HOME 東京五輪、日本代表、五輪
20km競歩最上位は藤井菜々子 初五輪13位「洗礼を受けた」15位岡田「競技人生の宝物」河添は40位
20km競歩最上位は藤井菜々子 初五輪13位「洗礼を受けた」15位岡田「競技人生の宝物」河添は40位


写真/時事

◇東京五輪(7月30日~8月8日/国立競技場)陸上競技8日目

陸上競技8日目アフタヌーンセッション。札幌で行われた女子20km競歩が行われた。日本からは岡田久美子(ビックカメラ)、藤井菜々子(エディオン)のドーハ世界選手権入賞組と、河添香織(自衛隊体育学校)が出場。日本人最上位は13位の藤井だった。

広告の下にコンテンツが続きます

藤井は入賞争いグループに中盤すぎまでしっかり食らいついて歩いた。だが16kmすぎに「脚が重くなった」。以降はペースをなかなか上げられずに後退。先頭集団の後方でチャンスを待っていたが「給水で(他の選手を)よけたことで脚を使ってしまった」と、位置取りを含めてミスが続いた。

「自国開催で調整がうまくいくにもかかわらず負けてしまったのは力不足」と藤井。だが、ドーハとは違う展開のレースを経験しながら入賞争いを見せて1時間31分55秒で完歩したことは必ず次につながる。「オリンピックの洗礼を受けた」という藤井はまだ22歳。「ドーハより積極的なレースはできました。次はパリ五輪で勝負したい」と、五輪初の入賞へ歩みを止めることはない。

●岡田久美子は15位「競技人生の中で宝物になった」

写真/時事
第一人者の岡田は日本人初入賞を目指した。序盤から集団後方で落ち着いてレースを進め、10km通過は46分00秒でトップと3秒差の16位。しかし、レースが後半に入ると、集団から徐々に離されていく。

広告の下にコンテンツが続きます

最後は前を歩いていた藤井に急接近したものの、1時間31分57秒の15位で戦いを終えた。

レース中はお世話になった方々の顔が浮かんだという岡田は、「結果だけを見ると非常に悔しいです」と素直な感想を口にした。

「リオ五輪(16位)よりも、ひと回りもふた回りも強くなって、この舞台に立つことができたんですけど、それを結果として表現することができませんでした。ただコロナ禍で制約がある中でたくさんの方々のお陰でこの舞台に立てたことを実感することができました」

岡田は日本勢の中で孤独な戦いを続けてきた。この種目で日本記録を持ち、日本選手権は6連覇(15~20年)。世界大会には1人で参戦することも少なくなかった。その中で年々実力を積み重ねていき、2019年ドーハ世界選手権では6位入賞の快挙を達成。ドーハでは8つ年下の藤井も7位に食い込んだ。

「途中第2集団まで下がったとき、藤井さんが第1集団でついていく姿を見て、非常に勇気をもらいました。私は10月で30歳になるんですけど、藤井さんにしっかりとバトンを渡すことができるんじゃないかなと思っています。すごくカッコいい姿を見ることができてうれしかったです」

大舞台を終えて、一つの区切りとするのだろうか。

「東京五輪は私の競技人生の中で宝物になったと思います」

女王・岡田が女子20km競歩で積み上げてきたキャリアは後輩たちの今後に生かされていくことだろう。

◇河添は40位でフィニッシュ
ワールドランキングで3人目の代表に滑り込んだ河添は40位。1分39秒31でフィニッシュした。「自分の現在地を痛感したレースだった」と河添。特に夏のレースは「初めて」で、自分が暑さに「強いのかどうかのかも不透明だった」。この悔しい経験を次のレースに生かしていく。

