HOME 国内、大学

2023.09.16

110mH村竹ラシッド13秒04の日本タイ記録!「やっとここまで来られた」ケガ乗り越え進化 最後のインカレで待望の学生新/日本IC
110mH村竹ラシッド13秒04の日本タイ記録!「やっとここまで来られた」ケガ乗り越え進化 最後のインカレで待望の学生新/日本IC

23年日本インカレ男子110mHを日本タイ記録で制した村竹ラシッド(順大)

【動画】衝撃の13秒04!!村竹ラシッドの日本タイ記録Vをチェック

◇第92回日本インカレ(9月14日~17日/埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)3日目 日本インカレ3日目に男子110mハードルが行われ、村竹ラシッド(順大)が日本タイ記録の13秒04(-0.9)で2年ぶり3度目の優勝を飾った。 『J』を背負って走る最後のインカレ、最後のハードル。とてつもない走りを熊谷に刻んだ。 強い日差しが照りつけるなか村竹が躍動。「1台目を越えてから、あとは一気に刻んでいく」。スタートから飛び出すと、あとは一人旅。鋭く力強いハードリングでグングンと差を広げていく。 「タイムは意識していなくて、勝ったなと思って」右手で指をさしてフィニッシュラインを突き抜けた。そのまま仲間の待つバックスタンドまでウイニングラン。その間にちらっとボードが見えたそうで「気づくのが遅れました」とはにかむ。 大先輩・泉谷駿介(現・住友電工)が今年出した日本記録に並ぶ13秒04。さらに、泉谷が作った学生記録13秒06をようやく更新した。 「ハードルにぶつけることなくスムーズに行けましたし、中盤からスピードに乗って最後まで維持できました」と村竹。フィニッシュした際の「スピード感も違った」。それでも「13秒15くらい出ればと思っていたので」と驚き、「仲間の応援があったので」とスタンドを見つめた。 「やっとここまで来られました」 大学2年時に東京五輪の参加標準記録を突破しながら「自分なんかが出ていいのか」という現実と精神面のギャップもあり、結果的に日本選手権で不正スタートによる失格。一時はトラックから離れた。 それでも世界を目指してきた村竹。昨年は世界選手権にも初出場した。今季も春に早々とブダペスト世界選手権の参加標準記録を突破しながら、4月の織田記念で左脚を肉離れ。戦線離脱し、関東インカレも、日本選手権も、ブダペスト世界選手権も出場できなかった。 その間はウエイトトレーニングを中心に「ケガをしない身体作り」を目指してきた。体重も昨年から5kg増。クリーンも80kgから100kgまで上がった。それにより、「スタートから1、2、3歩と力強く、かつキレのある動きができるようになりました」。 ケガをしても決して挫けるどころから、成長へのチャンスへ変える。その強さが村竹を進化させた。復帰戦となった8月に13秒18をマークしてパリ五輪の参加標準記録(13秒27)を突破。さらにダイヤモンドリーグ・厦門大会も経験し、セカンドベストとなる13秒19で5位と堂々と渡り合った。 そして、最後のインカレで特大の学生新、日本タイ記録。日本インカレでの日本記録樹立は、2017年、男子100mで日本初の9秒台となった桐生祥秀(東洋大)の9秒98以来だった。 これで泉谷に記録面では並んだものの、「まだまだ。経験も足りません」。村竹が目指すのは、世界のファイナル、そしてメダル。「追いつくだけじゃなく、追い越したい。自分がハードル界を牽引していけるように」。 4年間を振り返り「あっという間でした」。三浦龍司、出口晴翔、宇野勝翔ら、「一緒に頑張れる仲間に恵まれて、頼もしい先輩、頼もしい後輩もいるいい環境でした」。そうした名門・順大で目いっぱい力をつけてきた。 村竹には、もう一つ仕事が残されている。ケガで出られなかった関東インカレで見せたように、最後まで総合優勝を目指す仲間たちを声を出して全力で応援。それができるのが、村竹ラシッドの魅力の一つだ。 「12秒台は見えました」 最後のインカレで見せた圧倒的なパフォーマンスを手土産に、村竹は世界のトップへと羽ばたいていく。 大会の模様はあすリートチャンネルのYouTubeでライブ配信されている。 あすリートチャンネル特設ページ

【動画】衝撃の13秒04!!村竹ラシッドの日本タイ記録Vをチェック

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.10

【箱根駅伝エントリー】登録選手336人が決定 最多出身高は13年ぶりの駅伝名門校! 都道府県別では埼玉が2年連続トップ

箱根駅伝エントリー選手の出身高校別人数 13人 佐久長聖(長野) 小池莉希(創価大3)、吉岡大翔(順大3)、遠藤大成(青学大2)、山口竣平(早大2)、永原颯磨(順大2)、野崎健太朗(順大2)、遠藤優裕(神奈川大2)、吉岡 […]

NEWS 前回6位の城西大・櫛部静二監督「アッと驚く試合を」 20年連続シード東洋大・酒井俊幸監督「誰が出ても粘りながら」/箱根駅伝

2025.12.10

前回6位の城西大・櫛部静二監督「アッと驚く試合を」 20年連続シード東洋大・酒井俊幸監督「誰が出ても粘りながら」/箱根駅伝

第102回箱根駅伝の記者発表会が12月10日、都内で行われ、出場校の監督が意気込みを語った。 前回6位の城西大は16人のエントリーの半数を4年生が占めた。櫛部静二監督は「ここ数年、この4年生の力によって、城西大としては上 […]

NEWS 15年ぶりVへ!早大・花田勝彦監督「往路優勝のオーダーを」山口智規主将を「胴上げしたい」/箱根駅伝

2025.12.10

15年ぶりVへ!早大・花田勝彦監督「往路優勝のオーダーを」山口智規主将を「胴上げしたい」/箱根駅伝

第102回箱根駅伝の記者発表会が12月10日、都内で行われ、出場校の監督が意気込みを語った。 前回4位の早大は「5強」の一角として、15年ぶり優勝をしっかりと視界に捉える。 就任4年目を迎えた花田勝彦駅伝監督は、今年度で […]

NEWS 99回目出場の中大・藤原監督「いい顔でスタートを」4年生が優勝へ執念「勝たせてやりたい」/箱根駅伝

2025.12.10

99回目出場の中大・藤原監督「いい顔でスタートを」4年生が優勝へ執念「勝たせてやりたい」/箱根駅伝

第102回箱根駅伝の記者発表会が12月10日、都内で行われ、出場校の監督が意気込みを語った。 全日本大学駅伝で2位を占めた中大は、前回5位からの躍進を期す。藤原正和監督は「いいチームができました」と胸を張って語る。 1年 […]

NEWS 第102回箱根駅伝ゲスト解説に駒大OB・篠原倖太朗、國學院大OB・平林清澄ら 往路さらなる特別ゲストも

2025.12.10

第102回箱根駅伝ゲスト解説に駒大OB・篠原倖太朗、國學院大OB・平林清澄ら 往路さらなる特別ゲストも

関東学生陸上競技連盟が12月10日、第102回箱根駅伝の開催要項を発表し、テレビ中継する日本テレビの放送についても合わせて発表された。 2026年1月2日の往路、3日の復路ともに7時から生中継。放送センターでの解説は往路 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top