2024.02.15
強さの秘訣は日々のコンディショニング
社会人1年目のシーズンを苦悩しながらも最後まで駆け抜けた。8月のブダペスト世界選手権10000mで15位に入ると、12月の日本選手権10000mで27分22秒31の自己ベスト。元日の全日本実業団駅伝(ニューイヤー駅伝)は3区でトップを独走し、チームの日本一に貢献した。どんな状況でも外さない〝強さ〟を発揮してきた田澤廉(トヨタ自動車)。その秘訣は日々のコンディショニングにあった。
10000m7本こなした怒涛のシーズン、国際大会も3試合経験
駒澤大学の〝絶対エース〟として君臨した田澤廉。大学4年生だった2022年はオレゴン世界選手権10000mに出場すると、チームを初の学生駅伝3冠に導いた。
社会人1年目のシーズンとなった2023年は怒涛の日々を過ごしてきた。春は3月のThe Ten(米国・カリフォルニア)10000mで27分28秒04。5月はゴールデンゲームズinのべおか10000mで27分51秒21、NIGHTOF THE 10000m PB’S(英国・ロンドン)で27分40秒46をマークした。
夏には日本代表として国際大会3試合に10000mで出場する。7月のアジア選手権(タイ・バンコク)で優勝(29分18秒46)すると、8月の世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)で15位(28分25秒87)。9月のアジア大会(中国・杭州)は塩尻和也(富士通)と交互にレースを引っ張り、4位(28分18秒66)に入った。
充実したトラックシーズンだったと言えるが、本人は「成長しない1年だったなと感じています」と自分に厳しかった。
「世界陸上の代表をつかむために、いろんな大会に出過ぎて、自分が思っている練習が全然できなかったんです。前の年と違って、夏合宿のような強化期間も取れませんでした。自分自身の成長に直結しなかったと思っています」
それでも随所に〝進化〟を感じる場面があったという。
「世界陸上は7000mぐらいまでしっかりついていくことができました。オレゴン大会よりはいい走りができたと思います。それに日本代表を3度経験して、海外レースも5本走りました。この経験値は今後に生かせるんじゃないでしょうか」
ハイレベルのレースだけでなく、バンコクでは酷暑での戦いも体感。レース後、脱水症状に陥り、立てないくらいに消耗したという。連戦の疲労と、日の丸のプレッシャー。田澤は心身ともに削られていた。
アジア大会後はしばらく練習ができないくらい落ち込んだが、11月には米国・アルバカーキで3週間の高地トレーニングを実施。12月10日の日本選手権10000mは後半、腰痛に苦しめられながらも27分22秒31の自己ベストで4位に食い込んだ。そして全日本実業団駅伝は3区で区間6位。トップを独走し、チームの8年ぶりの日本一に貢献した。
「日本選手権はアメリカでの3週間しかまともな練習ができなくて、正直、27分40秒ぐらいかなと思っていたんです。それでも自己ベスト(27分23秒44)を1秒更新できたのは、評価してもいいのかな。ニューイヤー駅伝も出場するか悩んだほど状態は悪かったんですけど、チームに恩返しする気持ちで走りました」
日々のコンディショニングに「ボディメンテ」を積極活用
2023年は10000mレースを7本もこなした田澤。そのうち5本は海外という過酷なスケジュールだったが、しっかりと体調を管理して乗り切った。1日に8時間以上の睡眠を確保して、週に一度の治療で身体をメンテナンス。そして、日々のコンディショニングに大塚製薬の「ボディメンテ」を積極活用してきたのが心強かったという。
「1年を通して体調をキープできたんです。ボディメンテを毎日飲んでいますし、そういった面では非常に頼っていますね」

田澤はボディメンテのゼリーとドリンクを積極的に活用して体調管理を行っている
田澤は「コンディション維持」と「速やかなリカバリー」を目的に乳酸菌B240+タンパク質を配合するボディメンテ ゼリーを朝練習後とポイント練習後に必ず摂取しているそうで、「量(1袋100g)がちょうどよくて、いろんな成分が入っているのもいいですね」と話す。
