HOME 特集

2023.05.30

日本選手権みどころ女子フィールド編/北口榛花が渡欧前最後の国内戦 走幅跳・秦澄美鈴と三段跳・森本麻里子に日本新の予感
日本選手権みどころ女子フィールド編/北口榛花が渡欧前最後の国内戦 走幅跳・秦澄美鈴と三段跳・森本麻里子に日本新の予感

走幅跳の秦澄美鈴、やり投の北口榛花、三段跳の森本麻里子

ブダペスト世界選手権、そしてアジア選手権(バンコク)、アジア大会(杭州)の代表選考会を兼ねた第107回日本選手権が6月1日から4日まで、大阪・ヤンマースタジアム長居で開かれる。日本一の称号を懸けた熱き戦いの見どころ【女子フィールド種目】をチェックしていく。

北口榛花ら世界レベルの争いとなるやり投

世界レベルの投げ合いが見られるのがやり投。その中心はやはり北口榛花(JAL)だ。昨年のオレゴン世界選手権銅メダル、ダイヤモンドリーグ3位と、今や世界トップスロワーの一人として認知されている。織田記念で投げた64m50は今季の世界リスト2位(5月末時点)。すでにブダペスト世界選手権代表に内定している。

広告の下にコンテンツが続きます

日本選手権後にDLなどに出場するためすぐに離日。その後は世界選手権まで海外が拠点となる見込み。3連覇で弾みをつけて飛び立つつもりだ。

北口でも油断できないレベルにあるのがこの種目の特徴。17年ロンドン世界選手権代表の斉藤真理菜(スズキ)は62m07と完全復活を果たし、長麻尋(国士舘クラブ)も61m10まで記録を伸ばしてきた。オレゴン世界選手権代表の上田百寧(ゼンリン)もケガ明けながらセイコーGGPで60m超え。武本紗栄(佐賀スポ協)も一発を秘める。久世生宝(コンドーテック)までワールドランキングでの世界選手権出場が見える位置にいる。

参加標準記録は63m80とやや高めだが上位陣は届く可能性は十分。残り2枠の代表を懸けた決戦は、雨予報100%の大会2日目に行われる。

ハンマー投には昨年日本国籍を取得したマッカーサー・ジョイ(NMFA)が初出場なるか。シーズン早々に69m89の日本記録を樹立。65m33の学生記録を打ち立てた村上来花(九州共立大)がどこまで食らいつけるか。

広告の下にコンテンツが続きます

円盤投は日本記録59m03を持つ郡菜々佳(新潟アルビレックスRC)と齋藤真希(東海大院)が激突。いずれも自力をつけているが、郡は精神面と安定感が課題で、齋藤は安定感が出てきたが一発が出ていない。両者が万全な調子で競り合えば、日本初の60mも見えてくる。郡は2連覇中の砲丸投にも出場見込み。砲丸投は尾山和華(今村病院)が好調、大野史佳(筑波大院)も有力だ。

ブダペスト世界選手権、そしてアジア選手権(バンコク)、アジア大会(杭州)の代表選考会を兼ねた第107回日本選手権が6月1日から4日まで、大阪・ヤンマースタジアム長居で開かれる。日本一の称号を懸けた熱き戦いの見どころ【女子フィールド種目】をチェックしていく。

北口榛花ら世界レベルの争いとなるやり投

世界レベルの投げ合いが見られるのがやり投。その中心はやはり北口榛花(JAL)だ。昨年のオレゴン世界選手権銅メダル、ダイヤモンドリーグ3位と、今や世界トップスロワーの一人として認知されている。織田記念で投げた64m50は今季の世界リスト2位(5月末時点)。すでにブダペスト世界選手権代表に内定している。 日本選手権後にDLなどに出場するためすぐに離日。その後は世界選手権まで海外が拠点となる見込み。3連覇で弾みをつけて飛び立つつもりだ。 北口でも油断できないレベルにあるのがこの種目の特徴。17年ロンドン世界選手権代表の斉藤真理菜(スズキ)は62m07と完全復活を果たし、長麻尋(国士舘クラブ)も61m10まで記録を伸ばしてきた。オレゴン世界選手権代表の上田百寧(ゼンリン)もケガ明けながらセイコーGGPで60m超え。武本紗栄(佐賀スポ協)も一発を秘める。久世生宝(コンドーテック)までワールドランキングでの世界選手権出場が見える位置にいる。 参加標準記録は63m80とやや高めだが上位陣は届く可能性は十分。残り2枠の代表を懸けた決戦は、雨予報100%の大会2日目に行われる。 ハンマー投には昨年日本国籍を取得したマッカーサー・ジョイ(NMFA)が初出場なるか。シーズン早々に69m89の日本記録を樹立。65m33の学生記録を打ち立てた村上来花(九州共立大)がどこまで食らいつけるか。 円盤投は日本記録59m03を持つ郡菜々佳(新潟アルビレックスRC)と齋藤真希(東海大院)が激突。いずれも自力をつけているが、郡は精神面と安定感が課題で、齋藤は安定感が出てきたが一発が出ていない。両者が万全な調子で競り合えば、日本初の60mも見えてくる。郡は2連覇中の砲丸投にも出場見込み。砲丸投は尾山和華(今村病院)が好調、大野史佳(筑波大院)も有力だ。

