2021.12.28
♯6
「今、話したい箱根駅伝がある」
乃木坂46のメンバーで活躍し、“駅伝好きアイドル”として『観測史上、最大風速』の注目を集める「でんちゃん」こと、佐藤楓さん。2021-22年大学駅伝シーズンを通して大会の見どころや注目選手など紹介する連載企画もいよいよ年内最後の回に。もちろんテーマは来年正月に行われる箱根駅伝!
ありがちじゃない展開となりそうな来年の箱根駅伝の結末はどうなるのか。大手町から芦ノ湖は晴れてるのか? それとも雪か? 次の区間で待つ誰かのために支え合い、すべてを乗り越えられる強さを持つチームは!? 話したい駅伝があるってしあわせだ!
前回のコラム♯5全日本大学駅伝の思い出は眠らない
選手層が厚い駒大と青学大
みなさん、こんにちは! 乃木坂46の佐藤楓です。年が明けると待ちに待った箱根駅伝がいよいよ始まります! この連載も年内は最後。もちろん、テーマは「箱根駅伝」です。明日(29日)には区間エントリーも発表になるのでソワソワします。今回は私なりに箱根駅伝の見どころや注目選手を紹介していきたいと思います。
箱根駅伝をでんちゃんなりに大予想!
戦力的に見ると、やはり前回優勝の駒澤大学と、出雲駅伝と全日本大学駅伝で2位だった青山学院大学が優勝候補に挙がります。
駒澤大学は往路で青山学院大学に差をつけたいところ。10000mで日本人学生最速となる27分23秒44をマークした田澤廉選手’3年)を筆頭に、2年生の鈴木芽吹選手、唐澤拓海選手、花尾恭輔選手が往路に入ってくると思います。全日本大学駅伝で1区を務めた佐藤条二選手(1年)が1区でしょうか。復路に主力選手を回せるほど、選手層は充実しています。月陸さん情報によると、安原太陽選手(2年)、篠原倖太朗選手(1年)への評価が高いとのこと。余ってしまうほどの戦力ですね。
学生ランナーのエース・田澤選手は2区でイェゴン・ヴィンセント選手(東京国際大学3年)と競り合うところが見たいです! ただ、優勝を狙う上では3区に使うという手もありそう……。区間エントリーでは2、3区を隠してくるかもしれませんね。
ケガをして心配されていた鈴木選手もメンバー入りしています。鈴木選手が前回同様5区を走るのか、それとも2区や3区を走るのか。ここもカギを握りそうです。戦力が整えば、「勝ち目がない」ほどのチームになると思います!
全日本で競り合った駒大と青学大がやはり優勝候補!
青山学院大学は何と言っても岸本大紀選手(3年)の復活が大きいです。1年生だった前々回では2区で区間5位と好走しましたが、その後はケガでなかなか試合に出られませんでした。また2区を走るのかどうか。調子が戻れば往路の主要区間に入りそうです。前回7区を走った近藤幸太郎選手(3年)がエースに成長していて、今回は近藤選手が2区の有力候補。近藤選手が2区、岸本選手が3区だと強そうです! 佐藤一世選手(2年)が前回と同じ4区の候補に挙がります。
前々回、5区区間2位の飯田貴之選手(4年)が2年ぶりに5区を走りそう。飯田選手は全日本大学駅伝でのアンカー勝負に負けて悔しそうにしている姿が印象的でした。きっとリベンジに燃えていると思います。6区にも前回区間3位の高橋勇輝選手(4年)がいます。青山学院大学が優勝するときは山上り、山下りがしっかり走っているとき。この2人がいるのは心強いですね!
注目は1年生の田中悠登選手。11月の世田谷246ハーフマラソンで優勝していますが、世田谷区ハーフで結果を残した選手が、箱根駅伝でも力を発揮する傾向にあります。同じく1年生の若林宏樹選手もメンバー入りしそうな一人。1区は出遅れ厳禁なので、誰に託すかがポイントですが、全日本大学駅伝でも走った志貴勇斗選手(2年)か、それとも近藤選手という作戦も……?
