HOME ニュース、国内

2021.07.17

長野・松本平広域公園競技場を陸上競技向けに特化へ 臨場感が高まる設計で2025年度完成予定
長野・松本平広域公園競技場を陸上競技向けに特化へ 臨場感が高まる設計で2025年度完成予定


長野県は7月16日、老朽化に伴う建て替えを進めている松本市の松本平広域公園(信州スカイパーク)陸上競技場の基本設計を公表した。既存の競技場を建て替えて、陸上競技に特化した競技場を整備するとしている。

同競技場は1977年に、翌年開催された長野国体に合わせて建設された。同県唯一の日本陸連第一種公認競技場であり、県内外のさまざまな競技会の他、近年では2016年に全日本中学校選手権(全中)が行われている。

完成から40年以上が経過し、施設の老朽化が進み、バリアフリー対応も不十分な状況だった。また、松本空港に隣接することから、建物の高さに制限があるため、第1種公認基本仕様を完全には満たしておらず、競技面や運営面などから改善を求める声があったという。

広告の下にコンテンツが続きます

2028年に50年ぶりとなる国民スポーツ大会(現・国体)や全国障害者スポーツ大会の開閉会式や陸上競技の会場を予定していることから、長野県では整備事業に着手。昨年度から基本設計を始め、陸上競技団体や障害者団体、アスリートらから意見を集めて検討を進めてきた。

基本設計によると、現在のメイン競技場を取り壊し、建て替えるかたちとなる。それによって、北側にあったメインスタンドは西側に、東西に延びていた直走路は、ほぼ南北方向となる。また、走幅跳と三段跳のピットをメインスタンド側のインフィールドに設置。アウトフィールドにピットが無いため、トラックと客席が近づき、臨場感が高まる。

バックスタンド側には棒高跳も可能なピットを2つ用意。長時間の試技に対応するため、バックスタンド下をダッグアウトにも活用する。サイドスタンドも含め、各種目に適したかたちに建設するという。このほか、雨天走路も設置。課題だったバリアフリー化もエレベーター等の設置で対応可能だ。

観客席数は約15000席と既存の20500席から減る一方で、メインスタンドの屋根は拡大。屋根に覆われる部分は約500席から約7000席分と大幅に増える。総事業費は約130億円と見込んでいる。

県では「すぐ脇にはサッカー用の球技場もある。(松本平陸上競技場を)必ずしもサッカーをしなくてもいいのではないかということで提案した。お客さんが陸上競技を楽しめて、選手のパフォーマンスを最大限引き出すことが大切」としている。

来年度に既存の競技場の取り壊し作業に入り、25年度の完成を目指している。

長野県は7月16日、老朽化に伴う建て替えを進めている松本市の松本平広域公園(信州スカイパーク)陸上競技場の基本設計を公表した。既存の競技場を建て替えて、陸上競技に特化した競技場を整備するとしている。 同競技場は1977年に、翌年開催された長野国体に合わせて建設された。同県唯一の日本陸連第一種公認競技場であり、県内外のさまざまな競技会の他、近年では2016年に全日本中学校選手権(全中)が行われている。 完成から40年以上が経過し、施設の老朽化が進み、バリアフリー対応も不十分な状況だった。また、松本空港に隣接することから、建物の高さに制限があるため、第1種公認基本仕様を完全には満たしておらず、競技面や運営面などから改善を求める声があったという。 2028年に50年ぶりとなる国民スポーツ大会(現・国体)や全国障害者スポーツ大会の開閉会式や陸上競技の会場を予定していることから、長野県では整備事業に着手。昨年度から基本設計を始め、陸上競技団体や障害者団体、アスリートらから意見を集めて検討を進めてきた。 基本設計によると、現在のメイン競技場を取り壊し、建て替えるかたちとなる。それによって、北側にあったメインスタンドは西側に、東西に延びていた直走路は、ほぼ南北方向となる。また、走幅跳と三段跳のピットをメインスタンド側のインフィールドに設置。アウトフィールドにピットが無いため、トラックと客席が近づき、臨場感が高まる。 バックスタンド側には棒高跳も可能なピットを2つ用意。長時間の試技に対応するため、バックスタンド下をダッグアウトにも活用する。サイドスタンドも含め、各種目に適したかたちに建設するという。このほか、雨天走路も設置。課題だったバリアフリー化もエレベーター等の設置で対応可能だ。 観客席数は約15000席と既存の20500席から減る一方で、メインスタンドの屋根は拡大。屋根に覆われる部分は約500席から約7000席分と大幅に増える。総事業費は約130億円と見込んでいる。 県では「すぐ脇にはサッカー用の球技場もある。(松本平陸上競技場を)必ずしもサッカーをしなくてもいいのではないかということで提案した。お客さんが陸上競技を楽しめて、選手のパフォーマンスを最大限引き出すことが大切」としている。 来年度に既存の競技場の取り壊し作業に入り、25年度の完成を目指している。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.16

