◇第56回東京六大学対校陸上(4月2日/東京・国立競技場)
六大学対校の対校男子400mハードルは、黒川和樹(法大)が連覇。400mハードルのシーズン初戦としては自身最速タイムに、フィニッシュ後は思わず「よっしゃ!」と雄叫びを上げた。
数日前に扁桃腺が腫れて体調不良もあったため「こんなに出ると思わなかった」と喜ぶ。予選は51秒31。決勝は持ち味のスタートから爆走し、「後ろから豊田君(兼、慶大)が来ていたので逃げようと思いました。
6台目でハードルに接触してバランスを崩したが、「それでスイッチが入った」と後半の切り替えに成功。ラストまで脚色は衰えなかった。
21年東京五輪に出場し、昨年のオレゴン世界選手権では準決勝に進出。順調にステップアップをしてきたが、その反動は小さくなかった。海外勢のスピードや強さに自分の走りを見失うことや、オレゴンの後には「少し気持ちが切れた」のもあった。
しかし、ひと味違う冬を過ごした黒川。「以前は150mや200mといったスプリント系が中心」だったところから、「後半でもがいてしまう」課題を克服するため300m以上の「長い距離を、同期で持久力のある地主(直央)たちと走ってきました」。ウエイトトレーニングで上半身も強化し、「ラストも腕をしっかり使う」。それが一つ形になった。
そうした冬季シーズンを「ケガが一つもなく」過ごしたからこそ、「気持ちが1年前よりも強くなった」と胸を張る。ブダペスト世界選手権の参加標準記録は48秒70。自己ベスト48秒68をクリアするのが必須となるが、「自信があります」。
今後は静岡国際、木南記念といった日本グランプリシリーズで参加標準突破をもくろむ。世界選手権はもちろん、「今年はダイヤモンドリーグやアジアなど海外のレースも出てみたいです」と、その目は『対世界』に向いていた。
2位に入った豊田は50秒00。「8台目まで13歩、残り2台14歩を試すことができた」と収穫を得た。2月中旬から1ヵ月は日本陸連のリレー合宿で米国へ。「パワー不足を感じましたが、必死で食らいつけば追いつけると思います」と刺激になった。110mハードルでも13秒44を持つ豊田。マルチハードラーは「6月までに400mハードルの参加標準記録を狙いたい」と意気込んでいる。
オープン400mハードルには昨年49秒07をマークした田中天智龍(早大)が出場し、50秒61をマーク。「49秒台が出せず悔しい。早大の主将として世界で走りたい」と語った。
今年もハイレベルな学生ヨンパー陣が陸上界を盛り上げそうだ。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.23
短距離の竹田一平がスズキを退社「一生の宝物」今後も競技継続 中大2年時にU20代表
2025.12.22
佐久長聖1年の橋本蒼平が5000m14分30秒50でトップ/SGH文スポ チャレンジ
-
2025.12.22
-
2025.12.22
-
2025.12.22
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
2025.12.21
【大会結果】第76回全国高校駅伝・男子(2025年12月21日)
2025.12.21
800m日本記録保持者・久保凛が最後の都大路で9人抜きの激走! /全国高校駅伝・女子
-
2025.12.21
-
2025.12.20
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
-
2025.12.21
-
2025.12.21
-
2025.12.21
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.23
短距離の竹田一平がスズキを退社「一生の宝物」今後も競技継続 中大2年時にU20代表
スズキは12月末をもって男子短距離の竹田一平が退社・退団すると発表した。 竹田は埼玉県出身の28歳。不動岡高時代は走幅跳や三段跳をメインにしていたが、中大から本格的にスプリントへ。大学2年だった2016年には10秒27を […]
2025.12.23
大晦日の赤坂で東京世界陸上の熱狂再び!TBSオールスター体育祭に国内外メダリスト、入賞者ら17名が大集結 OB・OG含め多数参戦
TBSは12月31日に放送予定の「大晦日オールスター体育祭」の番組詳細を発表した。東京世界選手権出場者や、現役選手、元日本代表など陸上から多数登場する。 東京世界選手権出場者は17名が参戦。日本代表では男子35km競歩銅 […]
2025.12.22
佐久長聖1年の橋本蒼平が5000m14分30秒50でトップ/SGH文スポ チャレンジ
12月23日、滋賀県守山市のSGホールディングスグループ陸上競技場で令和7年度SGH文スポ チャレンジ競技会が開催された。 同大会は主に前日の全国高校駅伝(男子)に出場した学校のうち、出走できなかった選手たちを中心に参加 […]
2025.12.22
箱根駅伝Stories/継続中最長シード・東洋大 激動のシーズンに高まる結束力 2年生世代が台頭
新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 「チームのために走る」 20年連続で箱根駅伝のシード権を守り続けてい […]
2025.12.22
箱根駅伝Stories/悔しさを味わってきた東農大・原田洋輔 「がっつり爪痕を残したい」 地元・戸塚で貢献を
新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 身近にあった箱根駅伝 10月の箱根駅伝予選会で東農大は6位を占め、2 […]
Latest Issue
最新号
2026年1月号 (12月12日発売)
箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳
