2024.04.15
厳しいトレーニングを可能にするコンディショニングへのこだわり
近年の國學院大學は学生駅伝で毎回のように上位に名を連ね、その存在感を確かなものにしつつある。勢いの原動力は、日々の厳しいトレーニングとそれを可能にするコンディショニングへのこだわりだ。2019年の出雲以来となる学生駅伝優勝、そして悲願でもある正月の駅伝初制覇に向けて、選手たちは互いに刺激し合いながら2024年度のシーズンインを迎えた。
2月以降の各大会で快進撃 「出るレースで勝ちきる」
学生駅伝での〝てっぺん〟に挑戦した昨年度、國學院大學は出雲4位、全日本3位と頂点には届かず、正月決戦も5位に終わった。堂々の成績にも見えるが、納得している選手は1人もいない。だからこそエースの平林清澄(4年)を主将として始動した新チームは、再び〝てっぺん〟を見据え、まずは個々のレベルアップに努めている。
平林とともに1年時から主力の山本歩夢(4年)が、「今季の上半期目標は自分たちが出るレースで勝ち切ること。そういう走りをどれだけできるかが駅伝優勝につながる」と話すように、一人ひとりの選手が2月からの各レースでそれを体現してきた。1区間20km前後という距離の11日の宮古島大学駅伝では、風やアップダウンの激しいタフなコースで、高山豪起(現3年)ら5人全員が区間賞の完全優勝。25日の大阪マラソンでは、平林が初マラソン日本最高&学生新記録、日本歴代7位となる2時間6分18秒で初優勝を飾った。
主将の「勝ち切る」走りはチームメイトをさらに奮い立たせた。野中恒亨(現2年)が同日の犬山ハーフを制すと、3月3日の玉名ハーフでは上原琉翔(現3年)と後村光星(現2年)が好走した。10日の日本学生ハーフでは、青木瑠郁(現3年)が1時間2分06秒の好タイムで、國學院勢としては2年前の平林に続く学生ハーフ日本一のタイトルを奪取。辻原輝(現2年)も1時間2分台で5位に食い込んだ。
チーム好調の要因はいくつかある。なかでも前田康弘監督は「平林を成功させることが一番チームのストロングポイントになる。そう考えて、正月の駅伝後は私は平林につきっきりで、チーム全体はコーチたちに任せました。そのように舵を切れるようになったことも要因ですし、各選手が良い結果を出すことでそれが連鎖していった」と見ている。青木も「平林さんの走りを見たら燃えます」と大きな刺激を受けて、学生ハーフのレース当日を迎えていた。
「ボディメンテ」をコンディショニングに積極活用
ハードなトレーニングが不可欠な長距離選手は体調管理が難しい。昨年12月の上旬、駅伝に向けた合宿直後にチームは体調管理に苦慮した。前田監督によれば、それが正月の駅伝が「不完全燃焼だった」原因の一つになったが、「チーム全体でのピーキングは非常に難しい。自分としても勉強になりました。やはりコンディショニングが勝負になってくる」と改めて感じたという。
たとえば山本が「手洗いを徹底し、部屋では乾燥しないように必ず加湿器をつけています」と語るように、選手たちも体調管理に対する意識は高い。そうした姿勢が近年の國學院大の躍進を支えている。
さらに選手の体調維持に一役買っているのが、大塚製薬の「ボディメンテ」だ。ボディメンテ ゼリーは、体調管理をサポートする乳酸菌B240に加え、筋肉を構成し、酷使した身体のリカバリーに役立つBCAA(分岐鎖アミノ酸)やアルギニン、身体の組織の材料になりやすいホエイタンパクを一度に摂れるコンディショニング栄養食。選手は日々の練習後、すぐに用意されたボディメンテ ゼリーを口に運ぶ。
平林はレースに臨む際、「自分の100%が出せる調子に合わせる」ことを意識しており、そのために日々、「いつも通りのことをやるのが大事」と考えている。「いつも通り」には、トレーニング以外での食事や睡眠はもちろん、ボディメンテ ゼリーの摂取も含まれる。その積み重ねが練習の継続を可能にし、正月の駅伝や大阪マラソンでの快走につながった。
水分と電解質を補給しながら乳酸菌B240も摂取できる「ボディメンテドリンクも大好きで、練習中や練習前後はもちろん、日常生活でも自分で買って飲んでいます」という山本も、練習直後のボディメンテ ゼリーは欠かさない。「チームみんなが健康でいられるのは大切なこと。そうやって来られているのは、ボディメンテのおかげです」と笑顔を見せる。
学生三大駅伝で〝てっぺん〟見据え正月決戦は悲願の初Vを!!
