HOME 国内、世界陸上、日本代表
初の世界に挑む男子200mアジア王者・鵜澤飛羽「やることはやってきた」/世界陸上
初の世界に挑む男子200mアジア王者・鵜澤飛羽「やることはやってきた」/世界陸上

男子200mの鵜澤飛羽

ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー)の日本代表第二陣が8月15日、東京・羽田空港から当地に向けて出発した。

第二陣は男子110mハードルの泉谷駿介(住友電工)、男子200mの鵜澤飛羽(筑波大)、寺田明日香(ジャパンクリエイト)、青木益未(七十七銀行)、田中佑美(富士通)の女子100mハードルトリオら。同日深夜の便で出発し、フィンランド・ヘルシンキを経由してブダペスト入りする。

ジュニア時代も含めて、初めての世界の舞台に挑む鵜澤は、「やることはやってきました」ときっぱり。過去の世界陸上日本人メダリストの動画をチェックするなど、モチベーションも高めてきた。

広告の下にコンテンツが続きます

「陸上を始めてから一番のパフォーマンスを出せる準備をしてきました。予選から全力で挑みたい」

その力強い言葉を裏付けるような結果を、今季は残し続けてきた。5月の静岡国際では追い風参考ながら20秒10(+2.6)の快走。それを皮切り、6月の日本選手権では20秒32(-0.2)で初優勝、そして7月のアジア選手権は日本歴代8位タイ、学生歴代2位、大会新の20秒23(-0.4)で金メダルに輝いている。

そこから世界陸上に向けては、世界のスピードを意識した準備をしてきた。特に前半は「今は10秒4~5で通過しているのですが、それを10秒3に上げる」ことを狙いとして挙げる。

広告の下にコンテンツが続きます

日本選手権もアジア選手権も、直線で他を圧倒してきた。そこに前半の勢いを加え、後半を「今までと同じスピード」でカバーすれば「理論上はパリ五輪の標準記録(20秒16)がいける」と鵜澤。もちろん、前半を意識し過ぎず「速くしているつもりがなくても速くなっている」ことが理想で、「速いとわかっている」世界のスピードにうまくついていくことができれば、得意の後半で鵜澤が抜け出すシーンが見られるかもしれない。

野球から転向し、宮城・築館高2年時にインターハイ2冠。一躍大きな注目を集めたが、高3時には一時陸上から距離を置いた時期もあった。筑波大に進学してからは右脚を故障。今でも「リハビリの途中」と万全ではないが、その中でも徐々にその大器ぶりを示している。

いよいよ始まる「陸上の中で一番大きな大会」に向けて、「自分の力ではまだ太刀打ちできない」としつつも、「それを含めて自分の力を出し切って、あわよくばいろいろとついてきたら」。

目標は「準決勝までは最低でも行きたい」。だがそれ以上に、「経験のための1年」と捉える中で「欲張らず、吸収できるところは吸収したい」ということが一番目指すところだ。

