◇第100回箱根駅伝(東京・大手町←→神奈川・箱根町/10区間217.1km)
2年連続の学生駅伝3冠が懸かった駒大。『史上最強』のチームを目指した最終ラウンドの箱根駅伝は青学大に敗れ、総合2位でフィニッシュを迎えた。
ハイペースになると読んだ1区は、篠原倖太朗(3年)の投入が当たる。留学生選手を競り落としてのトップへ。この時点では、全中継所を1位中継した出雲駅伝と全日本大学駅伝の再現を想像させた。
しかし2区でリードを詰められ、勝負所の3区で思わぬ逆転を喫する。
自信を持って送り出した3区の佐藤圭汰(2年)が逆転されるという衝撃に、レースプランは崩れ、メンバーにも少なからず動揺を与えた。
3区はハーフマラソンより300mほど長い21.4km。下り基調のコースとはいえ、佐藤が出した1時間00分13秒は、ハーフマラソンの日本人学生最高(1時間00分11秒)に匹敵するもの。悪くないどころか、初めて挑む20km超のレースで驚くべきパフォーマンスだ。それを上回った太田蒼生(青学大3)の59分47秒は、日本人で初めて1時間切りした超絶タイムだった。
佐藤は「終盤は右脚が固まるような、痙攣しているような状態もあって粘れませんでした。初めての経験です。ここまで疲労を感じたレースは今までなかったです」と、限界まで力を出し切っていた。
篠原は「自分が1区をやるのなら、もっと差を広げるべきでした」と話し、目標タイム以上に走った2区の鈴木芽吹(4年)も「区間1位が(1時間)6分台ひとケタなら、それを上回わらなればいけません」と口を結ぶ。
駒大の往路5時間20分51秒も大会新であり、目標をクリアしている。青学大の進撃は想定できなかった。
復路はすべての区間で青学大との差を広げられた。6区の帰山侑大(2年)は序盤で脇腹にさしこみを生じ、十分な力を発揮できず。青学大の背中が遠ざかり、「ウチとしては追っていくしかない」(藤田監督)と、各区間ともハイペースでとばすものの、追い上げ切れず、後半にペースダウンする連鎖に陥る。
藤田敦史監督からは「勝たせてあげられなかった」との言葉がこぼれ出た。それぞれによい時も苦しい時も過ごした4年生たちの歩みに寄り添ってきた。彼らの強い絆を肌で知る監督は「自分に未熟さを感じました」と責任を負う。
鈴木は「4年間、いいことも悪いこともあったのですが……。悔しいんですけど、楽しかったです。本当にいいチームなのでやってくれると思う」と話すうちに、さまざまな感情があふれ涙がこぼれた。
故障を乗り越え、9区に出場した花尾恭輔(4年)は「沿道から途切れることなく自分の名前を呼んでくださった。いろんな感謝の気持ちでいっぱいの大会でした。人間としても強くなれたのかな」とすがすがしい表情。
7区の安原太陽(4年)は「白鳥(哲汰/4年)が自分のサポートをしてくれました。1年目に『100回大会で優勝しよう』と彼が言って、ずっとずっと盛り立ててくれた。箱根に懸けてきた姿を見てきて、彼のためにもしっかり走るという決意を持って臨みました」。同期の思いを背負っていた。
後輩たちはすでに次の挑戦へ意識を向ける。篠原は「駅伝はだれのせいということはないけど、山川や帰山は感じるものがあると思う。そこを次への力に変えてほしいですね。負けた人間は強くなりますから」と前を向いた。
文/奥村 崇
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2026.07.28
-
2026.07.25
-
2026.07.25
Latest articles 最新の記事
2026.07.28
ハイレベル100mHで石原南菜がV2挑戦! バログンは2年連続2冠なるか 両リレーは強豪校ひしめく/インターハイ展望女子トラック
高校アスリートの祭典、全国高校総体(インターハイ)の陸上競技は7月30日~8月5日の7日間、滋賀県彦根市の平和堂HATOスタジアムで行われる。ここでは、エントリーリストや自己タイム(7月28日判明分)を中心に、女子トラッ […]
2026.07.28
100mは今年もハイレベルの様相! 留学生不在の1500mは白熱 110mH・髙城昊紀は悲願のVへ/インターハイ展望男子トラック
高校アスリートの祭典、全国高校総体(インターハイ)の陸上競技は7月30日~8月5日の7日間、滋賀県彦根市の平和堂HATOスタジアムで行われる。ここでは、エントリーリストや自己タイム(7月28日判明分)を中心に、男子トラッ […]
2026.07.28
棒高跳・泉谷礼哉が前回の雪辱へ 砲丸投・大垣尊良はV2に挑む 八種競技は6000点前後の激戦か/インターハイ展望男子フィールド・混成
高校アスリートの祭典、全国高校総体(インターハイ)の陸上競技は7月30日~8月5日の7日間、滋賀県彦根市の平和堂HATOスタジアムで行われる。ここでは、エントリーリストや自己記録(7月28日判明分)を中心に、男子フィール […]
2026.07.28
鴨田るなが走高跳2年ぶりVへ! 七種競技・江口美玲は連覇に挑戦 ハンマー投・坂口はなは記録も期待/インターハイ展望女子フィールド・混成
高校アスリートの祭典、全国高校総体(インターハイ)の陸上競技は7月30日~8月5日の7日間、滋賀県彦根市の平和堂HATOスタジアムで行われる。ここでは、エントリーリストや自己記録(7月28日判明分)を中心に、女子フィール […]
2026.07.28
男子110mHで森晴輝が13秒47の中学新! 従来の記録を0.01秒塗り替える
第57回北海道中学校陸上競技大会の2日目が7月28日、旭川市・花咲スポーツ公園陸上競技場で行われ、男子110mハードル(ハードルの高さ:0.914m)予選で森晴輝(SJH釧路3北海道)が13秒47(+1.2)の中学新記録 […]
Latest Issue
最新号
2026年8月号 (7月14日発売)
別冊付録 IH観戦ガイド
アジア大会代表一覧