青山学院大学は登録メンバー16人全員が10000m28分台。これは史上初めてのこと。リポーターとして出演させていただいた11月のMARCH対抗戦でも、19人が28分台をマークしています。他校からすればレンタルしたいくらいの選手層を誇ります。特に復路には絶対の強さがあると思います。
月陸や資料を見ながら注目選手を挙げていくでんちゃん
東京国際大、創価大、東洋大、順大が上位候補
次に注目したいのは東京国際大です。出雲駅伝では初出場・初優勝。特に往路は、ヴィンセント選手、丹所健選手(3年)、山谷昌也選手(3年)の「三本柱」が強力です。1区・山谷選手、2区・ヴィンセント選手、3区・丹所選手が予想されるのですが……これだけでも強そう! 往路は間違いなく先頭争いをしそうです。山上りは初めての選手となるので、4、5区さえしのげば、往路は逃げ切る、ということもあり得ますね! 前回、往路優勝を飾った創価大学も強いですね。2~6区までメンバーがそのまま残っていますし、特に5区区間2位の三上雄太選手(4年)がいるのは大きな武器となります。
ヴィンセント選手、山谷選手、丹所選手のいる東京国際大は往路優勝に近そう!
前回3位の東洋大学は、全日本大学駅伝ではシード落ちとなりましたが、箱根駅伝ではきっちり上位に来ると思います。注目は梅崎蓮選手(1年)。駅伝デビュー戦の全日本大学駅伝では5区区間4位タイといい走りをしていました。とても安心感の持てる選手です。
愛媛・宇和島東高時代からロードに強くて、高2で全国都道府県駅伝を走り、昨年の全国高校駅伝でも1区11位でした。全日本では4区で石田洸介選手と1年生同士でタスキリレー。石田選手は出雲、全日本で区間賞を獲得していますが、箱根駅伝でも区間賞を取ると、日本人1年生では初の区間賞三冠となります! 狙ってほしい気持ちもありますし、前回の松山和希選手のように1年生で2区挑戦も見たい気もします。
5区区間記録保持者の宮下隼人選手(4年)、前回6区の九嶋恵舜選手(2年)と山区間の経験者がいるのも強みです。前回同様に児玉悠輔選手(3年)が1区かな……。蝦夷森章太選手(4年)も2年ぶりの出走が期待されます。東洋大学らしい駅伝での強さを見せてほしいです!
「素人ながら勝手に安心感を覚える」とでんちゃんが注目する1年生の梅崎選手
順天堂大学は何と言っても東京五輪代表の三浦龍司選手(2年)に注目が集まりますが、全日本大学駅伝では三浦選手に頼り過ぎない駅伝でした。3年生に力がある選手が多く、野村優作選手、伊豫田達弥選手、平駿介選手がポイントですが、イチオシは四釜峻佑選手です。関東インカレハーフマラソンでも日本人トップ。今回は5区を希望区間に挙げています! 特に往路は見せ場を作りそうです。三浦選手はどこを走るでしょうか……。やっぱり1区かな。前回(区間10位)のリベンジをしてほしいですが、もし三浦選手を3区に配置できたらとても強そうです!
東京五輪代表の順大・三浦選手は1区!?
10000m27分台が3人いる早稲田大学は、伊藤大志選手と石塚陽士選手という1年生の2人にも注目です。伊藤選手は山上りを希望しているとか。近年、山区間で苦戦している印象ですが、ここをしのげれば上位争いをすると思います。中谷雄飛選手(4年)、鈴木創士選手(3年)がカギを握りそうです。國學院大學は激坂最速王決定戦で学生トップだった殿地琢朗選手を筆頭に、木付琳選手、島崎慎愛選手、藤木宏太選手と4年生が充実しています。中西大翔選手(3年)あたりが力を発揮すれば、上位進出がありそうです。
こうして並べていくと……どのチームも全部強いなって思ってきました(笑)。
予選会校でも、トップ通過の明治大学も上位候補です。過去2回、5区を走っている鈴木聖人選手(4年)の山上りが個人的にすごく好きで、“ひゅー”っと軽く山を駆け上がるんです。
中央大学ではやはり吉居大和選手(2年)がチームを引っ張る存在。昨年度は駅伝で苦戦していましたが、今季は全日本では1区区間2位と力を発揮しています。10000mでも28分03秒90の中大記録を出しています。1区では三浦選手との競り合いが見られるかもしれません!
