2021.06.06
サトウ食品日本グランプリシリーズの1つ、Denka Athletics Challenge Cup 2021が新潟・デンカビッグスワンスタジアムで行われる。2日目の今日はグランプリ種目が多数行われ、国内トップ選手が新潟に集結する。ライブ配信も行われる今大会の見どころをチェックしていこう。
注目を集めるのは男子走幅跳の橋岡優輝(富士通)。2019年のドーハ世界選手権で入賞している橋岡は、すでに東京五輪の参加標準記録を突破しており、3週間後の日本選手権で3位以内に入れば代表に内定する。大一番を前に最後の競技会となるだろう。今年は3月の日本選手権室内で8m19を跳んで室内の日本記録保持者となった。だが、屋外で城山翔太郎(ゼンリン)が持つ8m40の日本記録も当然ターゲットにしている。
「助走と踏み切りがハマればどれほど跳ぶか自分でもわからない。8m50から60くらいは軽くいくと思う」と言うほど、スピードや跳躍に磨きがかかっている。実際、4月末の織田記念ではファウルながら何度も8m50前後に着地する大ジャンプを見せていた。スピードアップの反動もあり感覚が狂い今年はファウルも多いが、そこは修正能力の高さを誇る橋岡。デンカ、そして日本選手権と仕上げていきそうだ。昨年9月に同じ会場で行われた日本インカレではセカンドベストとなる8m29を跳び、記録はもとより「成長のきっかけになった」その内容に大きな手応えをつかんだ相性のいい競技場。歴史を動かす大ジャンプが見られるかもしれない。
男子10000mで見逃せないのが駒大のエース・田澤廉だ。5月3日に行われた日本選手権で27分39秒21をマークして2位。この種目はすでに相澤晃(旭化成)と伊藤達彦(Honda)が代表に内定しているため、残り1枠となる。田澤は東京五輪の出場条件でもある世界陸連ワールドランキングでもターゲットナンバー(出場目安枠)である32位以内に位置しているが、日本人の中では相澤、伊藤、そして田村和希(住友電工、ケガのために日本選手権欠場、今大会もエントリーせず)に次ぐ4番目。田村を上回るためにも、いずれにしても東京五輪の参加標準記録である27分28秒00前後での“優勝”が必須だ。学生オリンピアンへ、田澤の最後の挑戦から目が離せない。
男子やり投では、今季好調の小南拓人(染めQ)とディーン元気(ミズノ)の激突に注目。小南はワールドランキングでの出場を狙うためにも、順位、記録をしっかり狙いたいところ。一方、ディーンは参加標準記録85m00を当然視野に入れている。
女子では、グランプリ種目とはことなるが、4×400mリレーで日本代表が編成される。これは東京五輪の出場枠を狙ったタイムトライアル。五輪出場枠は16で、19年世界選手権と今年の世界リレーの結果からすでに12ヵ国が決定し、5月の世界リレーで出場権を逃した女子マイルは、これが事実上の最後のチャンスとなる。残り4ヵ国で、16番目の記録が3分30秒02のドミニカ共和国。青山聖佳(大阪成蹊AC)と松本奈菜子(東邦銀行)の同学年コンビを筆頭に3分28秒91の日本記録をターゲットに据える。リレーは他種目がすべて五輪出場権を獲得。なんとしてもリレー全種目獲得を期待したい。
1500mには日本記録保持者の田中希実(豊田自動織機TC)が出場。5000mでは東京五輪代表に決まっているが、1500mではワールドランキングで出場を見据えてグランプリを転戦。しっかり順位と記録を求めていくだろう。
新潟は風の回り方から、400mや400mハードルといった周回種目で好記録が出る。女子400mハードルではこちらもワールドランキングで五輪が狙える位置にいる宇都宮絵莉(長谷川体育施設)や昨年の日本選手権女王・イブラヒム愛紗(メイスンワーク)、早大の関本萌香らで好レースが見られるかもしれない。女子やり投にはドーハ世界選手権代表の佐藤友佳(ニコニコのり)や、今季60mを超えている上田百寧(福岡大)、17年世界選手権代表の斉藤真理菜(スズキ)らの投げ合いになるか。
新潟在住者のみ限定して有観客で行われ、ライブ配信も行われる。日本選手権前のビッグマッチを見逃すな!

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.05.01
坂井隆一郎、中島佑気ジョセフ、水久保漱至らがケガのため欠場/セイコーGGP
-
2025.05.01
-
2025.05.01
-
2025.05.01
-
2025.04.30
2025.04.29
100mH田中佑美が予選トップ通過も決勝棄権「故障ではない」昨年の結婚も明かす/織田記念
-
2025.04.28
-
2025.04.26
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.12
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.05.01
KIPRUNが環境に優しい新たなシューズを発表 接着剤不使用の「KIPX」はリサイクル可能な次世代アイテム
KIPRUNは4月上旬、フランス・パリで発表会を行い、新たなブランドロゴを発表するとともに、今後日本国内でも発売を予定している新モデルシューズを発表した。 競歩世界チャンピオンも愛用したシューズ 2021年にブランド初の […]
2025.05.01
セイコーGGPトラック種目の海外選手を発表! 100mにパリ五輪4継金メダルブレーク、110mHに同7位ベネットら
日本陸連は5月1日、セイコーゴールデングランプリ2025(5月18日/東京・国立競技場)の出場選手第10弾としてトラック種目の海外選手を発表した。 男子100mには昨年のパリ五輪男子4×100mリレーで金メダルのジェロー […]
2025.05.01
東京メトロに伊東明日香が入部 「競技が続けられる環境があることに感謝」
東京メトロは5月1日、伊東明日香が入部したと発表した。今年3月31日に埼玉医科大グループを退部していた。 伊東は東京・順天高時代から全国高校駅伝に出場。東洋大進学後は全日本女子大学駅伝や富士山女子駅伝など全国大会に出走し […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)