HOME 駅伝

2024.01.18

神奈川大・大後栄治前監督が後任の中野剛新監督へ“タスキリレー”「彼なら安心して任せられる」4月から部長兼総監督へ
神奈川大・大後栄治前監督が後任の中野剛新監督へ“タスキリレー”「彼なら安心して任せられる」4月から部長兼総監督へ

神奈川大駅伝監督の座を交代した大後栄治前監督(右)と中野剛新駅伝監督

1月18日、神奈川大は陸上競技部駅伝チーム監督交代に伴う記者会見を行い、1月3日に駅伝監督退任を発表した大後栄治氏と、1月4日付けで就任した中野剛新駅伝監督が出席した。

冒頭に大後氏は挨拶を述べ、「数年前から100回大会を機に、という思いがありました。日体大のマネージャー上がりだった私に指導者としての機会を与えてくれた神奈川大学には感謝しかありません」と現在の心境を口にした。

広告の下にコンテンツが続きます

大後氏は日体大在籍時にマネージャーを務め、指導者不在の中で“実質監督”として指導やマネジメントを行っていた経験がある。その後、同大学の大学院を経て、1989年に神奈川大のコーチに就任。豊富な練習量を背景に学生駅伝界で躍進を遂げる。

96年の箱根駅伝では優勝候補に挙げられながら4区途中棄権の憂き目を見たが、翌年の第73回大会で史上初となる予選会からの総合優勝を果たした。翌年には往路、復路ともに制す完全優勝で2連覇を飾っている。

その後は上位から遠ざかる苦しい時期を経験しながらも2017年の箱根駅伝では現マラソン日本記録保持者の鈴木健吾(当時3年/現・富士通)らを擁して12年ぶりシードとなる5位入賞。同年の全日本大学駅伝では20年ぶりに制するなど再び脚光を浴びた。

大後氏は35年間に及ぶ指導者人生を振り返り、一番印象に残っている出来事として「68回箱根駅伝予選会で18年ぶりに本戦復帰を果たしたこと」を挙げ、「大雨の大井埠頭で4位通過したことは今でも脳裏に刻まれています」と感慨深く語る。

広告の下にコンテンツが続きます

中野新監督は初優勝前の世代のキャプテンとして、シード校から上位校へと駆け上がるチームを牽引。箱根駅伝は1993年~95年の3度(6区、1区、2区)出場している。卒業後は佐川急便(現・SGホールディングス)で活躍し、2008年に同監督就任。21年からは神奈川大コーチ、23年に同ヘッドコーチに就任していた。

そのリーダーシップぶりは大後氏も評価しており、「私にはない豊かなパーソナリティを持っており、学生たちとの接し方も非常に細やかで私の若い頃を見ているよう。これなら安心して任せられると思いました」と太鼓判を押す。

中野氏は大役を引き継ぐことについて「就任が決まった時から背筋が張り詰めたような重責を感じております。実業団では長く指導に携わってきましたが、学生駅伝においては未熟者です。大後先生の冷静に分析して学生たちに伝える部分は真似させていただきながら、まずは連続出場を継続していけるようなチームを作っていきたい」と意気込む。

大後氏は4月から陸上競技部の部長兼総監督として、現場からは一歩引いた身として見守っていくという。「現場については100%中野監督にお任せし、一切口は出さないつもりです。まず出場し続けることが大事。5年後に大学の100周年を控えておりますので、そこでシード権をつかめるようなチームを目指して一歩一歩進んでもらえれば」と、教え子でもある新監督にエールを送った。

