HOME 編集部コラム

2024.11.08

編集部コラム「ロードレースのおもしろさ」

毎週金曜日更新!?

★月陸編集部★

攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!

広告の下にコンテンツが続きます

第264回「ロードレースのおもしろさ(井上 敦)


トラック&フィールドのシーズンがほぼ終了し、ロードシーズンに突入しています。

ロードレースとなれば、そのほとんどが公道を使います。トラックではスピード感が出たり、同じところを周回するので、相手の位置関係がわかるなど、プラスの面もありますが、グルグルと周回し続けるので、それが心理的なストレスにもなります。一方、ロードレースとなれば、1本の道をひたすら突き進み、景色も変わり、走りやすいという人も多いでしょう。

また、平坦なトラックと異なり、起伏の激しいところがコースになっている大会もあり、それを得意とするランナーも出てきます。

最近は地図アプリを活用して、標高や、高低差を確認できるようになりました。高校駅伝は各地で予選会を行っていますので、私の場合、好記録が出ると、気象条件を踏まえながら、コース図を広げて、アップダウンのあるところか、比較的平地なのかを調べることが増えました。

この前取材でお邪魔した千葉県高校駅伝は、旭市の東総運動場(陸上競技場)が発着点とすべての中継点となっています。どの区間も競技場から公道に出て折り返して競技場へ戻る設定です。競技場周辺こそ平坦ですが、大半がアップダウンの連続。標高差で40mぐらいあり、ペースがつかみにくいです。実際に車で通ったこともありますが、選手は本当に大変だなと思いました。

それだけに、先日のレースで八千代松陰の鈴木琉胤選手が1区(10km)を28分台を突っ走ったのは、その走力の高さをあらためて実感しました。場内アナウンサーの方が絶叫したのが、よくわかります。

また、宮城県高校駅伝は今年、栗原市で行われましたが、ほとんどが平坦で急坂はありません。ただ、コースの半分ぐらいが水田地帯を通るので、風の影響は受けやすいです。数年前の会場だった岩沼市は海岸に近いところがコースで、水路などの橋を除けばほぼフラットです。

全国高校駅伝が行われる京都のコースもバラエティに富んでいます。アップダウンが続くわけではありませんが、最も低いところと高いところでは標高差70m以上あります。男子の1区はそこを上っていきますし、3区は比叡山に向かうように上りが続きます。

そういったトラックにはないロードレースの特徴が、レース内容をおもしろくして、多くの人が興味を持つところなのでしょう。昔は町単位のマラソンや駅伝など各地で頻繁に行われてきました。

ただ、最近は公道を使用するレースについて、開催するハードルが高くなってきています。

交通事情の変化や、走路員の確保、走者の安全確保が難しくしているようです。私の出身地・新潟でも、1948年から始まった県駅伝が昨年の大会をもって幕を閉じました。また67回を数える県マラソン選手権も今年で終了します。

高校駅伝も、公道に出ることなく、広い総合運動公園の中の周回コースを使う大会が増えてきました。コロナ禍を契機に、走路員数の確保が難しく、公道を止めたところもあります。

効率化、経費、競技人口の減少など理解はできますが、これも長年積み上げてきた文化みたいなもの。ずっと続いてほしいです。

井上 敦(いのうえ あつし)
1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。中学で陸上部に入部して最初は100mを始めたものの、夏には400mに転向し、結果的には県大会に進めなかった。しかし、3年秋の駅伝で区間賞獲得やチームの県大会出場をきっかけにまたまた転向を決意。高校は中距離をメインに、2年の県新人戦1500mで6位に入ったのが最高成績だった。

過去の編集部コラムはこちら

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。 暇つぶし程度にご覧ください!

第264回「ロードレースのおもしろさ(井上 敦)

