男子20km競歩で19年ドーハ世界選手権、22年オレゴン世界選手権と金メダルを獲得し、東京五輪銅メダリストの山西利和(愛知製鋼)が、ブダペスト世界選手権に向けて合同オンライン会見を開いた。
世界選手権で同種目史上2人目の3連覇が懸かる王者・山西。「今回も優勝をターゲットにしながら、自分のやりたいことをできるように準備していきたい」と語る。
ディフェンディング・チャンピオンとして与えられる「ワイルドカード」で出場権を得ていただけに、今季は日本選手権など選考会への出場を見送り、5月にポルトガルで行われた世界陸連(WA)競歩ツアー・ゴールド「リオ・マイオール国際グランプリ」に出場。1時間20分58秒で3位だった。
そのレースを振り返り、「久しぶりの欧州、調整面など難しさは感じました。警告が2つついたのは反省。レース中にバタバタした動きでした」と言うも、「良くない動きの中で警告が出た」と想定内。それでも、「勝ちにいくレースでしたので、シンプルに課題が出たことは受け止めたい」という。
世界選手権金メダルの過去2大会と比較すると、「(世界選手権前のレースから)今回は5月から8月と、少し間隔が近い。そういった面でコンディションの仕上がり具合でいえば遅れているがわかっていたこと。仕上がり具合は5、60%。経験値や、冬季でやってきたことと照らし合わせて、あと2ヵ月で準備して上げていきたい」と語る。
2連覇している山西は「大きな変化はないといえば嘘になるが、3連覇だから何かがあるのではありません。過去の実績が戦うのではなく、今の僕と相手が戦うだけ」と強調。その中で、積み上げてきたことは「レースの作り方で深みが出てくると思うのでレースで表現したい」と山西らしい言葉で語る。
山西の「やりたいレース」とは、「自分で積極的にレースを作り、デザインしていく」こと。「当然、ラスト数kmがポイントになりますが、スパートだけ磨けば勝てるわけではありません。レースのアベレージを上げていって生き残り、勝負どころまで余力を残す。それができればスパートで差がつけられます」。
「世界一を決めるレースのスタートラインに立てるのはうれしいこと。最高の状態で立てるように準備していきたい」
3度目の世界一、そして見据えるパリ五輪の金メダルへ。王者が2023年最後の仕上げに入っていく。
同じく愛知製鋼で35km競歩代表となった丸尾知司も会見に出席。17年ロンドン世界選手権50km競歩では4位。それ以来6年ぶりの世界選手権で「メダルターゲットに準備していきたい」と抱負を話す。
東京五輪50kmでは32位。悔しさからリベンジを誓った昨年はオレゴン世界選手権代表を逃し一度は引退もよぎったという。それでも、周囲のサポートや応援から「必ずカムバックするんだ」と決意を新たにした。
35kmでは初の国際レース。「4分00秒から4分05秒で推移するペースが必要。後半のスタミナには自信はありますが、前半の余裕度がないとスタミナを生かすレースができない。ある程度ゆったりとした動きでスピードを出せるかどうか」をポイントに置く。
「4分05秒~10秒のペースは力を使わずに出せるようになってきた。もう一つ上のステージに上げるために精度を高めていきたい」と仕上げていく構えだ。
いずれも7月に長野で、7月下旬から北海道で合宿をし、一度パリを経由してからハンガリー・ブダペストへ渡る予定となっている。
ブダペスト世界選手権は8月19日から27日の日程で開催。最初の決勝種目となる男子20km競歩が19日午前8時50分にスタートし、翌20日の午前7時15分に女子20km競歩の号砲が鳴る。35km競歩は男女とも24日午前7時から実施される。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.07.05
2025.07.02
HOKAの新作レーシングシューズ「ROCKET X 3」が7月2日に新登場!
-
2025.07.05
-
2025.07.01
-
2025.07.04
-
2025.06.17
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.07.05
新潟医療福祉大14年連続全国へ 5000mレースで清水杏夏筆頭に上位ほぼ独占/全日本大学女子駅伝北信越地区選考会
第43回全日本大学女子駅伝対校選手権北信越地区選考会が7月5日、長野県佐久市の佐久総合運動公園陸上競技場で行われ、新潟医療福祉大がトップとなり、14年連続14回目となる本大会の出場権を獲得した。 北信越地区からの全国大会 […]
2025.07.05
信州大が4大会ぶり16回目の伊勢路へ! 初の出場枠2・出雲駅伝は信州大と新潟大が出場権獲得/全日本大学駅伝北信越選考会
秩父宮賜杯第57回全日本大学駅伝の北信越地区選考会は7月5日、長野・佐久総合運動公園陸上競技場で行われ、信州大が4時間15分59秒69で4大会連続16回目の本大会出場を決めた。 選考会には6校が出場し、各校最大10人がエ […]
2025.07.05
やり投・ディーン元気13年ぶり自己新84m66!同期・新井涼平と交わした約束果たし「メモリアルな1投」/日本選手権
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 2日目 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、男子やり投でディーン元気(ミズノ)が84m66で2位に入った。 広告の下にコンテンツが続きます 同 […]
2025.07.05
札幌学大が4年ぶり3回目、北大が4年ぶり2回目の出場権獲得!/出雲駅伝北海道予選会
7月5日、札幌円山競技場で第37回出雲大学選抜駅伝の北海道地区予選会が行われ、札幌学大と北大が本戦の出場権を獲得した。 出雲駅伝の出場枠は前年度の大会成績によって振り分けられ、24年出雲駅伝で北海道学連選抜が14位に入っ […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会