男子400mハードルでパリ五輪代表に内定した豊田兼(慶大)がオンラインで会見を開き、初の五輪への意気込みを語った。
6月末の日本選手権では400mハードルを日本人3人目の47秒台となる47秒99で制した豊田。2種目でパリ五輪を目指して110mハードルに出場も、「ハムストリングスの違和感で欠場」。その後は、「万全ではなく練習の制限はありますが、順調に調整できている。出国までできることをやって、現地で出力を上げられれば」と言う。
日本選手権を振り返り、「日本記録まであと0.1秒ですが、まだ自分の中では近くないし簡単ではない」と語る。ただ、レース自体の改善点はまだある。「9、10台目あたりは距離感がわからず詰まってしまい、10台目も少し(ハードルに)ぶつけました。そこを刻めれば0.1秒は縮められたと思います。タイム(のデータ)では6、7台目がやや停滞していたのでそこも改善点」だという。
桐朋高時代から大型ハードラーとして期待されてきた逸材。高3時にはコロナ禍でインターハイが中止となり、「競技場も使えず、学校にも行けず、練習を1人で考えながらやっていました」と、苦しい時期を過ごした。
ただ、競技会が再開して最初のレースだった東京選手権の110mハードルで、高山峻野(ゼンリン)や泉谷駿介(当時・順大、現・住友電工)らと走り、「大学でも続けたい」と気持ちが決まった。「目標をなくなる経験をしたからこそ今がある」。
慶大進学後は、髙野大樹コーチと「4年計画」を立てた。トップクラスとしては異例のハードル2種目での成長と世界大会への出場。4年時のパリ五輪までの道筋を立て、「順調にここまで来られた」。3年目には110mハードルでも躍動。ワールドユニバーシティゲームズでは全カテゴリーを通じて、初の世界一に輝いた。その経験も「陸上界でもっと活躍したい」と思うきっかけとなった。
フランスは父の祖国。そこが初のシニア国際大会となるのも不思議な縁だ。「ルーツのあるフランスの五輪は日々目標にしていたので達成できてうれしいです」と言い、父も「純粋に喜んでくれました」。
400mハードルについては世界クラスのレースは未経験。「前半から置いていかれるレースになると思うので、5台目までついていって、持ち味であるカーブの加速を発揮してくらいつきたい」とイメージする。
初五輪を前に「初めてなので緊張しています」と少し照れくさそうに笑ったが、「最高目標は決勝進出。そのためには自己ベストが必要。大学陸上の集大成。今後のターニングポイントになる」と力強く目標を語った。
パリ五輪の陸上競技は8月1日から11日まで行われる。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.04
パリ五輪競歩代表・濱西諒がサンベルクス退社 「再び日の丸を背負って戦うために」
2025.12.04
飯塚翔太がラオスで陸上競技指導 「飯塚翔太リレーカーニバル」も開催
-
2025.12.04
-
2025.12.04
-
2025.12.03
-
2025.12.02
-
2025.12.02
2025.11.28
青学大、國學院大、中大、早大など11校! 4回目を迎える宮古島大学駅伝の出場予定校発表
-
2025.11.29
-
2025.12.01
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.04
パリ五輪競歩代表・濱西諒がサンベルクス退社 「再び日の丸を背負って戦うために」
24年パリ五輪男子20km競歩代表の濱西諒が12月1日に自身のSNSを更新し、所属していたサンベルクスを11月末で退社したことを発表した。 濱西は大阪府出身で、履正社高から競歩に取り組み、国体優勝など早くから頭角を現した […]
2025.12.04
飯塚翔太がラオスで陸上競技指導 「飯塚翔太リレーカーニバル」も開催
東京世界選手権男子200m代表の飯塚翔大(ミズノ)が11月30日から12月3日まで、ラオスを訪問。4日にリモートで現地で行った活動について報告会見を行った。 飯塚はJICA(国際協力機構)が進める「スポーツを通じて世界平 […]
2025.12.04
世界陸連が走幅跳のルール変更を断念 「テイクオフゾーン」提案も選手からの反発強く
世界陸連(WA)が検討していた走幅跳のルール変更案について、選手からの反発などを受けて撤回されたことを英ガーディアン紙が報じた。 走幅跳では、20cmの踏み切り板とその先に10cmの粘土板が敷かれ、踏み切り板と粘土板の境 […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025