トラック&フィールドのシーズンがほぼ終了し、ロードシーズンに突入しています。 ロードレースとなれば、そのほとんどが公道を使います。トラックではスピード感が出たり、同じところを周回するので、相手の位置関係がわかるなど、プラスの面もありますが、グルグルと周回し続けるので、それが心理的なストレスにもなります。一方、ロードレースとなれば、1本の道をひたすら突き進み、景色も変わり、走りやすいという人も多いでしょう。 また、平坦なトラックと異なり、起伏の激しいところがコースになっている大会もあり、それを得意とするランナーも出てきます。 最近は地図アプリを活用して、標高や、高低差を確認できるようになりました。高校駅伝は各地で予選会を行っていますので、私の場合、好記録が出ると、気象条件を踏まえながら、コース図を広げて、アップダウンのあるところか、比較的平地なのかを調べることが増えました。 この前取材でお邪魔した千葉県高校駅伝は、旭市の東総運動場(陸上競技場)が発着点とすべての中継点となっています。どの区間も競技場から公道に出て折り返して競技場へ戻る設定です。競技場周辺こそ平坦ですが、大半がアップダウンの連続。標高差で40mぐらいあり、ペースがつかみにくいです。実際に車で通ったこともありますが、選手は本当に大変だなと思いました。 それだけに、先日のレースで八千代松陰の鈴木琉胤選手が1区(10km)を28分台を突っ走ったのは、その走力の高さをあらためて実感しました。場内アナウンサーの方が絶叫したのが、よくわかります。 また、宮城県高校駅伝は今年、栗原市で行われましたが、ほとんどが平坦で急坂はありません。ただ、コースの半分ぐらいが水田地帯を通るので、風の影響は受けやすいです。数年前の会場だった岩沼市は海岸に近いところがコースで、水路などの橋を除けばほぼフラットです。 全国高校駅伝が行われる京都のコースもバラエティに富んでいます。アップダウンが続くわけではありませんが、最も低いところと高いところでは標高差70m以上あります。男子の1区はそこを上っていきますし、3区は比叡山に向かうように上りが続きます。 そういったトラックにはないロードレースの特徴が、レース内容をおもしろくして、多くの人が興味を持つところなのでしょう。昔は町単位のマラソンや駅伝など各地で頻繁に行われてきました。 ただ、最近は公道を使用するレースについて、開催するハードルが高くなってきています。 交通事情の変化や、走路員の確保、走者の安全確保が難しくしているようです。私の出身地・新潟でも、1948年から始まった県駅伝が昨年の大会をもって幕を閉じました。また67回を数える県マラソン選手権も今年で終了します。 高校駅伝も、公道に出ることなく、広い総合運動公園の中の周回コースを使う大会が増えてきました。コロナ禍を契機に、走路員数の確保が難しく、公道を止めたところもあります。 効率化、経費、競技人口の減少など理解はできますが、これも長年積み上げてきた文化みたいなもの。ずっと続いてほしいです。
井上 敦(いのうえ あつし) 1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。中学で陸上部に入部して最初は100mを始めたものの、夏には400mに転向し、結果的には県大会に進めなかった。しかし、3年秋の駅伝で区間賞獲得やチームの県大会出場をきっかけにまたまた転向を決意。高校は中距離をメインに、2年の県新人戦1500mで6位に入ったのが最高成績だった。
過去の編集部コラムはこちら

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.19

世界陸上銅の勝木隼人がエントリー 女子は前回Vの谷純花ら/元旦競歩

東京陸協は26年1月1日に開催される第74回元旦競歩(兼東京選手権競歩)のエントリー選手を発表した。 男子20kmには、9月の東京世界選手権35kmで銅メダルに輝いた勝木隼人(自衛隊体育学校)がエントリー。23年ワールド […]

NEWS 箱根駅伝Stories/東海大のスピードスター・兵藤ジュダ リベンジの1区で「やっぱり区間賞がほしい」

2025.12.19

箱根駅伝Stories/東海大のスピードスター・兵藤ジュダ リベンジの1区で「やっぱり区間賞がほしい」

新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 失意から復活、トラックで勢い 前回の箱根駅伝予選会で総合14位に終わ […]

NEWS 箱根駅伝Stories/前回の雪辱期する中央学大・市川大世 「区間5位以内を目指して積極的な走りを」

2025.12.19

箱根駅伝Stories/前回の雪辱期する中央学大・市川大世 「区間5位以内を目指して積極的な走りを」

新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 全日本では4人抜きの力走 3年ぶりに11月の全日本大学駅伝に戻ってき […]

NEWS 箱根駅伝Stories/過去最高順位を見据える城西大 強力4年生軸に「アッと驚くような試合がしたい」

2025.12.19

箱根駅伝Stories/過去最高順位を見据える城西大 強力4年生軸に「アッと驚くような試合がしたい」

新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 主要区間の経験者残る 前回6位の城西大がチーム最高成績の3位以内を目 […]

NEWS 予選会と5000m平均はともに仙台育英トップ 2番手は学法石川 鳥取城北は安定感/全国高校駅伝・データ編男子

2025.12.19

予選会と5000m平均はともに仙台育英トップ 2番手は学法石川 鳥取城北は安定感/全国高校駅伝・データ編男子

男子第76回全国高校駅伝(12月21日/京都・7区間42.195km)に出場する58校を都道府県大会と地区大会で出されたタイムと、5000mのチーム内上位7人の平均タイム(12月上旬判明分)でランキング化した。 男子レー […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top