ボディメンテ ゼリーは植物由来の乳酸菌B240をはじめ、筋肉のエネルギー源となるBCAA2000mg、アルギニン500mg、カラダのリカバリーをサポートするホエイタンパク7.5g、クエン酸1250mgなどを含有している。田澤はハードなトレーニングだけでなく、一度にさまざまな成分を摂取できるオールインワンゼリーを飲んで体調管理をしながら強くなってきた。また、喉が渇いているときはボディメンテドリンクを愛用。水分と電解質でカラダを潤しながら手軽に乳酸菌B240が摂れることで重宝している。

ボディメンテ ゼリーは朝練習後やポイント練習後、すぐに摂取するのがルーティンとなっている
パリでは〝入賞〟を目指し、その後はマラソン進出へ
4年に一度のビッグゲームが開催される2024年。すでに2度の世界選手権を経験している田澤はパリの舞台に立つだけでなく、戦うことを目標にしている。目指すは10000mの〝入賞〟だ。2月中旬から米国・アルバカーキで合宿を行い、そのままロサンゼルスへ移動して今年も3月のThe Tenへの出場を予定している。
「どこまで練習が積めるかによりますけど、27分10秒ぐらいで3位以内に入りたいですね。その後は5月の日本選手権(10000m)です。現時点でワールドランキングは日本人トップなので、3位以内を確保してパリの代表をつかみたい」
昨年はさまざまな経験をしたことで、心身ともにたくましくなった。世界大会特有のペースチェンジに対応できる自信もつかみつつある。
「世界大会はペースの上げ下げを繰り返しながら、7000m付近からいきなり上がります。トップ争いは9000mからもう一度上げて、さらにラスト1周の勝負になっていくのが一般的。自分が思い描いている練習を積むことができれば7000mからのペースアップには対応できる。残り1000mは難しいですけど、最低限、入賞はしたい。そうすれば、その先が見えてくると思います」
10000mで日本人初となる「26分台」をターゲットにしている一方で、パリの後はマラソン挑戦も視野に入れている。
「2025年の東京世界陸上をマラソンで目指したい気持ちもありますが、パリの結果と、今後の10000mの記録次第ですね。マラソン挑戦の時期はコーチ(大八木弘明駒大総監督)と相談します。いずれにしても、最終的にはマラソンで世界と勝負していきたい」
学生長距離界のエースから、日本マラソン界のエースへ。ボディメンテでコンディションを維持しながら、田澤廉は〝夢〟に向かって突き進んでいく。

大学卒業後も引き続き大八木弘明氏(右、駒大総監督)に指導を受け、世界を目指している田澤
文/酒井政人、撮影/船越陽一郎
※この記事は『月刊陸上競技』2024年3月号に掲載しています
ボディメンテ おすすめ摂取タイミング for マラソン、トレイルラン、トライアスロン
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強さの秘訣は日々のコンディショニング
社会人1年目のシーズンを苦悩しながらも最後まで駆け抜けた。8月のブダペスト世界選手権10000mで15位に入ると、12月の日本選手権10000mで27分22秒31の自己ベスト。元日の全日本実業団駅伝(ニューイヤー駅伝)は3区でトップを独走し、チームの日本一に貢献した。どんな状況でも外さない〝強さ〟を発揮してきた田澤廉(トヨタ自動車)。その秘訣は日々のコンディショニングにあった。10000m7本こなした怒涛のシーズン、国際大会も3試合経験
駒澤大学の〝絶対エース〟として君臨した田澤廉。大学4年生だった2022年はオレゴン世界選手権10000mに出場すると、チームを初の学生駅伝3冠に導いた。 社会人1年目のシーズンとなった2023年は怒涛の日々を過ごしてきた。春は3月のThe Ten(米国・カリフォルニア)10000mで27分28秒04。5月はゴールデンゲームズinのべおか10000mで27分51秒21、NIGHTOF THE 10000m PB'S(英国・ロンドン)で27分40秒46をマークした。 夏には日本代表として国際大会3試合に10000mで出場する。7月のアジア選手権(タイ・バンコク)で優勝(29分18秒46)すると、8月の世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)で15位(28分25秒87)。9月のアジア大会(中国・杭州)は塩尻和也(富士通)と交互にレースを引っ張り、4位(28分18秒66)に入った。 充実したトラックシーズンだったと言えるが、本人は「成長しない1年だったなと感じています」と自分に厳しかった。 