中央学大がTKK株式会社とスポンサー契約 同大卒業生が代表取締役

中央学大駅伝部が「TKK株式会社」とスポンサー契約を結んだことを発表した。 同社は千葉県八千代市に本社を構え、主にプレキャストコンクリート鋼製型枠を取り扱うメーカー。中央学大卒業の安保誠司氏が代表取締役を務めており、「未 […]

NEWS 今年度限りでの「引退」を表明した村澤明伸インタビュー【前編】 大学3・4年時はトラックと駅伝の両立に挑戦したが「バランスを取るのが難しかった」

2025.12.16

今年度限りでの「引退」を表明した村澤明伸インタビュー【前編】 大学3・4年時はトラックと駅伝の両立に挑戦したが「バランスを取るのが難しかった」

全国高校駅伝で日本一に輝き、箱根駅伝は花の2区で快走。日本選手権10000mでも上位に食い込んだのが、村澤明伸(SGホールディングス、34歳)だ。紆余曲折を経て、今年度限りでの「引退」を表明したが、どんな競技生活を過ごし […]

NEWS ニューイヤー駅伝エントリー発表! トヨタ自動車は鈴木芽吹が登録も太田智樹が外れる 連覇目指す旭化成は葛西潤、Honda・小山直城、GMO・吉田祐也らエントリー!

2025.12.16

ニューイヤー駅伝エントリー発表! トヨタ自動車は鈴木芽吹が登録も太田智樹が外れる 連覇目指す旭化成は葛西潤、Honda・小山直城、GMO・吉田祐也らエントリー!

12月16日、日本実業団陸上競技連合は第70回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝/2026年1月1日)のエントリー選手を発表した。70回記念大会の今回は、例年より3チーム多い、40チームがエントリーした。 前回、5年 […]

NEWS 赤﨑優花が自身の思いと感謝綴る 移籍は「前向きな決断」「この道を正解にします」

2025.12.16

赤﨑優花が自身の思いと感謝綴る 移籍は「前向きな決断」「この道を正解にします」

12月15日で第一生命グループを退社し、夫の赤﨑暁も所属するクラフティア(前・九電工)へ移籍加入した赤﨑優花(旧姓・鈴木)が自身のSNSを更新し、改めて思いを綴った。 昨年のパリ五輪女子マラソン6位入賞の赤﨑。「決して悲 […]

NEWS お詫びと訂正(月刊陸上競技2026年1月号)

2025.12.16

お詫びと訂正(月刊陸上競技2026年1月号)

月刊陸上競技2026年1月号別冊付録「全国高校駅伝総展望」に掲載したデータに誤りがございました。 正しいデータの情報を掲載するとともに、関係者の皆様にお詫びをし、訂正いたします。 男子 今治北(愛媛) 誤 都大路学校最高 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top