でんちゃんの箱根駅伝優勝予想は…
まずは往路優勝を予想したいと思いますが……どこも強そうで難しいです。
私の往路優勝予想は……東京国際大学か駒澤大学! 2つ挙げてしまいました!(笑)
そしてそして、総合優勝予想はこちら!
1位 青山学院大学
2位 駒澤大学
3位 東洋大学
4位 東京国際大
5位 創価大学
です! とても悩みました。予想はあくまで予想で、外れてしまうものなので……(笑)。
上位争いとは違いますが、注目している“大穴”チームは中央学院大学です。2年ぶりに箱根路に戻ってきました。あのユニフォームが箱根駅伝にいるのが当たり前だと思っていたので、前回は寂しかったです。今回は少しリニューアルしたユニフォームで登場! 予選会で日本人トップの栗原啓吾選手(4年)に期待です。
初出場となる駿河台大学も応援しています! 目標に掲げている繰り上げなくタスキをつないでほしいです。徳本一善監督も「何かを起こしたい」とおっしゃっていたので、サプライズがあるかもしれません。初出場のチームがいると新鮮ですごく楽しみです。堂々と、伸び伸びと走ってください!
箱根駅伝は1月2日に往路、3日に復路、朝8時にスタートします。私も毎年、箱根駅伝を一番楽しみにしていますし、今回もしっかり見届けたいと思います。選手のみなさんが、実力通り、いえ、それ以上に力が発揮できますように。そして何より、最後まであきらめず、ケガなく無事に走りきってほしいです。頑張ってください!
●箱根駅伝の「思い出ファースト」
印象に残っているのは青山学院大学が4連覇を達成した2018年の第94回大会です。青山学院大学は3連覇中で、すべて往路・復路ともに優勝していました。ところが、この年は東洋大学が往路優勝して青山学院大学が2位。追いかける展開でした。
その中で、青山学院大学の6区・小野田勇次選手が区間記録にあと2秒に迫る58分03をマーク。15km付近で東洋大学を抜いたシーンをすごく覚えています。小野田選手は次の年に現コースで初めてとなる57秒台という区間記録を打ち立てました。
18年大会の青学大6区・小野田選手がトップに立った瞬間はすごく覚えています!
●第98回箱根駅伝に挑む乃木坂学園大学の区間エントリーを発表!
今回は史上最高レベルの駒澤大学、青山学院大学と戦わなければいけないので大変です!
前回大会で選んだのは…?
乃木坂46佐藤楓“監督”が選ぶ箱根駅伝「乃木坂選抜」1・2期vs3・4期 総合優勝の行方は!?
実は10区はもう決まっていて、生田絵梨花さん(1期生)です! 卒業されるので、有終の美を飾っていただきたいです。今年の12月いっぱいで卒業されるのですが……今回は特別に正月まで残って走っていただきます! そこまで、どうやってタスキをつなぐかがポイントですね!
1区は新内眞衣さん(2期生)。理由は……何か起こしてくれそうだからです! 脚が長いのでストライドを生かしてもらいます。三浦龍司選手や吉居大和選手たちと競り合って、「きつーい!」と言いながら、区間賞を取れなくてもトップから3秒差くらいでタスキをつないでくれそうです!
エース区間の2区は梅澤美波(3期生)に任せます。梅は新内さんを「姉さん」と慕っているので、新内さんから受けたタスキなら絶対に上位をキープするはず。権太坂もしっかり駆け抜けてくれます。梅は何事にも絶対に妥協しないので、ヴィンセント選手、田澤選手にも食らいついてくれます!
