーウェア(ボタンダウンポロシャツ)」/2025年6月号
クレーマージャパンは、これから迎える本格的な夏シーズンに向けて「2025サマーウェア」のボタンダウンポロシャツおよび半袖Tシャツの受注生産をオンラインショップでスタートした。 ボタンダウンポロシャツは落ち着いたカラーリン […]
2025.05.19
インターハイ都府県大会 明日は鹿児島 週末は各地で一挙開催 愛知、大阪、福岡はハイレベルな戦いの予感
広島インターハイ(7月25日~29日/広島・ホットスタッフフィールド広島=広島広域公園陸上競技場)を目指し、各地で都府県大会が行われている。 ここまで関東8都県と岐阜が終了し、今週以降はさらに大会が集中する。この1週間の […]
2025.05.19
【男子110mH】木村立樹(桜浜中2) 14秒29=中2歴代5位
5月17日に三重県伊勢市の三重交通Gスポーツの杜伊勢・陸上競技場で行われた第2回南勢記録会の中学男子110mハードルで、中学2年生の木村立樹(桜浜中)が中2歴代5位となる14秒29(+1.8)をマークした。 木村は昨年9 […]
Latest Issue
最新号

2025年6月号 (5月14日発売)
Road to TOKYO
Diamond League JAPANの挑戦
村竹ラシッド、三浦龍司が初戦で世界陸上内定
Road to EKIDEN Season 25-26
学生長距離最新戦力分析