HOME 国内

2025.01.01

東京五輪20kmW代表の河添香織が現役ラストウォーク「やっと終わった。長かったなという思い」/元旦競歩
東京五輪20kmW代表の河添香織が現役ラストウォーク「やっと終わった。長かったなという思い」/元旦競歩

25年元旦競歩に出場した河添香織

◇第73回元旦競歩(1月1日/東京・神宮外苑絵画館20km競歩路コース)

一般女子10kmには、この大会限りで現役引退を表明している河添香織(自衛隊体育学校)が出場した。

多くの競歩仲間やチームメイトが見守るなか、12位(49分09秒)でレースを終えた河添。「きつかったあ」。しかし、充実感に満ちた笑顔だった。

広告の下にコンテンツが続きます

21年東京五輪20kmに出場した河添。だが、近年は座骨の痛みが長引き、「動きが崩れて思ったように全然歩けない状態が続いていました」。その中で胸の中には「結果が出せない選手は辞めたほうがいいんじゃないか」と思っていたという。「自分の中にこれを成し遂げたい目標もなくなっていました」と語る。

24年度はチームのサポートに回ることが多く、「空いている時間に練習していた感じで気持ち的には引退していた」と河添。「しれっと辞めようかなと思っていましたけど、周りから『ちゃんと引退レースしたほうがいいんじゃないか』とアドバイスがあって、こういうかたちにしました」。現役を振り返って「やっと終わったな、長かったなという思い」と語った。

大住中(京都)時代に中長距離に励み、全国都道府県女子駅伝では8区を務めて優勝メンバーに名を連ねた。しかし、「区間順位が悪くて、高校入ったら自分の力で日本一になりたい」と思ったという。京都・立命館宇治高で競歩を始めると記録を一気に短縮したが、2年時インターハイ5000m競歩決勝で失格。「来年は絶対優勝するという気持ちが出て」、翌3年時のインターハイ(2013年)は優勝を果たした。「体現できて良かったです」。その3年時のインターハイの優勝レースが13年間の競歩選手生活で一番印象に残るレースに挙げた。

昨年6月にはチームメイトで、世界選手権に3大会連続出場している同学年の野田明宏(自衛隊体育学校)と入籍。引退後は新年度から自衛官の教育部門に約10ヵ月間入り、訓練を受けるという。

レース後には夫の野田や谷井孝行コーチから花束を受け取った河添。レースには次の世界を目指す後輩たちも多数出場しており、「競技人生を終える時にやり切ったなと思えるようにがんばってほしい」とエールを送っていた。

◇第73回元旦競歩(1月1日/東京・神宮外苑絵画館20km競歩路コース) 一般女子10kmには、この大会限りで現役引退を表明している河添香織(自衛隊体育学校)が出場した。 多くの競歩仲間やチームメイトが見守るなか、12位(49分09秒)でレースを終えた河添。「きつかったあ」。しかし、充実感に満ちた笑顔だった。 21年東京五輪20kmに出場した河添。だが、近年は座骨の痛みが長引き、「動きが崩れて思ったように全然歩けない状態が続いていました」。その中で胸の中には「結果が出せない選手は辞めたほうがいいんじゃないか」と思っていたという。「自分の中にこれを成し遂げたい目標もなくなっていました」と語る。 24年度はチームのサポートに回ることが多く、「空いている時間に練習していた感じで気持ち的には引退していた」と河添。「しれっと辞めようかなと思っていましたけど、周りから『ちゃんと引退レースしたほうがいいんじゃないか』とアドバイスがあって、こういうかたちにしました」。現役を振り返って「やっと終わったな、長かったなという思い」と語った。 大住中(京都)時代に中長距離に励み、全国都道府県女子駅伝では8区を務めて優勝メンバーに名を連ねた。しかし、「区間順位が悪くて、高校入ったら自分の力で日本一になりたい」と思ったという。京都・立命館宇治高で競歩を始めると記録を一気に短縮したが、2年時インターハイ5000m競歩決勝で失格。「来年は絶対優勝するという気持ちが出て」、翌3年時のインターハイ(2013年)は優勝を果たした。「体現できて良かったです」。その3年時のインターハイの優勝レースが13年間の競歩選手生活で一番印象に残るレースに挙げた。 昨年6月にはチームメイトで、世界選手権に3大会連続出場している同学年の野田明宏(自衛隊体育学校)と入籍。引退後は新年度から自衛官の教育部門に約10ヵ月間入り、訓練を受けるという。 レース後には夫の野田や谷井孝行コーチから花束を受け取った河添。レースには次の世界を目指す後輩たちも多数出場しており、「競技人生を終える時にやり切ったなと思えるようにがんばってほしい」とエールを送っていた。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.04

パリ五輪競歩代表・濱西諒がサンベルクス退社 「再び日の丸を背負って戦うために」

24年パリ五輪男子20km競歩代表の濱西諒が12月1日に自身のSNSを更新し、所属していたサンベルクスを11月末で退社したことを発表した。 濱西は大阪府出身で、履正社高から競歩に取り組み、国体優勝など早くから頭角を現した […]

NEWS 飯塚翔太がラオスで陸上競技指導 「飯塚翔太リレーカーニバル」も開催

2025.12.04

飯塚翔太がラオスで陸上競技指導 「飯塚翔太リレーカーニバル」も開催

東京世界選手権男子200m代表の飯塚翔大(ミズノ)が11月30日から12月3日まで、ラオスを訪問。4日にリモートで現地で行った活動について報告会見を行った。 飯塚はJICA(国際協力機構)が進める「スポーツを通じて世界平 […]

NEWS 世界クロカンU20日本代表が決定!新妻遼己、本田桜二郎、宇都宮桃奈ら男女各6名で世界に挑戦

2025.12.04

世界クロカンU20日本代表が決定!新妻遼己、本田桜二郎、宇都宮桃奈ら男女各6名で世界に挑戦

日本陸連は12月4日、米国・タラハシーで開催される世界クロスカントリー選手権(2026年1月10日)のU20日本代表を発表した。 11月30日の京都陸協記録会内で行われた選考会の上位選手を中心に選考され、男子は今季のイン […]

NEWS 世界陸連が走幅跳のルール変更を断念 「テイクオフゾーン」提案も選手からの反発強く

2025.12.04

世界陸連が走幅跳のルール変更を断念 「テイクオフゾーン」提案も選手からの反発強く

世界陸連(WA)が検討していた走幅跳のルール変更案について、選手からの反発などを受けて撤回されたことを英ガーディアン紙が報じた。 走幅跳では、20cmの踏み切り板とその先に10cmの粘土板が敷かれ、踏み切り板と粘土板の境 […]

NEWS 北口榛花、村竹ラシッド、鵜澤飛羽のJALトリオ参戦!1/2放送「木梨憲武のスポーツKING」自転車、プロ野球、バド世界王者と対決

2025.12.04

北口榛花、村竹ラシッド、鵜澤飛羽のJALトリオ参戦!1/2放送「木梨憲武のスポーツKING」自転車、プロ野球、バド世界王者と対決

2026年1月2日放送の「木梨憲武のスポーツKING!」に、JALの北口榛花、村竹ラシッド、鵜澤飛羽が参戦することがわかった。 現役トップアスリートやレジェンドが、木梨憲武らと異種競技バトルを繰り広げる正月恒例の特別番組 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top