往路のカギとなる5区を先に決めると……樋口日奈さん(1期生)! ひなちまさんには絶大な信頼があって、箱根駅伝予選会でも、全日本大学駅伝でも起用しています(笑)。場の雰囲気が和みますし、しっかり者なのできっちりと山を上ってくれると思います。
そうなると、4区にはひなちまさんがいると思って走れるメンバーで……阪口珠美(3期生)かな。珠美は初期の頃から今でも、ずっとひなちまさん推しであこがれているんです。「ちまちゃんが待っているなら!」と頑張ってくれそうです。
準エース区間の3区には次期エースの岩本蓮加(3期生)。梅、蓮加、珠美、私は普段から仲良しなので、私が3つの区間とも給水を担当します!(笑) 次期エースの蓮加で抜け出して、珠美が先頭をキープ。これで往路優勝決定です! ひなちまさんがフィニッシュテープを笑顔で切ります!
折り返しの復路。駒澤大学と青山学院大学が追いかけてくる展開です。6区は北野日奈子さん(2期生)。とてもパワフルで元気いっぱい! 笑顔で山を駆け下ります。復路の平地区間は次回大会を見据えて若いメンバーに経験させたいところですね。そうなると、7区は……賀喜遥香(4期生)に任せましょう。前回に続いて2度目の7区です! かっきーも笑顔が素敵でキラキラしています。北野さんとの「笑顔の連鎖」で流れを引き寄せます!
このあたりで他校が追いかけてきますが、8区には弓木奈於(4期生)を起用します。弓木ちゃんは突拍子もないことを言う“不思議ちゃん”。ポンッと走って区間新記録を出してMVPを獲得するかも! 10区に生田さんが待っているので、裏エースの9区は久保史緒里(3期生)が務めます。久保ちゃんと生田さんは関係が深く、生田さんのことをとても尊敬しています。駒澤大学、青山学院大学が迫ってきますが、久保ちゃんは絶対にあきらめないタイプなんです!
今回はかなりしっくりいくメンバーになった気がします! ここまで来たらもうバッチリ! 生田さんは心配無用。もう、ピクニックランですね! 笑顔で大手町に帰ってきます。乃木坂学園大学が史上最速、大会新記録で優勝です!!
●乃木坂学園大学 箱根駅伝区間エントリー!
【往路】東京・大手町→神奈川・芦ノ湖
1区(21.3km) 新内眞衣(2)
2区(23.1km) 梅澤美波(3)
3区(21.4km) 岩本蓮加(3)
4区(20.9km) 阪口珠美(3)
5区(20.8km) 樋口日奈(1)
【復路】神奈川・芦ノ湖→東京・大手町
6区(20.8km) 北野日奈子(2)
7区(21.3km) 賀喜遥香(4)
8区(21.4km) 弓木奈於(4)
9区(23.1km) 久保史緒里(3)
10区(23.0km) 生田絵梨花(1)
★次回は箱根駅伝について振り返るのでみなさんも楽しんで観てください!★
佐藤 楓(さとう・かえで)/1998年3月23日生まれ。愛知県出身。161cm、A型。愛称はでんちゃん、でんじろう。サイリウムカラーは赤・赤。乃木坂46の3期生として2016年にデビュー。中学、高校とバドミントン部に所属。『帰り道は遠回りしたくなる』で初めて選抜入り。駅伝ファンとして知られ、駅伝関係の仕事も多数こなしている。10周年記念ベストアルバム『Time flies』が発売中。「乃木坂46の10年がぎゅっと詰まった素敵なアルバムです!シングルはデビュー曲から最新曲まで全部入っています。これを聴けば乃木坂46を知り尽くせると思います!」(From佐藤楓)最新情報は公式HPやブログ、インスタグラムをチェック! |
構成/向永拓史 撮影/船越陽一郎
乃木坂46佐藤楓の「駅伝ちゃんねる」
♯5全日本大学駅伝の思い出は眠らない
♯4もうすぐ~全日本大学駅伝~
♯3出雲と予選会のこと、知ってる?