「会場はお祭りみたいなイメージがあるので、それに乗っかっていきたい」。鵜澤は落ち着いて、そう力強く語った。

男子200mは8月23日に予選、24日(日本時間25日)に準決勝、25日(同26日)に決勝が行われる。

ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー)の日本代表第二陣が8月15日、東京・羽田空港から当地に向けて出発した。 第二陣は男子110mハードルの泉谷駿介(住友電工)、男子200mの鵜澤飛羽(筑波大)、寺田明日香(ジャパンクリエイト)、青木益未(七十七銀行)、田中佑美(富士通)の女子100mハードルトリオら。同日深夜の便で出発し、フィンランド・ヘルシンキを経由してブダペスト入りする。 ジュニア時代も含めて、初めての世界の舞台に挑む鵜澤は、「やることはやってきました」ときっぱり。過去の世界陸上日本人メダリストの動画をチェックするなど、モチベーションも高めてきた。 「陸上を始めてから一番のパフォーマンスを出せる準備をしてきました。予選から全力で挑みたい」 その力強い言葉を裏付けるような結果を、今季は残し続けてきた。5月の静岡国際では追い風参考ながら20秒10(+2.6)の快走。それを皮切り、6月の日本選手権では20秒32(-0.2)で初優勝、そして7月のアジア選手権は日本歴代8位タイ、学生歴代2位、大会新の20秒23(-0.4)で金メダルに輝いている。 そこから世界陸上に向けては、世界のスピードを意識した準備をしてきた。特に前半は「今は10秒4~5で通過しているのですが、それを10秒3に上げる」ことを狙いとして挙げる。 日本選手権もアジア選手権も、直線で他を圧倒してきた。そこに前半の勢いを加え、後半を「今までと同じスピード」でカバーすれば「理論上はパリ五輪の標準記録(20秒16)がいける」と鵜澤。もちろん、前半を意識し過ぎず「速くしているつもりがなくても速くなっている」ことが理想で、「速いとわかっている」世界のスピードにうまくついていくことができれば、得意の後半で鵜澤が抜け出すシーンが見られるかもしれない。 野球から転向し、宮城・築館高2年時にインターハイ2冠。一躍大きな注目を集めたが、高3時には一時陸上から距離を置いた時期もあった。筑波大に進学してからは右脚を故障。今でも「リハビリの途中」と万全ではないが、その中でも徐々にその大器ぶりを示している。 いよいよ始まる「陸上の中で一番大きな大会」に向けて、「自分の力ではまだ太刀打ちできない」としつつも、「それを含めて自分の力を出し切って、あわよくばいろいろとついてきたら」。 目標は「準決勝までは最低でも行きたい」。だがそれ以上に、「経験のための1年」と捉える中で「欲張らず、吸収できるところは吸収したい」ということが一番目指すところだ。 「会場はお祭りみたいなイメージがあるので、それに乗っかっていきたい」。鵜澤は落ち着いて、そう力強く語った。 男子200mは8月23日に予選、24日(日本時間25日)に準決勝、25日(同26日)に決勝が行われる。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.10.24

「3強」立命大の連覇か、名城大のV奪還か、大東大の初優勝か?城西大、大阪学大らも追随/全日本大学女子駅伝見どころ

第43回全日本大学女子駅伝対校選手権大会は10月26日、宮城県仙台市の弘進ゴムアスリートパーク仙台(仙台市陸上競技場)をスタート・フィニッシュとする6区間38.0kmで開催される。 前回8位までに入ってシード権を持つ立命 […]

NEWS 競歩新距離で日本初開催!世界陸上メダリスト・勝木隼人、入賞の吉川絢斗も登録 アジア大会選考がスタート/高畠競歩

2025.10.24

競歩新距離で日本初開催!世界陸上メダリスト・勝木隼人、入賞の吉川絢斗も登録 アジア大会選考がスタート/高畠競歩

来年の名古屋アジア大会の代表選考会を兼ねた第62回全日本競歩高畠大会が10月26日に山形県高畠町で開かれる。 競歩はこれまで20㎞、35㎞(以前は50㎞)という2種目で行われてきたが、世界陸連(WA)はハーフマラソン(2 […]

NEWS 前回V國學院大の2冠か!? 駒大、青学大、中大、創価大も有力 早大、城西大、帝京大の底力は? 独自の最新データで分析/全日本大学駅伝

2025.10.24

前回V國學院大の2冠か!? 駒大、青学大、中大、創価大も有力 早大、城西大、帝京大の底力は? 独自の最新データで分析/全日本大学駅伝

第57回全日本大学駅伝対校選手権大会は11月2日、愛知・熱田神宮西門前をスタートし、三重・伊勢神宮内宮宇治橋前にフィニッシュする8区間106.8㎞で行われる。 出雲駅伝では國學院大が2連覇を飾り、伊勢路でも連覇に照準を定 […]

NEWS 女子短距離の久保山晴菜が現役引退「もう一度やり直してもこの道を選ぶ」アジア選手権やDLにも出場

2025.10.24

女子短距離の久保山晴菜が現役引退「もう一度やり直してもこの道を選ぶ」アジア選手権やDLにも出場

今村病院はアスリート職員の女子短距離・久保山晴菜が今季限りで現役引退すると発表した。 久保山は佐賀県出身の29歳。小学校から陸上を始め、田代中時代に4×100mリレーで全中準決勝に進出。佐賀北高に進学して200m、400 […]

NEWS 後藤大樹が46秒80!!!初400mで高1最高を14年ぶりに更新 インターハイでは高1初400mH王者

2025.10.24

後藤大樹が46秒80!!!初400mで高1最高を14年ぶりに更新 インターハイでは高1初400mH王者

京都府私学総体が10月24日に西京極で行われ、男子400mで後藤大樹(洛南1)が46秒80を叩き出した。自身初の400m個人レースで出したこの記録は、山木伝説(九里学園)が2011年に樹立した高1最高(47秒31)を14 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top