◇第56回東京六大学対校陸上(4月2日/東京・国立競技場)
六大学対校の対校男子100mは三輪颯太(慶大)が10秒40(+0.6)のセカンドベストをマークして優勝した。
集団応援が解禁された国立競技場での伝統の一戦。100mで仲間たちの声援はひときわ大きくなる。早大・稲毛碧がするどく抜け出すなか、追い込んできたのが三輪だった。接戦でのフィニッシュ。結果が出るまで祈る。電光掲示板に自分の名前が最初に表示されると喜びを爆発させた。
「高校3年で結果を残してから、スランプが続いていました。今もまだベストは更新できていないですが、優勝できて自信になります」
コロナ禍に翻弄された2020年の高3世代。インターハイが史上初の中止となるなか、秋に行われた全国高校大会の100m、200mで2冠に輝いたのは埼玉・西武文理高の三輪だった。
だが、慶大に進学してからは100mで11秒台を出すこともあるほどトップフォームから遠ざかった。「どうしても高校生の時の走りを求めて再現しようと思い過ぎました」。周囲から「気にするな」と言われても、高校短距離2冠の肩書きは悪い意味で大きくのしかかった。
しかし、山縣亮太(セイコー)も指導する高野大樹コーチのもと、「一度、すべて崩して作り直しました」。縦の動きを中心に考えていた「二次元的な」走りを見直し、間接の動き、身体の構造、力の発揮の順番など、細部に意識をめぐらし、「より遠くに、大きく」スプリントを磨いた。
昨年は徐々に調子を戻すと、日本インカレ100m準決勝では高校ベストに並ぶ10秒39(+1.9)をマーク。「あきらめずに続けてこられました」。今、取り組んでいる動作からどう理想の走りになるのかイメージが見えないのは、やるべきことも伸びしろも有り余っているから。「山縣さんのようになれれば」というのが大きな目標だ。
「まずは4月の学生個人選手権でユニバーシティゲームズの代表を目指します」。殻を破った三輪は、『K』を胸にさらなる飛躍を誓う。
10年ぶりに国立競技場開催となった六大学対校、男子総合は法大、女子総合は早大が優勝した。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.12.09
-
2025.12.09
-
2025.12.08
-
2025.12.08
-
2025.12.07
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.10
箱根駅伝2026チームエントリー16人がいよいよ今日発表! 有力校が順当な登録なるか 学生連合チーム枠10人も
来年1月2日、3日に行われる第102回箱根駅伝のチームエントリーが今日12月10日に実施され、各チーム登録の16人が発表される。 出雲、全日本の両駅伝や11月のハーフマラソン、トラックレース、11月下旬~12月上旬の合宿 […]
2025.12.09
富士山女子駅伝のエントリー発表! 2冠目指す城西大は兼子心晴、金子陽向らが登録 大東大は野田真理耶がメンバー外
全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)の主催者は、12月30日に行われる大会のエントリー選手を発表した。 10月の全日本で25年ぶりの優勝を果たした城西大は、区間賞を獲得した兼子心晴(4年)、金子陽向(4年)、本間香( […]
2025.12.09
ユニクロ女子陸上競技部が選手公募「日本一、そして世界へ羽ばたくランナーを募集」
ユニクロ女子陸上競技部が、選手の一般公募を12月5日に開始した。 同社女子陸上競技部は1997年に創部。全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)には2003年に初出場。14年には7位に入った。 その後は浮き沈みを繰り返 […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025