HOME 海外

2022.07.22

200mはライルズ2連覇で米国勢上位独占 ジャクソン大会新V 男女ともに驚異的な世界記録に迫る快走/世界陸上Day7
200mはライルズ2連覇で米国勢上位独占 ジャクソン大会新V 男女ともに驚異的な世界記録に迫る快走/世界陸上Day7

2022年オレゴン世界選手権でのライルズ


◇オレゴン世界陸上(7月15日~24日/米国・オレゴン州ユージン)7日目

オレゴン世界陸上7日目は男女の200mで決勝が行われ、男子はノア・ライルズ(米国)が2連覇。女子はシェリカ・ジャクソン(ジャマイカ)が初優勝を果たした。

広告の下にコンテンツが続きます

7月18日に25歳を迎えたばかりのライルズは3年前のドーハ大会覇者。昨年の東京五輪でも金メダル候補だったが、銅メダルに終わっている。それだけに世界一奪還を目指していた。

その思いを序盤からレースにぶつける。100mの通過は10秒15。2番手のベドナレクに0.11差をつけてホームストレートへ。さらにここから他を圧倒した。

速報表示は19秒32。米国のレジェンド、マイケル・ジョンソンが1996年にアトランタ五輪で出した米国記録19秒32(当時の世界記録)に並んだ。「(感覚としては)遅いと思っていた」というライルズは驚きつつも、同タイムに少しイライラしていたという。それから間もなくして正式計時が19秒31(+0.4)と発表されると、「気分も良くなったよ」と振り返った。

19秒31はウサイン・ボルト(ジャマイカ)の世界記録19秒19(2009年)と0.12秒差の世界歴代3位。自己記録を0.19秒更新する会心のレースだった。「今日は私の日」と誇らしげな様子のライルズ。後半の100mは9秒16は、ジョンソンが出した19秒32の後半(9秒20)よりも0.04秒速かった。

広告の下にコンテンツが続きます

2位にはベドナレクが19秒77で入り、今季、19秒49をマークしている18歳のエリヨン・ナイトン(米国)が19秒80が3位と、男子100mに続き、米国勢がトップ3まで独占した。

また、ジャクソンも後半に強さを発揮した。

決勝は4レーン。6レーンに今大会100m金メダルのシェリー・アン・フレイザー・プライス(ジャマイカ)が入った。「シェリー・アンのコーナー走はおそらく世界最高。私が金メダルを手に入れたいのなら、できるだけうまく走らなければならないことはわかっていました」。前半の100mは11秒04。フレイザー・プライスと0.01秒差の2位につけると、「ホームストレートに入ったら私が強い」と、後半は一気に差を広げた。

自己記録を0.10秒更新する21秒45(+0.6)の大会新記録で優勝したジャクソン。1988年にフローレンス・グリフィス・ジョイナーがマークした世界記録21秒34に0.11秒と迫る世界歴代2位だった。「金メダルを勝ち取るために最善を尽くしました」。

ジャクソンにとっても雪辱戦だった。元々は400mで実績があり、2016年リオ五輪は銅メダル。世界選手権も2度銅メダルを手にしている。昨年ショートスプリントに転向し、東京五輪では100mで銅メダル。だが、200mは予選落ちと苦杯をなめた。

今季はジャマイカ選手権で21秒55をマークしており、オレゴンでは優勝候補。先に行われた100mで世界歴代7位タイの10秒73で銀メダルを獲得しており、好調ぶりを見せていた。

日本勢は男子やり投予選のA組に出場したディーン元気(ミズノ)がシーズンベストの82m34をマーク。予選通過記録の83m50には届かなかったが、全体では7番目(A組4位)で決勝進出を決めている。B組の小椋健司(栃木県スポ協)は78m48(B組10位)で敗退した。

女子800m予選には、今大会3種目めとなる田中希実(豊田自動織機)が出場。2分03秒56で6組7着に終わり、準決勝に進めなかった。男子5000m予選2組に登場した遠藤日向(住友電工)は13分47秒07で13着と敗退した。

男子三段跳予選には、昨年5月にアキレス腱を断裂したクリスチャン・テイラー(米国)が出場したものの、16m48(+0.3)で18番目(A組9位)。決勝進出はならず、連覇は3でストップした。

■7日目優勝者一覧
【男子】
200m ノア・ライルズ(米国)       19秒31(+0.4)=世界歴代3位
【女子】
200m シェリカ・ジャクソン(ジャマイカ) 21秒45(+0.6)=世界歴代2位、大会新