♯2お互いに支え合って箱根駅伝本戦に行こう
♯1出雲駅伝はテレビ観戦したくなる
選手層が厚い駒大と青学大
みなさん、こんにちは! 乃木坂46の佐藤楓です。年が明けると待ちに待った箱根駅伝がいよいよ始まります! この連載も年内は最後。もちろん、テーマは「箱根駅伝」です。明日(29日)には区間エントリーも発表になるのでソワソワします。今回は私なりに箱根駅伝の見どころや注目選手を紹介していきたいと思います。 箱根駅伝をでんちゃんなりに大予想! 戦力的に見ると、やはり前回優勝の駒澤大学と、出雲駅伝と全日本大学駅伝で2位だった青山学院大学が優勝候補に挙がります。 駒澤大学は往路で青山学院大学に差をつけたいところ。10000mで日本人学生最速となる27分23秒44をマークした田澤廉選手’3年)を筆頭に、2年生の鈴木芽吹選手、唐澤拓海選手、花尾恭輔選手が往路に入ってくると思います。全日本大学駅伝で1区を務めた佐藤条二選手(1年)が1区でしょうか。復路に主力選手を回せるほど、選手層は充実しています。月陸さん情報によると、安原太陽選手(2年)、篠原倖太朗選手(1年)への評価が高いとのこと。余ってしまうほどの戦力ですね。 学生ランナーのエース・田澤選手は2区でイェゴン・ヴィンセント選手(東京国際大学3年)と競り合うところが見たいです! ただ、優勝を狙う上では3区に使うという手もありそう……。区間エントリーでは2、3区を隠してくるかもしれませんね。 ケガをして心配されていた鈴木選手もメンバー入りしています。鈴木選手が前回同様5区を走るのか、それとも2区や3区を走るのか。ここもカギを握りそうです。戦力が整えば、「勝ち目がない」ほどのチームになると思います! 全日本で競り合った駒大と青学大がやはり優勝候補! 青山学院大学は何と言っても岸本大紀選手(3年)の復活が大きいです。1年生だった前々回では2区で区間5位と好走しましたが、その後はケガでなかなか試合に出られませんでした。また2区を走るのかどうか。調子が戻れば往路の主要区間に入りそうです。前回7区を走った近藤幸太郎選手(3年)がエースに成長していて、今回は近藤選手が2区の有力候補。近藤選手が2区、岸本選手が3区だと強そうです! 佐藤一世選手(2年)が前回と同じ4区の候補に挙がります。 前々回、5区区間2位の飯田貴之選手(4年)が2年ぶりに5区を走りそう。飯田選手は全日本大学駅伝でのアンカー勝負に負けて悔しそうにしている姿が印象的でした。きっとリベンジに燃えていると思います。6区にも前回区間3位の高橋勇輝選手(4年)がいます。青山学院大学が優勝するときは山上り、山下りがしっかり走っているとき。この2人がいるのは心強いですね! 注目は1年生の田中悠登選手。11月の世田谷246ハーフマラソンで優勝していますが、世田谷区ハーフで結果を残した選手が、箱根駅伝でも力を発揮する傾向にあります。同じく1年生の若林宏樹選手もメンバー入りしそうな一人。1区は出遅れ厳禁なので、誰に託すかがポイントですが、全日本大学駅伝でも走った志貴勇斗選手(2年)か、それとも近藤選手という作戦も……? 青山学院大学は登録メンバー16人全員が10000m28分台。これは史上初めてのこと。リポーターとして出演させていただいた11月のMARCH対抗戦でも、19人が28分台をマークしています。他校からすればレンタルしたいくらいの選手層を誇ります。特に復路には絶対の強さがあると思います。 月陸や資料を見ながら注目選手を挙げていくでんちゃん東京国際大、創価大、東洋大、順大が上位候補
