◇第38回静岡国際(5月3日/静岡・エコパスタジアム)
日本グランプリシリーズG1の静岡国際が行われ、男子200mは鵜澤飛羽(筑波大)が優勝した。2.6mの追い風参考ながら、日本歴代3位相当の20秒10をマークした。
スタートからしなやかな走りで加速すると、ラストの直線は圧巻。失速するライバルたちをグングンと突き放してフィニッシュラインを駆け抜けた。20秒10の記録に会場はどよめきが起きる。鵜澤を知る人たちからすれば「やはり」という覚醒だった。
「なんて言えばいいか……お待たせしました」。そう言って笑顔を見せる鵜澤。2019年夏、宮城・築館高2年時にインターハイで100m10秒19(+2.9)、200m20秒36(+2.1)を出して衝撃を与えた。それを超えたのでは? そんな問いに「同じくらいじゃないですか」と言う。
コロナ禍が始まった高3の秋以降、一度は練習をせずに競技から距離を置いた。筑波大1年時の関東インカレ100mでは左ハムストリングスを重度の肉離れ。「4、5ヵ月は走れなかった」。今でも違和感は残る。
「引退するまで2度とケガをしない」と身体作りに注力。走練習はまだ抑えつつ、「冬は肩の位置を正しい場所にして動かす」意識を持つために、懸垂などで作り上げた。ウエイトトレーニングも少しずつ増やして、まだまだ細身だが力強さは増した。
「運が良かっただけで、これ以上のタイムはまだ出ない。20秒3くらいをしっかり出して勝っていきたい。そうすれば20秒1、2も見えますし、世界選手権も狙える」
高校生の時に、サイン色紙を持参して富士北麓ワールドトライアルでシニアと対戦。その時は飯塚翔太(ミズノ)にサインをもらった。この日、飯塚の自己記録を0.01秒上回るタイムを見せた。これには飯塚も「刺激になりますし、僕もまだまだ負けません」と火がついた様子。
「あこがれの飯塚さんと一緒に走れる立場になれてうれしい。少年、少女が飯塚さんにサインや写真を求めている。いつかそんなふうになりたいです」
そのポテンシャルを見せた鵜澤だが、まだまだ本格化は先だが、まずは世界選手権デビューへ。飛躍の時を迎えようとしている。
【動画】鵜澤飛羽が衝撃の20秒10!静岡国際男子200mをチェック!
※鵜澤は4レーンRECOMMENDED おすすめの記事
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