HOME ニュース、国内

2022.02.26

クロカン初タイトルを手にした松枝博輝「世界選手権で結果を残すことにこだわりたい」/日本選手権クロカン
クロカン初タイトルを手にした松枝博輝「世界選手権で結果を残すことにこだわりたい」/日本選手権クロカン

◇第105回日本選手権クロスカントリー(2月26日/福岡・海の中道海浜公園)

シニア男子10kmは東京五輪5000m代表の松枝博輝(富士通)が意地を見せ、28分46秒でクロカン初タイトルを手にした。

前回大会は大学の後輩でもある三浦龍司(順大2年)に同タイムながら敗れ、2位だった松枝。その後、2人そろって東京五輪の代表に選ばれたが、3000m障害で日本人初の7位入賞を成し遂げた三浦に対し、5000mに出場した松枝は予選落ち。一時は引退も考えたほど落ち込んだが、「自分も三浦君のように外国人と競りあって、入賞するような選手を目指したい」と、もう一度立ち上がった。

今大会は1年ぶりの直接対決を楽しみにしていたが、三浦は体調不良のため欠場した。「勝ちにこだわりたい」と明言していた松枝は、いつものラスト勝負ではなく、前半から積極果敢に前に出た。

3周目にロープを避けようとしてコースアウトするアクシデントがあったが、諦めずに先頭集団に食らいつき、4周目で再び先頭へ。ラスト1周半はオープン参加の外国人選手に差を広げられたが「勝負に徹したレースができました。序盤から前に行けたところも良かったですが、世界で戦う選手を目指すなら、もっとガンガン引っ張っていかないと行けないですね」と収穫と反省を口にした。

広告の下にコンテンツが続きます

神奈川・相洋高から順大へ。大学時代は関東インカレ1部5000m3位などの実績を誇り、4年時は駅伝主将としてチームを牽引した。富士通入社後は持ち前のスピードを磨き、2017年、19年に5000mで日本選手権を制覇。19年にはドーハ世界選手権出場も果たした。昨年はニューイヤー駅伝優勝にも貢献し、念願だった五輪の舞台も踏んだ。

今後は、4月の金栗記念選抜5000mでシーズンインする予定で、オレゴン世界選手権の参加標準記録(13分13秒50)突破を目指す。

「今年は5000mで日本記録(13分08秒40)も参加標準記録の突破も目指しますが、あくまで通過点。世界選手権でどれだけ結果を残せるかが第一なので、そこにこだわりたい」と、目の色を変えていた。

2位には大学生トップの葛西潤(創価大)、3位には池田耀平(カネボウ)が入り、高校生で唯一シニアのレースに参戦した1500m、3000m、5000mの高校記録保持者・佐藤圭汰(洛南高)は8位入賞。佐藤は「昨年はU20(8km)で優勝しましたが、アップダウンもあるし、距離も長くて、体験したことのないキツさでした。今日の収穫は、自分が弱いということが知れたこと」とレース後に悔しさをにじませた。

