HOME ニュース、国内

2021.07.18

2年ぶりの実学対抗、東京五輪代表や女子メドレーR日本新などで実業団が制す/実業団・学生対抗
2年ぶりの実学対抗、東京五輪代表や女子メドレーR日本新などで実業団が制す/実業団・学生対抗

◇第61回実業団・学生対抗(7月17日/神奈川・レモンガススタジアム平塚)

広告の下にコンテンツが続きます

秩父宮賜杯第61回実業団・学生対抗は7月17日、神奈川県平塚市のレモンガススタジアム平塚で開催された。第60回の節目を迎えるはずだった昨年は、コロナ禍の影響で中止に。2年ぶりに行われた伝統の大会は、東京五輪代表4人が2週間後の陸上競技開幕を前に最後の実戦の場として出場するなど、梅雨明けの真っ青な夏空から夕暮れへと向かう時間帯で各種目に熱戦が展開された。

女子メドレーリレーで日本最高記録が誕生。1走(100m)にこの日の100mを11秒63(+0.6)で制した名倉千晃(NTN)、2走(200m)、3走(300m)、4走(400m)は同じく400mで3位の小林茉由(J.VIC)、53秒20の大会新で優勝した青山聖佳(大阪成蹊AC)、53秒23の自己新で2位だった松本奈菜子(東邦銀行)が務め、2分05秒59をマーク。2012年のこの大会で実業団が樹立した記録(2分05秒81)を9年ぶりに更新した。青山は2種目制覇で女子MVPにも選出された。

2~4走は、東京五輪出場を目指した4×400mリレーナショナルチームの主軸として、何度もタイムアタックを敢行。日本選手権でも初日の競技開始前と、最終日の全競技終了後に1本ずつ行い、2本目に日本歴代7位の3分30秒81をマーク。その間には個人の400mでも小林、松本、青山の順で1~3位を占めている。目いっぱいのチャレンジをしながらも、五輪への扉を開くことはできず、「心身ともにいっぱいいっぱいになった」と松本は振り返る。

小林も含め、五輪に出られなかった失意から完全に抜け出せたわけではない。それでも松本自身は自己新をマークし、青山も今季自己2番目の好タイム。「自分たちの力が足りなかった」ことを自覚し、それぞれの成長を目指して一歩を踏み出した。

広告の下にコンテンツが続きます

「今までできなかった『高い目標を設定する』ということができた。これをいいバネにしたい」(松本)

「来年は世界選手権とアジア大会がある。その舞台に立てるように、まずは自己新、それから51秒台を出して日本記録を更新したい」(青山)

女子ロングスプリント陣が、再び世界を目指して走り始めた。

東京五輪代表組では、男子やり投の小南拓人(染めQ)がただ1人優勝。6投目に78m83を放ち、逆転で制した。男子4×100mリレー代表のデーデー・ブルーノ(東海大)は100mに出場したが、前日まで標高の高い山梨・富士北麓でのリレー合宿に参加していたこともあって精彩を欠き、10秒28(+1.4)で2位。女子100mハードルの木村文子(エディオン)は、準決勝敗退だった日本選手権からは復調の兆しを見せ、13秒35(+1.1)で2位だった。男子棒高跳の江島雅紀(富士通)も1週間前の練習中にポールを折るアクシデントに見舞われたが、実戦での踏み切りを確認すべく出場し、4位ながら5m30をクリアしてホッとした表情を見せた。同じく棒高跳の山本聖途(トヨタ自動車)は棄権した。

広告の下にコンテンツが続きます

同110mハードルは藤井亮汰(三重県スポーツ協会)が日本歴代9位の13秒41(+0.3)で制し、男子MVPに輝く。2位の横地大雅(法大)も学生歴代3位タイの13秒45とハイレベル。日本選手権予選で日本歴代5位の13秒37をマークしながらも、決勝でフライングをして失格となった石川周平(富士通)は3位だった。男子100mでは東田旺洋(栃木スポ協)が自己タイの10秒18で快勝した。

このほか女子フィールドで好記録が相次ぎ、砲丸投では日本選手権2年連続2位の大野史佳(埼玉大)が日本歴代8位だった自己記録を5cm更新、歴代7位に浮上する16m09をプット。三段跳では髙島真織子(福岡大)が6回目に学生歴代6位の13m19(+0.8)をマークして逆転優勝を飾った。ハンマー投は小舘充華(染めQ)が今季ベストの61m04で制した。

