2023.12.20
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)
第56回(1980年/昭和56年)
日体大・坂本兄弟が区間賞リレー 中大はエントリーミスにより記録無効に
日体大が2位の順大に6分37秒差をつける完勝。11時間23分51秒の大会新記録で2年ぶり8回目の総合優勝を飾った。往路は3年ぶり6回目、復路は5年連続9回目の優勝で、5回目の完全優勝だった。
往路を湧かせたのは早大。1区の石川海次が区間賞スタートを切ると、1ヵ月前の福岡国際マラソンで優勝し、モスクワ五輪のマラソン代表に選ばれた瀬古利彦が最後の花の2区で快走を見せる。ライバル日体大に10kmで1分30秒、15kmで2分突き放すと、1時間11分37秒で走破。前回自身が作った記録を41秒塗り替える2年連続の区間新記録をマーク。これで勢いに乗った早大は4区まで首位を守った。
1区から2位を走っていた日体大は4区の中村孝生が区間新記録の快走で早大との差を35秒に詰めると、5区では出口彰が早大を抜いて往路優勝。2位の早大に1分46秒差をつけた。
後方では前回優勝校の順大が5区・上田誠仁の区間賞で5位から3位に浮上。日体大とは4分3秒の差がついていた。
翌日は「復路の順大」が強さを見せる。6区の酒匂真次が区間賞の走りで2位に上がると、7区の中島修三も区間賞を獲得。平塚の時点で日体大との差を1分23秒まで詰めた。
追い上げを許した日体大は8区に茨城・水戸工高時代に高校総体の1500mなどを制した1年生の大塚正美を起用する。将来のエース候補として期待されていた大塚は快調な走りを見せ、1時間6分20秒の区間新記録を樹立。戸塚で順大に3分18秒差をつけ、優勝に大きく近づいた。
9区、10区は双子の坂本兄弟が締める。9区の兄・亘、10区の弟・充ともに区間賞を獲得して王座を奪還した。8区以降に突き放された順大は6分37秒差で2位、往路で健闘した早大が25年ぶりの3位に入った。
なお、15位でフィニッシュした中大は、補欠から7区に登録する予定だった選手を8区に出走と届出ていたため、大会終了後の監督会議で7区、8区の区間記録、復路および総合の順位、記録を無効とすることが決まった。
参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
第56回(1980年/昭和56年) 日体大・坂本兄弟が区間賞リレー 中大はエントリーミスにより記録無効に
日体大が2位の順大に6分37秒差をつける完勝。11時間23分51秒の大会新記録で2年ぶり8回目の総合優勝を飾った。往路は3年ぶり6回目、復路は5年連続9回目の優勝で、5回目の完全優勝だった。 往路を湧かせたのは早大。1区の石川海次が区間賞スタートを切ると、1ヵ月前の福岡国際マラソンで優勝し、モスクワ五輪のマラソン代表に選ばれた瀬古利彦が最後の花の2区で快走を見せる。ライバル日体大に10kmで1分30秒、15kmで2分突き放すと、1時間11分37秒で走破。前回自身が作った記録を41秒塗り替える2年連続の区間新記録をマーク。これで勢いに乗った早大は4区まで首位を守った。 1区から2位を走っていた日体大は4区の中村孝生が区間新記録の快走で早大との差を35秒に詰めると、5区では出口彰が早大を抜いて往路優勝。2位の早大に1分46秒差をつけた。 後方では前回優勝校の順大が5区・上田誠仁の区間賞で5位から3位に浮上。日体大とは4分3秒の差がついていた。 翌日は「復路の順大」が強さを見せる。6区の酒匂真次が区間賞の走りで2位に上がると、7区の中島修三も区間賞を獲得。平塚の時点で日体大との差を1分23秒まで詰めた。 追い上げを許した日体大は8区に茨城・水戸工高時代に高校総体の1500mなどを制した1年生の大塚正美を起用する。将来のエース候補として期待されていた大塚は快調な走りを見せ、1時間6分20秒の区間新記録を樹立。戸塚で順大に3分18秒差をつけ、優勝に大きく近づいた。 9区、10区は双子の坂本兄弟が締める。9区の兄・亘、10区の弟・充ともに区間賞を獲得して王座を奪還した。8区以降に突き放された順大は6分37秒差で2位、往路で健闘した早大が25年ぶりの3位に入った。 なお、15位でフィニッシュした中大は、補欠から7区に登録する予定だった選手を8区に出走と届出ていたため、大会終了後の監督会議で7区、8区の区間記録、復路および総合の順位、記録を無効とすることが決まった。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)第56回箱根駅伝総合成績をチェック
●総合成績 1位 日体大 11時間23分51秒 2位 順大 11時間30分28秒 3位 早大 11時間37分02秒 4位 大東大 11時間41分09秒 5位 日大 11時間45分15秒 6位 東農大 11時間47分17秒 7位 東洋大 11時間51分11秒 8位 筑波大 11時間51分53秒 9位 専大 11時間53分45秒 10位 東海大 11時間54分56秒 11位 駒大 11時間57分51秒 12位 国士大 11時間57分54秒 13位 拓大 12時間09分03秒 14位 法大 12時間13分20秒 中大
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.07.04
日本選手権、2日目も猛暑のため競技時間変更 一部種目を夜に
2025.07.04
東京世界陸上懸けた熱戦!20年ぶり国立開催の日本選手権、今日開幕
2025.07.03
日本選手権初日の競技日程が変更 暑熱対策の一環としてフィールド種目が14時以降開始へ
-
2025.07.03
-
2025.07.03
2025.07.02
HOKAの新作レーシングシューズ「ROCKET X 3」が7月2日に新登場!
-
2025.07.01
-
2025.06.27
-
2025.06.17
-
2025.06.04
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.07.04
日本選手権、2日目も猛暑のため競技時間変更 一部種目を夜に
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権の2日目の競技開始時間の変更が決まった。 広告の下にコンテンツが続きます 主催する日本陸連は、大会前から暑熱に関する […]
2025.07.04
東京世界陸上懸けた熱戦!20年ぶり国立開催の日本選手権、今日開幕
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が今日(7月4日)に開幕する。 広告の下にコンテンツが続きます 初日のトラック種目の決勝は男子3000m障害と女子5 […]
2025.07.03
日本選手権初日の競技日程が変更 暑熱対策の一環としてフィールド種目が14時以降開始へ
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権の初日のタイムテーブル変更が発表された。 広告の下にコンテンツが続きます 大会のオープニング種目として女子棒高跳、同 […]
2025.07.03
1500m、5000m出場の田中希実 代表内定とともに「世界陸上で戦うことを意識したレース」を目指す 廣中との対戦「楽しみ」/日本選手権
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権の開幕を控え、前日会見が国立競技場で行われ、女子1500m、5000mに出場する田中希実(New Balance)が […]
2025.07.03
103年ぶり2冠狙う泉谷駿介 世界陸上代表狙い「1日、1日全力でやりきりたい」/日本選手権
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権の開幕を控え、前日会見が国立競技場で行われ、男子110mハードルと走幅跳に出場する泉谷駿介(住友電工)が登壇した。 […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会