コンディショニングは、重要なレースの直前にだけ意識すればいいものではない。日頃から徹底することで、大一番を迎えた際に最大限のパフォーマンスを発揮できる。その意味で前田監督は、「重要なのは準備、練習、リカバリー。1つの戦いの後は、次の戦いに向けてそれを繰り返していく」と説き、「(2月、3月は)良い周期に来ているので、トラックシーズンも勢いを止めずに行きたい」と力強く語る。
選手たちもそれぞれに自分がやるべきことを理解している。平林は主将として、「自分たちの走る環境を自分たちで作ることを大事にしています。引き続き、みんなが意欲を持って練習やレースに臨めるようにしたい」と語り、エースとしては「正月の駅伝で絶対に優勝したいので、前回走った2区だけでなく、チーム状況次第では、どの区間でも区間賞を取れるような準備をしていきたいです」と力を込める。
山本は昨季、全日本大学駅伝後に右大腿骨を疲労骨折し、正月の駅伝を走れなかったが、現在はケガもすっかり完治した。大学ラストイヤーに懸ける熱い思いを胸に秘め、日々のトレーニングに励んでいる。
「トラックシーズンは関東インカレ5000mでの優勝を目指しています。駅伝シーズンはどの区間を任されても区間賞を取って、チームに勢いをつけられるようにがんばっていきたいです」

5000m(13分34秒85)とハーフマラソン(1時間0分43秒)の國學院大記録保持者である山本。学生ラストイヤーの前半は関東インカレの5000mに重点を置き、その後は駅伝に向けてじっくり走り込む構え
来年度のエース候補として期待がかかる青木は、今季の目標を「10000mで27分50秒を切って平林さんの記録(27分55秒15=國學院大記録)を超えることと、5000mでは13分30秒を切ること。関東インカレは10000mで勝負して優勝したいです」と話し、「正月の駅伝は山の区間以外はどこでも行けるようにしたいです。それができればチームに厚みが出てくる」と前を見据えた。
とはいえ、前田監督は現状のままで〝てっぺん〟に届くとは考えていない。特に正月決戦で頂点に立つには、これから約半年間のレベルアップが欠かせないという。
「主力の5人ぐらいが絶対的な存在になることと、チーム全体も底上げして、常に15~16人が競う選手層を作ること。あとは〝山〟が課題になってきます」
指揮官が軸としたのは、平林や山本、青木の他、上原や高山、辻原、田中愛睦(2年)らで、そこに有力な新入生も加わった。学生駅伝の2強といわれるチームに引けを取らない戦力が揃いつつあり、期待感は膨らむばかりだ。前田監督の口からはポジティブな言葉が次々と飛び出てくる。
「勝つことでチームの未来が変わってくると思います。最大目標は正月ですが、日本一決定戦の全日本も十分チャンスがありますし、出雲は夏にならないと何とも言えませんが、今季は駅伝で3つとも狙えるところにはいると思っています。だからきちんと宣言して、選手たちにも意識づけをさせて臨ませたいという作戦です」
秋の駅伝シーズン、充実の戦力を有する國學院大が最高のパフォーマンスを発揮した時、学生駅伝における新たな歴史の1ページが刻まれることになる。
文/小野哲史、撮影/船越陽一郎
※この記事は『月刊陸上競技』2024年5月号に掲載しています
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厳しいトレーニングを可能にするコンディショニングへのこだわり
近年の國學院大學は学生駅伝で毎回のように上位に名を連ね、その存在感を確かなものにしつつある。勢いの原動力は、日々の厳しいトレーニングとそれを可能にするコンディショニングへのこだわりだ。2019年の出雲以来となる学生駅伝優勝、そして悲願でもある正月の駅伝初制覇に向けて、選手たちは互いに刺激し合いながら2024年度のシーズンインを迎えた。2月以降の各大会で快進撃 「出るレースで勝ちきる」