次に注目したいのは東京国際大です。出雲駅伝では初出場・初優勝。特に往路は、ヴィンセント選手、丹所健選手(3年)、山谷昌也選手(3年)の「三本柱」が強力です。1区・山谷選手、2区・ヴィンセント選手、3区・丹所選手が予想されるのですが……これだけでも強そう! 往路は間違いなく先頭争いをしそうです。山上りは初めての選手となるので、4、5区さえしのげば、往路は逃げ切る、ということもあり得ますね! 前回、往路優勝を飾った創価大学も強いですね。2~6区までメンバーがそのまま残っていますし、特に5区区間2位の三上雄太選手(4年)がいるのは大きな武器となります。 ヴィンセント選手、山谷選手、丹所選手のいる東京国際大は往路優勝に近そう! 前回3位の東洋大学は、全日本大学駅伝ではシード落ちとなりましたが、箱根駅伝ではきっちり上位に来ると思います。注目は梅崎蓮選手(1年)。駅伝デビュー戦の全日本大学駅伝では5区区間4位タイといい走りをしていました。とても安心感の持てる選手です。 愛媛・宇和島東高時代からロードに強くて、高2で全国都道府県駅伝を走り、昨年の全国高校駅伝でも1区11位でした。全日本では4区で石田洸介選手と1年生同士でタスキリレー。石田選手は出雲、全日本で区間賞を獲得していますが、箱根駅伝でも区間賞を取ると、日本人1年生では初の区間賞三冠となります! 狙ってほしい気持ちもありますし、前回の松山和希選手のように1年生で2区挑戦も見たい気もします。 5区区間記録保持者の宮下隼人選手(4年)、前回6区の九嶋恵舜選手(2年)と山区間の経験者がいるのも強みです。前回同様に児玉悠輔選手(3年)が1区かな……。蝦夷森章太選手(4年)も2年ぶりの出走が期待されます。東洋大学らしい駅伝での強さを見せてほしいです! 「素人ながら勝手に安心感を覚える」とでんちゃんが注目する1年生の梅崎選手 順天堂大学は何と言っても東京五輪代表の三浦龍司選手(2年)に注目が集まりますが、全日本大学駅伝では三浦選手に頼り過ぎない駅伝でした。3年生に力がある選手が多く、野村優作選手、伊豫田達弥選手、平駿介選手がポイントですが、イチオシは四釜峻佑選手です。関東インカレハーフマラソンでも日本人トップ。今回は5区を希望区間に挙げています! 特に往路は見せ場を作りそうです。三浦選手はどこを走るでしょうか……。やっぱり1区かな。前回(区間10位)のリベンジをしてほしいですが、もし三浦選手を3区に配置できたらとても強そうです! 東京五輪代表の順大・三浦選手は1区!? 10000m27分台が3人いる早稲田大学は、伊藤大志選手と石塚陽士選手という1年生の2人にも注目です。伊藤選手は山上りを希望しているとか。近年、山区間で苦戦している印象ですが、ここをしのげれば上位争いをすると思います。中谷雄飛選手(4年)、鈴木創士選手(3年)がカギを握りそうです。國學院大學は激坂最速王決定戦で学生トップだった殿地琢朗選手を筆頭に、木付琳選手、島崎慎愛選手、藤木宏太選手と4年生が充実しています。中西大翔選手(3年)あたりが力を発揮すれば、上位進出がありそうです。 こうして並べていくと……どのチームも全部強いなって思ってきました(笑)。 予選会校でも、トップ通過の明治大学も上位候補です。過去2回、5区を走っている鈴木聖人選手(4年)の山上りが個人的にすごく好きで、“ひゅー”っと軽く山を駆け上がるんです。 中央大学ではやはり吉居大和選手(2年)がチームを引っ張る存在。昨年度は駅伝で苦戦していましたが、今季は全日本では1区区間2位と力を発揮しています。10000mでも28分03秒90の中大記録を出しています。1区では三浦選手との競り合いが見られるかもしれません!でんちゃんの箱根駅伝優勝予想は…
