HOME 駅伝、箱根駅伝

2022.12.10

箱根駅伝トークバトルで指揮官が“舌戦”青学大・原監督「ピース大作戦」でV7狙う 駒大・大八木監督「エースはエースの区間で」
箱根駅伝トークバトルで指揮官が“舌戦”青学大・原監督「ピース大作戦」でV7狙う 駒大・大八木監督「エースはエースの区間で」

箱根駅伝監督トークバトルの様子

「第99回箱根駅伝 監督トークバトル」が12月10日、オンラインで行われた。

前回優勝の青学大・原晋監督、初の学生駅伝3冠が懸かる駒大・大八木弘明監督、前回2位の順大・長門俊介監督、同4位の東洋大・酒井俊幸監督、同5位の東京国際大・大志田秀次監督が出席しコーディネーター役を関東学生陸上競技連盟・上田誠仁駅伝対策委員長(山梨学院大学顧問)が務めた。

各指揮官は、第99回大会の展望や秘策、出雲駅伝と全日本大学駅伝を終えての手応えなどを展開。本大会への意気込みを熱く、ユーモアを交えながらの“舌戦”を繰り広げた。

最初のテーマは、「監督冥利に尽きる瞬間」。原監督は「選手が自己記録を更新して浮かべる笑顔を見た時」などを挙げ、長門監督と大志田監督は、選手が「この大学に来て良かった」と言ってくれた時に喜びを感じると話した。

トークバトル恒例の「ズバリ!今大会の目標順位は?」という質問では、各監督が往路、復路、総合の目標順位をそれぞれ手元のフリップに以下のように記入した。

青学大・原監督「(往路)優勝 (復路)優勝 (総合)優勝 V7」
順大・長門監督「(往路)1位 (復路)3位 (総合)優勝」
駒大・大八木監督「(往路)1位 (復路)1位 (総合)1位(優勝)」
東洋大・酒井監督「(往路) (復路)3位以内 (総合)5位以内」
東京国際大・大志田監督「(往路)3位 (復路)6位 (総合)5位」

続けて、この日エントリーされた各校のエントリーメンバー16名を見ていく指揮官たち。前回経験者が9人入った東京国際大は、今季は故障で出遅れていたイェゴン・ヴィンセント(4年)の復調具合に注目が集まった。

東洋大はエースの松山和希(3年)がエントリー外となったものの、ポテンシャルを秘めた石田洸介(2年)らが初出場に向けて準備万端だという。

出雲、全日本を制した駒大は、力のある上級生だけでなく、1年生も4人がエントリー。大八木監督は「エースはエースのところ(区間)で使いたい」と田澤廉(4年)の2区起用を示唆した。

順大は経験豊富な4年生が充実しているが、長門監督は各指揮官が警戒するオリンピアンの三浦龍司(3年)を「どの区間だったら嫌ですか?」と質問し、トークバトルらしい駆け引きが見られた。

2連覇を目指す青学大は、9人がエントリーした4年生を中心に、他校にはない圧倒的な選手層を誇る。その後、5校以外に上位候補に挙がる國學院大や中大、創価大、そして、55年ぶりに本戦に復帰する立教大のエントリーメンバーを確認した。

続いてのテーマは、「打倒!駒澤!目指せ!3冠!」と、駒大をテーマの軸にトークが展開された。

大八木監督、そして同校初の3冠に王手をかけて箱根を迎えるのは今回で3回目。「過去2回は、1試合1試合を大事にした結果の王手でしたが、今年度は選手たち自ら、初めから『3冠を目指そう』とやってきたので私も気持ちが入っている」と語る。

2016年度に3冠を達成している原監督は、「選手の質、量がそろわないとできない。今季の駒大はそれがある」と話しながらも、他の指揮官とともに駒大の3冠阻止に意欲を見せた。

原監督は毎年恒例の作戦名も発表。今回は「ピース大作戦」で、「平和であるからこその箱根駅伝。7度目の優勝をピースでゴールしたい」と理由を説明した。

他にも各監督が今大会に向けた意気込みを力強く語り、監督トークバトルが終了した。

第99回箱根駅伝は来年1月2日に往路、3日に復路が行われる。12月29日に区間エントリー10人が発表され、往路、復路スタートの1時間10分前(6時50分)にメンバー変更が認められる。

