HOME 国内、大学

2023.04.02

六大学“最速”は慶大・三輪颯太!20年高校2冠スプリンターが復活の一歩
六大学“最速”は慶大・三輪颯太!20年高校2冠スプリンターが復活の一歩

六大学対校100mを制した三輪颯太(慶大)

◇第56回東京六大学対校陸上(4月2日/東京・国立競技場)

六大学対校の対校男子100mは三輪颯太(慶大)が10秒40(+0.6)のセカンドベストをマークして優勝した。

広告の下にコンテンツが続きます

集団応援が解禁された国立競技場での伝統の一戦。100mで仲間たちの声援はひときわ大きくなる。早大・稲毛碧がするどく抜け出すなか、追い込んできたのが三輪だった。接戦でのフィニッシュ。結果が出るまで祈る。電光掲示板に自分の名前が最初に表示されると喜びを爆発させた。

「高校3年で結果を残してから、スランプが続いていました。今もまだベストは更新できていないですが、優勝できて自信になります」

コロナ禍に翻弄された2020年の高3世代。インターハイが史上初の中止となるなか、秋に行われた全国高校大会の100m、200mで2冠に輝いたのは埼玉・西武文理高の三輪だった。

だが、慶大に進学してからは100mで11秒台を出すこともあるほどトップフォームから遠ざかった。「どうしても高校生の時の走りを求めて再現しようと思い過ぎました」。周囲から「気にするな」と言われても、高校短距離2冠の肩書きは悪い意味で大きくのしかかった。

広告の下にコンテンツが続きます

しかし、山縣亮太(セイコー)も指導する高野大樹コーチのもと、「一度、すべて崩して作り直しました」。縦の動きを中心に考えていた「二次元的な」走りを見直し、間接の動き、身体の構造、力の発揮の順番など、細部に意識をめぐらし、「より遠くに、大きく」スプリントを磨いた。

昨年は徐々に調子を戻すと、日本インカレ100m準決勝では高校ベストに並ぶ10秒39(+1.9)をマーク。「あきらめずに続けてこられました」。今、取り組んでいる動作からどう理想の走りになるのかイメージが見えないのは、やるべきことも伸びしろも有り余っているから。「山縣さんのようになれれば」というのが大きな目標だ。

「まずは4月の学生個人選手権でユニバーシティゲームズの代表を目指します」。殻を破った三輪は、『K』を胸にさらなる飛躍を誓う。

10年ぶりに国立競技場開催となった六大学対校、男子総合は法大、女子総合は早大が優勝した。

◇第56回東京六大学対校陸上(4月2日/東京・国立競技場) 六大学対校の対校男子100mは三輪颯太(慶大)が10秒40(+0.6)のセカンドベストをマークして優勝した。 集団応援が解禁された国立競技場での伝統の一戦。100mで仲間たちの声援はひときわ大きくなる。早大・稲毛碧がするどく抜け出すなか、追い込んできたのが三輪だった。接戦でのフィニッシュ。結果が出るまで祈る。電光掲示板に自分の名前が最初に表示されると喜びを爆発させた。 「高校3年で結果を残してから、スランプが続いていました。今もまだベストは更新できていないですが、優勝できて自信になります」 コロナ禍に翻弄された2020年の高3世代。インターハイが史上初の中止となるなか、秋に行われた全国高校大会の100m、200mで2冠に輝いたのは埼玉・西武文理高の三輪だった。 だが、慶大に進学してからは100mで11秒台を出すこともあるほどトップフォームから遠ざかった。「どうしても高校生の時の走りを求めて再現しようと思い過ぎました」。周囲から「気にするな」と言われても、高校短距離2冠の肩書きは悪い意味で大きくのしかかった。 しかし、山縣亮太(セイコー)も指導する高野大樹コーチのもと、「一度、すべて崩して作り直しました」。縦の動きを中心に考えていた「二次元的な」走りを見直し、間接の動き、身体の構造、力の発揮の順番など、細部に意識をめぐらし、「より遠くに、大きく」スプリントを磨いた。 昨年は徐々に調子を戻すと、日本インカレ100m準決勝では高校ベストに並ぶ10秒39(+1.9)をマーク。「あきらめずに続けてこられました」。今、取り組んでいる動作からどう理想の走りになるのかイメージが見えないのは、やるべきことも伸びしろも有り余っているから。「山縣さんのようになれれば」というのが大きな目標だ。 「まずは4月の学生個人選手権でユニバーシティゲームズの代表を目指します」。殻を破った三輪は、『K』を胸にさらなる飛躍を誓う。 10年ぶりに国立競技場開催となった六大学対校、男子総合は法大、女子総合は早大が優勝した。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.06.15

小原響が3000m障害で8分22秒64の日本歴代8位!セイコーGGPに続く自己新マーク

6月14日に米国・ポートランドで行われたポートランド・トラックフェスティバルの男子3000m障害で、小原響(GMOインターネットグループ)が日本歴代8位の8分22秒64をマークした。 大会は世界陸連コンチネンタルツアー・ […]

NEWS 久保凛が800m2分02秒76の大会新でV3!! 1500mと2年連続2冠「チームへの貢献を考えていた」/IH近畿

2025.06.15

久保凛が800m2分02秒76の大会新でV3!! 1500mと2年連続2冠「チームへの貢献を考えていた」/IH近畿

◇インターハイ近畿地区大会(6月12~15日/京都市・たけびしスタジアム京都)4日目 広島インターハイを懸けた近畿地区大会の4日目が行われ、女子800mは久保凛(東大阪大敬愛3大阪)が昨年自らがマークした大会記録を0.7 […]

NEWS 青学大・塩出翔太が10000m28分55秒81の自己新!800mは金子1分46秒59、日本インカレ400m2連覇の田邉1分48秒16/日体大長距離競技会

2025.06.15

青学大・塩出翔太が10000m28分55秒81の自己新!800mは金子1分46秒59、日本インカレ400m2連覇の田邉1分48秒16/日体大長距離競技会

第322回日本体育大学長距離競技会兼第16回NITTAIDAI Challenge Games(NDG)の1日目が6月14日に行われ、雨のなか、各組で好レースが繰り広げられた。 男子10000mでは2組で1着(28分53 […]

NEWS 中大勢が海外5000mレースで好走!溜池一太が13分25秒11の自己新、濵口大和は自己2番目13分37秒54

2025.06.15

中大勢が海外5000mレースで好走!溜池一太が13分25秒11の自己新、濵口大和は自己2番目13分37秒54

6月14日にオーストリア・ウィーンで行われた「Track Nigh Vienna」の5000mに中大の溜池一太(4年)とルーキー・濵口大和が出場し、溜池は13分25秒11の自己新、濵口も13分37秒54のセカンドベストを […]

NEWS 3000m障害・青木涼真が8分23秒58で3位!5年連続世界大会出場目指して好走/WAコンチネンタルツアー

2025.06.15

3000m障害・青木涼真が8分23秒58で3位!5年連続世界大会出場目指して好走/WAコンチネンタルツアー

男子3000m障害の青木涼真(Honda)が6月14日、オーストリア・ウィーンで行われた「Track Nigh Vienna」に出場し、8分23秒58で3位に入った。 青木は一昨年のU23欧州王者であるA.キヤダ(スペイ […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年7月号 (6月13日発売)

2025年7月号 (6月13日発売)

詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会

page top