◇オレゴン世界陸上(7月15日~24日/米国・オレゴン州ユージン)7日目 オレゴン世界陸上7日目は男女の200mで決勝が行われ、男子はノア・ライルズ(米国)が2連覇。女子はシェリカ・ジャクソン(ジャマイカ)が初優勝を果たした。 7月18日に25歳を迎えたばかりのライルズは3年前のドーハ大会覇者。昨年の東京五輪でも金メダル候補だったが、銅メダルに終わっている。それだけに世界一奪還を目指していた。 その思いを序盤からレースにぶつける。100mの通過は10秒15。2番手のベドナレクに0.11差をつけてホームストレートへ。さらにここから他を圧倒した。 速報表示は19秒32。米国のレジェンド、マイケル・ジョンソンが1996年にアトランタ五輪で出した米国記録19秒32(当時の世界記録)に並んだ。「(感覚としては)遅いと思っていた」というライルズは驚きつつも、同タイムに少しイライラしていたという。それから間もなくして正式計時が19秒31(+0.4)と発表されると、「気分も良くなったよ」と振り返った。 19秒31はウサイン・ボルト(ジャマイカ)の世界記録19秒19(2009年)と0.12秒差の世界歴代3位。自己記録を0.19秒更新する会心のレースだった。「今日は私の日」と誇らしげな様子のライルズ。後半の100mは9秒16は、ジョンソンが出した19秒32の後半(9秒20)よりも0.04秒速かった。 2位にはベドナレクが19秒77で入り、今季、19秒49をマークしている18歳のエリヨン・ナイトン(米国)が19秒80が3位と、男子100mに続き、米国勢がトップ3まで独占した。 また、ジャクソンも後半に強さを発揮した。 決勝は4レーン。6レーンに今大会100m金メダルのシェリー・アン・フレイザー・プライス(ジャマイカ)が入った。「シェリー・アンのコーナー走はおそらく世界最高。私が金メダルを手に入れたいのなら、できるだけうまく走らなければならないことはわかっていました」。前半の100mは11秒04。フレイザー・プライスと0.01秒差の2位につけると、「ホームストレートに入ったら私が強い」と、後半は一気に差を広げた。 自己記録を0.10秒更新する21秒45(+0.6)の大会新記録で優勝したジャクソン。1988年にフローレンス・グリフィス・ジョイナーがマークした世界記録21秒34に0.11秒と迫る世界歴代2位だった。「金メダルを勝ち取るために最善を尽くしました」。 ジャクソンにとっても雪辱戦だった。元々は400mで実績があり、2016年リオ五輪は銅メダル。世界選手権も2度銅メダルを手にしている。昨年ショートスプリントに転向し、東京五輪では100mで銅メダル。だが、200mは予選落ちと苦杯をなめた。 今季はジャマイカ選手権で21秒55をマークしており、オレゴンでは優勝候補。先に行われた100mで世界歴代7位タイの10秒73で銀メダルを獲得しており、好調ぶりを見せていた。 日本勢は男子やり投予選のA組に出場したディーン元気(ミズノ)がシーズンベストの82m34をマーク。予選通過記録の83m50には届かなかったが、全体では7番目(A組4位)で決勝進出を決めている。B組の小椋健司(栃木県スポ協)は78m48(B組10位)で敗退した。 女子800m予選には、今大会3種目めとなる田中希実(豊田自動織機)が出場。2分03秒56で6組7着に終わり、準決勝に進めなかった。男子5000m予選2組に登場した遠藤日向(住友電工)は13分47秒07で13着と敗退した。 男子三段跳予選には、昨年5月にアキレス腱を断裂したクリスチャン・テイラー(米国)が出場したものの、16m48(+0.3)で18番目(A組9位)。決勝進出はならず、連覇は3でストップした。 ■7日目優勝者一覧 【男子】 200m ノア・ライルズ(米国)       19秒31(+0.4)=世界歴代3位 【女子】 200m シェリカ・ジャクソン(ジャマイカ) 21秒45(+0.6)=世界歴代2位、大会新

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.06.13

久保凛が1500mで高校歴代2位の4分11秒07!! 「出し切って勝ち切れた」 芦田和佳は歴代3位/IH近畿

◇インターハイ近畿地区大会(6月12~15日/京都市・たけびしスタジアム京都) 2日目 広島インターハイを懸けた近畿地区大会の2日目が行われ、女子1500mは久保凛(東大阪大敬愛3大阪)が4分11秒07の高校歴代2位、U […]

NEWS 高校陸上年鑑 2024年度版(No.72)

2025.06.13

高校陸上年鑑 2024年度版(No.72)

高校陸上年鑑 【No.72】の内容 全国高体連発行,陸上競技社製作による「高校陸上年鑑」(2024年度版)。2024年度の高校陸上界の動きをまとめたもので、インターハイや全国高校駅伝などの主要イベントを中心に、ハイライト […]

NEWS 久保凛が1500m4分11秒07!高校歴代2位、U18日本新の激走で2連覇!2位の芦田和佳も高校歴代3位4分12秒48/IH近畿

2025.06.13

久保凛が1500m4分11秒07!高校歴代2位、U18日本新の激走で2連覇!2位の芦田和佳も高校歴代3位4分12秒48/IH近畿

◇インターハイ近畿地区大会(6月12~15日/京都市・たけびしスタジアム京都) 2日目 広島インターハイを懸けた近畿地区大会の初日が行われ、女子1500mで久保凛(東大阪大敬愛3)が高校歴代2位、U18日本新の4分11秒 […]

NEWS 東京世界陸上 米国女子マラソン代表のサイナが出産予定により代表辞退  ボストン7位のマクレーンが代表に

2025.06.13

東京世界陸上 米国女子マラソン代表のサイナが出産予定により代表辞退 ボストン7位のマクレーンが代表に

米国陸連は6月12日、9月に東京で開催される世界選手権の女子マラソン代表に選ばれていたB.サイナが出場を辞退し、代わってJ.マクレーンが代表に選出されたと発表した。サイナは今秋に出産を控えていることを理由に辞退を表明して […]

NEWS グランドスラム・トラックが第4戦ロサンゼルス大会の中止、26年への延期を発表!25年シーズンは3大会で終了、理由は公表せず

2025.06.13

グランドスラム・トラックが第4戦ロサンゼルス大会の中止、26年への延期を発表!25年シーズンは3大会で終了、理由は公表せず

6月12日、グランドスラム・トラックの主催者は6月28、29日に予定されていたグランドスラム・トラック第4戦ロサンゼルス大会を実施しないこと、26年シーズンへの延期と発表した。25年の同リーグはこれまでの3大会で終了とな […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年7月号 (6月13日発売)

2025年7月号 (6月13日発売)

詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会

page top