HOME 国内

2025.07.03

NEWS
1500m、5000m出場の田中希実 代表内定とともに「世界陸上で戦うことを意識したレース」を目指す 廣中との対戦「楽しみ」/日本選手権
1500m、5000m出場の田中希実 代表内定とともに「世界陸上で戦うことを意識したレース」を目指す 廣中との対戦「楽しみ」/日本選手権

日本選手権の前日会見に臨んだ田中希実

◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場)

東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権の開幕を控え、前日会見が国立競技場で行われ、女子1500m、5000mに出場する田中希実(New Balance)が登壇した。

広告の下にコンテンツが続きます

いずれも日本記録保持者であり、すでに2種目とも参加標準記録(4分01秒50/14分50秒00)を突破している田中。1500mは5連覇、5000mは3連覇中(通算4度優勝)だ。

今季は海外転戦が中心で、国内レースは4月の金栗記念と5月のセイコーゴールデングランプリのみ。「これまでもダイヤモンドリーグ(DL)など出ていましたが、グランドスラム・トラックが入ったことでかつてないシーズンになりました」。

賞金と“勝負”への比重が大きいグランドスラム・トラックは「毎回、世界大会並に身体や気持ちを持って行くのは難しかった。中途半端になって、しっぺ返しをくらった」と前半シーズンを振り返る。

激しい競争で「自分は勝負事に向いていないのではないか」と痛感することもあった。それでも、「日本人ただ1人ということで、これまで重圧だった“日本を代表する”ことや、自分の在り方、アイデンティティーを感じるきっかけになりました」とも。その感じた気持ちを次はどう走りにつなげ、生かしていくか。それが「次のフェーズに入った」ということだ。

広告の下にコンテンツが続きます

日本選手権は3位以内に入れば代表に内定。「即時内定をもらえる結果を出すことと、2種目とも優勝したい」。その上で、「勝つことを大事にしつつ、世界陸上で戦うことを意識したい」。直前のイタリアでの高地トレーニングも「消化率も良くて自信になりました」と充実しただけに、精神的に感じた部分と走りが研ぎ澄まされている状態だ。

今大会「楽しみ」しているのが5000m。復活してきた廣中璃梨佳(日本郵政グループ)との対戦だ。「アジア選手権では璃梨佳ちゃんと、同学年の(矢田)みくにちゃん(エディオン)、2人の走りをライブ配信で見て、天候が悪くて翌日の再レースになっても自分の走りを貫く強さを見ました」と話し、「璃梨佳ちゃんと勝負するのは久しぶり。ぶつかっていかないといけない相手」。“ヨーイドン”の原点に戻り、本能でぶつかり合える相手だ。

「どのレース展開が自分に向いているか、世界で勝負できるかを実験的な取り組みとしてできるのも日本選手権。精査できればどんなレースでも世界選手権につながってくると思います」

