HOME ニュース、国内

2022.02.21

髙橋英輝が五輪代表の貫禄V「中盤で切り替えれたことは収穫」/日本選手権20km競歩
髙橋英輝が五輪代表の貫禄V「中盤で切り替えれたことは収穫」/日本選手権20km競歩

◇第105回日本選手権20km競歩(2月20日/兵庫・神戸)

今夏のオレゴン世界選手権代表選考会などを兼ねて行われ、男子は東京五輪代表の高橋英輝(富士通)が1時間19分04秒で3年ぶり6度目の制覇。世界選手権の派遣設定記録(1時間20分00秒)を突破して、4大会連続の世界選手権代表に内定した。

東京五輪銀メダルの池田向希(旭化成)、銅メダルの山西利和(愛知製鋼)が不在のなか、五輪代表の貫禄を見せた髙橋。冷たい海風が、時間が経つとともに強くなる悪コンディションで、その強さが際立った。

広告の下にコンテンツが続きます

前日の会見でも「自分の歩きに集中したい」と話していた高橋。序盤から積極的に先頭集団を引っ張ってペースを作ると、中間点を過ぎてから、それまでの1㎞3分55秒前後から3分50秒にペースアップした。

「世界大会でもポイントとなる10km、15kmでリズムを上げていこうと考えていました」。食らいつていた古賀友太(明大)、住所大翔(順大)を振り落とし独歩態勢を築く。

その後は、「いつも競い合っているライバル2人(池田、山西)がいなかったので、少し中だるみしてしまい、最後の5㎞も思っていたより伸びなかったのが反省点」と話していたが、3年ぶりにタイトルを取り戻し、オレゴン行きが内定。「代表を決められて良かった」と安堵の表情をのぞかせた。

東京五輪前は、そこを集大成の場と考えていた高橋。しかし、「結果(32位)は残せませんでしたが、これまで支えてくださった方々の期待に結果で応えたいという思いが湧いてきた」と話す。東京五輪前に行った山西や50km代表の丸尾知司(愛知製鋼)らとの練習を通じ、今後も世界へ戦う手応えをつかんだという。

前々回は3回の警告を受けて、ペナルティゾーン(2分待機)に入ってしまったが、今回は後半に少し動きが硬くなったものの、警告を受けることなく最後まで歩き切った。

「前半、自分でレースを作り、中盤で切り替えれたことは収穫。後半は風に負けましたが、世界選手権に向けて、コンディションに左右されない体力をつけたい」。V奪還をステップに、次こそは世界で結果を出すべく、万全の準備を進めていく心構えだ。

女子は、2㎞過ぎからひとり旅となった東京五輪代表で、日本記録(1時間27分41秒)保持者の岡田久美子(東京陸協)が1時間33分28秒で2年ぶり7回目のV。だが、世界選手権の派遣設定記録(1時間30分00秒)や参加標準記録(1時間31分00秒)には届かなかった。

昨年10月に元競歩選手の森岡紘一朗さん(富士通)と結婚を発表。11月末には立大卒業後の2014年から所属していた企業を退社した。

「結婚や引っ越しなどもあり準備不足だった。今後は、今回の反省を生かし、新しい環境で気持ちも新たに、世界で戦っていけるよう質の高い練習を積んでいきたい」と前を向いた。