学生駅伝での〝てっぺん〟に挑戦した昨年度、國學院大學は出雲4位、全日本3位と頂点には届かず、正月決戦も5位に終わった。堂々の成績にも見えるが、納得している選手は1人もいない。だからこそエースの平林清澄(4年)を主将として始動した新チームは、再び〝てっぺん〟を見据え、まずは個々のレベルアップに努めている。 平林とともに1年時から主力の山本歩夢(4年)が、「今季の上半期目標は自分たちが出るレースで勝ち切ること。そういう走りをどれだけできるかが駅伝優勝につながる」と話すように、一人ひとりの選手が2月からの各レースでそれを体現してきた。1区間20km前後という距離の11日の宮古島大学駅伝では、風やアップダウンの激しいタフなコースで、高山豪起(現3年)ら5人全員が区間賞の完全優勝。25日の大阪マラソンでは、平林が初マラソン日本最高&学生新記録、日本歴代7位となる2時間6分18秒で初優勝を飾った。 [caption id="attachment_132745" align="alignnone" width="800"]
2月下旬の大阪マラソンで初マラソン日本最高、学生新、日本歴代7位となる2時間6分18秒で初優勝を飾った平林。エースの活躍がチームに大きな刺激をもたらした[/caption]
主将の「勝ち切る」走りはチームメイトをさらに奮い立たせた。野中恒亨(現2年)が同日の犬山ハーフを制すと、3月3日の玉名ハーフでは上原琉翔(現3年)と後村光星(現2年)が好走した。10日の日本学生ハーフでは、青木瑠郁(現3年)が1時間2分06秒の好タイムで、國學院勢としては2年前の平林に続く学生ハーフ日本一のタイトルを奪取。辻原輝(現2年)も1時間2分台で5位に食い込んだ。
チーム好調の要因はいくつかある。なかでも前田康弘監督は「平林を成功させることが一番チームのストロングポイントになる。そう考えて、正月の駅伝後は私は平林につきっきりで、チーム全体はコーチたちに任せました。そのように舵を切れるようになったことも要因ですし、各選手が良い結果を出すことでそれが連鎖していった」と見ている。青木も「平林さんの走りを見たら燃えます」と大きな刺激を受けて、学生ハーフのレース当日を迎えていた。
「ボディメンテ」をコンディショニングに積極活用
ハードなトレーニングが不可欠な長距離選手は体調管理が難しい。昨年12月の上旬、駅伝に向けた合宿直後にチームは体調管理に苦慮した。前田監督によれば、それが正月の駅伝が「不完全燃焼だった」原因の一つになったが、「チーム全体でのピーキングは非常に難しい。自分としても勉強になりました。やはりコンディショニングが勝負になってくる」と改めて感じたという。 たとえば山本が「手洗いを徹底し、部屋では乾燥しないように必ず加湿器をつけています」と語るように、選手たちも体調管理に対する意識は高い。そうした姿勢が近年の國學院大の躍進を支えている。 さらに選手の体調維持に一役買っているのが、大塚製薬の「ボディメンテ」だ。ボディメンテ ゼリーは、体調管理をサポートする乳酸菌B240に加え、筋肉を構成し、酷使した身体のリカバリーに役立つBCAA(分岐鎖アミノ酸)やアルギニン、身体の組織の材料になりやすいホエイタンパクを一度に摂れるコンディショニング栄養食。選手は日々の練習後、すぐに用意されたボディメンテ ゼリーを口に運ぶ。 [caption id="attachment_132341" align="alignnone" width="800"]
最大限のパフォーマンス発揮のために「重要なのは準備、練習、リカバリー」と話す前田康弘監督。選手たちのコンディシニングに「ボディメンテ」が大いに役立っているという[/caption]
平林はレースに臨む際、「自分の100%が出せる調子に合わせる」ことを意識しており、そのために日々、「いつも通りのことをやるのが大事」と考えている。「いつも通り」には、トレーニング以外での食事や睡眠はもちろん、ボディメンテ ゼリーの摂取も含まれる。その積み重ねが練習の継続を可能にし、正月の駅伝や大阪マラソンでの快走につながった。
水分と電解質を補給しながら乳酸菌B240も摂取できる「ボディメンテドリンクも大好きで、練習中や練習前後はもちろん、日常生活でも自分で買って飲んでいます」という山本も、練習直後のボディメンテ ゼリーは欠かさない。「チームみんなが健康でいられるのは大切なこと。そうやって来られているのは、ボディメンテのおかげです」と笑顔を見せる。
学生三大駅伝で〝てっぺん〟見据え正月決戦は悲願の初Vを!!