総合では実業団が235.5点で、163.5点の学生に圧勝。男子総合、女子総合ともに実業団が制し、2018年以来の完全Vを果たした。

◇第61回実業団・学生対抗(7月17日/神奈川・レモンガススタジアム平塚) 秩父宮賜杯第61回実業団・学生対抗は7月17日、神奈川県平塚市のレモンガススタジアム平塚で開催された。第60回の節目を迎えるはずだった昨年は、コロナ禍の影響で中止に。2年ぶりに行われた伝統の大会は、東京五輪代表4人が2週間後の陸上競技開幕を前に最後の実戦の場として出場するなど、梅雨明けの真っ青な夏空から夕暮れへと向かう時間帯で各種目に熱戦が展開された。 女子メドレーリレーで日本最高記録が誕生。1走(100m)にこの日の100mを11秒63(+0.6)で制した名倉千晃(NTN)、2走(200m)、3走(300m)、4走(400m)は同じく400mで3位の小林茉由(J.VIC)、53秒20の大会新で優勝した青山聖佳(大阪成蹊AC)、53秒23の自己新で2位だった松本奈菜子(東邦銀行)が務め、2分05秒59をマーク。2012年のこの大会で実業団が樹立した記録(2分05秒81)を9年ぶりに更新した。青山は2種目制覇で女子MVPにも選出された。 2~4走は、東京五輪出場を目指した4×400mリレーナショナルチームの主軸として、何度もタイムアタックを敢行。日本選手権でも初日の競技開始前と、最終日の全競技終了後に1本ずつ行い、2本目に日本歴代7位の3分30秒81をマーク。その間には個人の400mでも小林、松本、青山の順で1~3位を占めている。目いっぱいのチャレンジをしながらも、五輪への扉を開くことはできず、「心身ともにいっぱいいっぱいになった」と松本は振り返る。 小林も含め、五輪に出られなかった失意から完全に抜け出せたわけではない。それでも松本自身は自己新をマークし、青山も今季自己2番目の好タイム。「自分たちの力が足りなかった」ことを自覚し、それぞれの成長を目指して一歩を踏み出した。 「今までできなかった『高い目標を設定する』ということができた。これをいいバネにしたい」(松本) 「来年は世界選手権とアジア大会がある。その舞台に立てるように、まずは自己新、それから51秒台を出して日本記録を更新したい」(青山) 女子ロングスプリント陣が、再び世界を目指して走り始めた。 東京五輪代表組では、男子やり投の小南拓人(染めQ)がただ1人優勝。6投目に78m83を放ち、逆転で制した。男子4×100mリレー代表のデーデー・ブルーノ(東海大)は100mに出場したが、前日まで標高の高い山梨・富士北麓でのリレー合宿に参加していたこともあって精彩を欠き、10秒28(+1.4)で2位。女子100mハードルの木村文子(エディオン)は、準決勝敗退だった日本選手権からは復調の兆しを見せ、13秒35(+1.1)で2位だった。男子棒高跳の江島雅紀(富士通)も1週間前の練習中にポールを折るアクシデントに見舞われたが、実戦での踏み切りを確認すべく出場し、4位ながら5m30をクリアしてホッとした表情を見せた。同じく棒高跳の山本聖途(トヨタ自動車)は棄権した。 同110mハードルは藤井亮汰(三重県スポーツ協会)が日本歴代9位の13秒41(+0.3)で制し、男子MVPに輝く。2位の横地大雅(法大)も学生歴代3位タイの13秒45とハイレベル。日本選手権予選で日本歴代5位の13秒37をマークしながらも、決勝でフライングをして失格となった石川周平(富士通)は3位だった。男子100mでは東田旺洋(栃木スポ協)が自己タイの10秒18で快勝した。 このほか女子フィールドで好記録が相次ぎ、砲丸投では日本選手権2年連続2位の大野史佳(埼玉大)が日本歴代8位だった自己記録を5cm更新、歴代7位に浮上する16m09をプット。三段跳では髙島真織子(福岡大)が6回目に学生歴代6位の13m19(+0.8)をマークして逆転優勝を飾った。ハンマー投は小舘充華(染めQ)が今季ベストの61m04で制した。 総合では実業団が235.5点で、163.5点の学生に圧勝。男子総合、女子総合ともに実業団が制し、2018年以来の完全Vを果たした。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.04.19

編集部コラム「新年度スタート」

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 広告の下にコンテンツが続きます 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り […]

NEWS 十種競技・右代啓祐が7164点 06年から続く7000点超えを“19年連続”に伸ばす/マウントサックリレー

2024.04.19

十種競技・右代啓祐が7164点 06年から続く7000点超えを“19年連続”に伸ばす/マウントサックリレー

4月17日、18日の両日、米国カリフォルニア州ウォルナットで第64回マウントサックリレーの1日目、2日目が行われ、男子十種競技に出場した右代啓祐(国士舘クラブ)が7164点で14位に入った。 8308点の日本記録を持つ右 […]

NEWS 大学駅伝新年度開幕!青学大に折田壮太ら13分台6人 駒大に期待の桑田駿介 3000m障害高校新の永原颯磨は順大

2024.04.19

大学駅伝新年度開幕!青学大に折田壮太ら13分台6人 駒大に期待の桑田駿介 3000m障害高校新の永原颯磨は順大

第101回箱根駅伝に向けた新たなシーズンが開幕した。今年も各地から有力な高校生が数多く関東の大学に進学。注目の世代最強ランナーや高校記録保持者など、各校の新戦力を確認していく。 今年1月の第100回大会で駒大の2年連続学 […]

NEWS パリ五輪懸けた決戦!日本選手権1万mに塩尻和也、太田智樹、相澤晃、田澤廉、廣中璃梨佳らエントリー発表

2024.04.19

パリ五輪懸けた決戦!日本選手権1万mに塩尻和也、太田智樹、相澤晃、田澤廉、廣中璃梨佳らエントリー発表

日本陸連は5月3日に行われる第108回日本選手権10000m(静岡)のエントリーを発表した。 パリ五輪代表選考会となる今大会。男子は日本記録保持者(27分09秒80)の塩尻和也(富士通)、同2位(28分12秒53)の太田 […]

NEWS アリソン・フェリックスが第二子出産!4月10日に誕生の長男には父の名をつける

2024.04.19

アリソン・フェリックスが第二子出産!4月10日に誕生の長男には父の名をつける

元女子短距離のレジェンドであるアリソン・フェリックスさん(米国)が4月10日に第二子を出産したことを自身のSNSに投稿した。自身が望んでいたVBAC(帝王切開後の普通分娩)での出産を報告し、助産師への感謝をつづった。 現 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年5月号 (4月12日発売)

2024年5月号 (4月12日発売)

パリ五輪イヤー開幕!

page top