1月18日、神奈川大は陸上競技部駅伝チーム監督交代に伴う記者会見を行い、1月3日に駅伝監督退任を発表した大後栄治氏と、1月4日付けで就任した中野剛新駅伝監督が出席した。 冒頭に大後氏は挨拶を述べ、「数年前から100回大会を機に、という思いがありました。日体大のマネージャー上がりだった私に指導者としての機会を与えてくれた神奈川大学には感謝しかありません」と現在の心境を口にした。 大後氏は日体大在籍時にマネージャーを務め、指導者不在の中で“実質監督”として指導やマネジメントを行っていた経験がある。その後、同大学の大学院を経て、1989年に神奈川大のコーチに就任。豊富な練習量を背景に学生駅伝界で躍進を遂げる。 96年の箱根駅伝では優勝候補に挙げられながら4区途中棄権の憂き目を見たが、翌年の第73回大会で史上初となる予選会からの総合優勝を果たした。翌年には往路、復路ともに制す完全優勝で2連覇を飾っている。 その後は上位から遠ざかる苦しい時期を経験しながらも2017年の箱根駅伝では現マラソン日本記録保持者の鈴木健吾(当時3年/現・富士通)らを擁して12年ぶりシードとなる5位入賞。同年の全日本大学駅伝では20年ぶりに制するなど再び脚光を浴びた。 大後氏は35年間に及ぶ指導者人生を振り返り、一番印象に残っている出来事として「68回箱根駅伝予選会で18年ぶりに本戦復帰を果たしたこと」を挙げ、「大雨の大井埠頭で4位通過したことは今でも脳裏に刻まれています」と感慨深く語る。 中野新監督は初優勝前の世代のキャプテンとして、シード校から上位校へと駆け上がるチームを牽引。箱根駅伝は1993年~95年の3度(6区、1区、2区)出場している。卒業後は佐川急便(現・SGホールディングス)で活躍し、2008年に同監督就任。21年からは神奈川大コーチ、23年に同ヘッドコーチに就任していた。 そのリーダーシップぶりは大後氏も評価しており、「私にはない豊かなパーソナリティを持っており、学生たちとの接し方も非常に細やかで私の若い頃を見ているよう。これなら安心して任せられると思いました」と太鼓判を押す。 中野氏は大役を引き継ぐことについて「就任が決まった時から背筋が張り詰めたような重責を感じております。実業団では長く指導に携わってきましたが、学生駅伝においては未熟者です。大後先生の冷静に分析して学生たちに伝える部分は真似させていただきながら、まずは連続出場を継続していけるようなチームを作っていきたい」と意気込む。 大後氏は4月から陸上競技部の部長兼総監督として、現場からは一歩引いた身として見守っていくという。「現場については100%中野監督にお任せし、一切口は出さないつもりです。まず出場し続けることが大事。5年後に大学の100周年を控えておりますので、そこでシード権をつかめるようなチームを目指して一歩一歩進んでもらえれば」と、教え子でもある新監督にエールを送った。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.06.15

編集部コラム「私のインターハイ地区大会」

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 広告の下にコンテンツが続きます 攻め(?)のアンダーハンドリレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃 […]

NEWS NCG5000mはアジア選手権5位・荒井七海が13分47秒58で日本人トップ!東海大・永本脩が学生トップ/日体大長距離競技会

2025.06.15

NCG5000mはアジア選手権5位・荒井七海が13分47秒58で日本人トップ!東海大・永本脩が学生トップ/日体大長距離競技会

第322回日本体育大学長距離競技会兼第16回NITTAIDAI Challenge Games(NCG)の2日目が6月15日に行われ、最終種目のNCG男子5000mはB.キプトゥー(麗澤大)が13分46秒77で1着を占め […]

NEWS 小原響が3000m障害で8分22秒64の日本歴代8位!セイコーGGPに続く自己新マーク

2025.06.15

小原響が3000m障害で8分22秒64の日本歴代8位!セイコーGGPに続く自己新マーク

6月14日に米国・ポートランドで行われたポートランド・トラックフェスティバルの男子3000m障害で、小原響(GMOインターネットグループ)が日本歴代8位の8分22秒64をマークした。 大会は世界陸連コンチネンタルツアー・ […]

NEWS 久保凛が800m2分02秒76の大会新でV3!! 1500mと2年連続2冠「チームへの貢献を考えていた」/IH近畿

2025.06.15

久保凛が800m2分02秒76の大会新でV3!! 1500mと2年連続2冠「チームへの貢献を考えていた」/IH近畿

◇インターハイ近畿地区大会(6月12~15日/京都市・たけびしスタジアム京都)4日目 広島インターハイを懸けた近畿地区大会の4日目が行われ、女子800mは久保凛(東大阪大敬愛3大阪)が昨年自らがマークした大会記録を0.7 […]

NEWS 青学大・塩出翔太が10000m28分55秒81の自己新!800mは金子1分46秒59、日本インカレ400m2連覇の田邉1分48秒16/日体大長距離競技会

2025.06.15

青学大・塩出翔太が10000m28分55秒81の自己新!800mは金子1分46秒59、日本インカレ400m2連覇の田邉1分48秒16/日体大長距離競技会

第322回日本体育大学長距離競技会兼第16回NITTAIDAI Challenge Games(NDG)の1日目が6月14日に行われ、雨のなか、各組で好レースが繰り広げられた。 男子10000mでは2組で1着(28分53 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年7月号 (6月13日発売)

2025年7月号 (6月13日発売)

詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会

page top