まずは往路優勝を予想したいと思いますが……どこも強そうで難しいです。 私の往路優勝予想は……東京国際大学か駒澤大学! 2つ挙げてしまいました!(笑) そしてそして、総合優勝予想はこちら! 1位 青山学院大学 2位 駒澤大学 3位 東洋大学 4位 東京国際大 5位 創価大学 です! とても悩みました。予想はあくまで予想で、外れてしまうものなので……(笑)。 上位争いとは違いますが、注目している“大穴”チームは中央学院大学です。2年ぶりに箱根路に戻ってきました。あのユニフォームが箱根駅伝にいるのが当たり前だと思っていたので、前回は寂しかったです。今回は少しリニューアルしたユニフォームで登場! 予選会で日本人トップの栗原啓吾選手(4年)に期待です。 初出場となる駿河台大学も応援しています! 目標に掲げている繰り上げなくタスキをつないでほしいです。徳本一善監督も「何かを起こしたい」とおっしゃっていたので、サプライズがあるかもしれません。初出場のチームがいると新鮮ですごく楽しみです。堂々と、伸び伸びと走ってください! 箱根駅伝は1月2日に往路、3日に復路、朝8時にスタートします。私も毎年、箱根駅伝を一番楽しみにしていますし、今回もしっかり見届けたいと思います。選手のみなさんが、実力通り、いえ、それ以上に力が発揮できますように。そして何より、最後まであきらめず、ケガなく無事に走りきってほしいです。頑張ってください! ●箱根駅伝の「思い出ファースト」 印象に残っているのは青山学院大学が4連覇を達成した2018年の第94回大会です。青山学院大学は3連覇中で、すべて往路・復路ともに優勝していました。ところが、この年は東洋大学が往路優勝して青山学院大学が2位。追いかける展開でした。 その中で、青山学院大学の6区・小野田勇次選手が区間記録にあと2秒に迫る58分03をマーク。15km付近で東洋大学を抜いたシーンをすごく覚えています。小野田選手は次の年に現コースで初めてとなる57秒台という区間記録を打ち立てました。 18年大会の青学大6区・小野田選手がトップに立った瞬間はすごく覚えています! ●第98回箱根駅伝に挑む乃木坂学園大学の区間エントリーを発表! 今回は史上最高レベルの駒澤大学、青山学院大学と戦わなければいけないので大変です! 前回大会で選んだのは…? 乃木坂46佐藤楓“監督”が選ぶ箱根駅伝「乃木坂選抜」1・2期vs3・4期 総合優勝の行方は!? 実は10区はもう決まっていて、生田絵梨花さん(1期生)です! 卒業されるので、有終の美を飾っていただきたいです。今年の12月いっぱいで卒業されるのですが……今回は特別に正月まで残って走っていただきます! そこまで、どうやってタスキをつなぐかがポイントですね! 1区は新内眞衣さん(2期生)。理由は……何か起こしてくれそうだからです! 脚が長いのでストライドを生かしてもらいます。三浦龍司選手や吉居大和選手たちと競り合って、「きつーい!」と言いながら、区間賞を取れなくてもトップから3秒差くらいでタスキをつないでくれそうです! エース区間の2区は梅澤美波(3期生)に任せます。梅は新内さんを「姉さん」と慕っているので、新内さんから受けたタスキなら絶対に上位をキープするはず。権太坂もしっかり駆け抜けてくれます。梅は何事にも絶対に妥協しないので、ヴィンセント選手、田澤選手にも食らいついてくれます! 往路のカギとなる5区を先に決めると……樋口日奈さん(1期生)! ひなちまさんには絶大な信頼があって、箱根駅伝予選会でも、全日本大学駅伝でも起用しています(笑)。場の雰囲気が和みますし、しっかり者なのできっちりと山を上ってくれると思います。 そうなると、4区にはひなちまさんがいると思って走れるメンバーで……阪口珠美(3期生)かな。珠美は初期の頃から今でも、ずっとひなちまさん推しであこがれているんです。「ちまちゃんが待っているなら!」と頑張ってくれそうです。 準エース区間の3区には次期エースの岩本蓮加(3期生)。梅、蓮加、珠美、私は普段から仲良しなので、私が3つの区間とも給水を担当します!(笑) 次期エースの蓮加で抜け出して、珠美が先頭をキープ。これで往路優勝決定です! ひなちまさんがフィニッシュテープを笑顔で切ります! 折り返しの復路。駒澤大学と青山学院大学が追いかけてくる展開です。6区は北野日奈子さん(2期生)。とてもパワフルで元気いっぱい! 笑顔で山を駆け下ります。復路の平地区間は次回大会を見据えて若いメンバーに経験させたいところですね。