常に世界の頂を目指して走り続ける田中。1500mで3分台に突入した東京五輪を始め、思い出の地である国立競技場で、原点に戻って“らしさ全開”で3日間を駆け抜ける。

日本選手権は7月4日から6日までの3日間で開催。初日に5000m決勝、2日目に1500m予選、3日目に同決勝が行われる。

◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権の開幕を控え、前日会見が国立競技場で行われ、女子1500m、5000mに出場する田中希実(New Balance)が登壇した。 いずれも日本記録保持者であり、すでに2種目とも参加標準記録(4分01秒50/14分50秒00)を突破している田中。1500mは5連覇、5000mは3連覇中(通算4度優勝)だ。 今季は海外転戦が中心で、国内レースは4月の金栗記念と5月のセイコーゴールデングランプリのみ。「これまでもダイヤモンドリーグ(DL)など出ていましたが、グランドスラム・トラックが入ったことでかつてないシーズンになりました」。 賞金と“勝負”への比重が大きいグランドスラム・トラックは「毎回、世界大会並に身体や気持ちを持って行くのは難しかった。中途半端になって、しっぺ返しをくらった」と前半シーズンを振り返る。 激しい競争で「自分は勝負事に向いていないのではないか」と痛感することもあった。それでも、「日本人ただ1人ということで、これまで重圧だった“日本を代表する”ことや、自分の在り方、アイデンティティーを感じるきっかけになりました」とも。その感じた気持ちを次はどう走りにつなげ、生かしていくか。それが「次のフェーズに入った」ということだ。 日本選手権は3位以内に入れば代表に内定。「即時内定をもらえる結果を出すことと、2種目とも優勝したい」。その上で、「勝つことを大事にしつつ、世界陸上で戦うことを意識したい」。直前のイタリアでの高地トレーニングも「消化率も良くて自信になりました」と充実しただけに、精神的に感じた部分と走りが研ぎ澄まされている状態だ。 今大会「楽しみ」しているのが5000m。復活してきた廣中璃梨佳(日本郵政グループ)との対戦だ。「アジア選手権では璃梨佳ちゃんと、同学年の(矢田)みくにちゃん(エディオン)、2人の走りをライブ配信で見て、天候が悪くて翌日の再レースになっても自分の走りを貫く強さを見ました」と話し、「璃梨佳ちゃんと勝負するのは久しぶり。ぶつかっていかないといけない相手」。“ヨーイドン”の原点に戻り、本能でぶつかり合える相手だ。 「どのレース展開が自分に向いているか、世界で勝負できるかを実験的な取り組みとしてできるのも日本選手権。精査できればどんなレースでも世界選手権につながってくると思います」 常に世界の頂を目指して走り続ける田中。1500mで3分台に突入した東京五輪を始め、思い出の地である国立競技場で、原点に戻って“らしさ全開”で3日間を駆け抜ける。 日本選手権は7月4日から6日までの3日間で開催。初日に5000m決勝、2日目に1500m予選、3日目に同決勝が行われる。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.07.03

日本選手権初日の競技日程が変更 暑熱対策の一環としてフィールド種目が14時以降開始へ

◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権の初日のタイムテーブル変更が発表された。 広告の下にコンテンツが続きます 大会のオープニング種目として女子棒高跳、同 […]

NEWS 1500m、5000m出場の田中希実 代表内定とともに「世界陸上で戦うことを意識したレース」を目指す 廣中との対戦「楽しみ」/日本選手権

2025.07.03

1500m、5000m出場の田中希実 代表内定とともに「世界陸上で戦うことを意識したレース」を目指す 廣中との対戦「楽しみ」/日本選手権

◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権の開幕を控え、前日会見が国立競技場で行われ、女子1500m、5000mに出場する田中希実(New Balance)が […]

NEWS 103年ぶり2冠狙う泉谷駿介 世界陸上代表狙い「1日、1日全力でやりきりたい」/日本選手権

2025.07.03

103年ぶり2冠狙う泉谷駿介 世界陸上代表狙い「1日、1日全力でやりきりたい」/日本選手権

◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権の開幕を控え、前日会見が国立競技場で行われ、男子110mハードルと走幅跳に出場する泉谷駿介(住友電工)が登壇した。 […]

NEWS サニブラウン股関節上部の骨挫傷明かすも「できる限りの準備をしたい」/日本選手権

2025.07.03

サニブラウン股関節上部の骨挫傷明かすも「できる限りの準備をしたい」/日本選手権

◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権の開幕を控え、前日会見が国立競技場で行われ、男子100mのサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)が登壇した。 広告 […]

NEWS ホクレンDC千歳に廣中璃梨佳、安藤友香、前田穂南、鈴木亜由子、一山麻緒がエントリー! 男子はインカレ2冠・山口智規や吉居大和が登録

2025.07.03

ホクレンDC千歳に廣中璃梨佳、安藤友香、前田穂南、鈴木亜由子、一山麻緒がエントリー! 男子はインカレ2冠・山口智規や吉居大和が登録

日本陸連は7月3日、ホクレンディスタンス第3戦・千歳大会(7月12日)のエントリー選手を発表した。 女子5000mには国内のトップ選手が多くエントリー。5月のアジア選手権10000mで銀メダルを獲得した廣中璃梨佳(日本郵 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年7月号 (6月13日発売)

2025年7月号 (6月13日発売)

詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会

page top