2025.02.02
◇第108回日本選手権・室内(2月1、2日/大阪城ホール)2日目
日本選手権室内の2日目が行われ、男子三段跳は山本凌雅(JAL)が16m23をジャンプして優勝した。
1回目にファウルながら大きなジャンプを見せた山本。2回目に優勝記録を跳び、4回目にも16m16。昨年の日本選手権王者・安立雄斗(福岡大院)に1cm差に迫られたが逃げ切った。2019年のこの大会を16m16で制して以来、実に6年ぶりのビッグタイトルだった。
「もう終わりかなって何回も思ったし、辞めたいと何度も思いました」
2013年の東京国体で、高校生初の16mジャンパーとして扉を開いた。桐生祥秀(日本生命)や土井杏南(JAL)らと同学年で、大きな期待を寄せられた黄金世代の一人。順大進学後も学生歴代4位の16m87をマークし、ロンドン世界選手権にも出場したり、台北ユニバーシアードで銅メダルを獲得したり、一線級で活躍してきた。
だが、その後は何度もケガに泣いた。19年には復活の兆しを見せたが、その後にあった左脚疲労骨折は長引き、22年度は試合にも出場できず。思いっきり踏み切ったり走ったりするのも怖さがあり、トレーニングが積めなかった。
だが、昨年はラストチャンスと意気込んだ5月の大会で久しぶりに16m超え。土壇場で日本選手権出場も決めた。「秋も感覚は悪くなかったのですが、まとめきれなかった」。この冬は熊野陽人コーチが「ようやくケガなくトレーニングが積めました」と言い、今大会も「調整せずに冬季練習の確認でこのスピードに対応できた」と手応え十分だった。
苦しい時期に熊野コーチはじめ、「周囲の人が絶対に辞めるなって言ってくれたので、その言葉だけでここまでやってこられました」。今季は「もちろん、東京(世界選手権)に出たいです」と言いつつ、「最終目標ではありますが、まずは日本選手権で勝つこと。勝ちきるための身体と跳躍を完成させていきたい」と足元を見つめる。
苦難の日々を超えて戻ってきたトリプルジャンパー。2017年以来の日本選手権優勝や16m後半のジャンプを実現すれば、高校時代に扉を開いたあの時とはまた違った大きな意味と価値がある。
【動画】日本選手権室内男子三段跳 山本の優勝跳躍
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.13
編集部コラム「あっという間の2025年」
-
2025.12.13
-
2025.12.13
-
2025.12.13
-
2025.12.07
-
2025.11.20
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.13
編集部コラム「あっという間の2025年」
攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム?? 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタッフが週替りで […]
2025.12.13
箱根駅伝15年ぶりV狙う早大が合同取材会 花田勝彦駅伝監督「状態上がっている」 山口智規「大手町を楽しみにしてほしい」
箱根駅伝で15年ぶりの総合優勝を狙う早大が12月13日、埼玉・所沢キャンパスで合同取材会を開いた。 この日は撮影と共通取材、個別取材を実施。共通取材で花田勝彦駅伝監督は「今年もかなり良いかたちで準備ができたと思っています […]
2025.12.13
連覇か、V奪回か?「ニューイヤー駅伝2026」に挑む強豪3チームの意気込み/旭化成・トヨタ自動車・富士通
2026年の幕開けを飾る全日本実業団対抗駅伝(通称・ニューイヤー駅伝)は、第70回の記念大会として1月1日、前橋市にある群馬県庁前をスタートし、上州路をぐるりと回って県庁に戻る7区間・総距離100kmのコースで行われる。 […]
2025.12.13
ロス瑚花アディアが60m7秒48のユタ州立大新記録 東京・城西高出身で今秋から留学中
12月10日に米国・ユタ州でブリガム・ヤング大で行われた同大学招待競技会室内女子60mで、ロス瑚花アディア(ユタ州立大)が7秒48で4位に入った。従来のユタ州立大記録38年ぶりの更新となる。 ロスは東京・駒沢中から城西高 […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025