2023.04.28
◇第57回織田幹雄記念(4月29日/広島・エディオンスタジアム広島)
日本グランプリシリーズG1の織田記念を翌日に控え、会場となるエディオンスタジアム広島で前日会見が行われた。
山縣亮太(セイコー)が帰ってきた。
舞台は地元・広島。何度も走ってきた競技場に立ち、「競技を始めて20年以上経つので慣れたかなと思っていたのですが、独特の雰囲気だなと感じます」と笑顔を浮かべ、「試していることがうまくいくか、力を出し切れるかというのは、(ケガ前の)走れてい頃に感じていたような不安も、ワクワクもあります。帰ってきたなという感じ」と心境を明かす。
オリンピック3大会連続出場。2021年には100m9秒95の日本記録も樹立した。五輪後は「パリ五輪を見据えて」痛めていた右膝の手術を決断。もとは4月上旬に六大学対校の200mに出場を予定していたがふくらはぎをケイレンした影響で見送った。織田記念が21年9月の全日本実業団対抗選手権以来の実戦となる。
長く日本スプリントを牽引してきたが、『はじまり』は10年前のこの舞台だったかもしれない。
2013年の織田記念。9秒台を期待される一番手だった山縣の前に、突如10秒01を叩き出した高校生が桐生祥秀(洛南高、現・日本生命)だった。「今でもよく覚えていますよ」。2人の長く続くライバル関係ここがスタートだった。
「10年間、1周しました。彼がいたから技術について考えたり、記録を伸ばしたりしてこられた。大きな刺激をもらえています」
奇しくも、桐生もまた昨年は休養を取り、今年になってトラックに戻ってきた。明日の状況次第で、2人が21年6月以来に戦うことになる。
「また織田記念で一緒に走る。その復帰戦が織田記念というのは感慨深いものがあります」
脚の状態は問題なし。「欠場した六大学からも練習を積んできた」。ケガやスパイクが変わった影響で「走りのリズムが変わっている」。前日刺激では「スピードに乗っていくための加速のつなぎの部分、特に30mまでを意識しました」と言い、「感覚は悪くないです」。
狙うのは日本選手権の参加標準記録10秒39が一つのターゲット。有効期限の5月14日までのチャンスはこの1回きり。簡単ではないと承知の上で、あくまで視界にあるのはパリ五輪。そこに向けたシーズンとして捉える。
「僕も第一線に戻って、また切磋琢磨して世界を目指す舞台に立ちたいと思っています」
思い出も、伝説も、名勝負も刻んできた地元・広島から、日本を代表する稀代のスプリンターが復活への第一歩を踏み出す。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.11.17
2025.11.16
橋岡優輝が家族での初教室「楽しみながら陸上に触れて」
-
2025.11.14
-
2025.11.13
-
2025.11.15
2025.11.02
青学大が苦戦の中で3位確保!作戦不発も「力がないチームではない」/全日本大学駅伝
-
2025.11.02
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.11.19
「大阪から世界へ」OSAKA夢プログラム報告会が開催!ハンマー投・福田翔大「北京、ロスとさらに多くの代表を」
公益財団法人大阪陸上競技協会が展開する選手サポートプログラム「OSAKA夢プログラム」の第Ⅲ期報告会が11月18日、大阪市内のホテルで開催された。 東京世界選手権に出場した男子ハンマー投の福田翔大(住友電工)、女子100 […]
2025.11.18
国内外のレースでトップアスリートたちが好記録を樹⽴! On「Cloudboom Strike」日本長距離界のホープ・篠原倖太朗がその魅力を語る
スイスのスポーツブランド「On(オン)」が昨夏に発売したマラソンレースに特化したレーシングシューズ「Cloudboom Strike(クラウドブーム ストライク)」の人気が止まらない。 抜群の履き心地、通気性、サポート力 […]
2025.11.18
中国全国運動会女子100mで16歳・陳妤頡が11秒10!U18世界歴代4位タイ&28年ぶりU20アジア新で大会最年少V
中国の総合スポーツ競技会の第15回全国運動会の陸上競技が11月17日、広東省広州市で行われ、女子100mでは16歳の陳妤頡が11秒10(+0.7)でこの種目大会最年少優勝を果たした。この記録はU18世界歴代4位タイ、U2 […]
2025.11.17
クイーンズ駅伝「クマ対応」出没時間によって開催・中止を本部で決定 広瀬川沿い、1区の松島町、利府町内を警戒
一般社団法人日本実業団陸上競技連合は11月17日、全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城/11月23日)における「クマ対応」を発表した。 頻発するクマによる被害を鑑みての対応。松島町の文化交流館前のスタート地点 […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025