「世界陸上の代表をつかむために、いろんな大会に出過ぎて、自分が思っている練習が全然できなかったんです。前の年と違って、夏合宿のような強化期間も取れませんでした。自分自身の成長に直結しなかったと思っています」 それでも随所に〝進化〟を感じる場面があったという。 「世界陸上は7000mぐらいまでしっかりついていくことができました。オレゴン大会よりはいい走りができたと思います。それに日本代表を3度経験して、海外レースも5本走りました。この経験値は今後に生かせるんじゃないでしょうか」 ハイレベルのレースだけでなく、バンコクでは酷暑での戦いも体感。レース後、脱水症状に陥り、立てないくらいに消耗したという。連戦の疲労と、日の丸のプレッシャー。田澤は心身ともに削られていた。 アジア大会後はしばらく練習ができないくらい落ち込んだが、11月には米国・アルバカーキで3週間の高地トレーニングを実施。12月10日の日本選手権10000mは後半、腰痛に苦しめられながらも27分22秒31の自己ベストで4位に食い込んだ。そして全日本実業団駅伝は3区で区間6位。トップを独走し、チームの8年ぶりの日本一に貢献した。 「日本選手権はアメリカでの3週間しかまともな練習ができなくて、正直、27分40秒ぐらいかなと思っていたんです。それでも自己ベスト(27分23秒44)を1秒更新できたのは、評価してもいいのかな。ニューイヤー駅伝も出場するか悩んだほど状態は悪かったんですけど、チームに恩返しする気持ちで走りました」日々のコンディショニングに「ボディメンテ」を積極活用
2023年は10000mレースを7本もこなした田澤。そのうち5本は海外という過酷なスケジュールだったが、しっかりと体調を管理して乗り切った。1日に8時間以上の睡眠を確保して、週に一度の治療で身体をメンテナンス。そして、日々のコンディショニングに大塚製薬の「ボディメンテ」を積極活用してきたのが心強かったという。 「1年を通して体調をキープできたんです。ボディメンテを毎日飲んでいますし、そういった面では非常に頼っていますね」 [caption id="attachment_127842" align="alignnone" width="800"]

パリでは〝入賞〟を目指し、その後はマラソン進出へ
4年に一度のビッグゲームが開催される2024年。すでに2度の世界選手権を経験している田澤はパリの舞台に立つだけでなく、戦うことを目標にしている。目指すは10000mの〝入賞〟だ。2月中旬から米国・アルバカーキで合宿を行い、そのままロサンゼルスへ移動して今年も3月のThe Tenへの出場を予定している。 「どこまで練習が積めるかによりますけど、27分10秒ぐらいで3位以内に入りたいですね。その後は5月の日本選手権(10000m)です。現時点でワールドランキングは日本人トップなので、3位以内を確保してパリの代表をつかみたい」 昨年はさまざまな経験をしたことで、心身ともにたくましくなった。世界大会特有のペースチェンジに対応できる自信もつかみつつある。 「世界大会はペースの上げ下げを繰り返しながら、7000m付近からいきなり上がります。トップ争いは9000mからもう一度上げて、さらにラスト1周の勝負になっていくのが一般的。自分が思い描いている練習を積むことができれば7000mからのペースアップには対応できる。残り1000mは難しいですけど、最低限、入賞はしたい。そうすれば、その先が見えてくると思います」 10000mで日本人初となる「26分台」をターゲットにしている一方で、パリの後はマラソン挑戦も視野に入れている。 「2025年の東京世界陸上をマラソンで目指したい気持ちもありますが、パリの結果と、今後の10000mの記録次第ですね。マラソン挑戦の時期はコーチ(大八木弘明駒大総監督)と相談します。いずれにしても、最終的にはマラソンで世界と勝負していきたい」 学生長距離界のエースから、日本マラソン界のエースへ。ボディメンテでコンディションを維持しながら、田澤廉は〝夢〟に向かって突き進んでいく。 [caption id="attachment_127843" align="alignnone" width="800"]
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