HOME ニュース、国内

2021.03.18

日本室内2連覇の多田修平「日本選手権で優勝し、東京五輪へ」スタートのミスを中盤でカバー/日本選手権室内
日本室内2連覇の多田修平「日本選手権で優勝し、東京五輪へ」スタートのミスを中盤でカバー/日本選手権室内


◇日本選手権室内(3月17、18日/大阪城ホール)

日本選手権室内2日目、男子60m決勝は多田修平(住友電工)が6秒56の大会新で他を圧倒。堂々の2連覇で、東京五輪イヤーの幕開けを飾った。

予選から、他を圧倒する走りを見せた。初開催だった前回大会を制した時のタイムが6秒58で、これが大会記録だった。それを6秒57に塗り替えると、決勝でもさらに0.01秒更新。「スタートでちょっと出遅れた」そうだが、2019年に川上拓也(大阪ガス)とサニブラウン・アブデル・ハキーム(当時フロリダ大)が作った日本記録(6秒54)に迫り、「ターゲットの日本記録は更新できなかったけど、初戦としては悪くない結果」と振り返った。

昨年は、7月のシーズン開幕直後は精彩を欠くレースが多かったが、後半に向けて徐々に調子をアップ。10月の日本選手権では5位ながら、準決勝を全体のトップ通過するなど存在感を示した。その流れをうまく冬季練習にもつなげられているという。

「冬季はしっかりと走り込んだ。300m、250m、200mなどを走り込む中で、しっかりとフォームを固めることを目指した。それが中盤から後半に生きてくるというプランでやってきた。ケガもなく順調にきている」

この日のレースには、その成果がしっかりと表れた。スタートの失敗を見事に挽回。得意の先行逃げ切りだった1年前とは、内容がまったく違う。

「これまではスタートで抜け出して、その差をキープしてフィニッシュするパターンだったけど、今回はスタートで出られなくても、中盤から後半で逆転してのレースだった」。

その裏には、昨年の日本選手権、60m付近までトップを疾走しながらも終盤に4人にかわされた苦い思いがある。佐藤真太郎コーチとも話し合い、決めた冬季練習のテーマ。鍛錬の先につかんだ手応えは、大きなものになりそうだ。この日はミスが出たとはいえ、最大の持ち味であるスタートダッシュの感覚は変わっていない。

「初戦は力みのある走りだったけど、出雲、織田と重ねていって、リラックスした走りを身につけていきたい」と多田。屋外初戦は4月11日の出雲陸上を予定し、4月29日の織田記念あたりで記録を狙っていく。

「今年は9秒台を出したいと思っていますし、日本選手権までに東京五輪参加標準記録(10秒05)を突破したい。そして日本選手権で優勝し、東京五輪では決勝進出と4×100mリレーの金メダルを目指したい」

