HOME ニュース、国内

2021.07.17

男子110mHで藤井が13秒41の日本歴代9位、男子MVPに輝く/実業団・学生対抗
男子110mHで藤井が13秒41の日本歴代9位、男子MVPに輝く/実業団・学生対抗

◇第61回実業団・学生対抗(神奈川・レモンガススタジアム平塚)

男子110mハードルは、藤井亮汰(三重県スポーツ協会)が日本歴代9位の13秒41(+0.3)で快勝し、2位の横地大雅(法大)が学生歴代3位タイの13秒45をマーク。「レベルがどんどん高くなっている中で、少しでも自己ベストを短縮して上の人に追いつきたいと思っていたので、今後につながるレースになった」と藤井が言えば、横地も「13秒4台を出せたので、今日のレースは100点」と笑顔で振り返った。

広告の下にコンテンツが続きます

藤井は6位だった日本選手権決勝で出した自己ベスト(13秒54)を、0.13秒も短縮。「スタートからうまく出られていない」レースが続いていたが、この日は「いい流れでいけた」と言う。後半にもたついた場面があったそうで、「まだまだ次がある」と思える手応えが得られたことが、何よりの収穫となった。

鳥取・倉吉総産高、順大出身の社会人3年目。国体要員として現所属となり、普段は三重伊勢市の交通グループスポーツの杜伊勢陸上競技場で、1人でトレーニングを積んでいる。

その中で、今もっとも比重を置いているのが「スプリント」だ。「こまごまとした技術の課題はありますが、今のトップ選手たちは100mでも勝負できるぐらいのスプリントがあります。やっぱりそこが上がらないと」。春先はウエイトトレーニングを重視したが、スプリントの向上とハードルのタイムがつながる今は、そこに集中している。

「1人でやっているので、タイムを取ることはできませんし、レースでも100mなどに出場する機会がないので何とも言えませんが、スプリントが上がっているなという感覚はあります」

そして何より、後輩たちから大きな刺激をもらった。日本選手権の直前に母校・順大で合宿をしたそうだが、東京五輪代表・泉谷駿介、五輪にあと一歩まで近づいた村竹ラシッドの2人には「先輩として負けじとやっているところを見せないと」と思っている。

高校時代から全国大会の入賞は何度も経験しているが、最高成績は順大4年だった日本インカレの2位。今季前半はこれで終了だが、秋には地元国体という大一番が控えている。
「今日も13秒4じゃ満足とは言えません。東京五輪の参加標準記録が13秒32。それぐらい出さないといけないと思っていますし、みんながそう思っていることがトッパー全体のレベルが上がっている理由だと思います。次に向けてのポイントはつかむことができたので、ひと夏を越えて、国体に向けてしっかりと仕上げていきたい」

13秒41でも日本歴代9位。その記録への認識が、さらなる向上心をあおる。男子MVPに輝いた藤井が、日本110mハードルのレベルをさらに引き上げていく。

■男子110mH日本歴代10傑
13.06 1.2 泉谷 駿介(順大4) 2021. 6.27
13.16 1.7 金井 大旺(ミズノ) 2021. 4.29
13.25 1.1 高山 峻野(ゼンリン) 2019. 8.17
13.28 0.5 村竹ラシッド(順大2) 2021. 6.26
13.37 0.3 石川 周平(富士通) 2021. 6.26
13.38 1.2 野本 周成(愛媛陸協) 2021. 6.27
13.39 1.5 谷川  聡(ミズノ) 2004. 8.24
13.40 0.0 増野 元太(ヤマダ電機) 2017. 6.24
13.41 0.3 藤井 亮汰(三重県スポーツ協会) 2021. 7.17
13.43 1.7 内藤 真人(ミズノ) 2007. 5.19

