女子100mハードルの木村文子(エディオン)が現役引退を発表し、広島市内で会見を行った。
木村は冒頭で、「たくさんのご支援をいただいてここまで来ることができました。世界には到底出られるような選手ではなかったのですが、会社のサポートと、ファンのみなさんからいつも温かいご声援をいただいて、世界で戦うことができました」と感謝を述べた。
引退を考えだしたのは2018年頃からで、「2020年東京五輪までは目標を持って走り続けていきたい」と覚悟を持って臨んできた。その中で、レースに対する「新鮮さが感じられなくなっている」と感じていたという。「東京五輪を走ってみて(進退を)決めたいと思った」と言い、「またこの舞台、というよりは多くの方に支えられたという感謝の気持ちのほうが大きかったので一区切りにした」という。
思い出のレースについては「これというのは難しい」と話しつつ、「2017年ロンドン世界選手権の予選のレース」だと答えた。「2012年ロンドン五輪と同じ舞台で、同じ景色だったはずですが、自分の考え、競技者としての成長をスタートラインに立った瞬間に感じた」ことを理由に挙げる。
目標としていた12秒台には公認記録で届かなかったが、「12秒台は出したかったですが、それ以上に勝負していく大切さ、重要性を感じていました」と言うように、勝負強さにこだわりを持って競技生活を送ってきた。「楽しい競技人生を送らせていただいて、周りの人たちに感謝したい」と改めて感謝を述べる。
2月からはエディオンの一般種目コーチに就任予定。「今後は後進の育成と、一人でも多くのみなさんに陸上競技の魅力、楽しさを伝えられるように普及活動をして、夢を与えていくことができればと思います」と今後について語る。コーチだけではなく、「子供たちに身体を動かすこと、陸上競技は楽しいということを感じてもらいたい」と明かす。
昨年10月に広島大の大学院へ進学。「選手を取り巻く環境について研究を進めていきたい。人間関係のストレスは切っても切り離せない。ハードルだけではなく、世界で戦えていない種目を強化していきたい。その中で、組織をコーディネートしていくのが大事だと感じているので、研究結果とつなげて現場に生かしていきたいです」と言う。
「日本の陸上界は世界から遠ざかっているのが現状なので、一人でも多くの選手が世界で活躍してほしい。世界から遠い種目であっても、いろんな手を借りて、サポートをしていくことで得られるもの、力があると思っています。強化をしっかり行っていきたい」
後輩たちに向けて「自分以上に能力を持っている選手がたくさんいるので、どんどん自分を超えて、能力のない自分でも世界に出られたということは参考にしてほしい」とメッセージを送る。
ケガや五輪延期、世界の壁、13秒台の壁、いくつものハードルを越えて、日本女子スプリントハードルを牽引し、高みへと引き上げた木村。立場は変わっても、日本陸上界が「世界」に近づくように尽力していく。
写真提供/エディオン
女子100mハードルの木村文子(エディオン)が現役引退を発表し、広島市内で会見を行った。
木村は冒頭で、「たくさんのご支援をいただいてここまで来ることができました。世界には到底出られるような選手ではなかったのですが、会社のサポートと、ファンのみなさんからいつも温かいご声援をいただいて、世界で戦うことができました」と感謝を述べた。
引退を考えだしたのは2018年頃からで、「2020年東京五輪までは目標を持って走り続けていきたい」と覚悟を持って臨んできた。その中で、レースに対する「新鮮さが感じられなくなっている」と感じていたという。「東京五輪を走ってみて(進退を)決めたいと思った」と言い、「またこの舞台、というよりは多くの方に支えられたという感謝の気持ちのほうが大きかったので一区切りにした」という。
思い出のレースについては「これというのは難しい」と話しつつ、「2017年ロンドン世界選手権の予選のレース」だと答えた。「2012年ロンドン五輪と同じ舞台で、同じ景色だったはずですが、自分の考え、競技者としての成長をスタートラインに立った瞬間に感じた」ことを理由に挙げる。
目標としていた12秒台には公認記録で届かなかったが、「12秒台は出したかったですが、それ以上に勝負していく大切さ、重要性を感じていました」と言うように、勝負強さにこだわりを持って競技生活を送ってきた。「楽しい競技人生を送らせていただいて、周りの人たちに感謝したい」と改めて感謝を述べる。
