HOME 国内、大学

2023.04.02

400mH法大・黒川和樹が49秒35!自身初戦最速、世界陸上標準切りへ「自信があります」/六大学対校
400mH法大・黒川和樹が49秒35!自身初戦最速、世界陸上標準切りへ「自信があります」/六大学対校

400mHの黒川和樹

◇第56回東京六大学対校陸上(4月2日/東京・国立競技場)

六大学対校の対校男子400mハードルは、黒川和樹(法大)が連覇。400mハードルのシーズン初戦としては自身最速タイムに、フィニッシュ後は思わず「よっしゃ!」と雄叫びを上げた。

数日前に扁桃腺が腫れて体調不良もあったため「こんなに出ると思わなかった」と喜ぶ。予選は51秒31。決勝は持ち味のスタートから爆走し、「後ろから豊田君(兼、慶大)が来ていたので逃げようと思いました。

広告の下にコンテンツが続きます

6台目でハードルに接触してバランスを崩したが、「それでスイッチが入った」と後半の切り替えに成功。ラストまで脚色は衰えなかった。

21年東京五輪に出場し、昨年のオレゴン世界選手権では準決勝に進出。順調にステップアップをしてきたが、その反動は小さくなかった。海外勢のスピードや強さに自分の走りを見失うことや、オレゴンの後には「少し気持ちが切れた」のもあった。

しかし、ひと味違う冬を過ごした黒川。「以前は150mや200mといったスプリント系が中心」だったところから、「後半でもがいてしまう」課題を克服するため300m以上の「長い距離を、同期で持久力のある地主(直央)たちと走ってきました」。ウエイトトレーニングで上半身も強化し、「ラストも腕をしっかり使う」。それが一つ形になった。

そうした冬季シーズンを「ケガが一つもなく」過ごしたからこそ、「気持ちが1年前よりも強くなった」と胸を張る。ブダペスト世界選手権の参加標準記録は48秒70。自己ベスト48秒68をクリアするのが必須となるが、「自信があります」。

今後は静岡国際、木南記念といった日本グランプリシリーズで参加標準突破をもくろむ。世界選手権はもちろん、「今年はダイヤモンドリーグやアジアなど海外のレースも出てみたいです」と、その目は『対世界』に向いていた。

2位に入った豊田は50秒00。「8台目まで13歩、残り2台14歩を試すことができた」と収穫を得た。2月中旬から1ヵ月は日本陸連のリレー合宿で米国へ。「パワー不足を感じましたが、必死で食らいつけば追いつけると思います」と刺激になった。110mハードルでも13秒44を持つ豊田。マルチハードラーは「6月までに400mハードルの参加標準記録を狙いたい」と意気込んでいる。

オープン400mハードルには昨年49秒07をマークした田中天智龍(早大)が出場し、50秒61をマーク。「49秒台が出せず悔しい。早大の主将として世界で走りたい」と語った。

