◇Athlete Night Games in FUKUI2021(8月28日/福井県営)
3回目を迎えたAthlete Night Games in FUKUIの男子100m。五輪2大会代表の桐生祥秀(日本生命)が10秒18(±0.0)で貫禄勝ちをおさめた。
間近まで観客が入るナイターゲーム。大トリを飾る100mで、この競技場の愛称「9.98スタジアム」のきっかけを作った千両役者が魅せた。
「タイムはあまり出なかったですが、条件を考えればまずまずです」と桐生。スタートこそやや先行されたものの、焦ることなく加速すると、最後はしっかり差し切った。
東京五輪を終えてこれが初レースであり、今シーズンの最後のレース。「海外の選手と比べて明らかにパワーが明らかに足りない」と感じた。ここまでの3週間は「ほぼウエイトトレーニング」に時間を費やし、「まだボリュームが足りない」が、短い間でも身体つきもやや大きく見えた。「スタートも腕を使ったり、ブロックを変えたりした」ことで、「どこがどう足りないか」試したという。実際に、「中盤などで足りない」と感じている。
今回、自ら立ち上げたプロジェクト・ブランド「K-Project」の一環として、「誰もが走ったことのある」50mにチャレンジする企画「Sprint 50 Challenge」を、この思い出の地でスタートさせた。5秒87は「本気で走りました。練習と違って疲れました」と話すほど、小学生との“ガチ勝負”を楽しんだ。「現役時代だからできることで、スピード感を感じてほしかった」と狙いを話し、「この記録が一つの目安になると思うので、ここを目標にしてほしい。今後は、僕がいないところでもいいですし、いろんなスポーツの人とコラボも。敵対じゃなく、一緒に楽しんでやれれば」と、プロジェクトの一歩目に充実の表情を浮かべる。オリンピックが終わり一段落する選手もいるなか、「こういうところで目立って、桐生だなって思ってもらわないと」と、語る。
もちろん、五輪後に「強くなって戻ってきたい」と涙した桐生は、来年以降へすでに踏み出している。「まずはケガをしない身体を作って、ちゃんと勝負できるように。パリ五輪だけというより、来年、再来年にも世界選手権があるので一つずつ」と桐生。2022年、また速く、強くなった姿をファンの前に見せるだろう。

RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.10.16
サニブラウンが東レを訪問「走り抜くことができたのはみなさんのお陰」
-
2025.10.15
-
2025.10.15
-
2025.10.15
-
2025.10.13
-
2025.10.13
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.10.16
中学、高校のトップが出場!IH優勝・石原南菜、後藤大樹や中学記録保持者・今村好花、大森蒼以らに注目/U18・16大会
10月17日から19日の3日間、U18・U16陸上大会が三重県伊勢市の三重交通Gスポーツの杜伊勢陸上競技場で開催される。 U18大会は2025年12月31日時点の16歳、17歳が対象で高校3年生の早生まれと高校2年生、1 […]
2025.10.16
サニブラウンが東レを訪問「走り抜くことができたのはみなさんのお陰」
男子短距離で東京世界選手権代表のサニブラウン・アブデル・ハキームが10月16日、所属先である東レの東京本社を訪問した。 サニブラウンは今シーズンを終えての報告のために訪れると、役員への挨拶のあとは各フロアを周って挨拶。「 […]
2025.10.16
BROOKSのランニングシューズ「Adrenaline GTS」 誕生25周年を記念し、特別デザインの限定カラーが登場!
米国ランニングシューズブランド「BROOKS(ブルックス)」は、ロングセラーモデル「Adrenaline GTS(アドレナリンジーティーエス)」の誕生25周年を記念し、特別デザインの限定カラーを公式オンラインショップにて […]
2025.10.15
19年ドーハ世界陸上代表・井本佳伸が現役引退「たくさんの出会い幸せ」今後は指導者の道へ
男子短距離で活躍し、19年ドーハ世界選手権リレー代表(補欠)の井本佳伸(東京ガスエコモ)が現役生活に区切りをつけることを自身のSNSで発表した。 井本は京都・東輝中時代に全中で100m5位、200m4位。名門・洛南高へ進 […]
2025.10.15
100m宮本大輔が引退「最後まで走り切れた」元中学記録保持者「早熟なんて気にしなくていい」
穏やかな笑顔で静かに、地元・山口でスパイクを脱いだ。 男子100mの元中学記録保持者・宮本大輔(山口フィナンシャルグループ)が現役生活にピリオドを打った。9月の全日本実業団対抗は、地元・山口。「夏くらいには一旦、区切りを […]
Latest Issue
最新号

2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望