2月からはエディオンの一般種目コーチに就任予定。「今後は後進の育成と、一人でも多くのみなさんに陸上競技の魅力、楽しさを伝えられるように普及活動をして、夢を与えていくことができればと思います」と今後について語る。コーチだけではなく、「子供たちに身体を動かすこと、陸上競技は楽しいということを感じてもらいたい」と明かす。
昨年10月に広島大の大学院へ進学。「選手を取り巻く環境について研究を進めていきたい。人間関係のストレスは切っても切り離せない。ハードルだけではなく、世界で戦えていない種目を強化していきたい。その中で、組織をコーディネートしていくのが大事だと感じているので、研究結果とつなげて現場に生かしていきたいです」と言う。
「日本の陸上界は世界から遠ざかっているのが現状なので、一人でも多くの選手が世界で活躍してほしい。世界から遠い種目であっても、いろんな手を借りて、サポートをしていくことで得られるもの、力があると思っています。強化をしっかり行っていきたい」
後輩たちに向けて「自分以上に能力を持っている選手がたくさんいるので、どんどん自分を超えて、能力のない自分でも世界に出られたということは参考にしてほしい」とメッセージを送る。
ケガや五輪延期、世界の壁、13秒台の壁、いくつものハードルを越えて、日本女子スプリントハードルを牽引し、高みへと引き上げた木村。立場は変わっても、日本陸上界が「世界」に近づくように尽力していく。 RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.10.29
秋田で開催予定の東北高校駅伝 クマ出没のためトラックレースに変更
2025.10.29
田中希実がホノルルマラソンの1マイルに3年連続出場へ!前回上位占めたライバルたちと再戦
2025.10.29
ブダペスト代表の西山和弥、15年連続の川内優輝らが招待選手に/防府読売マラソン
-
2025.10.29
-
2025.10.28
-
2025.10.28
-
2025.10.28
-
2025.10.28
-
2025.10.26
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
-
2025.10.18
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.10.29
秋田で開催予定の東北高校駅伝 クマ出没のためトラックレースに変更
10月29日、秋田陸協ならびに東北高体連陸上競技専門部は、11月6日に開催予定の東北高校駅伝をトラックレース形式で実施すると発表した。駅伝コースの近辺でクマの目撃が相次いでいるための措置としている。 東北高校駅伝は東北6 […]
2025.10.29
田中希実がホノルルマラソンの1マイルに3年連続出場へ!前回上位占めたライバルたちと再戦
「ホノルルマラソン2025」の前日に開催される1マイルレース「カラカウアメリーマイル」に、東京世界選手権代表の田中希実(New Balance)がエントリーしたことがわかった。これで3年連続となる。 同レースはハワイ・ワ […]
2025.10.29
世界陸連がトレッドミルの世界選手権「RUN X」の開催を発表!総額賞金10万ドル&世界ロードランニング選手権の出場権授与
世界陸連(WA)は10月27日、イタリアのフィットネス製品メーカー、テクノジムと提携して第1回世界トレッドミル選手権「RUN X」を2026年に開催すると発表した。 「RUN X」では5kmの競技が行われ、予選はテクノジ […]
2025.10.29
【女子200m】酒井菜夏(金沢ACJr/北鳴中3)24秒37=中学歴代8位タイ
第3回河北郡市記録会は10月25日、石川県かほく市のうのけ総合公園陸上競技場で行われ、女子200mで酒井菜夏(金沢ACJr/金沢北鳴中3)が中学歴代8位タイ、北信越中学新記録となる24秒37(-0.2)をマークした。 酒 […]
Latest Issue
最新号
2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望