◇オレゴン世界陸上(7月15日~24日/米国・オレゴン州ユージン)6日目
オレゴン世界陸上6日目のイブニングセッションに行われた女子やり投予選で、日本記録(66m00)保持者の北口榛花(JAL)が見事一発で決勝進出を決めた。
予選通過記録は61m50。「前回(ドーハ)は6cmで決勝に行けなかったので、予選から集中して行きました」。大会前にはダイヤモンドリーグ・パリ大会で優勝。今季はハイアベレージを見せるなど、確かな成長の手応えをつかんで臨んでいた北口。一方で“一発”が出ないモヤモヤもあった。それを晴らしたのが、2度目の世界選手権の予選だった。
「あまり覚えていない」という1投目。迫力あるスローを見せると、予選通過を示すラインを大きく超えた。身体全体を使って喜びを爆発させ、思わず女子5000mが行われているトラックに一目散に入りかけるほど。64m32は、自身3番目であると同時に日本パフォーマンス歴代3位に入るビッグスローだった。日本女子で全種目を通じて初めてとなる全体トップでの予選突破となる。
実は助走に不安を抱えていた北口。「同じように走っても進まない」状況で、助走練習をすると距離が通常より1mほど短くなるほど推進力が欠けていた。しかし前日練習でようやく「元の助走に戻った」とひと安心。不安だった風向きも今日はそれほど向かい風が強くなく、「あまり意識せずに」投げられたという。
昨年の東京五輪では予選通過を果たすも、その際に左脇腹を痛めた影響で決勝は12位。予選で力をしっかり発揮しなければならないという試合展開に苦心した。リハビリ後は基礎体力の向上に努め、助走スピードもアップ。この日の投げは「良い記録が出ている時の助走ができました」と、納得のいくものだった。64m36、66m00と日本記録を連発した2019年から届いていなかった64m超えにも喜びがあったという。
ダイヤモンドリーグ優勝に、世界陸上の予選を全体トップで通過。否が応でも期待は高まるが、北口の目標は変わらずに「入賞」だ。それは、「東京五輪までは早い成長スピードが求められましたが、長い競技生活でステップアップしたい」から。一足飛びではなく、着実に。もちろん入賞以上を狙わないわけではない。入賞となれば11年テグ大会の海老原有希(8位)以来となる。
歴史が変わるかもしれない決勝は、日本時間23日朝10時20分からスタート。「決勝になると別人になるような選手もたくさんいるの、自分の力を出すことに集中したいです」。北口らしい投げができれば、そのやりはどこまでだって飛んでいく。
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予選通過記録は61m50。「前回(ドーハ)は6cmで決勝に行けなかったので、予選から集中して行きました」。大会前にはダイヤモンドリーグ・パリ大会で優勝。今季はハイアベレージを見せるなど、確かな成長の手応えをつかんで臨んでいた北口。一方で“一発”が出ないモヤモヤもあった。それを晴らしたのが、2度目の世界選手権の予選だった。
「あまり覚えていない」という1投目。迫力あるスローを見せると、予選通過を示すラインを大きく超えた。身体全体を使って喜びを爆発させ、思わず女子5000mが行われているトラックに一目散に入りかけるほど。64m32は、自身3番目であると同時に日本パフォーマンス歴代3位に入るビッグスローだった。日本女子で全種目を通じて初めてとなる全体トップでの予選突破となる。
実は助走に不安を抱えていた北口。「同じように走っても進まない」状況で、助走練習をすると距離が通常より1mほど短くなるほど推進力が欠けていた。しかし前日練習でようやく「元の助走に戻った」とひと安心。不安だった風向きも今日はそれほど向かい風が強くなく、「あまり意識せずに」投げられたという。
昨年の東京五輪では予選通過を果たすも、その際に左脇腹を痛めた影響で決勝は12位。予選で力をしっかり発揮しなければならないという試合展開に苦心した。リハビリ後は基礎体力の向上に努め、助走スピードもアップ。この日の投げは「良い記録が出ている時の助走ができました」と、納得のいくものだった。64m36、66m00と日本記録を連発した2019年から届いていなかった64m超えにも喜びがあったという。
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