24歳のスピードスターは、今季の目標を力強く語った。

◇日本選手権室内(3月17、18日/大阪城ホール) 日本選手権室内2日目、男子60m決勝は多田修平(住友電工)が6秒56の大会新で他を圧倒。堂々の2連覇で、東京五輪イヤーの幕開けを飾った。 予選から、他を圧倒する走りを見せた。初開催だった前回大会を制した時のタイムが6秒58で、これが大会記録だった。それを6秒57に塗り替えると、決勝でもさらに0.01秒更新。「スタートでちょっと出遅れた」そうだが、2019年に川上拓也(大阪ガス)とサニブラウン・アブデル・ハキーム(当時フロリダ大)が作った日本記録(6秒54)に迫り、「ターゲットの日本記録は更新できなかったけど、初戦としては悪くない結果」と振り返った。 昨年は、7月のシーズン開幕直後は精彩を欠くレースが多かったが、後半に向けて徐々に調子をアップ。10月の日本選手権では5位ながら、準決勝を全体のトップ通過するなど存在感を示した。その流れをうまく冬季練習にもつなげられているという。 「冬季はしっかりと走り込んだ。300m、250m、200mなどを走り込む中で、しっかりとフォームを固めることを目指した。それが中盤から後半に生きてくるというプランでやってきた。ケガもなく順調にきている」 この日のレースには、その成果がしっかりと表れた。スタートの失敗を見事に挽回。得意の先行逃げ切りだった1年前とは、内容がまったく違う。 「これまではスタートで抜け出して、その差をキープしてフィニッシュするパターンだったけど、今回はスタートで出られなくても、中盤から後半で逆転してのレースだった」。 その裏には、昨年の日本選手権、60m付近までトップを疾走しながらも終盤に4人にかわされた苦い思いがある。佐藤真太郎コーチとも話し合い、決めた冬季練習のテーマ。鍛錬の先につかんだ手応えは、大きなものになりそうだ。この日はミスが出たとはいえ、最大の持ち味であるスタートダッシュの感覚は変わっていない。 「初戦は力みのある走りだったけど、出雲、織田と重ねていって、リラックスした走りを身につけていきたい」と多田。屋外初戦は4月11日の出雲陸上を予定し、4月29日の織田記念あたりで記録を狙っていく。 「今年は9秒台を出したいと思っていますし、日本選手権までに東京五輪参加標準記録(10秒05)を突破したい。そして日本選手権で優勝し、東京五輪では決勝進出と4×100mリレーの金メダルを目指したい」 24歳のスピードスターは、今季の目標を力強く語った。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.07.27

女子競歩の岡田久美子は調整順調「メダルを狙える位置。新たな挑戦でワクワクしている」/パリ五輪

パリ五輪・陸上競技に向けて日本代表選手団が7月27日午前、出国前に羽田空港で会見を行い、意気込みを語った。 2016年リオ、21年東京に続く3大会連続の五輪代表となる女子競歩の岡田久美子(富士通)は「いよいよだなという気 […]

NEWS 女子走幅跳日本記録保持者・秦澄美鈴 目標は決勝進出「自己ベストを狙っていきたい」/パリ五輪

2024.07.27

女子走幅跳日本記録保持者・秦澄美鈴 目標は決勝進出「自己ベストを狙っていきたい」/パリ五輪

パリ五輪・陸上競技に向けて日本代表選手団が7月27日午前、出国前に羽田空港で会見を行い、意気込みを語った。 女子走幅跳に出場する秦澄美鈴(住友電工)は「緊張しています」と言いながらも「シーズン初めに比べて調子が上がってい […]

NEWS 混合競歩代表の川野将虎「自分らしい粘り強い歩きで上位を目指したい」/パリ五輪

2024.07.27

混合競歩代表の川野将虎「自分らしい粘り強い歩きで上位を目指したい」/パリ五輪

パリ五輪・陸上競技に向けて日本代表選手団が7月27日午前、出国前に羽田空港で会見を行い、意気込みを語った。 男女混合競歩リレー代表の川野将虎(旭化成)は前回の東京大会に続くオリンピック。「前回から3年間。一つの集大成」と […]

NEWS 北口榛花「新たな歴史を作れるよう」田中希実「それではみんなで、よーいどん!」日本代表コメント集/パリ五輪

2024.07.27

北口榛花「新たな歴史を作れるよう」田中希実「それではみんなで、よーいどん!」日本代表コメント集/パリ五輪

100年ぶりにフランス・パリを舞台に五輪が開幕した。陸上競技は8月1日から11日までの日程で行われる。開幕に合わせて日本オリンピック委員会(JOC)は日本代表の意気込みコメントを発表した。 2大会連続出場で女子主将を務め […]

NEWS 中大ルーキー・岡田開成が3000m7分55秒41! U20歴代4位の好タイム

2024.07.27

中大ルーキー・岡田開成が3000m7分55秒41! U20歴代4位の好タイム

7月26日、中大多摩キャンパス競技場で「Summer Night Run Festival in CHUO」が行われ、男子3000mで岡田開成(中大1)が7分55秒41とU20歴代4位のタイムをマークした。 同大会はこれ […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年8月号 (7月12日発売)

2024年8月号 (7月12日発売)

W別冊付録
パリ五輪観戦ガイド&福岡インターハイ完全ガイド

page top