写真/時事 ◇東京五輪(7月30日~8月8日/国立競技場)陸上競技8日目 陸上競技8日目アフタヌーンセッション。札幌で行われた女子20km競歩が行われた。日本からは岡田久美子(ビックカメラ)、藤井菜々子(エディオン)のドーハ世界選手権入賞組と、河添香織(自衛隊体育学校)が出場。日本人最上位は13位の藤井だった。 藤井は入賞争いグループに中盤すぎまでしっかり食らいついて歩いた。だが16kmすぎに「脚が重くなった」。以降はペースをなかなか上げられずに後退。先頭集団の後方でチャンスを待っていたが「給水で(他の選手を)よけたことで脚を使ってしまった」と、位置取りを含めてミスが続いた。 「自国開催で調整がうまくいくにもかかわらず負けてしまったのは力不足」と藤井。だが、ドーハとは違う展開のレースを経験しながら入賞争いを見せて1時間31分55秒で完歩したことは必ず次につながる。「オリンピックの洗礼を受けた」という藤井はまだ22歳。「ドーハより積極的なレースはできました。次はパリ五輪で勝負したい」と、五輪初の入賞へ歩みを止めることはない。 ●岡田久美子は15位「競技人生の中で宝物になった」 写真/時事 第一人者の岡田は日本人初入賞を目指した。序盤から集団後方で落ち着いてレースを進め、10km通過は46分00秒でトップと3秒差の16位。しかし、レースが後半に入ると、集団から徐々に離されていく。 最後は前を歩いていた藤井に急接近したものの、1時間31分57秒の15位で戦いを終えた。 レース中はお世話になった方々の顔が浮かんだという岡田は、「結果だけを見ると非常に悔しいです」と素直な感想を口にした。 「リオ五輪(16位)よりも、ひと回りもふた回りも強くなって、この舞台に立つことができたんですけど、それを結果として表現することができませんでした。ただコロナ禍で制約がある中でたくさんの方々のお陰でこの舞台に立てたことを実感することができました」 岡田は日本勢の中で孤独な戦いを続けてきた。この種目で日本記録を持ち、日本選手権は6連覇(15~20年)。世界大会には1人で参戦することも少なくなかった。その中で年々実力を積み重ねていき、2019年ドーハ世界選手権では6位入賞の快挙を達成。ドーハでは8つ年下の藤井も7位に食い込んだ。 「途中第2集団まで下がったとき、藤井さんが第1集団でついていく姿を見て、非常に勇気をもらいました。私は10月で30歳になるんですけど、藤井さんにしっかりとバトンを渡すことができるんじゃないかなと思っています。すごくカッコいい姿を見ることができてうれしかったです」 大舞台を終えて、一つの区切りとするのだろうか。 「東京五輪は私の競技人生の中で宝物になったと思います」 女王・岡田が女子20km競歩で積み上げてきたキャリアは後輩たちの今後に生かされていくことだろう。 ◇河添は40位でフィニッシュ ワールドランキングで3人目の代表に滑り込んだ河添は40位。1分39秒31でフィニッシュした。「自分の現在地を痛感したレースだった」と河添。特に夏のレースは「初めて」で、自分が暑さに「強いのかどうかのかも不透明だった」。この悔しい経験を次のレースに生かしていく。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.10.23

学法石川が10年連続男女V 男子は2時間2分58秒! 1区増子陽太が圧巻の28分20秒 女子も1区から首位譲らず/福島県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた福島県高校駅伝が10月23日、猪苗代町総合体育館前を発着点とするコースで行われ、学法石川が10年連続で男女優勝を遂げた。男子(7区間42.195km)は大会記録を2分08秒も更新する2時間2分 […]

NEWS 高校駅伝都道府県大会が第2週目突入!明日23日の福島から9県で開催 宮城、千葉らハイレベルの熱戦

2025.10.22

高校駅伝都道府県大会が第2週目突入!明日23日の福島から9県で開催 宮城、千葉らハイレベルの熱戦

10月に入って全国高校駅伝(12月21日/京都)出場を懸けた高校駅伝都道府県大会が行われている。 今週は週末にかけて、東北、関東を中心に9県で開催される。 23日には福島県大会が行われ、学法石川を中心にハイレベルの争いと […]

NEWS 関西実業団対抗駅伝に住友電工・遠藤日向、SGホールディングス・近藤幸太郎、NTT西日本・服部弾馬らがエントリー!

2025.10.22

関西実業団対抗駅伝に住友電工・遠藤日向、SGホールディングス・近藤幸太郎、NTT西日本・服部弾馬らがエントリー!

来年元日に行われる全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)の予選を兼ねた第68回関西実業団対抗駅伝(11月9日/和歌山)のエントリーが、10月22日に関西実業団連盟から発表された。 前回と同じ13チームがエントリー。各チ […]

NEWS 米国陸連が国内ツアーを創設 無秩序な競技会開催を抑制し、スポンサー拡大を目指す

2025.10.22

米国陸連が国内ツアーを創設 無秩序な競技会開催を抑制し、スポンサー拡大を目指す

米国陸連(USATF)は10月20日、米国陸連主催のUSATFツアーを新設することを発表した。 ツアーは2026年から実施予定で、現在は既存大会および新設大会を対象に参入申請を受け付けている。陸連はツアー化によって大会日 […]

NEWS 【プレゼント】保温性に優れたZAMSTの「アームスリーブWARM EDITION」/11月号

2025.10.21

【プレゼント】保温性に優れたZAMSTの「アームスリーブWARM EDITION」/11月号

世界と戦うトップアスリートも愛用するサポート・ケア製品ブランド「ZAMST(ザムスト)」を展開する日本シグマックス株式会社。 同社から発売中の寒い時期でも快適にスポーツを行うことができるよう保温性に優れ、手首から上腕にか […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top