◇第92回日本インカレ(9月14日~17日/埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)3日目
日本インカレ3日目に男子110mハードルが行われ、村竹ラシッド(順大)が日本タイ記録の13秒04(-0.9)で2年ぶり3度目の優勝を飾った。
『J』を背負って走る最後のインカレ、最後のハードル。とてつもない走りを熊谷に刻んだ。
強い日差しが照りつけるなか村竹が躍動。「1台目を越えてから、あとは一気に刻んでいく」。スタートから飛び出すと、あとは一人旅。鋭く力強いハードリングでグングンと差を広げていく。
「タイムは意識していなくて、勝ったなと思って」右手で指をさしてフィニッシュラインを突き抜けた。そのまま仲間の待つバックスタンドまでウイニングラン。その間にちらっとボードが見えたそうで「気づくのが遅れました」とはにかむ。
大先輩・泉谷駿介(現・住友電工)が今年出した日本記録に並ぶ13秒04。さらに、泉谷が作った学生記録13秒06をようやく更新した。
「ハードルにぶつけることなくスムーズに行けましたし、中盤からスピードに乗って最後まで維持できました」と村竹。フィニッシュした際の「スピード感も違った」。それでも「13秒15くらい出ればと思っていたので」と驚き、「仲間の応援があったので」とスタンドを見つめた。
「やっとここまで来られました」
大学2年時に東京五輪の参加標準記録を突破しながら「自分なんかが出ていいのか」という現実と精神面のギャップもあり、結果的に日本選手権で不正スタートによる失格。一時はトラックから離れた。
それでも世界を目指してきた村竹。昨年は世界選手権にも初出場した。今季も春に早々とブダペスト世界選手権の参加標準記録を突破しながら、4月の織田記念で左脚を肉離れ。戦線離脱し、関東インカレも、日本選手権も、ブダペスト世界選手権も出場できなかった。
その間はウエイトトレーニングを中心に「ケガをしない身体作り」を目指してきた。体重も昨年から5kg増。クリーンも80kgから100kgまで上がった。それにより、「スタートから1、2、3歩と力強く、かつキレのある動きができるようになりました」。
ケガをしても決して挫けるどころから、成長へのチャンスへ変える。その強さが村竹を進化させた。復帰戦となった8月に13秒18をマークしてパリ五輪の参加標準記録(13秒27)を突破。さらにダイヤモンドリーグ・厦門大会も経験し、セカンドベストとなる13秒19で5位と堂々と渡り合った。
そして、最後のインカレで特大の学生新、日本タイ記録。日本インカレでの日本記録樹立は、2017年、男子100mで日本初の9秒台となった桐生祥秀(東洋大)の9秒98以来だった。
これで泉谷に記録面では並んだものの、「まだまだ。経験も足りません」。村竹が目指すのは、世界のファイナル、そしてメダル。「追いつくだけじゃなく、追い越したい。自分がハードル界を牽引していけるように」。
4年間を振り返り「あっという間でした」。三浦龍司、出口晴翔、宇野勝翔ら、「一緒に頑張れる仲間に恵まれて、頼もしい先輩、頼もしい後輩もいるいい環境でした」。そうした名門・順大で目いっぱい力をつけてきた。
村竹には、もう一つ仕事が残されている。ケガで出られなかった関東インカレで見せたように、最後まで総合優勝を目指す仲間たちを声を出して全力で応援。それができるのが、村竹ラシッドの魅力の一つだ。
「12秒台は見えました」
最後のインカレで見せた圧倒的なパフォーマンスを手土産に、村竹は世界のトップへと羽ばたいていく。
大会の模様はあすリートチャンネルのYouTubeでライブ配信されている。
あすリートチャンネル特設ページ

【動画】衝撃の13秒04!!村竹ラシッドの日本タイ記録Vをチェック
\🎊日本タイ記録🎊/
— あすリートチャンネル【公式】 (@ATHlete_ytv) September 16, 2023
学生たちの日本一決定戦🔥
『天皇賜盃 第92回 #日本インカレ』
110mH決勝
村竹ラシッド(順大)13秒04!!!
衝撃の走り!!!
📌記事は月陸Onlineをチェック🏃https://t.co/OtfswMCg6B pic.twitter.com/XiKL36Sv6A
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2026.05.04
800m落合晃が2年ぶり日本新!400mH黒川、3000m障害・齋藤ら躍動/静岡国際
-
2026.05.03
-
2026.05.03
-
2026.05.03
-
2026.05.03
2026.04.29
3000m障害・三浦龍司が絶妙ペースメイク「身体の動かし方思い起こせれば」/織田記念
-
2026.05.03
-
2026.04.29
-
2026.05.01
2026.04.24
吉岡大翔が10000m2位 苦しんだ3年間「自分なりの陸上が確立できている」/日本IC
-
2026.04.07
-
2026.04.29
Latest articles 最新の記事
2026.05.04
早期開催でさらなる高速化か!? 伊勢路への「7枠」懸けた平塚決戦が今夜開催/全日本大学駅伝関東選考会
◇全日本大学駅伝関東学連推薦校選考会(5月4日/神奈川・レモンガススタジアム平塚) 第58回全日本大学駅伝関東学連推薦校選考会が5月4日、昨年よりも3週間繰り上げて開催される。 広告の下にコンテンツが続きます 20校が参 […]
2026.05.04
800m落合晃が2年ぶり日本新!400mH黒川、3000m障害・齋藤ら躍動/静岡国際
◇第41回静岡国際(5月3日/小笠山総合運動公園) 日本グランプリシリーズの静岡国際が5月3日に行われた。男子800mでは驚がくの日本記録が誕生。落合晃(駒大)が自身の日本記録を2年ぶりに0.90秒も更新する1分43 […]
2026.05.04
日本は男子4×400mで北京世界選手権出場権獲得!4×100m、混合マイルは今大会での獲得ならず/世界リレー
◇世界リレー2026(5月2日~3日/ボツワナ・ハボローネ)2日目 世界リレーの2日目が行われ、日本は男子4×400mリレーで来年の北京世界選手権出場権を獲得した。 広告の下にコンテンツが続きます 第2ラウンドは2組に分 […]
2026.05.03
日本男子4×100mは守祐陽、飯塚翔太、桐生祥秀、井上直紀!北京世界陸上目指し、第2ラウンドへ/世界リレー
◇世界リレー2026(5月2日~3日/ボツワナ・ハボローネ)1日目 世界リレーの2日目が行われ、男子4×100mリレー第2ラウンドのオーダーが発表された。 広告の下にコンテンツが続きます 2組7レーンに入った日本は、予選 […]
Latest Issue
最新号
2026年5月号 (4月14日発売)
2026シーズン展望
中距離特集ほか