今年もハイレベルな学生ヨンパー陣が陸上界を盛り上げそうだ。

◇第56回東京六大学対校陸上(4月2日/東京・国立競技場) 六大学対校の対校男子400mハードルは、黒川和樹(法大)が連覇。400mハードルのシーズン初戦としては自身最速タイムに、フィニッシュ後は思わず「よっしゃ!」と雄叫びを上げた。 数日前に扁桃腺が腫れて体調不良もあったため「こんなに出ると思わなかった」と喜ぶ。予選は51秒31。決勝は持ち味のスタートから爆走し、「後ろから豊田君(兼、慶大)が来ていたので逃げようと思いました。 6台目でハードルに接触してバランスを崩したが、「それでスイッチが入った」と後半の切り替えに成功。ラストまで脚色は衰えなかった。 21年東京五輪に出場し、昨年のオレゴン世界選手権では準決勝に進出。順調にステップアップをしてきたが、その反動は小さくなかった。海外勢のスピードや強さに自分の走りを見失うことや、オレゴンの後には「少し気持ちが切れた」のもあった。 しかし、ひと味違う冬を過ごした黒川。「以前は150mや200mといったスプリント系が中心」だったところから、「後半でもがいてしまう」課題を克服するため300m以上の「長い距離を、同期で持久力のある地主(直央)たちと走ってきました」。ウエイトトレーニングで上半身も強化し、「ラストも腕をしっかり使う」。それが一つ形になった。 そうした冬季シーズンを「ケガが一つもなく」過ごしたからこそ、「気持ちが1年前よりも強くなった」と胸を張る。ブダペスト世界選手権の参加標準記録は48秒70。自己ベスト48秒68をクリアするのが必須となるが、「自信があります」。 今後は静岡国際、木南記念といった日本グランプリシリーズで参加標準突破をもくろむ。世界選手権はもちろん、「今年はダイヤモンドリーグやアジアなど海外のレースも出てみたいです」と、その目は『対世界』に向いていた。 2位に入った豊田は50秒00。「8台目まで13歩、残り2台14歩を試すことができた」と収穫を得た。2月中旬から1ヵ月は日本陸連のリレー合宿で米国へ。「パワー不足を感じましたが、必死で食らいつけば追いつけると思います」と刺激になった。110mハードルでも13秒44を持つ豊田。マルチハードラーは「6月までに400mハードルの参加標準記録を狙いたい」と意気込んでいる。 オープン400mハードルには昨年49秒07をマークした田中天智龍(早大)が出場し、50秒61をマーク。「49秒台が出せず悔しい。早大の主将として世界で走りたい」と語った。 今年もハイレベルな学生ヨンパー陣が陸上界を盛り上げそうだ。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.28

青学大、國學院大、中大、早大など11校! 4回目を迎える宮古島大学駅伝の出場予定校発表

「宮古島大学駅伝ワイドー・ズミ2026」の実行委員会は、11月20日時点の出場予定校を発表した。 箱根駅伝で総合3連覇を狙う青学大や、前回大会で2連覇を飾った國學院大、全日本大学駅伝2位の中大、出雲駅伝で2位の早大など関 […]

NEWS デフリンピック陸上は金5つ含む11個のメダル獲得 円盤投・湯上剛輝、400m山田真樹ら躍動

2025.11.28

デフリンピック陸上は金5つ含む11個のメダル獲得 円盤投・湯上剛輝、400m山田真樹ら躍動

4年に一度、聴覚障者のための世界規模の総合スポーツ競技大会「デフリンピック」が11月26日に閉幕した。創設100周年の節目で初の日本開催だった今回、日本代表は過去最多となる51個のメダルを獲得した。各会場も盛り上がりを見 […]

NEWS 22年世界陸上走幅跳金メダル・王嘉男 ドーピング陽性反応も嫌疑なし AIUが正式に報告

2025.11.28

22年世界陸上走幅跳金メダル・王嘉男 ドーピング陽性反応も嫌疑なし AIUが正式に報告

世界陸連(WA)の独立不正調査機関「アスリート・インテグリティ・ユニット(AIU)」は11月27日、男子走幅跳でオレゴン世界選手権金メダルを獲得した王嘉男(中国)のドーピング疑惑について、違反はなかったことを確認し、処分 […]

NEWS プロ野球選手・筒香嘉智と陸上界がコラボ スポーツの垣根を超えるクリニックを12月に開催

2025.11.27

プロ野球選手・筒香嘉智と陸上界がコラボ スポーツの垣根を超えるクリニックを12月に開催

11月27日、日本陸連は2024年度から取り組むプロジェクト「RIKUJO JAPAN」の一環として、「~スポーツの垣根を超える~ 2025 TSUTSUGO SPORTS ACADEMY FESTIVAL × RIKU […]

NEWS 古賀ジェレミー、ドルーリー、濱がダイヤモンドアスリート昇格!Nextageに高1の2人が新規認定

2025.11.27

古賀ジェレミー、ドルーリー、濱がダイヤモンドアスリート昇格!Nextageに高1の2人が新規認定

日本陸連は11月27日、「次世代において国際大会での活躍が期待できる競技者」を育成する「ダイヤモンドアスリート」の第12期認定者を発表した。 第11期でダイヤモンドアスリートNextageとして一部のプログラムに参加して […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top