HOME 駅伝、箱根駅伝

2024.01.04

『史上最強』に挑み敗れた駒大 「悔しい」「感謝の気持ちでいっぱい」それぞれの思い/箱根駅伝
『史上最強』に挑み敗れた駒大 「悔しい」「感謝の気持ちでいっぱい」それぞれの思い/箱根駅伝

硬い表情でアンカーの庭瀬俊輝を待った駒大のメンバーたち

◇第100回箱根駅伝(東京・大手町←→神奈川・箱根町/10区間217.1km)

2年連続の学生駅伝3冠が懸かった駒大。『史上最強』のチームを目指した最終ラウンドの箱根駅伝は青学大に敗れ、総合2位でフィニッシュを迎えた。

広告の下にコンテンツが続きます

ハイペースになると読んだ1区は、篠原倖太朗(3年)の投入が当たる。留学生選手を競り落としてのトップへ。この時点では、全中継所を1位中継した出雲駅伝と全日本大学駅伝の再現を想像させた。

しかし2区でリードを詰められ、勝負所の3区で思わぬ逆転を喫する。

自信を持って送り出した3区の佐藤圭汰(2年)が逆転されるという衝撃に、レースプランは崩れ、メンバーにも少なからず動揺を与えた。

3区はハーフマラソンより300mほど長い21.4km。下り基調のコースとはいえ、佐藤が出した1時間00分13秒は、ハーフマラソンの日本人学生最高(1時間00分11秒)に匹敵するもの。悪くないどころか、初めて挑む20km超のレースで驚くべきパフォーマンスだ。それを上回った太田蒼生(青学大3)の59分47秒は、日本人で初めて1時間切りした超絶タイムだった。

広告の下にコンテンツが続きます

佐藤は「終盤は右脚が固まるような、痙攣しているような状態もあって粘れませんでした。初めての経験です。ここまで疲労を感じたレースは今までなかったです」と、限界まで力を出し切っていた。

篠原は「自分が1区をやるのなら、もっと差を広げるべきでした」と話し、目標タイム以上に走った2区の鈴木芽吹(4年)も「区間1位が(1時間)6分台ひとケタなら、それを上回わらなればいけません」と口を結ぶ。

駒大の往路5時間20分51秒も大会新であり、目標をクリアしている。青学大の進撃は想定できなかった。

復路はすべての区間で青学大との差を広げられた。6区の帰山侑大(2年)は序盤で脇腹にさしこみを生じ、十分な力を発揮できず。青学大の背中が遠ざかり、「ウチとしては追っていくしかない」(藤田監督)と、各区間ともハイペースでとばすものの、追い上げ切れず、後半にペースダウンする連鎖に陥る。

藤田敦史監督からは「勝たせてあげられなかった」との言葉がこぼれ出た。それぞれによい時も苦しい時も過ごした4年生たちの歩みに寄り添ってきた。彼らの強い絆を肌で知る監督は「自分に未熟さを感じました」と責任を負う。

鈴木は「4年間、いいことも悪いこともあったのですが……。悔しいんですけど、楽しかったです。本当にいいチームなのでやってくれると思う」と話すうちに、さまざまな感情があふれ涙がこぼれた。

故障を乗り越え、9区に出場した花尾恭輔(4年)は「沿道から途切れることなく自分の名前を呼んでくださった。いろんな感謝の気持ちでいっぱいの大会でした。人間としても強くなれたのかな」とすがすがしい表情。

7区の安原太陽(4年)は「白鳥(哲汰/4年)が自分のサポートをしてくれました。1年目に『100回大会で優勝しよう』と彼が言って、ずっとずっと盛り立ててくれた。箱根に懸けてきた姿を見てきて、彼のためにもしっかり走るという決意を持って臨みました」。同期の思いを背負っていた。

後輩たちはすでに次の挑戦へ意識を向ける。篠原は「駅伝はだれのせいということはないけど、山川や帰山は感じるものがあると思う。そこを次への力に変えてほしいですね。負けた人間は強くなりますから」と前を向いた。