好記録が続く跳躍 秦&森本に日本新の予感

走幅跳で昨年オレゴン世界選手権に出場した秦澄美鈴(シバタ工業)は、6m86の日本記録更新を見据えている。静岡国際では6m75の自己新をジャンプ。セイコーGGPではファイルながら日本記録ラインを超える跳躍を見せていた。 ワールドランキングで2大会連続世界選手権代表は近づいているが、参加標準記録(6m85)を切っての代表入りを目指している。食い下がれるとしたら髙良彩花(JAL)か。 三段跳は森本麻里子(内田建設AC)が4連覇中。木南記念では13m80をマークしている。まだ昨年のベスト(13m84)は更新できていないがアベレージは上がっている。身体の軸も安定し、助走のリズムやスピードが跳躍と噛み合ってきた。日本人2人目の14m超え、そして日本記録(14m04)の更新も可能性は十分にある。 髙島真織子(九電工)も13m75と大きく自己記録を塗り替えている。学生記録保持者の船田茜理(武庫川女大院)も一発がある。この3人が実力では抜けている。 今年4m41の日本記録が誕生した棒高跳。11年ぶりに日本記録を塗り替えたのが諸田実咲(アットホーム)だ。その後も室内競技会で4m30を跳んでいる。ただ、兵庫リレーカーニバルは記録なし。水戸招待は4m20で優勝と安定感が課題となりそうだ。田中伶奈(吉田石油店)や那須眞由(KADOTANI)らの勝負か。 走高跳は髙橋渚(メイスンワーク)が頭一つ抜けており、1m80以上を安定して跳んでいる。連覇は固いか。試合から遠ざかっている津田シェリアイ(築地銀だこ)の調子も気になるところ。 ブダペスト世界選手権はもちろん、来年のパリ五輪を見据えた時にはアジア選手権とアジア大会の最大2枠の代表入りも重要になってくる。 日本選手権は6月1日から4日まで、大阪・ヤンマースタジアム長居で開催。NHKでテレビ中継され、初日はBS1で18時00分から、2日目はBS1で18時30分から、総合で19時30分から、3日目は総合で16時30分から、4日目は総合で16時30分から中継されるほか、日本陸連YouTubeチャンネルでライブ配信も実施される。

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.27

立命大の連覇か、城西大の2冠か、名城大の復権は!?今年最後の駅伝の行方を占う/富士山女子駅伝

◇2025富士山女子駅伝(12月30日/静岡・富士山本宮浅間大社前~富士総合運動公園陸上競技場:7区間43.4km) 大学女子2大タイトルの一つ、富士山女子駅伝が12月30日に行われる。優勝候補のチームをチェックしていく […]

NEWS 箱根駅伝Stories/初の総合優勝狙う國學院大 「堅実な駅伝をすれば勝機を見いだせる」 悲願達成へ“山攻略”を

2025.12.27

箱根駅伝Stories/初の総合優勝狙う國學院大 「堅実な駅伝をすれば勝機を見いだせる」 悲願達成へ“山攻略”を

新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 スローガンに込めた想い 今季、國學院大が掲げたチームスローガンは『は […]

NEWS 國學院大・田中愛睦が5000m14分14秒08でトップ 10000mは城西大・橋本健市が1着/早大競技会

2025.12.27

國學院大・田中愛睦が5000m14分14秒08でトップ 10000mは城西大・橋本健市が1着/早大競技会

2025年度第7回早大競技会は12月27日、埼玉県所沢市の早大所沢キャンパス織田幹雄記念陸上競技場で行われ、男子5000mは國學院大の田中愛睦(3年)が14分14秒08で全体トップだった。 千葉・八千代松陰高出身の田中は […]

NEWS 村竹ラシッドがG1プレゼンター登場「うれしそうな雰囲気伝わりました」レースに馬券に大興奮

2025.12.27

村竹ラシッドがG1プレゼンター登場「うれしそうな雰囲気伝わりました」レースに馬券に大興奮

男子110mハードル日本記録保持者の村竹ラシッド(JAL)が日本中央競馬会のJ・G1中山大障害(中山競馬場)の表彰式にプレゼンターとして登壇した。 大の競馬好きとして知られる村竹。以前から「プレゼンターをしてみたい」とい […]

NEWS “5強”による大激戦か!? 3連覇へ青学大、全日本王者・駒大、初V狙う國學院大、早大、中大が挑戦/箱根駅伝

2025.12.27

“5強”による大激戦か!? 3連覇へ青学大、全日本王者・駒大、初V狙う國學院大、早大、中大が挑戦/箱根駅伝

第102回東京箱根間往復大学駅伝は2026年1月2日に往路、3日に復路の全10区間217.1kmで行われる。 今回も前回10位までのシード10校と予選会を通過した10校、オープン参加の関東学生連合チームを加えた計21チー […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top