そうなると、7区は……賀喜遥香(4期生)に任せましょう。前回に続いて2度目の7区です! かっきーも笑顔が素敵でキラキラしています。北野さんとの「笑顔の連鎖」で流れを引き寄せます! このあたりで他校が追いかけてきますが、8区には弓木奈於(4期生)を起用します。弓木ちゃんは突拍子もないことを言う“不思議ちゃん”。ポンッと走って区間新記録を出してMVPを獲得するかも! 10区に生田さんが待っているので、裏エースの9区は久保史緒里(3期生)が務めます。久保ちゃんと生田さんは関係が深く、生田さんのことをとても尊敬しています。駒澤大学、青山学院大学が迫ってきますが、久保ちゃんは絶対にあきらめないタイプなんです! 今回はかなりしっくりいくメンバーになった気がします! ここまで来たらもうバッチリ! 生田さんは心配無用。もう、ピクニックランですね! 笑顔で大手町に帰ってきます。乃木坂学園大学が史上最速、大会新記録で優勝です!! ●乃木坂学園大学 箱根駅伝区間エントリー! 【往路】東京・大手町→神奈川・芦ノ湖 1区(21.3km) 新内眞衣(2) 2区(23.1km) 梅澤美波(3) 3区(21.4km) 岩本蓮加(3) 4区(20.9km) 阪口珠美(3) 5区(20.8km) 樋口日奈(1) 【復路】神奈川・芦ノ湖→東京・大手町 6区(20.8km) 北野日奈子(2) 7区(21.3km) 賀喜遥香(4) 8区(21.4km) 弓木奈於(4) 9区(23.1km) 久保史緒里(3) 10区(23.0km) 生田絵梨花(1) ★次回は箱根駅伝について振り返るのでみなさんも楽しんで観てください!★佐藤 楓(さとう・かえで)/1998年3月23日生まれ。愛知県出身。161cm、A型。愛称はでんちゃん、でんじろう。サイリウムカラーは赤・赤。乃木坂46の3期生として2016年にデビュー。中学、高校とバドミントン部に所属。『帰り道は遠回りしたくなる』で初めて選抜入り。駅伝ファンとして知られ、駅伝関係の仕事も多数こなしている。10周年記念ベストアルバム『Time flies』が発売中。「乃木坂46の10年がぎゅっと詰まった素敵なアルバムです!シングルはデビュー曲から最新曲まで全部入っています。これを聴けば乃木坂46を知り尽くせると思います!」(From佐藤楓)最新情報は公式HPやブログ、インスタグラムをチェック! |
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日本GPシリーズチャンピオンは福部真子と筒江海斗!種目別800mは落合晃&久保凛の高校日本記録保持者コンビがV、女子1500m田中希実が4連覇
日本グランプリ(GP)シリーズ2024のシリーズチャンピオンが発表され、男子は400mハードルの筒江海斗(ST-WAKO)、女子は100mハードルの福部真子(日本建設工業)と、ともにパリ五輪のハードル種目代表が初の栄冠に […]
2024.12.12
世界陸連が6つの世界記録を承認 川野将虎が男子35km初代世界記録保持者に
12月11日、世界陸連は5月から10月にかけて誕生した世界記録を正式に承認したことを発表した。 10月27日の日本選手権35km競歩(山形・高畠)で、川野将虎(旭化成)が樹立した2時間21分47秒も世界記録として認定。同 […]
2024.12.12
月刊陸上競技2025年1月号
Contents W別冊付録 箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望 大会報道 福岡国際マラソン 吉田祐也 日本歴代3位の激走 涙の復活劇 全日本実業団対抗女子駅伝 JP日本郵政グループ 4年ぶりV 地域実業団駅伝 中学 […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会