2025.05.18
◇セイコーゴールデングランプリ2025(5月18日/東京・国立競技場)
世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ゴールドのセイコーゴールデングランプリが行われ、女子100mハードルはトニー・マーシャル(米国)が12秒54(+0.7)で優勝。24年パリ五輪代表の田中佑美(富士通)が12秒81の自己ベストで3位に入った。
レース直後の第一声は、「速い選手が出場するレースだったので、ついていってぜひとも(東京世界選手権の)参加標準記録(12秒73)を、という気持ちはあったんですが、そこに至らなかったところがまず悔しかったです」と昨年9月以来の自己新にも喜びは少なかった。
自身の走りを「中盤でスピードが上がって対応できないスピードになると、ブレーキをかけるか、踏み切りのタイミングが外れて跳ね返されるように外に広がるかたちになる」と分析し、この日は後者のような走りになったと振り返る。ただ、「失敗でした」と言いながらも、「対応できないスピードが出たということは、今後、記録向上につながる良いきっかけかなと思いました」と、ようやく笑顔を浮かべた。
「今より速くなるのはわかるけれど、正直、どんなことをしたらどんな記録が出るか、いまいちイコールでつながっていない」と明かす。しかし、「代表争いを毎年やってきて、そのしんどさは毎年、毎年増えてきていると感じます。だからこそ、ぜひとも標準を切りたいです」と静かに力を込める。
今月下旬にアジア選手権を迎えるが、「連戦の最後になりますが、ここまで状態は悪くないので、できる力は振り絞って、今回つかんだ加速感みたいなものを繰り返すことで、そのうち記録も出てくると思います」と話す。
国内に多数いるライバルの存在が「すごく気になります」と胸の内をさらけ出す。でも、そういう時に重要なのが、自身に矢印を向けること。「『自分のことに集中できるかどうか選手権』を自分で開催して、自分のレースに集中していきたいです」。収穫と課題を手に、田中は次の決戦地へと向かった。
文/小野哲史
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.06.22
東洋大・緒方澪那斗が10000m全体トップ 西村真周も続く/あおもりDC記録会
2025.06.22
ダイソー・岩本真弥監督の『還暦を祝う会』世羅高時代の教え子ら約140人が集って盛大に開催
2025.06.17
2025中学最新ランキング【男子】
-
2025.06.17
2025.05.28
女子10000mがレース途中で異例の中断!! 大雨と雷の影響も選手困惑/アジア選手権
-
2025.06.04
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.06.22
東洋大・緒方澪那斗が10000m全体トップ 西村真周も続く/あおもりDC記録会
有力大学の選手が多数エントリーしたあおもりディスタンスチャレンジ記録会が6月22日に行われた。 男子10000m3組目は緒方澪那斗(東洋大4)が28分27秒50の自己新でトップだった。これまでの自己記録は高3の時に出した […]
2025.06.22
ダイソー・岩本真弥監督の『還暦を祝う会』世羅高時代の教え子ら約140人が集って盛大に開催
広島・世羅高を全国高校駅伝で男女を合わせて6度の日本一に導き、現在は実業団のダイソー女子駅伝部を率いている岩本真弥監督の『還暦を祝う会』が6月22日、広島市内のホテルで行われた。 世羅高時代の教え子やダイソーの選手、スタ […]
2025.06.22
ディーン元気 今季初大台の80m20!シーズンベストで日本選手権に弾み/WAコンチネンタルツアー
世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ブロンズのクオルタネゲームズ(フィンランド)が行われ、男子やり投にディーン元気(ミズノ)が出場した。 気温の低いコンディションのなか、ディーンは3回目にシーズンベストとなる77m83 […]
2025.06.22
男子100m渡邊隆喜が10秒39!県大会の雪辱果たすV 女子100mは松本真奈が前田さくら抑える/IH中国
広島インターハイ出場を懸けた中国地区大会の2日目が行われ、男子100mでは渡邊隆喜(広島国際学院3)が大会記録および自己記録を更新する10秒39(+1.3)で優勝を飾った。 レースは広島県大会優勝者の荒谷匠人(近大東広島 […]
2025.06.22
清水空跳 悪条件ものともせず100m10秒39!阪真琴は女子400mHも制して3冠/IH北信越
◇インターハイ北信越地区大会(6月19~22日/福井・福井県営陸上競技場)3日目 広島インターハイを懸けた北信越大会の3日目が行われ、男子100mでは、昨年のインターハイ2位で今年5月に10秒20をマークしている清水空跳 […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会