◇第61回実業団・学生対抗(神奈川・レモンガススタジアム平塚) 男子110mハードルは、藤井亮汰(三重県スポーツ協会)が日本歴代9位の13秒41(+0.3)で快勝し、2位の横地大雅(法大)が学生歴代3位タイの13秒45をマーク。「レベルがどんどん高くなっている中で、少しでも自己ベストを短縮して上の人に追いつきたいと思っていたので、今後につながるレースになった」と藤井が言えば、横地も「13秒4台を出せたので、今日のレースは100点」と笑顔で振り返った。 藤井は6位だった日本選手権決勝で出した自己ベスト(13秒54)を、0.13秒も短縮。「スタートからうまく出られていない」レースが続いていたが、この日は「いい流れでいけた」と言う。後半にもたついた場面があったそうで、「まだまだ次がある」と思える手応えが得られたことが、何よりの収穫となった。 鳥取・倉吉総産高、順大出身の社会人3年目。国体要員として現所属となり、普段は三重伊勢市の交通グループスポーツの杜伊勢陸上競技場で、1人でトレーニングを積んでいる。 その中で、今もっとも比重を置いているのが「スプリント」だ。「こまごまとした技術の課題はありますが、今のトップ選手たちは100mでも勝負できるぐらいのスプリントがあります。やっぱりそこが上がらないと」。春先はウエイトトレーニングを重視したが、スプリントの向上とハードルのタイムがつながる今は、そこに集中している。 「1人でやっているので、タイムを取ることはできませんし、レースでも100mなどに出場する機会がないので何とも言えませんが、スプリントが上がっているなという感覚はあります」 そして何より、後輩たちから大きな刺激をもらった。日本選手権の直前に母校・順大で合宿をしたそうだが、東京五輪代表・泉谷駿介、五輪にあと一歩まで近づいた村竹ラシッドの2人には「先輩として負けじとやっているところを見せないと」と思っている。 高校時代から全国大会の入賞は何度も経験しているが、最高成績は順大4年だった日本インカレの2位。今季前半はこれで終了だが、秋には地元国体という大一番が控えている。 「今日も13秒4じゃ満足とは言えません。東京五輪の参加標準記録が13秒32。それぐらい出さないといけないと思っていますし、みんながそう思っていることがトッパー全体のレベルが上がっている理由だと思います。次に向けてのポイントはつかむことができたので、ひと夏を越えて、国体に向けてしっかりと仕上げていきたい」 13秒41でも日本歴代9位。その記録への認識が、さらなる向上心をあおる。男子MVPに輝いた藤井が、日本110mハードルのレベルをさらに引き上げていく。 ■男子110mH日本歴代10傑 13.06 1.2 泉谷 駿介(順大4) 2021. 6.27 13.16 1.7 金井 大旺(ミズノ) 2021. 4.29 13.25 1.1 高山 峻野(ゼンリン) 2019. 8.17 13.28 0.5 村竹ラシッド(順大2) 2021. 6.26 13.37 0.3 石川 周平(富士通) 2021. 6.26 13.38 1.2 野本 周成(愛媛陸協) 2021. 6.27 13.39 1.5 谷川  聡(ミズノ) 2004. 8.24 13.40 0.0 増野 元太(ヤマダ電機) 2017. 6.24 13.41 0.3 藤井 亮汰(三重県スポーツ協会) 2021. 7.17 13.43 1.7 内藤 真人(ミズノ) 2007. 5.19

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.07

日本陸連・有森裕子会長に岡山市市民栄誉賞「本市の名を高めることに特に顕著な功績」五輪2大会メダル

岡山市は11月7日、女子マラソンで五輪2大会連続メダリストの日本陸連・有森裕子会長に、岡山市市民栄誉賞を授与し同日授与式が執り行われた。 有森会長は岡山県岡山市出身の58歳。女子マラソンにおいて、1992年バルセロナ五輪 […]

NEWS 神奈川県高校駅伝で誤誘導により4校記録無効 嘆願書提出の三浦学苑が関東大会に異例のオープン参加 高体連が認める

2025.11.07

神奈川県高校駅伝で誤誘導により4校記録無効 嘆願書提出の三浦学苑が関東大会に異例のオープン参加 高体連が認める

11月3日の神奈川県高校駅伝(横浜市のフィールド小机・日産スタジアム付設ハーフマラソンコース)で誤誘導による4校が記録無効となり、記録無効となった4校のうち三浦学苑について、高体連が関東高校駅伝(11月22日/埼玉・熊谷 […]

NEWS 仙台育英男女2連覇 地区代表は男子・八戸学院光星10年ぶり都大路、女子・東北2年連続全国切符/東北高校駅伝

2025.11.07

仙台育英男女2連覇 地区代表は男子・八戸学院光星10年ぶり都大路、女子・東北2年連続全国切符/東北高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた東北高校駅伝は11月6日、秋田県立中央公園陸上競技場で行われ、男女ともに仙台育英(宮城)が優勝を果たした。県大会1位校を除いた最上位校に与えられる全国大会の地区代表は、男子は八戸学院光星(青森 […]

NEWS 溝内里紗が愛媛銀行を退職 24年プリセス駅伝に出場

2025.11.07

溝内里紗が愛媛銀行を退職 24年プリセス駅伝に出場

愛媛銀行は、所属する溝内里紗が10月末で退部したことをチームのSNSで発表した。 溝内は徳島県出身の社会人3年目。中学から陸上を始め、全国中学校駅伝に出場。高校までは中距離をメインにしながら駅伝でも活躍した。 大学は京都 […]

NEWS コモディイイダの杉本将太が現役引退「新しい目標を立てて第二の人生をスタートさせたい」東海大卒、昨年はニューイヤー駅伝出走

2025.11.07

コモディイイダの杉本将太が現役引退「新しい目標を立てて第二の人生をスタートさせたい」東海大卒、昨年はニューイヤー駅伝出走

コモディイイダは男子駅伝部の杉本将太の現役引退を発表した。 杉本は千葉県出身で東海大望洋高から東海大を経て23年に入社。高3時には3000m障害でインターハイにも出場した。東海大では3000m障害で関東インカレ2年時に3 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top