写真/時事
午前中の日本勢は9時40分から行われる女子3000m障害予選に山中柚乃(愛媛銀行)と、10時45分からの男子400m予選に出場するウォルシュ・ジュリアン(富士通)の2人。
女子3000m障害に出場する山中の自己ベストは9分41秒84。早狩実紀が08年北京大会でマークした9分49秒70の日本人五輪最高記録更新はもちろん、早狩が持つ日本記録(9分33秒93/08年)が現実的なターゲットだろう。予選通過には9分20秒台が必要だ。
男子400mのウォルシュは19年のドーハ世界選手権で準決勝に駒を進めている。今季は故障の影響で1レースしか出場していないが、万全な状態で臨めるか。五輪の準決勝進出となれば1992年バルセロナ大会で8位に入った高野進以来(当時は1次予選、2次予選、準決、決勝の4ラウンド制)。ラウンド突破となれば、00年シドニー大会で1次予選を突破して2次予選に進んだ小坂田淳以来となる。
夜、最初に行われる種目は19時10分からの男子走高跳決勝だ。予選では戸邉直人(JAL)が余裕のある跳躍で2m28をクリアして日本勢49年ぶりに駒を進めた。気象条件や展開次第だが、2m30前後の高さを1回でクリアすれば入賞圏内、自身が2年前の室内で出した日本記録2m35を更新すれば、メダルも見えてくる。入賞となれば1936年ベルリン大会(矢田喜美雄5位、朝隈善郎と田中弘が6位タイ)以来85年ぶり。日本勢過去最高成績は矢田の5位だ。
女子100mハードル準決勝(19時45分)には寺田明日香(ジャパンクリエイト)が出場。この種目日本勢21年ぶりのセミファイナルでどんな足跡を残すか。また、男子400mハードル準決勝(21時05分)には、予選をただ1人突破した山内大夢(早大)が五輪初の決勝の舞台を目指して激走する。
写真/時事
海外勢では男子100m(準決勝19時15分、決勝21時50分)が最注目種目だろう。08年北京、12年ロンドン、16年リオと3連覇のウサイン・ボルト(ジャマイカ)が17年に引退。3大会ぶり(13年ぶり)に新王者が生まれる。
6月に世界歴代7位の9秒77をマークしたT.ブロメルやR.ベーカー、F.カーリーが出場する米国の覇権奪取なるか。米国選手が優勝すれば、04年アテネ大会のJ.ガトリン以来となる。ライバルは前回リオ大会の銅メダリスト・A.デグラス(カナダ)か。予選で9秒91をマークしており米国勢に立ちはだかりそう。カナダ選手が優勝すれば、1996年アトランタ大会を当時の世界新(9秒84)で制したD.ベイリー以来となる。
他にも予選で9秒94のイタリア新記録をマークしたL.M.ジェイコブスや9秒91のアジア記録を持つ蘇炳添(中国)らが乱立。日本勢は残念ながら予選で姿を消したが、決勝を目指した準決勝は今回も熾烈を極めそうだ。
男子走高跳は12年、16年といずれも2位に終わっているM.E.バルシム(カタール)が「3度目の正直」で金メダルを獲得できるか注目だ。対抗は5月に2m37の今季世界最高をマークしたI.イワニュク(ANA=Authorised Neutral Athlete=中立選手/ロシア)や、19年ドーハ世界選手権4位のM.ネダセカウ(ベラルーシ)、2m36を跳んだJ.ハリソン(米国)あたりになりそう。
また、女子三段跳決勝(20時15分)では今季、15m43をマークしたY.ロハス(ベネズエラ)が歴史を塗り替えるかもしれない。世界記録は1995年にI.クラヴェツ(ウクライナ)が打ち立てた15m50で、ロハスはあと7cmと迫っている。東京五輪陸上初の世界新が誕生するか、目が離せない。


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