文/田端慶子

◇第105回日本選手権クロスカントリー(2月26日/福岡・海の中道海浜公園) シニア男子10kmは東京五輪5000m代表の松枝博輝(富士通)が意地を見せ、28分46秒でクロカン初タイトルを手にした。 前回大会は大学の後輩でもある三浦龍司(順大2年)に同タイムながら敗れ、2位だった松枝。その後、2人そろって東京五輪の代表に選ばれたが、3000m障害で日本人初の7位入賞を成し遂げた三浦に対し、5000mに出場した松枝は予選落ち。一時は引退も考えたほど落ち込んだが、「自分も三浦君のように外国人と競りあって、入賞するような選手を目指したい」と、もう一度立ち上がった。 今大会は1年ぶりの直接対決を楽しみにしていたが、三浦は体調不良のため欠場した。「勝ちにこだわりたい」と明言していた松枝は、いつものラスト勝負ではなく、前半から積極果敢に前に出た。 3周目にロープを避けようとしてコースアウトするアクシデントがあったが、諦めずに先頭集団に食らいつき、4周目で再び先頭へ。ラスト1周半はオープン参加の外国人選手に差を広げられたが「勝負に徹したレースができました。序盤から前に行けたところも良かったですが、世界で戦う選手を目指すなら、もっとガンガン引っ張っていかないと行けないですね」と収穫と反省を口にした。 神奈川・相洋高から順大へ。大学時代は関東インカレ1部5000m3位などの実績を誇り、4年時は駅伝主将としてチームを牽引した。富士通入社後は持ち前のスピードを磨き、2017年、19年に5000mで日本選手権を制覇。19年にはドーハ世界選手権出場も果たした。昨年はニューイヤー駅伝優勝にも貢献し、念願だった五輪の舞台も踏んだ。 今後は、4月の金栗記念選抜5000mでシーズンインする予定で、オレゴン世界選手権の参加標準記録(13分13秒50)突破を目指す。 「今年は5000mで日本記録(13分08秒40)も参加標準記録の突破も目指しますが、あくまで通過点。世界選手権でどれだけ結果を残せるかが第一なので、そこにこだわりたい」と、目の色を変えていた。 2位には大学生トップの葛西潤(創価大)、3位には池田耀平(カネボウ)が入り、高校生で唯一シニアのレースに参戦した1500m、3000m、5000mの高校記録保持者・佐藤圭汰(洛南高)は8位入賞。佐藤は「昨年はU20(8km)で優勝しましたが、アップダウンもあるし、距離も長くて、体験したことのないキツさでした。今日の収穫は、自分が弱いということが知れたこと」とレース後に悔しさをにじませた。 文/田端慶子
       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.05.19

インターハイ都府県大会 明日は鹿児島 週末は各地で一挙開催 愛知、大阪、福岡はハイレベルな戦いの予感

広島インターハイ(7月25日~29日/広島・ホットスタッフフィールド広島=広島広域公園陸上競技場)を目指し、各地で都府県大会が行われている。 ここまで関東8都県と岐阜が終了し、今週以降はさらに大会が集中する。この1週間の […]

NEWS 【男子110mH】木村立樹(桜浜中2) 14秒29=中2歴代5位

2025.05.19

【男子110mH】木村立樹(桜浜中2) 14秒29=中2歴代5位

5月17日に三重県伊勢市の三重交通Gスポーツの杜伊勢・陸上競技場で行われた第2回南勢記録会の中学男子110mハードルで、中学2年生の木村立樹(桜浜中)が中2歴代5位となる14秒29(+1.8)をマークした。 木村は昨年9 […]

NEWS 【選手名鑑】大坂谷 明里

2025.05.19

【選手名鑑】大坂谷 明里

大坂谷 明里 OSAKAYA AKARI SNS: 愛媛競技力本部 2002年4月10日 小野中(兵庫)→社高(兵庫)→園田学園女大 棒高跳:4.20(25年) ■代表歴 アジア選手権(25クミ) 【年次ベスト】 棒高跳 […]

NEWS ユニクロ・大島健太コーチが5月末で退任 プリンセス駅伝1位通過にも貢献

2025.05.19

ユニクロ・大島健太コーチが5月末で退任 プリンセス駅伝1位通過にも貢献

5月19日、ユニクロは大島健太コーチが5月末をもって退任、退職することを発表した。 大島氏は45歳。現役時代は高知国体5000mで優勝したほか、04年には世界クロスカントリー選手権に日本代表として出場。マラソン、駅伝でも […]

NEWS 【選手名鑑】竹内 真弥

2025.05.19

【選手名鑑】竹内 真弥

竹内 真弥 TAKEUCHI MAYA SNS: ミズノ 1998年10月9日 長瀬中(大阪)→摂津高(大阪)→日女体大 走幅跳:6.49(24年) ■代表歴 アジア選手権(25クミ) 【年次ベスト】 走幅跳 12年(中 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年6月号 (5月14日発売)

2025年6月号 (5月14日発売)

Road to TOKYO
Diamond League JAPANの挑戦
村竹ラシッド、三浦龍司が初戦で世界陸上内定

Road to EKIDEN Season 25-26
学生長距離最新戦力分析