文/小野哲史

「第99回箱根駅伝 監督トークバトル」が12月10日、オンラインで行われた。 前回優勝の青学大・原晋監督、初の学生駅伝3冠が懸かる駒大・大八木弘明監督、前回2位の順大・長門俊介監督、同4位の東洋大・酒井俊幸監督、同5位の東京国際大・大志田秀次監督が出席しコーディネーター役を関東学生陸上競技連盟・上田誠仁駅伝対策委員長(山梨学院大学顧問)が務めた。 各指揮官は、第99回大会の展望や秘策、出雲駅伝と全日本大学駅伝を終えての手応えなどを展開。本大会への意気込みを熱く、ユーモアを交えながらの“舌戦”を繰り広げた。 最初のテーマは、「監督冥利に尽きる瞬間」。原監督は「選手が自己記録を更新して浮かべる笑顔を見た時」などを挙げ、長門監督と大志田監督は、選手が「この大学に来て良かった」と言ってくれた時に喜びを感じると話した。 トークバトル恒例の「ズバリ!今大会の目標順位は?」という質問では、各監督が往路、復路、総合の目標順位をそれぞれ手元のフリップに以下のように記入した。 青学大・原監督「(往路)優勝 (復路)優勝 (総合)優勝 V7」 順大・長門監督「(往路)1位 (復路)3位 (総合)優勝」 駒大・大八木監督「(往路)1位 (復路)1位 (総合)1位(優勝)」 東洋大・酒井監督「(往路) (復路)3位以内 (総合)5位以内」 東京国際大・大志田監督「(往路)3位 (復路)6位 (総合)5位」 続けて、この日エントリーされた各校のエントリーメンバー16名を見ていく指揮官たち。前回経験者が9人入った東京国際大は、今季は故障で出遅れていたイェゴン・ヴィンセント(4年)の復調具合に注目が集まった。 東洋大はエースの松山和希(3年)がエントリー外となったものの、ポテンシャルを秘めた石田洸介(2年)らが初出場に向けて準備万端だという。 出雲、全日本を制した駒大は、力のある上級生だけでなく、1年生も4人がエントリー。大八木監督は「エースはエースのところ(区間)で使いたい」と田澤廉(4年)の2区起用を示唆した。 順大は経験豊富な4年生が充実しているが、長門監督は各指揮官が警戒するオリンピアンの三浦龍司(3年)を「どの区間だったら嫌ですか?」と質問し、トークバトルらしい駆け引きが見られた。 2連覇を目指す青学大は、9人がエントリーした4年生を中心に、他校にはない圧倒的な選手層を誇る。その後、5校以外に上位候補に挙がる國學院大や中大、創価大、そして、55年ぶりに本戦に復帰する立教大のエントリーメンバーを確認した。 続いてのテーマは、「打倒!駒澤!目指せ!3冠!」と、駒大をテーマの軸にトークが展開された。 大八木監督、そして同校初の3冠に王手をかけて箱根を迎えるのは今回で3回目。「過去2回は、1試合1試合を大事にした結果の王手でしたが、今年度は選手たち自ら、初めから『3冠を目指そう』とやってきたので私も気持ちが入っている」と語る。 2016年度に3冠を達成している原監督は、「選手の質、量がそろわないとできない。今季の駒大はそれがある」と話しながらも、他の指揮官とともに駒大の3冠阻止に意欲を見せた。 原監督は毎年恒例の作戦名も発表。今回は「ピース大作戦」で、「平和であるからこその箱根駅伝。7度目の優勝をピースでゴールしたい」と理由を説明した。 他にも各監督が今大会に向けた意気込みを力強く語り、監督トークバトルが終了した。 第99回箱根駅伝は来年1月2日に往路、3日に復路が行われる。12月29日に区間エントリー10人が発表され、往路、復路スタートの1時間10分前(6時50分)にメンバー変更が認められる。 文/小野哲史

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.07.27

女子競歩の岡田久美子は調整順調「メダルを狙える位置。新たな挑戦でワクワクしている」/パリ五輪

パリ五輪・陸上競技に向けて日本代表選手団が7月27日午前、出国前に羽田空港で会見を行い、意気込みを語った。 2016年リオ、21年東京に続く3大会連続の五輪代表となる女子競歩の岡田久美子(富士通)は「いよいよだなという気 […]

NEWS 女子走幅跳日本記録保持者・秦澄美鈴 目標は決勝進出「自己ベストを狙っていきたい」/パリ五輪

2024.07.27

女子走幅跳日本記録保持者・秦澄美鈴 目標は決勝進出「自己ベストを狙っていきたい」/パリ五輪

パリ五輪・陸上競技に向けて日本代表選手団が7月27日午前、出国前に羽田空港で会見を行い、意気込みを語った。 女子走幅跳に出場する秦澄美鈴(住友電工)は「緊張しています」と言いながらも「シーズン初めに比べて調子が上がってい […]

NEWS 混合競歩代表の川野将虎「自分らしい粘り強い歩きで上位を目指したい」/パリ五輪

2024.07.27

混合競歩代表の川野将虎「自分らしい粘り強い歩きで上位を目指したい」/パリ五輪

パリ五輪・陸上競技に向けて日本代表選手団が7月27日午前、出国前に羽田空港で会見を行い、意気込みを語った。 男女混合競歩リレー代表の川野将虎(旭化成)は前回の東京大会に続くオリンピック。「前回から3年間。一つの集大成」と […]

NEWS 北口榛花「新たな歴史を作れるよう」田中希実「それではみんなで、よーいどん!」日本代表コメント集/パリ五輪

2024.07.27

北口榛花「新たな歴史を作れるよう」田中希実「それではみんなで、よーいどん!」日本代表コメント集/パリ五輪

100年ぶりにフランス・パリを舞台に五輪が開幕した。陸上競技は8月1日から11日までの日程で行われる。開幕に合わせて日本オリンピック委員会(JOC)は日本代表の意気込みコメントを発表した。 2大会連続出場で女子主将を務め […]

NEWS 中大ルーキー・岡田開成が3000m7分55秒41! U20歴代4位の好タイム

2024.07.27

中大ルーキー・岡田開成が3000m7分55秒41! U20歴代4位の好タイム

7月26日、中大多摩キャンパス競技場で「Summer Night Run Festival in CHUO」が行われ、男子3000mで岡田開成(中大1)が7分55秒41とU20歴代4位のタイムをマークした。 同大会はこれ […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年8月号 (7月12日発売)

2024年8月号 (7月12日発売)

W別冊付録
パリ五輪観戦ガイド&福岡インターハイ完全ガイド

page top