コンディショニングは、重要なレースの直前にだけ意識すればいいものではない。日頃から徹底することで、大一番を迎えた際に最大限のパフォーマンスを発揮できる。その意味で前田監督は、「重要なのは準備、練習、リカバリー。1つの戦いの後は、次の戦いに向けてそれを繰り返していく」と説き、「(2月、3月は)良い周期に来ているので、トラックシーズンも勢いを止めずに行きたい」と力強く語る。 選手たちもそれぞれに自分がやるべきことを理解している。平林は主将として、「自分たちの走る環境を自分たちで作ることを大事にしています。引き続き、みんなが意欲を持って練習やレースに臨めるようにしたい」と語り、エースとしては「正月の駅伝で絶対に優勝したいので、前回走った2区だけでなく、チーム状況次第では、どの区間でも区間賞を取れるような準備をしていきたいです」と力を込める。 山本は昨季、全日本大学駅伝後に右大腿骨を疲労骨折し、正月の駅伝を走れなかったが、現在はケガもすっかり完治した。大学ラストイヤーに懸ける熱い思いを胸に秘め、日々のトレーニングに励んでいる。 「トラックシーズンは関東インカレ5000mでの優勝を目指しています。駅伝シーズンはどの区間を任されても区間賞を取って、チームに勢いをつけられるようにがんばっていきたいです」 [caption id="attachment_132337" align="alignnone" width="800"]
5000m(13分34秒85)とハーフマラソン(1時間0分43秒)の國學院大記録保持者である山本。学生ラストイヤーの前半は関東インカレの5000mに重点を置き、その後は駅伝に向けてじっくり走り込む構え[/caption]
来年度のエース候補として期待がかかる青木は、今季の目標を「10000mで27分50秒を切って平林さんの記録(27分55秒15=國學院大記録)を超えることと、5000mでは13分30秒を切ること。関東インカレは10000mで勝負して優勝したいです」と話し、「正月の駅伝は山の区間以外はどこでも行けるようにしたいです。それができればチームに厚みが出てくる」と前を見据えた。
[caption id="attachment_132339" align="alignnone" width="800"]
3月上旬の日本学生ハーフマラソンで優勝した青木。平林、山本とチームの三本柱を担う[/caption]
とはいえ、前田監督は現状のままで〝てっぺん〟に届くとは考えていない。特に正月決戦で頂点に立つには、これから約半年間のレベルアップが欠かせないという。
「主力の5人ぐらいが絶対的な存在になることと、チーム全体も底上げして、常に15~16人が競う選手層を作ること。あとは〝山〟が課題になってきます」
指揮官が軸としたのは、平林や山本、青木の他、上原や高山、辻原、田中愛睦(2年)らで、そこに有力な新入生も加わった。学生駅伝の2強といわれるチームに引けを取らない戦力が揃いつつあり、期待感は膨らむばかりだ。前田監督の口からはポジティブな言葉が次々と飛び出てくる。
「勝つことでチームの未来が変わってくると思います。最大目標は正月ですが、日本一決定戦の全日本も十分チャンスがありますし、出雲は夏にならないと何とも言えませんが、今季は駅伝で3つとも狙えるところにはいると思っています。だからきちんと宣言して、選手たちにも意識づけをさせて臨ませたいという作戦です」
秋の駅伝シーズン、充実の戦力を有する國學院大が最高のパフォーマンスを発揮した時、学生駅伝における新たな歴史の1ページが刻まれることになる。
文/小野哲史、撮影/船越陽一郎
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