◇第105回日本選手権20km競歩(2月20日/兵庫・神戸)
今夏のオレゴン世界選手権代表選考会などを兼ねて行われ、男子は東京五輪代表の高橋英輝(富士通)が1時間19分04秒で3年ぶり6度目の制覇。世界選手権の派遣設定記録(1時間20分00秒)を突破して、4大会連続の世界選手権代表に内定した。
東京五輪銀メダルの池田向希(旭化成)、銅メダルの山西利和(愛知製鋼)が不在のなか、五輪代表の貫禄を見せた髙橋。冷たい海風が、時間が経つとともに強くなる悪コンディションで、その強さが際立った。
前日の会見でも「自分の歩きに集中したい」と話していた高橋。序盤から積極的に先頭集団を引っ張ってペースを作ると、中間点を過ぎてから、それまでの1㎞3分55秒前後から3分50秒にペースアップした。
「世界大会でもポイントとなる10km、15kmでリズムを上げていこうと考えていました」。食らいつていた古賀友太(明大)、住所大翔(順大)を振り落とし独歩態勢を築く。
その後は、「いつも競い合っているライバル2人(池田、山西)がいなかったので、少し中だるみしてしまい、最後の5㎞も思っていたより伸びなかったのが反省点」と話していたが、3年ぶりにタイトルを取り戻し、オレゴン行きが内定。「代表を決められて良かった」と安堵の表情をのぞかせた。
東京五輪前は、そこを集大成の場と考えていた高橋。しかし、「結果(32位)は残せませんでしたが、これまで支えてくださった方々の期待に結果で応えたいという思いが湧いてきた」と話す。東京五輪前に行った山西や50km代表の丸尾知司(愛知製鋼)らとの練習を通じ、今後も世界へ戦う手応えをつかんだという。
前々回は3回の警告を受けて、ペナルティゾーン(2分待機)に入ってしまったが、今回は後半に少し動きが硬くなったものの、警告を受けることなく最後まで歩き切った。
「前半、自分でレースを作り、中盤で切り替えれたことは収穫。後半は風に負けましたが、世界選手権に向けて、コンディションに左右されない体力をつけたい」。V奪還をステップに、次こそは世界で結果を出すべく、万全の準備を進めていく心構えだ。
女子は、2㎞過ぎからひとり旅となった東京五輪代表で、日本記録(1時間27分41秒)保持者の岡田久美子(東京陸協)が1時間33分28秒で2年ぶり7回目のV。だが、世界選手権の派遣設定記録(1時間30分00秒)や参加標準記録(1時間31分00秒)には届かなかった。
昨年10月に元競歩選手の森岡紘一朗さん(富士通)と結婚を発表。11月末には立大卒業後の2014年から所属していた企業を退社した。
「結婚や引っ越しなどもあり準備不足だった。今後は、今回の反省を生かし、新しい環境で気持ちも新たに、世界で戦っていけるよう質の高い練習を積んでいきたい」と前を向いた。
文/花木 雫
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.16
中央学大がTKK株式会社とスポンサー契約 同大卒業生が代表取締役
-
2025.12.16
-
2025.12.16
-
2025.12.16
-
2025.12.16
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
2025.12.14
中学駅伝日本一決定戦がいよいよ開催 女子11時10分、男子12時15分スタート/全中駅伝
-
2025.12.14
-
2025.12.14
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.16
中央学大がTKK株式会社とスポンサー契約 同大卒業生が代表取締役
中央学大駅伝部が「TKK株式会社」とスポンサー契約を結んだことを発表した。 同社は千葉県八千代市に本社を構え、主にプレキャストコンクリート鋼製型枠を取り扱うメーカー。中央学大卒業の安保誠司氏が代表取締役を務めており、「未 […]
2025.12.16
今年度限りでの「引退」を表明した村澤明伸インタビュー【前編】 大学3・4年時はトラックと駅伝の両立に挑戦したが「バランスを取るのが難しかった」
全国高校駅伝で日本一に輝き、箱根駅伝は花の2区で快走。日本選手権10000mでも上位に食い込んだのが、村澤明伸(SGホールディングス、34歳)だ。紆余曲折を経て、今年度限りでの「引退」を表明したが、どんな競技生活を過ごし […]
2025.12.16
赤﨑優花が自身の思いと感謝綴る 移籍は「前向きな決断」「この道を正解にします」
12月15日で第一生命グループを退社し、夫の赤﨑暁も所属するクラフティア(前・九電工)へ移籍加入した赤﨑優花(旧姓・鈴木)が自身のSNSを更新し、改めて思いを綴った。 昨年のパリ五輪女子マラソン6位入賞の赤﨑。「決して悲 […]
2025.12.16
お詫びと訂正(月刊陸上競技2026年1月号)
月刊陸上競技2026年1月号別冊付録「全国高校駅伝総展望」に掲載したデータに誤りがございました。 正しいデータの情報を掲載するとともに、関係者の皆様にお詫びをし、訂正いたします。 男子 今治北(愛媛) 誤 都大路学校最高 […]
Latest Issue
最新号
2026年1月号 (12月12日発売)
箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