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2024.03.03

西山雄介 涙の日本人トップ「パリ五輪を決める一心で最後まで走った」MGC後は引退よぎる/東京マラソン
西山雄介 涙の日本人トップ「パリ五輪を決める一心で最後まで走った」MGC後は引退よぎる/東京マラソン

パリ五輪代表に届かず、レース後に涙を流した西山雄介

◇東京マラソン2024(3月3日/東京・東京都庁~東京駅前)

アボット・ワールドマラソンメジャーズの一つ、東京マラソン2024が3月3日に行われ、B.キプルト(ケニア)が世界歴代5位の2時間2分16秒で優勝した。

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西山雄介(トヨタ自動車)が日本人トップの9位となったが、2時間6分31秒と1分以上も自己記録を更新したものの、パリ五輪代表選考の基準となる設定記録2時間5分50秒に届かず、パリ五輪には届かなかった。

「オリンピックに行きたかった。その一心で最後まで走りました」と涙に暮れた。

下り坂の前半から、ペースメーカーがなかなか安定せずややスローな展開になってしまう。そうしたなか、西山はグッと中団以降で耐えた。

20km手前ではペースメーカーと接触して転倒。大きく遅れたものの、ペースが上がらなかったこともあってすぐに前に戻った。「気持ちを切らしたら無駄になると思ったので、冷静に対処できました」。身体面でも「余裕があったので冷静になりました」。ここで切れたら今までのことが無駄になる――。必死で前を追いかけた。

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抜け出した浦野雄平(富士通)を33kmで捕らえると、アクシデントもあって失速してきたエリウド・キプチョゲ(ケニア)を34.5kmでかわした。

「30kmで少しきつくなりましたが、自分のペースで落ち着いていきました」。しかし、最後はペースが落ちてしまい、設定記録にあと41秒届かなかった。

22年オレゴン世界選手権で初代表となり、世界選手権日本人最高タイムとなる2時間8分35秒で13位に入った。しかし、昨年のMGCでは46位に終わり、「引退しようかと考えたくらい落ち込みました」。しかし、家族やスタッフの支えで奮起。MGCファイナルチャレンジには「コンディションも良くて、自信もありました」とスタートラインに立った。

「パリしか考えていなくて、このオリンピックが最後の挑戦だと感じていました。今後についてはまったく考えていません」

挫折やアクシデントを乗り越え、強い覚悟で見せたチャレンジ。その走りに多くの拍手が送られた。

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