文/奥村 崇

◇第100回箱根駅伝(東京・大手町←→神奈川・箱根町/10区間217.1km) 2年連続の学生駅伝3冠が懸かった駒大。『史上最強』のチームを目指した最終ラウンドの箱根駅伝は青学大に敗れ、総合2位でフィニッシュを迎えた。 ハイペースになると読んだ1区は、篠原倖太朗(3年)の投入が当たる。留学生選手を競り落としてのトップへ。この時点では、全中継所を1位中継した出雲駅伝と全日本大学駅伝の再現を想像させた。 しかし2区でリードを詰められ、勝負所の3区で思わぬ逆転を喫する。 自信を持って送り出した3区の佐藤圭汰(2年)が逆転されるという衝撃に、レースプランは崩れ、メンバーにも少なからず動揺を与えた。 3区はハーフマラソンより300mほど長い21.4km。下り基調のコースとはいえ、佐藤が出した1時間00分13秒は、ハーフマラソンの日本人学生最高(1時間00分11秒)に匹敵するもの。悪くないどころか、初めて挑む20km超のレースで驚くべきパフォーマンスだ。それを上回った太田蒼生(青学大3)の59分47秒は、日本人で初めて1時間切りした超絶タイムだった。 佐藤は「終盤は右脚が固まるような、痙攣しているような状態もあって粘れませんでした。初めての経験です。ここまで疲労を感じたレースは今までなかったです」と、限界まで力を出し切っていた。 篠原は「自分が1区をやるのなら、もっと差を広げるべきでした」と話し、目標タイム以上に走った2区の鈴木芽吹(4年)も「区間1位が(1時間)6分台ひとケタなら、それを上回わらなればいけません」と口を結ぶ。 駒大の往路5時間20分51秒も大会新であり、目標をクリアしている。青学大の進撃は想定できなかった。 復路はすべての区間で青学大との差を広げられた。6区の帰山侑大(2年)は序盤で脇腹にさしこみを生じ、十分な力を発揮できず。青学大の背中が遠ざかり、「ウチとしては追っていくしかない」(藤田監督)と、各区間ともハイペースでとばすものの、追い上げ切れず、後半にペースダウンする連鎖に陥る。 藤田敦史監督からは「勝たせてあげられなかった」との言葉がこぼれ出た。それぞれによい時も苦しい時も過ごした4年生たちの歩みに寄り添ってきた。彼らの強い絆を肌で知る監督は「自分に未熟さを感じました」と責任を負う。 鈴木は「4年間、いいことも悪いこともあったのですが……。悔しいんですけど、楽しかったです。本当にいいチームなのでやってくれると思う」と話すうちに、さまざまな感情があふれ涙がこぼれた。 故障を乗り越え、9区に出場した花尾恭輔(4年)は「沿道から途切れることなく自分の名前を呼んでくださった。いろんな感謝の気持ちでいっぱいの大会でした。人間としても強くなれたのかな」とすがすがしい表情。 7区の安原太陽(4年)は「白鳥(哲汰/4年)が自分のサポートをしてくれました。1年目に『100回大会で優勝しよう』と彼が言って、ずっとずっと盛り立ててくれた。箱根に懸けてきた姿を見てきて、彼のためにもしっかり走るという決意を持って臨みました」。同期の思いを背負っていた。 後輩たちはすでに次の挑戦へ意識を向ける。篠原は「駅伝はだれのせいということはないけど、山川や帰山は感じるものがあると思う。そこを次への力に変えてほしいですね。負けた人間は強くなりますから」と前を向いた。 文/奥村 崇

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2026.01.05

アシックスから快適な履き心地を追求したランニングシューズ「GEL-NIMBUS 28」が登場!

アシックスジャパンは1月5日、快適な履き心地を追求したランニングシューズ「GEL-NIMBUS 28(ゲルニンバス28)」4品番を、1月9日からアシックスオンラインストアで先行発売し、1月22日からアシックス直営店各店( […]

NEWS 法大長距離ブロックに都大路で好走の古川一琉や梅本陸翔らが入学!『雪辱のオレンジ』掲げ箱根復帰を目指す

2026.01.04

法大長距離ブロックに都大路で好走の古川一琉や梅本陸翔らが入学!『雪辱のオレンジ』掲げ箱根復帰を目指す

1月4日、法大の長距離ブロックはチームのSNSで、今春に入学する新入生を発表した。 発表されたのは10人。昨年末の全国高校駅伝で3区区間11位と力走した古川一琉(酒田南・山形)を筆頭に、同6区区間12位の梅本陸翔(須磨学 […]

NEWS 中島ひとみ逃走成功!ハンターから逃げ切り賞金94万円ゲット!気になる使い道は…

2026.01.04

中島ひとみ逃走成功!ハンターから逃げ切り賞金94万円ゲット!気になる使い道は…

フジテレビで『逃走中』が1月4日に放送され、女子100mハードルの中島ひとみ(長谷川体育施設)が出演。最後の1人まで残り、賞金94万円を獲得した。 鬼ごっこをモチーフにし、『ハンター』と呼ばれる鬼から逃げる人気番組。中島 […]

NEWS 早大112代駅伝主将に小平敦之! 全日本5区7位、箱根駅伝9区2位 早稲田実高出身

2026.01.04

早大112代駅伝主将に小平敦之! 全日本5区7位、箱根駅伝9区2位 早稲田実高出身

早大競走部は1月4日、112代目の学生幹部を発表し、新たな駅伝主将は小平敦之(3年)が努めると発表した。 小平は千葉県出身。柏二中3年時には3000mで全中に出場した。早稲田実高では全国大会への出場はなかったが、関東高校 […]

NEWS 14位・東洋大21年連続シードならず 酒井監督「こういう機会を良い意味に捉えて発展したい」/箱根駅伝

2026.01.04

14位・東洋大21年連続シードならず 酒井監督「こういう機会を良い意味に捉えて発展したい」/箱根駅伝

◇第102回箱根駅伝(1月2、3日:神奈川・箱根町~東京・大手町往復/10区間217.1km) 第102回箱根駅伝が行われ、青学大が10時間37分34秒で3年連続9度目の総合優勝を成し遂げた。継続では最長だった20年連続 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top