文/花木 雫

◇第105回日本選手権20km競歩(2月20日/兵庫・神戸) 今夏のオレゴン世界選手権代表選考会などを兼ねて行われ、男子は東京五輪代表の高橋英輝(富士通)が1時間19分04秒で3年ぶり6度目の制覇。世界選手権の派遣設定記録(1時間20分00秒)を突破して、4大会連続の世界選手権代表に内定した。 東京五輪銀メダルの池田向希(旭化成)、銅メダルの山西利和(愛知製鋼)が不在のなか、五輪代表の貫禄を見せた髙橋。冷たい海風が、時間が経つとともに強くなる悪コンディションで、その強さが際立った。 前日の会見でも「自分の歩きに集中したい」と話していた高橋。序盤から積極的に先頭集団を引っ張ってペースを作ると、中間点を過ぎてから、それまでの1㎞3分55秒前後から3分50秒にペースアップした。 「世界大会でもポイントとなる10km、15kmでリズムを上げていこうと考えていました」。食らいつていた古賀友太(明大)、住所大翔(順大)を振り落とし独歩態勢を築く。 その後は、「いつも競い合っているライバル2人(池田、山西)がいなかったので、少し中だるみしてしまい、最後の5㎞も思っていたより伸びなかったのが反省点」と話していたが、3年ぶりにタイトルを取り戻し、オレゴン行きが内定。「代表を決められて良かった」と安堵の表情をのぞかせた。 東京五輪前は、そこを集大成の場と考えていた高橋。しかし、「結果(32位)は残せませんでしたが、これまで支えてくださった方々の期待に結果で応えたいという思いが湧いてきた」と話す。東京五輪前に行った山西や50km代表の丸尾知司(愛知製鋼)らとの練習を通じ、今後も世界へ戦う手応えをつかんだという。 前々回は3回の警告を受けて、ペナルティゾーン(2分待機)に入ってしまったが、今回は後半に少し動きが硬くなったものの、警告を受けることなく最後まで歩き切った。 「前半、自分でレースを作り、中盤で切り替えれたことは収穫。後半は風に負けましたが、世界選手権に向けて、コンディションに左右されない体力をつけたい」。V奪還をステップに、次こそは世界で結果を出すべく、万全の準備を進めていく心構えだ。 女子は、2㎞過ぎからひとり旅となった東京五輪代表で、日本記録(1時間27分41秒)保持者の岡田久美子(東京陸協)が1時間33分28秒で2年ぶり7回目のV。だが、世界選手権の派遣設定記録(1時間30分00秒)や参加標準記録(1時間31分00秒)には届かなかった。 昨年10月に元競歩選手の森岡紘一朗さん(富士通)と結婚を発表。11月末には立大卒業後の2014年から所属していた企業を退社した。 「結婚や引っ越しなどもあり準備不足だった。今後は、今回の反省を生かし、新しい環境で気持ちも新たに、世界で戦っていけるよう質の高い練習を積んでいきたい」と前を向いた。 文/花木 雫

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.14

中学駅伝日本一決定戦がいよいよ開催 女子11時10分、男子12時15分スタート/全中駅伝

◇全国中学校駅伝(12月14日/滋賀・希望が丘文化公園 男子6区間18km、女子5区間12km) 第33回全国中学校駅伝は14日、滋賀県の野洲市と湖南市にまたがる希望が丘文化公園で開催される。都道府県大会を勝ち抜いた男女 […]

NEWS 編集部コラム「あっという間の2025年」

2025.12.13

編集部コラム「あっという間の2025年」

攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム?? 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタッフが週替りで […]

NEWS 早大のルーキー・鈴木琉胤「少しずつトラックの頃に戻ってきた」 往路希望で「区間賞を狙う走りを」

2025.12.13

早大のルーキー・鈴木琉胤「少しずつトラックの頃に戻ってきた」 往路希望で「区間賞を狙う走りを」

箱根駅伝で15年ぶりの総合優勝を狙う早大が12月13日、埼玉・所沢キャンパスで合同取材会を開いた。 出雲駅伝、全日本大学駅伝で出走したルーキー・鈴木琉胤は「ハーフは走ったことがなくて、箱根でいきなりという不安はあります。 […]

NEWS 箱根駅伝15年ぶりV狙う早大が合同取材会 花田勝彦駅伝監督「状態上がっている」 山口智規「大手町を楽しみにしてほしい」

2025.12.13

箱根駅伝15年ぶりV狙う早大が合同取材会 花田勝彦駅伝監督「状態上がっている」 山口智規「大手町を楽しみにしてほしい」

箱根駅伝で15年ぶりの総合優勝を狙う早大が12月13日、埼玉・所沢キャンパスで合同取材会を開いた。 この日は撮影と共通取材、個別取材を実施。共通取材で花田勝彦駅伝監督は「今年もかなり良いかたちで準備ができたと思っています […]

NEWS 連覇か、V奪回か?「ニューイヤー駅伝2026」に挑む強豪3チームの意気込み/旭化成・トヨタ自動車・富士通
PR

2025.12.13

連覇か、V奪回か?「ニューイヤー駅伝2026」に挑む強豪3チームの意気込み/旭化成・トヨタ自動車・富士通

2026年の幕開けを飾る全日本実業団対抗駅伝(通称・ニューイヤー駅伝)は、第70回の記念大会として1月1日、前橋市にある群馬県庁前をスタートし、上州路をぐるりと回って県庁に戻る7区間・総距離100kmのコースで行われる。 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top